▼大地ほどガンコではなく、空ほど浮気でもない。海はほどよく、望郷の思いと異郷への夢を満たしてくれる。東京湾に満ちるのは「日本の水」だが、それはアマゾン河口やマルセイユの港にもつながっている
不象大地那样顽固,也不象天空那样无常。大海恰好满载着我对故乡的思念和对异国的梦想。虽说装满东京湾的是“日本的水”,但这水却也连接着亚马逊河口和马赛港。
▼作家の向田邦子さんは「凄(すご)みはないがやさしくていい」祖国の海を好んだ。「外国の海は、波ひとつにしても外国語で打ち寄せるのである」と、多くの日本人の心情を巧みに代弁した(随筆「細長い海」)
作家向田邦子热爱祖国的大海“(海)并不可怕是很温柔的”。她所说的“外国的海,即便是一个浪花一也要用外语卷滚而来”这句话,巧妙地代言了众多日本人的心声。(随笔《细长的海》)
▼向田さんが知らない21世紀の海には、世界共通の音を響かせて、環境と生態系をむしばむ波が寄せる。米英豪などの研究チームによると、サンゴ礁をつくるサンゴの種類の3分の1が絶滅の危機にあるという。水温の上昇、酸性化、汚水流入などのしわざらしい
在向田女士不为所知的21世纪的大海中,引起了世界的共鸣的,蚕食环境和生态系统的波浪滚滚而来。根据美英澳等国的研究团队(的研究结果),据说制成珊瑚礁的珊瑚种类的3分之1已经濒临绝灭的危机。这都是水温的上升,酸性化,污水污染所干的“好事”。
▼海をたたえる歌に、加山雄三さんの「海 その愛」がある。〈海よ俺(おれ)の海よ/大きなその愛よ/男の想(おも)いをその胸に抱きとめて/あしたの希望(のぞみ)を俺たちにくれるのだ〉。岩谷時子さんによる詞は、紺碧(こんぺき)の包容力に勇気をもらい、前向きに生きてゆく姿を描いてやさしい
在歌颂大海的歌中,有一首加山雄三先生的“海 那份爱”的歌。“大海啊我的大海啊/巨大的海之爱啊/将男人的思念包含在心中/带给我们明天的希望”。岩谷时子女士所创作的词,也描写了碧海的包容力带来了勇气,勇往直前的生活姿态,非常优美。
▼そう、海はおおらかだ。「だった」と言うべきか。核実験を重ねようが、タンカーの油が漏れようが、いつも自然の回復力が帳尻を合わせてくれた。しかし、抱きとめられる愚行や過ちにも限りがあろう。その深い懐に甘えられた日々も、どうやら終わりが見えてきた
是的,大海是胸怀宽广的。应该说是“曾经(胸怀宽广)”吧。不断重复的核试验也好,油船的漏油事件也罢,总是用自然的恢复力量来销账。但是,紧随的愚蠢行为和过失也总该有个限度的吧。被那胸怀宽广的大海所包容宠爱的日子,也终将看到结束的一天。
▼夏休みに埋没しがちな祝日ではあるが、きょうの海の日くらいは、病める惑星に思いをはせたい。なにしろ、海や空はどこまでもつながっている。世界にも、未来にも。
容易埋没在暑假里的海之日(注:“海之日”原本是7月20日,03年开始变成7月第三周的周一),在象今天这样的海之日,想要缅怀这颗患病的行星。无论如何,大海和空气会连接到任何地方,无论是全世界还是未来。 |