日本語表現文型(031～040)

jinjin

031 ＊～がする

( C# k6 P" E! s  ~! G五感・感覚を表す名詞 ：　×　　＋　　がする
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 がしない

♪　会話　♪

李　：あれっ、どうしたの？なんだか顔色が悪いような気がするなあ。
百恵：ええ、夕べから少し寒気がするの。
+ |8 R1 p8 _% K$ I0 P李　：どれどれ、あれっ、すごい熱だ。早退して医者に行った方がいいよ。仕事も大切だけど、体を壊しちゃ元も子もないよ。
" z" F. r# X( ]$ J- Y6 W( {  C
- S* I& n, F+ @

♯　解説　♭

　「～がする」は「～を感じる」を意味しますが、前につく名詞は「味・臭い・声・音・～感じ・気・寒気・光…」など、五感で直接感じる対象です。
8 K) \% M- B% r4 s) y　「不安・怒り・喜び・危険」など抽象的・心理的対象は「不安を感じる」のように「～を感じる」を使います。この表現は「～を覚（おぼ）える」を使っても表せますが、少し古い言い方になります。→例題1)

3 g9 k- @* m% k/ V0 P2 z

§　例文　§

１．隣は今留守のはずなのに、人の声がしました。
２．誰でも褒められたら悪い気はしないものだ。
３．私の家は道路の側にあるので、真夜中まで車の音がして、慣れないうちは眠れなかった。
４．なんだか変な味がするよ。これ腐ってるんじゃないか。
５．第六感というか、嫌なことが起こりそうな感じがする。
/ ~( T' q$ v! f* H1 ^

★　例題　★

1)　あっ、稲光が（感じた／した）わ。夕立になるかもしれない（から／ので）、ねえ、あなた、早く帰り（ます／ましょう）よ。
% a# M3 ^$ x* o( i2)　同じ過ち（　）何度も繰り返す（　）は、あきれ果てて、怒る気も（する→　　　　）。
9 K/ G7 @: k- j" m2 g+ [5 _

# y7 t* ?2 t7 S% i9 i

(^^)前課の解答(^^)

9 O2 L7 `; x/ Y6 p* r1)　起ころう／ものなら（「万一～」は仮定文型）／恐れ（→文型020）
/ a( {" ^. h, r5 g8 S2)　落後した／はい（→文型003）／の（→文型354）

032 ～かそこら／～辺り／～足らず／～余り

数詞：　×　　＋　　かそこら　　①
% l8 V- A% _5 c9 K5 ?/ j+ Y* }名詞：　×　　＋　　辺り　　　　②
- X) p% c" F  o数詞：　×　　＋　　足らず　　　③
数詞：　×　　＋　　余り　　　　④
: C8 F1 I3 M3 [6 N. M

♪　会話　♪

良子：あ～あ、寒い。今朝なんか五度かそこらだったのじゃないかしら。マフラーを買わなきゃ。
5 B1 I/ @8 T' g. |李　：この辺りにはセンスのいい店がないね。アメ横辺りで買えば一万円でお釣りが来るだろう。行ってみる？
$ R/ v/ r# q2 b良子：買ってもらえるなら、どこでもいいわよ。いつものあそこで、５時半に待ち合わせましょうよ。
# R2 n3 K( c. L0 Y

♯　解説　♭

　接尾語「～かそこら」は「～くらい」（→文型071）と同義ですが、その数量を軽視する話者の受け止め方があります。ですから、「この家は五千万円かそこらで買えるよ」と言えば、その人にとって五千万円は大金ではありません。
　ここで概数を表す表現＜数量詞＋くらい・かそこら・ほど・ばかり・足らず・余り＞を整理しておきましょう。
' R/ ?. T6 |* R: }- O$ L) ]　　十日±α　　＝　十日かそこら
　　十日≧α　　＝　十日足らず
& e6 g  n" I5 L" V　　十日≦α　　＝　十日余り
8 `, H1 [/ ^- R) ]　「～辺り」は名詞（時／ところ／人／こ・そ・あ）について大体の見当・推測を表すのですが、「付近・周囲」という意味の「辺り」から派生しています。

