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桃太郎 4 ?# z" M% B9 Q+ L
# T; e) G" h8 ?6 \楠山正雄
0 b" O/ [& a' \& o# O1 @
0 u$ E% q: Y) w 一* z" m, [+ i3 ~) S5 y( O P9 F( j$ o
' l0 i: o3 F8 D, d/ i むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。まいにち、おじいさんは山へしばか刈りに、おばあさんは川へせんたく洗濯に行きました。
( L5 _" H4 s6 g' v) V' p' K ある日、おばあさんが、川のそばで、せっせとせんたく洗濯をしていますと、かわかみ川上から、大きなもも桃が一つ、
' p: N5 Y% Q* d# H, P) _+ O; I+ U7 }「ドンブラコッコ、スッコッコ。
U6 [: w- m2 X3 n) K* Cドンブラコッコ、スッコッコ。」' G: B3 G7 @1 z% E
となが流れてき来ました。" O7 z3 c( n, }1 C2 B& P) _
「おやおや、これはみごとなもも桃だこと。おじいさんへのおみやげに、どれどれ、うちへも持ってかえ帰りましょう。」) Q- @+ n2 _/ T8 d2 m: y' Y9 L
おばあさんは、そうい言いながら、こし腰をかがめてもも桃をと取ろうとしましたが、とお遠くって手がとどきません。おばあさんはそこで、
8 V* O- {- g" t( w: T q. X+ a# g「あっちのみいず水は、かあらいぞ。
6 F+ b. Q- ~4 \* iこっちのみいず水は、ああまいぞ。- n! B( K+ x4 U- u" A
かあらいみいず水は、よけてこ来い。6 ^0 E5 [2 n# s" J9 V
ああまいみいず水に、よってこ来い。
% A: E9 r8 v H" u8 Y) H7 C とうた歌いながら、手をたたきました。するともも桃はまた、
" o, v. r) Y; h7 @ }: X- d5 O4 ?$ v「ドンブラコッコ、スッコッコ。8 B& o0 }* z' `* Y
ドンブラコッコ、スッコッコ。」2 n' B- R0 n: {! J( z8 l) ]
といいながら、おばあさんのまえ前へなが流れてき来ました。おばあさんはにこにこしながら、' {" b5 g3 J- E' ^3 v% q# t
「はや早くおじいさんとふたり二人でわ分けてた食べましょう。」
J+ N1 K9 |% R/ w, u. q) T+ K とい言って、もも桃をひろいあ上げて、せんたくもの洗濯物といっしょにたらいの中にい入れて、えっちら、おっちら、かかえておうちへかえ帰りました。
* A$ X7 C! u, |- ] ゆうがた夕方になってやっと、おじいさんは山からしばをせお背負ってかえ帰ってき来ました。
7 m0 c* {2 D! c4 A「おばあさん、いま今かえ帰ったよ。」+ B9 J% p2 i: _5 A/ u5 @& E; o
「おや、おじいさん、おかいんなさい。ま待っていましたよ。さあ、はや早くおあ上がんなさい。いいものをあ上げますから。」* j) N+ }, X1 M6 I# O& y# E# j2 x2 B
「それはありがたいな。なん何だね、そのいいものというのは。」" ~' |- Y2 I# S+ [: y: N9 T I! _7 Z
こういいながら、おじいさんはわらじをぬいで、上にあ上がりました。そのま間に、おばあさんはとだな戸棚の中からさっきのもも桃をおも重そうにかかえてき来て、
# H) p: l5 }7 K" \0 m9 n$ g* F「ほら、ごらんなさいこのもも桃を。」
$ u4 a" e% z* X% g& ^ とい言いました。
7 j; A9 }- ~5 G& P) C, J「ほほう、これはこれは。どこからこんなみごとなもも桃をか買ってき来た。」
$ E( Z8 E+ T6 _4 f+ E9 A「いいえ、か買ってき来たのではありません。きょう今日川でひろ拾ってき来たのですよ。」3 T) }2 A: u- b! P* V
「え、なに、川でひろ拾ってき来た。それはいよいよめずらしい。」9 `7 I% M" k4 \5 I: @- h8 ^+ \& i
こうおじいさんはい言いながら、もも桃をりょうて両手にのせて、ためつ、すがめつ、ながめていますと、だしぬけに、もも桃はぽんと中から二つにわ割れて、
& H3 @& G, _) g, p「おぎゃあ、おぎゃあ。」
# l) O6 R. u6 X2 I/ S5 f) n といさ勇ましいうぶこえ声をあ上げながら、かわいらしいあか赤さんがげんき元気よくとびだ出しました。4 w+ H. j$ B: ~2 a, v" p. Y3 j
「おやおや、まあ。」
& J& ]9 b, d# y% R% y* d おじいさんも、おばあさんも、びっくりして、ふたり二人いっしょにこえ声をた立てました。5 ~* L3 j0 C1 f2 {# H
