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~怪談~『霊はどこにでもいる』

『霊はどこにでもいる』



私の友達のM田は、友達の中でも気の合うやつです。
高校のクラスメートになってからですから、
かれこれ10年以上のつきあいになります。
そのM田というやつですが、実は幽霊とかをよく見るやつなんです。
ある日、遊びで山に行った帰り道のことです。
雨の中、止めていた車に近づくと
後ろの方で小さな女の子が
傘も差さずにうずくまっているのに気づきました。
あたりに人影も見えないし、
おかしいなとは思ったんですが、
どうしたのかと思い声をかけようとしたとき、
M田が私の腕を引っ張って強引に車に乗せました。\
そして、M田は車を急発進させ、
ものすごいスピードで走らせました。
私は訳が分からず、M田に
『どうしたんだよ』と聞きました。
するとM田は
『あれは ふつうじゃない』
『あれには 関わらない方がいい』
とだけ言いました。
私はそう言われて、
ああ あれは霊だったんだなと思いました。
でも、あのときのM田のあわて方からすると
あまり、たちのいい霊ではなかったらしいです。
私が霊を見たのはそのときが最初でした。
それから、別の日に
Y川が新しいアパートに引っ越したので、
引越祝いに遊びに行ったときのことです。
その部屋に入ってから、
M田の様子がおかしいことに気づきませんでした。
しばらくすると、M田は
『悪い、今日は用事があるんで』
と言い残してそそくさと帰っていきました。
私たちは、それから騒いで帰りました。

数日後、Y川が漏らしていました。
『あの部屋に引っ越してから
 なんか変なんだよな... 』
話を聞いてみると、こういうことだそうです。
夜、部屋で一人でいると
人の声が聞こえる。
確かに締めておいたはずの蛇口から
全開で水が流れる。
もちろん部屋の中には誰もいないし、
アパートの壁が薄いといっても
隣からというより、耳元でささやく感じだそうです。
私はピンときてM田を問いただしたところ
やっぱり、M田は気づいていたそうです。
あそこの部屋に入ると目の前に
子供と手をつないだ女の人が立っていて、
M田と目があったそうです。
悪い霊ではなさそうだけど、あの部屋で座っていると
自分の顔をのぞき込まれて嫌だったそうです。

M田が言うには
霊はどこにでもいるんで、
あまり気にしなくても大丈夫だよ
と言っていました。

 

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