§　例文　§

１．東京から京都まで、あっという間だよ。新幹線で三時間かそこらで着くんだから。
1 ^9 b, _, b/ n8 A  h２．あなたにとっては十万円かそこらは小遣い銭でも、私にとっては大金よ。
３．駅まではあっても二キロ足らずだよ。歩いて行こうよ。
４．この仕事には田中君辺りが、適任ではないでしょうか。
, t9 F5 r4 m1 s+ _５．確か、ここら辺りに置いたはずなんだが、ないなあ。

9 K. U# m2 @9 y( n) q  U, j

★　例題　★

1)　来年（かそこら／辺り）、大阪支店に転勤という（ことになる／ことになり）そうだから、その（つもり／はず）でいてくれ。
2)　10分余り（　）仕事も片づくから、ちょっとここ（　）待っていて（いただく→　　　　）ないかしら？
/ B4 L4 V, a7 Q0 _( K- g
$ w* N* _/ \( z; D8 k

(^^)前課の解答(^^)

1)　した／から（文末が意志表現）／ましょう（勧誘・提案）
5 `' {$ _! d; S  W1 U, n0 P( N2)　を（他Ｖ）／と（～とは②→文型242）／しない
" h( Z* U+ j# J) s) G  n8 `' B
3 F4 h4 E3 A, ]8 `- ?
3 n$ P' e3 i. b- t$ U

2 L; G  H1 B9 P- y5 V- m4 M8 O

033 ＊～か、それとも～か／＊～か、或いは～か／～か、または～か

6 ?, m% F3 {& K1 l; p9 \% J. l2 L; }名詞　　　　：　　　　×　　　　　＋　　か、それとも～か
動詞・形容詞：普通形＜ナ形ー×＞　　　　か、或いは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　か、または
$ _5 u3 n- ]* h5 r6 b, v7 f2 a4 J4 n
7 y) V% _8 W) A& x1 H$ \0 }

♪　会話　♪

良子：小平も一人部屋をほしがってるし、広い所に引っ越すか、それとも思い切ってマンションを買うか、決めなくてはいけないわね。
李　：今の給料じゃ、どちらも無理だよ。
+ O' x8 n2 j7 p; w. G良子：あ～あ、甲斐性のない夫を持つと、妻が苦労するわねえ。いっそ、夫を取り換えようかしら？

, A* d+ y  Y& u+ Q5 _! j% h

♯　解説　♭

　これらの文型は例文１～３のように疑問句ＡとＢを対比させ、どちらか一方の選択を求める場合に用います。この場合、「Ａか、それともＢ」「Ａか、或いはＢか」「Ａか、またはＢか」は同じように使えます。
　しかし、「それとも」は二者択一の時にしか使えません。なお、「或いは」「または」には例文４、５のようにそれ以外の用法があり、その場合には「それとも」が使えません。それ以外に次のような違いがあります。→例題1)
: }5 j: {% J; r- s0 w# j　＜AもＢも、どちらも＞
$ p1 X1 r% t$ ~　　英語も、或いは（×それとも／×または）中国語も通じない。
' d- U' u. h2 \, M　＜AでもBでも、どちらでもいい＞
9 ]1 z9 u7 P1 }9 j( n' z3 }5 j　　円或いは（×それとも／○または）ドルで支払ってください。

9 P5 W" v. o7 J

§　例文　§

１．バスで帰ろうか、それとも歩いて帰ろうか？
0 u7 b; t" Z4 `6 u2 Y  y+ p２．中華料理にするの、それとも和食にするの。
３．突撃して活路を開くのか、或いは降伏して命ごいをするのか、もはや道は二つに一つだ。
４．泣いて詫びようが、或いは（×または／×それとも）いくら慰謝料を払おうが、君の犯した罪は消えない。
５．この署名欄には、日本語か、または（⇔或いは／×それとも）英語で御記入ください。

