「奈々子さん!」
ルミ子は、夢で見てるんじゃないか、と頬っぺたをつねった。痛かった!
「―良かった!無事だったのね!」
「何とかね」
と、奈々子言った。「この人、リヒャルト。私のこと、助けてくれたの。けがしてるけどね」
「ありがとう…。もうだめかと思った!」
「遠くで見ててね。何だかルミ子さんみたいだと…。一体どうしたの?」
どっちも、話すことは山ほどある。しかし、今は、思い出話にふけっているときじゃなかった。
「ペーターの奴よ!あのインチキ野郎!」
「え?ペーター?」
奈々子は、ルミ子の話を聞いて、唖然とした。
ペーターが敵の一味?-何てことだろ!
私にキスまでしておいて!図々しい!
少々見当違いの怒りに、顔を真赤にしていたが…。
「私の方もびっくりよ」
と、奈々子は言った。「あの車のトランクに忍び込んで来たの」
「誰の車?」
「それがね…」
と、奈々子は言いかけて、「しっ!車が出る」
男が二人、車に乗り込むと、走り出し、森の中の道を抜けて行く。
「-どこへ行くのかしら?」
と、ルミ子が言った。
「見当つくわ」
「え?」
「きっと、美貴さんを迎えに行くのよ」
と、奈々子は言った。
「じゃあ…私が人質になったから?」
「たぶん。-でも、真相はどうなのか、見当もつかないわ。リヒャルト」
「ヤア」
「あんたが頼り」
と、奈々子は言って、リヒャルトの頬にキスした。「ともかく、様子をみましょう」
「姉さんが連れて来られたら…」
「たぶん、何もかも分るわ。-三枝さんのことを、美貴さんは知っていたのか、どうか」
「三枝さんのこと…?」
「あの車に乗っていたのは、三枝さんだったのよ」
ルミ子は唖然とした。
「じゃ…生きてたの?」
「生きてたどころか。-あの連中のボスって感じね」
「ひどい!」
「平気で人も殺す奴よ。私たちは運が良かったけど」
と、奈々子は言った。「-三枝さん、ペーター、みんな敵か。こっちはけがしたリヒャルトと、機関銃が一つ。いい?ルミ子さんは逃げるのよ、何があっても」
「奈々子さんは?」
「私はね、まあ―死んでも、別に困る人はいないし…」
「そんなのだめよ!」
「放っておけない!あんなに冷酷に人を殺すなんて!」
奈々子は怒っていた。本気で怒っていた。
夜の寒さも、気にならないくらい、体の内に怒りが燃えていたのである。
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“奈奈子姐!”
留美子觉得不是在做梦吧,掐了自己脸一下。果然很疼!
“——太好了。你没事啊。”
“算是吧。”
奈奈子说。“这个人叫リヒャルト。帮助我的人。但他受了伤。”
“谢谢。我以为要交代这了呢。”
“我在远处看就觉得像留美子你。到底怎么回事?”
从哪说起的话都是一箩筐。但是,现在不是沉迷在回忆故事里的时候。
“皮特那家伙!那个骗子!”
“啊?皮特?”
奈奈子听完留美子的话后无语了。
皮特和那些人是一伙的?——怎么会这样!
明明和我亲吻了的!羞死了!
由于一步看错的羞怒,奈奈子脸变得血红。。。
“我也吓了一跳。”
奈奈子说。“悄悄潜入在那辆卡车来到这的。”
“谁的车?”
“那是。。。”
奈奈子没说完,“嘘!车出来了。”
俩个男人登上车,一直朝林中小路开走了。
“——这是要去哪?”
留美子问。
“我大概知道。”
“哪?”
“肯定是去接美贵的。”
奈奈子说。
“那,我成人质了?”
“大概是的。——但是,具体真相怎么样,还不能确定。リヒャルト。”
“呀。”
“靠你了。”
奈奈子说着,在他的脸颊上亲了一口。“暂且,我们去看看究竟吧。”
“姐姐被带过来的话。。。”
“大概,一切会真相大白的。——美贵要是知道三枝先生的事会怎么样呢?”
“三枝先生的事?”
“那辆车上坐的人,就是三枝!”
留美子无语。
“那,,,他还活着?”
“何止是活着。——我觉得还是那帮人的头呢。”
“过分!”
“他是杀人不眨眼的人,还好我们运气好。”
奈奈子说。“——三枝,皮特都是我们的敌人啊。我们这边只有一个受伤的リヒャルト,一挺机关枪。对吗?如果有什么事,留美子赶紧逃。”
“那,奈奈子姐呢?”
“我啊,我死就死,反正也没人担心我。”
“那可不行。”
“决不能放任他不管!竟然那么冷酷的杀人!”
奈奈子愤怒了!真的愤怒了!
虽然是在寒冷的夜里,但他体内的怒火在燃烧着!
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