「まあまあ、わたしたちが、へいぜい、どうかしてこども子供がひとり一人ほしい、ほしいとい言っていたものだから、きっとかみ神さまがこの子をさずけてくだ下さったにちがいない。」0 d5 W: E8 c" y
おじいさんも、おばあさんも、うれしがって、こうい言いました。
+ R1 a' a9 w+ n6 ]) [2 ^+ G そこであわてておじいさんがおゆ湯をわかすやら、おばあさんがむつきをそろえるやら、おお大さわぎをして、あか赤さんをだ抱きあ上げて、うぶゆ湯をつかわせました。するといきなり、
! R8 G8 _4 _& w) y: u& U「うん。」. x' \- f' @9 l. Z4 l
とい言いながら、あか赤さんはだ抱いているおばあさんの手をはねのけました。' }. J- e6 {- }/ z; N4 f
「おやおや、なん何というげんき元気のいい子だろう。」
% _7 k9 ]: f' q @: D, i/ w おじいさんとおばあさんは、こうい言ってかお顔をみあ見合わせながら、「あッは、あッは。」とおもしろそうにわら笑いました。0 @+ F& }3 ~5 O% m% {' l2 e
そしてもも桃の中からう生まれた子だというので、この子にももたろう桃太郎というな名をつけました。+ M, L' N/ m4 \9 r
7 A7 {5 J+ p' N$ g# e+ j, t* f
二* B: u% J, u' h: F/ L) a
おじいさんとおばあさんは、それはそれはだいじにしてももたろう桃太郎をそだ育てました。ももたろう桃太郎はだんだんせいちょう成長するにつれて、あたりまえのこども子供にくらべては、ずっとからだ体も大きいし、ちから力がばかにつよ強くって、すもうをとってもきんじょ近所のむら村じゅうで、かなうものはひとり一人もないくらいでしたが、そのくせき気だてはごくやさしくって、おじいさんとおばあさんによくこうこう孝行をしました。
) x1 I# D+ \- }" ^ ももたろう桃太郎は十五になりました。
7 Z0 N6 a* d4 R* Q もうそのじぶんには、にほん日本のくにじゅう国中で、ももたろう桃太郎ほどつよ強いものはないようになりました。ももたろう桃太郎はどこかがいこく外国へ出かけて、うで腕いっぱい、ちから力だめしをしてみたくなりました。
' I' E1 m+ H8 k1 _0 a% I& c, T# N するとそのころ、ほうぼうがいこく外国のしまじま島々をめぐってかえ帰ってき来た人があって、いろいろめずらしい、ふしぎなおはなし話をしたすえ末に、
0 V( b4 O1 z" F8 L3 v「もうなんねん何年もなんねん何年もふね船をこいで行くと、とお遠いとお遠いうみ海のはてに、おに鬼がしま島というところ所がある。わる悪いおに鬼どもが、いかめしいくろがねのおしろ城の中にす住んで、ほうぼうのくに国からかすめと取ったとうと貴いたからもの宝物をまも守っている。」
# k; Z* \7 @+ d とい言いました。7 B$ V1 X9 ?7 J z& [3 b# l
ももたろう桃太郎はこのはなし話をきくと、そのおに鬼がしま島へ行ってみたくって、もうい居てもた立ってもいられなくなりました。そこでうちへかえ帰るとさっそく、おじいさんのまえ前へ出て、
8 V; `5 l; m8 [! [「どうぞ、わたくしにしばらくおひまをくだ下さい。」: y# k( A6 F6 B9 L$ v( A% n
とい言いました。 }0 D' T0 F- C
おじいさんはびっくりして、
9 a7 q) S% T" M" ?7 w+ |「おまえ前どこへ行くのだ。」
1 B) `" x! }- p3 H. y: H6 Q: g. U とき聞きました。
) l* x4 N! N5 J2 C% f+ v3 V「おに鬼がしま島へおに鬼せいばつに行こうとおも思います。」
P4 O, i0 \0 S6 W8 _ とももたろう桃太郎はこたえました。
1 w" T9 }' J: q1 a「ほう、それはいさましいことだ。じゃあ行っておいで。」
5 t% ], Q0 J# u$ _- b M とおじいさんはい言いました。
; a7 p' S% ^3 ?0 U# v「まあ、そんなえんぽう遠方へ行くのでは、さぞおなかがおすきだろう。よしよし、おべんとうをこしらえてあ上げましょう。」, c: I1 e) s* k! [* J* w) k) i
とおばあさんもい言いました。
& F( _% n o1 s# J: }5 z* m そこで、おじいさんとおばあさんは、おにわ庭のまん中に、えんやら、えんやら、大きなうす臼をも持ちだ出して、おじいさんがきねをと取ると、おばあさんはこねどりをして、
9 o6 {: A6 } [: i( u: K& f「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ。ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ。」
8 T1 n$ C, X& ?# u と、おべんとうのきびだんごをつきはじめました。, E: Q; U; N7 p! k" }: Z; o; M