, E3 [* C. Q7 c/ x5 W3 N+ U

★　例題　★

1)　海外ビジネス（において／について）は、現地語（または／それとも）英語ができ（なくて／ないと）困る。
2)　参加するの（　）、それともしないの（　）、この場ではっきり返事をして（もらう→　　　　　）ませんか。
1 H/ A# q5 w! B

8 d) B& j& n1 p4 z7 I3 x

(^^)前課の解答(^^)

1)　辺り（「Ｎ＋」に注意）／ことになり（様態の「そうだ」）／つもり
. Q! v) J; T+ x7 z/ r9 I. Y+ q2)　で／で／いただけ（可能形を使うと依頼）

: P4 g: m3 B. g4 A# e- [

034 ＊～難い

# q1 [* i7 J! v2 [- R0 ?動詞：［ます］形　　＋　難い
0 m0 b- Z& Q: a0 q8 m
  W8 A, c  t( b$ g8 F) x

♪　会話　♪

佐藤：初代の中国事務所の所長を、課長から打診されたんだけど、日本は住みやすいので離れたくないよ。
李　：離れ難いのは日本ではなくて、真理さんなのと違うかい？でも、どこでも「住めば都」だよ。
; R2 j* |9 x% P0 o1 O, D5 s. l佐藤：所長だなんて急に言われても、にわかには受け難いよ。気持ちの準備もできていないしさ。

♯　解説　♭

　「～難い」は「～するのが困難だ」と意味ですが、人間の心理・思考面を表していて、実際は「しようとしても～できない」不可能な事態を表します。この点が類義表現「～にくい」（→文型306）との大きな違いで、「～にくい」は「難しいが、しようと思えば～できる」事態を表しています。→例題1)
9 P$ d6 H0 W" Y! |+ n　　その要求は受け入れ難い。　≒　受け入れられない
　　その要求は受け入れにくい。≒　受け入れられないことはない
: E  t2 k+ w( V, ^7 L; b; ~5 ^% n0 q

§　例文　§

１．信じ難いことだが、彼は会社の金を使い込んでいたそうだ。
/ L1 B/ D( O* o２．彼は得難い人材だ。会社の将来は彼のような若者の肩にかかっている。
３．耐え難きを耐えてこそ、忍耐と言える。
４．これはちょっと言葉では表し難い珍味ですなあ。
５．君の企画案は単なる思いつきに過ぎず、具体的なプランもない。これでは採用し難いね。

0 Z$ S5 H- O4 m. y2 b3 N

★　例題　★

1)　もしこの交渉（が／を）決裂（すれば／しても）、両国の全面的な軍事衝突は、もはや避け（難く／にくく）なる。
2)　香港の夜景の（美しい→　　　　）は、正に筆舌（　）（尽くす→　　　　）　難いものだった。


* E7 F% C# G, }2 H% T

(^^)前課の解答(^^)

1)　において（→文型291）／または／ないと（理由か条件か）
  y0 w6 h: g0 Z4 q( B( R; T2)　か／か／もらえ（可能形を使った依頼）


* v( S# U+ m4 F; M) w

035 ～かたがた

名詞：　×　　＋　　かたがた
8 x4 G" [, h! F, n) K
5 ?8 f; c: M( q

♪　会話　♪

山田：打ち合わせを早めに切り上げて、工場見学かたがたお花見に行かないか。夕日を浴びながらのお花見。たまにはのんびりしようじゃないか。
+ n( Z6 d+ m* ?  P& H佐藤：おやおや、お花見かたがたの工場見学と言った方が正確じゃないの？困った方々だなあ。
5 t7 J5 Y" p. R* |山田：行きたいなら、がたがた言わないこと！
: ^) G. F, |' v9 B1 O; v6 E
- }! G$ b  O  R1 t7 h; g' C

