B級アイドル・タレント→小室哲哉との奇跡的な邂逅→超人気シンガーへ→小室氏との蜜月終焉→没落→TV番組『電波少年』でのアメリカ修行→復活。このように、華原朋美ほどドラマティックな人生を歩んでいるシンガーが他に存在するだろうか。そして、彼女ほど私生活と本業がまったくもって表裏一体の関係にある人物も珍しい。ゆえに我々は、「I'm proud」(96年)、「Hate tell a lie」(97年)、「as A person」(99年)、「Never Say Never」(01年)……数々の楽曲を耳にする度、リリース当時の彼女の状況を思い出し目頭を熱くするのであった。
――そういう意味で、華原朋美は非常に稀有なタイプのアーティストだと思う。ついつい応援してしまうんだな。また、その独特のキッチュさをもったヴォイス/歌唱法も大きな魅力のひとつではないか。突発的なファルセットやドスを効かせたシャウトなんて特に。 |