きびだんごがうまそうにできあ上がると、ももたろう桃太郎のしたくもすっかりできあ上がりました。
$ e8 g+ s; u" R) f ももたろう桃太郎はおさむらい侍のき着るようなじんばおり陣羽織をき着て、かたな刀をこし腰にさして、きびだんごのふくろ袋をぶらさ下げました。そしてもも桃のえ絵のかいてあるぐんせん軍扇を手にも持って、
+ c' n. D" G2 c/ y0 c8 B) j6 T「ではおとうさん、おかあさん、行ってまいります。」
. \2 @1 e. z5 g$ y5 S! G とい言って、ていねいにあたま頭をさ下げました。
0 Z( x, Y9 @ M5 @「じゃあ、りっぱにおに鬼をたいじ退治してくるがいい。」
+ y. r/ p& ]; D0 b; g2 q6 d とおじいさんはい言いました。
& `* `/ K/ O% ]0 B6 \% b: Q「き気をつけて、けがをしないようにおしよ。」
$ _* V, p& P4 @ X. o N とおばあさんもい言いました。0 y. h" F4 ]8 V. Y9 l5 E
「なに、だいじょうぶ大丈夫です、にっぽんいち日本一のきびだんごをも持っているから。」とももたろう桃太郎はい言って、
3 H5 y0 k$ B+ ]( g- a「では、ごきげんよう。」: \7 G' B3 ~( {' R+ W. d
とげんき元気なこえ声をのこして、で出ていきました。おじいさんとおばあさんは、もん門のそと外にた立って、いつまでも、いつまでもみおく見送っていました。
, r# I6 A' R+ V) \
( o3 ~- D$ W/ \2 I 三) l1 Q0 S0 A8 H& G8 A' ?0 Z+ R
ももたろう桃太郎はずんずん行きますと、大きな山の上にき来ました。すると、くさ草むらの中から、「ワン、ワン。」とこえ声をかけながら、いぬ犬が一ぴきかけてき来ました。
) R. Q: E" o D: _, _ ももたろう桃太郎がふりかえ返ると、いぬ犬はていねいに、おじぎをして、
+ H2 ~- |* H* N3 b$ d* p' J _「ももたろう桃太郎さん、ももたろう桃太郎さん、どちらへおいでになります。」" I7 Q* C! h& Q" S. j$ v+ j W
とたずねました。
: A8 d$ X2 c1 z8 [$ Z( a5 k- P「おに鬼がしま島へ、おに鬼せいばつに行くのだ。」
# R- |- b( ?1 X, T1 K4 N3 k' k「おこし腰にさ下げたものは、なん何でございます。」
: B/ ?5 j' ~- M「にっぽん日本一のきびだんごさ。」- t: ]! M; D& G6 q' y, t# D# G7 |
「一つくだ下さい、おとも供しましょう。」
4 s- g! A1 ~! `* ~9 [6 o3 H「よし、よし、やるから、ついてこ来い。」/ g, L4 y" e8 ~
いぬ犬はきびだんごを一つもらって、ももたろう桃太郎のあとから、ついて行きました。
2 J4 p8 C7 T' P% V, S+ t 山をお下りてしばらくい行くと、こんどはもり森の中にはいりました。すると木の上から、「キャッ、キャッ。」とさけびながら、さる猿が一ぴき、かけお下りてき来ました。
1 E$ V+ c( m7 `- l* r4 s. s ももたろう桃太郎がふりかえ返ると、さる猿はていねいに、おじぎをして、
6 H: ?( X) b- o2 j" m4 I$ ]5 J「ももたろう桃太郎さん、ももたろう桃太郎さん、どちらへおいでになります。」
- F$ L6 F* L/ E+ j0 @ とたずねました。1 H/ ~' w; ^/ H" B) Q6 b# \
「おに鬼がしま島へおに鬼せいばつに行くのだ。」# X. x: d9 X, X: { U! w
「おこし腰にさ下げたものは、なん何でございます。」5 u5 ?6 X& a3 q U( a
「にっぽん日本一のきびだんごさ。」
9 O( ]" H4 Z9 r) Q「一つくだ下さい、おとも供しましょう。」
; h e: u5 ^1 M% k「よし、よし、やるから、ついてこ来い。」
* H1 [- Z3 c& z- Z さる猿もきびだんごを一つもらって、あとからついて行きました。
2 b& r( U6 A, `' E, J7 {5 Z 山をお下りて、もり森をぬけて、こんどはひろいのはら野原へ出ました。するとそら空の上で、「ケン、ケン。」とな鳴くこえ声がして、きじが一わ羽とんでき来ました。
: `; s; [5 f0 A% | ももたろう桃太郎がふりかえ返ると、きじはていねいに、おじぎをして、
7 M' W8 E3 o) y, W7 B' r7 f「ももたろう桃太郎さん、ももたろう桃太郎さん、どちらへおいでになります。」
, y! {7 M# @6 C7 ]0 I2 n O0 S5 Z とたずねました。
6 N# V2 Y) g) w" C3 m H( l( a「おに鬼がしま島へおに鬼せいばつに行くのだ。」* s* ~* \: V5 T* p% w/ f
「おこし腰にさ下げたものは、なん何でございます。」* n6 l, Y0 D8 k! X* E& h0 ?