♯　解説　♭

　「～かたがた」は「ＡかたがたＢ」の形をとり、同一主語文で使われ、同一時間帯のなかで「Ａをする機会を使って、Ｂをする」並行動作を表します。丁寧な語感なので、手紙や公式の会話で多く使われます。同義表現に「～がてら」（→文型038）があり、こちらは日常会話で 多く使われます。どちらも動作Ａが主で動作Ｂが従の関係にあります。
$ N- I5 a( [1 |$ T1 z+ j- O5 @　　　散歩かたがた（・がてら）、話しましょう。
! ]( f" c# L3 \8 @9 b+ P& m　「ＡついでにＢ」（→文型163）も似た意味を表しますが、Ｂは付け足しの行為で異なる時間帯の動作です。→例題1)

§　例文　§

１．夕涼みかたがた、図書館に寄ってみた。
２．墓参りかたがた、幼友だちに会って来ようと思う。
/ g: K  K. S7 j& f6 N- h３．お願いかたがた、近況御報告まで。　敬具
. H. ?5 W$ u2 C' D/ n. Z- y４．近くに来るついでがございましたので、先日のお礼かたがた、お伺いしました。
５．上海出張かたがた、足を伸ばして黄山に登ってきた。

# f" K3 C+ ^- r% q6 |

★　例題　★

1)　近日中に（お／ご）挨拶（のついでに／かたがた）、（お　　／ご）伺い（になりたい／したい）と思っ（ております／ていらっしゃいます）。
2)　お寺参り（　）かたがた、浅草へ（遊ぶ→　　　　）に（行く→　　　　　）みませんか。
$ N6 N6 v# e8 y" M* |# `% x
$ r: @5 s% e# D5 w# K0 M- J0 E
, Q% n- E& f- Q& i2 Z/ N

(^^)前課の解答(^^)

1)　が（自Ｖ）／すれば／難く（不可能の意味の方が自然）
2)　美しさ（Ｎの形）／に／尽くし（「筆舌に尽くしがたい」は慣用語）

( W6 J; F2 V: _8 U8 \% n6 Z) ]

036 ～かたわら

( o6 \7 i4 @, o名詞：　の 　　＋　 　かたわら
# o0 w" K8 s; K0 q0 `動詞：原形
4 a- X9 t( M/ ~: ?

♪　会話　♪

課長：新聞でも紹介されていたけど、田中さんは仕事のかたわら、自治会の会長としても地域で大活躍だね。李　 ：奥さんも、中国帰国者に日本語を教えているボランティアグループのリーダーらしいです。
課長：有能な男のかたわらに良妻ありというところだな。君も地域活動で中国語を活かしてみたら？

4 r# s" C# t, x* i

♯　解説　♭

　「ＡかたわらＢ」は「Ａする一方でＢする」とほぼ同義表現ですが、動作Ａと動作Ｂは異なる時間帯で行われ、しかも習慣的な行為に用いることが多いでしょう。この点がＡとＢが同一時間帯で行われる並行動作を表す「～ながら」（→文型269）と異なっています。→例題1)
　　歩きながら（×かたわら）タバコを吸う。
　その他、「かたわら」には会話中の「男の傍（かたわ）ら」や「母が料理を作るかたわらで、子供たちが遊んでいる」のように「側」という場所も表します。

; D- I) G# U+ f' R7 F$ G' r& c

§　例文　§

１．彼は会社に勤めるかたわら、英語学校で勉強している。
3 Z. {" F. Q( a6 R/ r0 x8 \' {２．Ａ社は不動産業のかたわら、飲食店も経営している。
; }7 Q1 P0 @7 _/ W; h３．あの人は農業のかたわら、農閑期は演奏活動もしているシンガー・ソング・ライターよ。
7 v, O5 ^' g" r; R: z8 q４．あいつは嫌な奴だ。本人の前では胡麻をするかたわら、裏で陰口をたたいている。
５．子育てのかたわら書きつづった随筆が、ベストセラーになった。

