春闘―後半戦で巻き返せ
春季加薪战——下半场卷土重来(春季賃金闘争の略語。日本每年春季,工会要求提高工资为中心进行的全国性共同斗争。)
スタンドの歓声を背に助走に入ったものの、逆風が吹きだして失速し、目標のバーを落としてしまった。
将观众席的欢呼声置于身后开始助跑,但却因刮起的逆风影响速度而撞掉了横杆。
春闘の前半戦は、こんな尻すぼみに終わった。大手製造業の賃上げは、多くが前年並みにとどまった。3年連続の賃上げとはいえ、渋い結果である。
春季加薪战的上半场就像跳高这样虎头蛇尾地结束了。其中,大部分大型制造业的加薪幅度与去年持平。这场加薪战虽持续了3年,但结果却很惨淡。
賃上げを通じて、輸出と設備投資の好調を内需拡大へつなぐ。例年になく強い期待が今春闘には寄せられていた。日本経団連も久しぶりに賃上げ容認の姿勢を示し、期待はさらに膨らんだ。最終盤には、福田首相が御手洗冨士夫・経団連会長を官邸へ呼んで、賃上げを要請する猛プッシュを見せた。
通过加薪,借助出口和设备投资的良好势头扩大内需。对于今年的春季加薪战,民众给予了强烈期望。日本经济团体联合会(简称经团联)时隔多年同意加薪,使得期望值又进一步攀升。并且,在最终盘福田首相还把经团联会长御手洗富士夫(みたらい ふじお)传入府邸,亲自为这场加薪战推波助澜。
だが、米国から吹きつけた金融不安の逆風にはかなわなかった。株安と円高が波状的に進み、きのうは1ドル=100円を突破した。日本の景気の先行きにも不安感が広がっている。米国発の動揺はもっと強まる気配である。
然而,这些都未能抵过来自美国金融危机的逆风。股票下跌与日元升值一波未平一波又起,昨天日元对美元汇率顶破100比1大关,投资者对日本经济前景的担忧加剧。此次金融危机仍有继续增强趋势。
世界的な環境悪化に経営側が身構え、財布のヒモを締めたのはやむを得ない面がある。とはいえ、企業は全体として5年連続の好業績を続けている。いまはその蓄積を家計へ回し、内需を柱とした成長路線へ構造転換する好機にある。それを逃すとしたら残念だ。
在世界性的环境恶化中,节约资金、做好防备是经营者不得不采取的措施。但纵观企业整体,却仍保持着连续5年来的良好势头。现在国家正处于经济结构转变的大好时机,应该把这笔资金投放给民用,并着重发展以内需为支柱的发展路线。如果错过这次机会,将非常遗憾。
ここは、これからの後半戦に期待をつなぐことにしよう。
现在假设在接下来下半场的加薪战中,我们能够达成愿望。
商業やサービス業、中小企業では、これから交渉が本格化する。内需依存度が高い産業群だ。経営側には、景気全体のことも考えて判断してほしい。
即将在高度依赖内需的商业、服务业中小型企业中展开正式交涉。希望经营者也能从经济整体出发,做出判断。
組合側も大手のリードに頼るのではなく、取れるものはきちんと取る気構えが必要だ。大手の組合も中小の組合の活動を支援するなど、賃上げのすそ野を広げるよう気を配るべきだ。
工会不能依靠大的领导者,自己能争取的东西必须自己去争取。反过来,大型工会也应该支援中小型工会的活动,注意扩大加薪范围。
今後の焦点は、非正規社員の待遇改善にある。賃上げ抑制で残った原資は、非正規社員へ回す余地があるはずだ。
今后的焦点在于改善非正式员工的薪资待遇问题。用于控制加薪所剩的基本经费应该可以投放到这里。
連合の集計では、パートなどの待遇改善を訴えている組合が、前年より100多い415組合にのぼる。非正規雇用の人たちの自立のためにも、雇用構造に生じているゆがみを是正するためにも、これからが踏ん張りどころだ。
联合统计结果显示,要求改善零时工待遇的工会组织比去年增加了100家,达到415家。从现在开始不仅要着手纠正雇用结构中的弊端、也要帮助非正式雇用工人使他们自立。
賃上げの原資を、働き方の改善に使う試みも目につく。松下電器産業では、キャリア形成や健康維持などに役立つ支援金にあてる。社員のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)への配慮である。三菱重工業は原資をすべて業務成績に応じて配分し、社員のやる気を引き出そうとしている。こうした試みはもっと広がってほしい。
我们注意到有的企业正在尝试将这个经费应用到改善工作方法中。比如,松下电器公司把它作为援助金,用于促进员工职业生涯的形成和维持员工健康等方面。这是对员工“工作、生活、平衡(工作与生活的和谐)”的一种照顾。而三菱重工企业则把它按业绩进行分配,用于激发员工的劳动积极性。我们希望这种尝试能得到广泛推广。
残業代の割増率の引き上げに力を入れた組合も多かった。残業のコストを高めて長時間労働を抑制する狙いだが、電機産業などでは継続協議に終わった。
还有很多工会组织致力于提高员工的加班费。他们的目的是想通过提高加班成本,缩短工人劳动时间。但这在电机等企业已以继续协商而告终。
経営側は残業代を引き上げても時短効果はないと主張するが、理解しがたい論理だ。時短につなげられるかどうかは、経営側の働かせ方いかんによるのではないだろうか。
经营者强调即使提高加班费,对缩短工时也没有多大效果。这个理论令人难以理解。因为能否缩短工时,不正是由经营者的工作方法决定的吗? |