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~怪談~『見つめる者』

『見つめる者』



私がこの前まで住んでいたアパートでの話です。
場所は小田急線の沿線です。
引っ越してきてから初めて異変を感じたのは
友達を泊めたときのことです。
朝 友達が深刻な顔をして

『昨日の夜何か感じなかった?』

と言うんですよ。
私は 別に何も感じませんでした。
(後で聞いたら 誰かがずっと彼女に話しかけていたそうです。)

しばらく 何事もなく過ごしていました。
そして あの運命の日が来たんです。\
その日は珍しく朝から大忙しで
仕事が終わって 家にたどり着いたのは夜の10時くらい。
疲れていたのでそのまま布団に潜り込みました。
うとうととしたころ
急にテレビの電源がついたんです。
私のテレビにはタイマーなんてついていないので
気味が悪かったんだけど
テレビのスイッチをけして
気にしないようにして また布団に潜りました。
すると 今度は耳元で声が聞こえる。
確かに隣の音が聞こえることはあるけど
そんな感じじゃなくて
はっきりと
布団の横に人がいて
私の耳に口を近づけて語りかけてくるような感じでした。
布団をかぶって耳を押さえているのに
確かに聞こえる。
最初ははっきりと言葉にならないで
ごもごも という感じだったんですけど
だんだん言っている言葉がはっきりとしてくる。

『ゆるさない ゆるさない ゆるさない ゆるさない
 ゆるさない ゆるさない ゆるさない ゆるさない』


私は初めての体験に
何も出来ずに布団の中でふるえていました。
結局 そのまま朝になって
明るくなっているのが分かりました。
そのうち 目覚ましがなって
会社に行く時間が近づいていることに気づいたんです。
今日は 会社を休もうかななんて思って
何気なく天井を見ました。

私は気を失うということを初めて体験しました。

天井に張り付いていたんです。
所々 血で染まった白いワンピースを着た
女の人が....

目を かっと 見開いて

こちらを見つめているのを...

気がつくと もうお昼頃でした。
あわてて 会社に連絡をして
その日は休ませてもらいました。
さすがに怖かったんで
次のアパートにひっこすまでは
友達のところを泊まり歩いてしまいました。

今考えてみると
そのアパートでいろいろなことがありました。
1.シャワーを浴びていたとき 急に熱湯になってやけどしそうになりました。
2.お風呂場に長い髪の毛が一束ばさっとありました。
  (私はショートです)
3.無言電話がかかってくる。
4.気のせいかもしれませんけど 誰かに見られているような
  感じがずっとしてました。(天井から!?)

そのことを 友達に言ったら
『普通はおかしいと思うよ』と言われました。
でも 今いるところはそういうことがないので
安心です。


 

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