+ L/ Y1 \5 g( W' L

★　例題　★

1)　休日（ぐらい／ほど）は、音楽でも（聴きながら／聴くかたわら）、のんびり過ごしたい（こと／もの）だ。
8 Z! V/ v! [$ |( k6 g8 ~2)　留学生の（多い→　　　）は大学（　）通うかたわら、学費を稼ぐ（　）（　）にアルバイトもしている。
' l$ G9 ^# h. U( z0 [9 b: ]
$ |/ J3 l  u! Q
" P. n# ^/ `" r, Q

(^^)前課の解答(^^)

1)　ご／かたがた（～ついでに→文型163）／お／したい／ております
2)　×／遊び（「ます形＋に行く」）／行って（→文型197）
5 v: U7 f6 w) j

037 ＊～がちだ

# J" h/ G" O& d$ \9 e& P/ R+ u( ~1 h名詞：　×　　　　　＋　　 がちだ
7 M8 H; `) X0 |. J, L動詞：［ます］形　　　　 　 がちなことだ
" R; V  g& s0 \6 E4 [/ _/ A　　　　　　　　　　　　　 がちの　　＋　　名詞
. N$ [) D1 p) F# O4 C

♪　会話　♪

課長：君、この頃元気がないね。いつもの君らしくないので、部長と心配しているのだよ。
8 F/ o( Q8 K9 q4 s' S( I1 y李　：子供がよく熱を出すので、どこか悪いのではないかと心配で。医者は何でもないと言っているのですが。
* S% @; m2 B& B6 Y9 o# K( d課長：子育てに慣れないうちは、親もあれこれ悩みがちだが、小さな子にはありがちなことだよ。
- F/ Z/ _9 W$ x$ s
* Y; ~! V, {3 w7 l

♯　解説　♭

　「～がちだ」は「～する傾向がある」「よく＜回数＞～する」という意味を表す表現で、述べられることは良くない傾向です。例えば、下の例のように良い傾向には「よく～する」を使ってください。○　あの人は、よく公園をジョギングしている。×　あの人は、公園をジョギングしがちだ。
　ほぼ同義語に性向を表す「～嫌いがある」（→文型063）がありますが、この表現は回数が多いことや一時的現象には使えません。

4 E7 u& g4 u3 }6 p! e

§　例文　§

１．この種の間違いは、初心者にありがちなことだ。
２．この子は小さい頃から病気がちで、しょっちゅう医者通いをしていました。
0 J6 d) f7 A. N３．明日は午後から、曇りがちの天気になるでしょう。
2 `4 q; g2 V. x/ F7 J4 A5 C４．疲れているときは、不注意による事故が起こりがちだ。
! I2 K# ?$ d3 b５．ふと浮かんだアイディアというのは忘れがちだから、必ずメモに残すことにしている。
  h1 N& D' a8 [
1 d; I) C/ N5 @' s4 b; V

★　例題　★

1)　若いうち（は／に）、正義心から、（とかく／とにかく）極端に（走る／走り）がちだが、理想論だけで世の中は変わる（こと／もの）じゃないんだよ。
2)　その人は遠慮（　）（　）に、　「あのう、ここ（　）タバコを吸ってもいいですか」（　）私に聞いた。

3 W. `: Q$ `: l# f3 _, M
0 A: J- E: q0 _; o6 E  h

(^^)前課の解答(^^)

1)　ぐらい（最低限→文型072）／聞きながら／もの（→文型130）
2)　多く（「多く」はＮ）／に／ため（目的の「ため｝→文型152）


+ }$ D: D( r3 D: w

* P+ A( P& W( |( ], l& B' x6 z

038 ～がてら

名詞：　×　　　　　＋　 　 がてら
9 |! {/ e; ?/ m0 K- u( J+ I1 q& a動詞：［ます］形

♪　会話　♪

李　 ：夕涼みがてら、井の頭公園でも散歩しないか。
良子：男の人って優雅でいいわねえ。女の私はどこへ行くにも買い物がてらよ。
李　：わかった、わかった。ついでに吉祥寺の街に出て、夕食の材料も買って来よう。荷物は僕が持つからさ。
良子：ねえ、夏物の服も買っていいかしら？

♯　解説　♭

　「～がてら」は「Ａをしている時間を使って、Ｂをする」と言う意味を表す表現で、同一時間帯のなかで、主たる動作Ａに並行して、従たる動作Ｂをすることを表現します。
　また、同義表現の「～かたがた」（→文型035）、「～ついでに」（→文型163）も併せて参照してください。なお、このふたつの文型は同時並行動作は表せません。
' E  b  @4 J; F5 N* e; K. v6 Q  v　散歩がてら（・かたがた／・ のついでに）本屋に寄る。
4 T( W) _; W% w5 u' ?　散歩がてら（・かたがた／×のついでに）話をしよう。
( A3 E& C: i' h' J+ y

§　例文　§

１．神社のお祭りを見物がてら、夜店でものぞいてこようよ。
8 `" \( T# A3 X( {２．中国旅行がてら、教え子に会って来ようかと思う。
/ E* {, H- z# y３．私は毎朝この道をジョギングがてら、思い浮かんだことを俳句にしている。
- e* o5 Q2 T' z8 {４．市場調査がてら都内の繁華街を冷やかして歩くのが、まあ、私の道楽のようなものです。
５．料理を作りがてら、聞くともなく聞いていたラジオから、　　懐かしい歌が流れてきた。
4 N0 Y) ?4 Y$ L4 |% D; @
, E4 `! G1 ^' N  I5 d" y

★　例題　★

1)　Ａ君は病気療養中との（こと／もの）だから、見舞い（ながら／がてら）、家に寄って（みる／みよう）よ。
2)　（散歩する→　　　　　　）がてら、古本屋に（寄る→　　　　　　　）、本を数冊（買う→　　　　）来た。
! b# s4 `7 e' Q# u

(^^)前課の解答(^^)

1)　は／とかく（傾向）／走り／もの（～ものではない→文型420）
& i- r0 o# N+ c" M5 q8 g  S) X2)　がち／で／と（内容・発言を取り上げる「と｝）
) j. }" F1 y  w' {6 L
! b& _1 K% E0 z7 D

039 ～かと言うと／～かと言えば

8 {% i1 m5 \1 Y7 s# F/ J: \なぜ　　～　名詞　　　　：　　　　×　　　　　＋　かと言うと
どう　　　　動詞・形容詞：普通形＜ナ形 ー×＞　　 かと言えば
どうして
どちら

♪　会話　♪

李　：ねえ、どちらの服が似合う？
+ H$ J' o: A* @7 W4 t  [( k良子：どちらかと言えば、右手に持っている明るい色の方がいいと思うわ。若々しくていいんじゃない？
( Y: A! i5 o% \0 d李　：少し派手じゃないか？
- [5 V) ^: I, y; O. `* a. C良子：そんなことないわよ。日本のサラリーマンは黒っぽいのとか、灰色っぽいのとか、とにかく地味すぎるのよ。
" @( f" r6 h8 r8 X, s2 R
; x9 ]2 l# z% o6 G9 n3 |

♯　解説　♭

　「～かと言うと／～かと言えば」は疑問詞と呼応して、「～のことに関して語れば」という意味を表します。多くは「なぜ～かと言うと～からだ／どうして～かと言えば～からだ」のように理由を述べることが多いのですが、「どう／どちら／どんな…」などとも一緒に使うことができます。
　なお、「なぜかと言うと／どうしてかと言うと」などの接続詞もここから生まれています。例文５のように、希に疑問詞を含まない用例もありますが、相手方にとって意外なこと、想像もしなかったことを表すことが多いでしょう。

§　例文　§

１．どちらが好きかと言えば、やはり僕はこちらの方ですね。
5 p4 x" i$ S4 F7 n２．誰が適任かと言えば、やはり山田君以外にいないだろう。
; `6 g# r" p7 }9 B３．日本語の学習にはどんな方法が一番いいかと言うと、とにかく丸ごと暗記することでしょうね。
1 |8 V# q7 y6 [４．成功の秘訣ですか？どうすれば夢を実現できるかと言うと、そうですねえ、夢を持ち続けることでしょうね。
５．親が教師だから、その息子も勉強ができるかと言えば、　　そうとばかりは言えないようです。
1 w4 E: N$ e) s7 |0 w4 O

★　例題　★

1)　なぜ僕（は／が）怒っているかと（言えば／言って）、君が自分の失敗を人のせいに（する／しよう）とするからだ。
, F8 m* `+ f. d8 T- S3 l5 x& j2)　お金があるから幸せ（　）と言う（　）、一概にそうとは（言える→　）わけです。
: F# ~; g/ c: j1 d' \% B# |  t
7 j; G; {5 V3 z3 X* T' V
1 U/ [8 F9 c6 J+ f: X) d3 m6 q

(^^)前課の解答(^^)

1)　こと（～とのことだ→文型209）／がてら／みよう（勧誘・提案）
( `/ ^; A% H; N7 A  M  C2)　散歩し／寄って（＝～て、それから）／買って（→文型181）
) m: z9 _) |( A' m2 X
: U, M# _, _+ p

040 ＊～かどうか／～か否か

+ P: t! }+ `" u7 n7 b名詞　　　　：　　　　×　　　　 ＋ か否か
( v2 V  _1 z+ W  R動詞・形容詞：普通形＜ナ形ー×＞　　 かどうか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かどうかにかかっている
7 W: q* U& M' H. C; Y+ ?　　　　　　　　　　　　　　　　　　 か否かにかかっている
$ f  {/ W* A2 S

♪　会話　♪

良子：その人が成功するか否かは、何によって決まるのかしら。あなた、どう思う？
2 U) i. o, V$ ~- g3 p  `李　：才能があるかどうかじゃないのかなあ。いくら努力しても駄目な人もいるしね。それに運もあるなあ。
) A% s* E* S' I! a良子：でも、「玉磨かざれば光なし」って言うし、努力なくして成功はあり得ないと思うわ。
% Z' u' w( y) }& o2 P
; t! T1 a# v0 {  ]$ d0 z

♯　解説　♭

　「～か否か」は文語表現で、口語の「～かどうか」と同義です。また例文５のように「（～かどうか／～か否か／～如何）にかかっている」の形もよく使われますが、この「～にかかっている」は「～によって決まる」を意味します。
. \; ]$ K  g1 ~7 c: Y: v$ C　合格するかどうか（・か否か）は、努力するか（・か否か）にかかっている。
+ v/ E, X0 h) S- S) O" t: m
! d" D+ Z* h/ u( R; e; F

§　例文　§

１．それが事実かどうか、調査する必要がある。
7 U6 f3 B+ o8 A8 h5 ?/ T２．賛成か否か、自分の意見をはっきり言いなさい。どっちつかずは卑怯です。
３．原発を存続させるか否かをめぐって、国論は真っ二つに割れている。
４．やるか否かは、状況如何にかかっている。
５．この製品が売れるかどうかは、宣伝が充分かどうかにかかっている。
! a4 s  l! g" I, j, }

★　例題　★

1)　勝てる（や否や／か否か）は天（のみ／しか）ぞ知るだよ。やってみなく（たって／ちゃ）わからないさ。
2)　おいしい（　）どう（　）は食べてみればわかる。実践　　こそ真理に近づく道では（ある→　　　）まいか。

/ q4 y& m- |( H  l6 d$ n
: k5 x# ?$ |% g/ G; `- f+ S% S3 J4 {( ~

(^^)前課の解答(^^)

1)　が／と言えば／しよう（→文型441）
2)　か／と／言えない（陳述副詞：一概に～とは言えない）