「にっぽんいち日本一のきびだんごさ。」" O0 h5 |) Q8 m, \$ ~
「一つくだ下さい、おとも供しましょう。」. d- r' B6 t1 }0 O
「よし、よし、やるから、ついてこ来い。」3 R, [/ Y# k2 H, u9 w
きじもきびだんごを一つもらって、ももたろう桃太郎のあとからついて行きました。; f) ~4 A3 a! _0 \, ^9 n# H. v4 s
いぬ犬と、さる猿と、きじと、これで三にんまで、いいけらい家来ができたので、ももたろう桃太郎はいよいよいさ勇みた立って、またずんずんすす進んで行きますと、やがてひろいうみ海ばたに出ました。
$ f% |1 A8 n6 H C3 d% j2 J そこには、ちょうどいいぐあいに、ふね船が一そうつないでありました。9 ]& ^4 n. A1 I% C% n8 O+ r$ \
ももたろう桃太郎と、三にんのけらい家来は、さっそく、このふね船にの仱辘侈zみました。
. A- ~2 \, @# B0 R' Y「わたくしは、こ漕ぎて手になりましょう。」2 S0 r1 F5 v8 `. X2 o5 u" Q
こうい言って、いぬ犬はふね船をこぎだ出しました。2 y% a9 |5 Q" r3 ]. j. R9 j3 k* t
「わたくしは、かじと取りになりましょう。」
! A# @) s7 t4 v! g1 p9 @8 l こうい言って、さる猿がかじにすわ座りました。
9 U* Y5 |, }$ e( T/ U+ L; ~「わたくしはものみ物見をつとめましょう。」
4 o4 u$ u0 x+ H5 N& u$ y こうい言って、きじがへさきにた立ちました。' p# W& r6 O: u6 ^. [3 G2 B6 K
うららかないいおてんき天気で、まっさお青なうみ海の上には、なみ波一つた立ちませんでした。いなづま稲妻がはし走るようだといおうか、や矢をい射るようだといおうか、目のまわるようなはや速さでふね船は走って行きました。ほんの一じかん時間もはし走ったとおも思うころ、へさきにた立ってむ向こうをながめていたきじが、「あれ、あれ、しま島が。」とさけびながら、ぱたぱたとたか高いはおと羽音をさせて、そら空にとびあ上がったとおも思うと、スウッとまっすぐにかぜ風をき切って、と飛んでいきました。# C, @1 e4 K) v" W4 ^# q) T
ももたろう桃太郎もすぐきじのた立ったあとからむ向こうをみ見ますと、なるほど、とお遠いとお遠いうみ海のはてに、ぼんやりくも雲のようなうす薄ぐろいものがみ見えました。ふね船のすす進むにしたがって、くも雲のようにみ見えていたものが、だんだんはっきりとしま島のかたち形になって、あらわれてきました。2 @( ` ]2 S# \8 T# X& c2 m
「ああ、み見える、み見える、おに鬼がしま島がみ見える。」& z9 K' }( b9 {; J9 W
ももたろう桃太郎がこういうと、いぬ犬も、さる猿も、こえ声をそろえて、「ばんざい万歳、ばんざい万歳。」とさけびました。! G3 M+ W. t( N) q
み見るみ見るおに鬼がしま島がちか近くなって、もうかた硬いいわ岩でたた畳んだおに鬼のおしろ城がみ見えました。いかめしいくろがねのもん門のまえ前にみ見はりをしているおに鬼のへいたい兵隊のすがたもみ見えました。
6 c/ a$ J* R L2 L i# T$ ~そのおしろ城のいちばんたか高いやね屋根の上に、きじがとまって、こちらをみ見ていました。
# o& t% |* I# I. \! B# bこうしてなんねん何年も、なんねん何年もこいでい行かなければならないというおに鬼がしま島へ、ほんの目をつぶっているま間にき来たのです。
- h6 R+ b4 ?: A. W* e: I$ R1 { X5 V; H* Y. z. v
四
% j: T" O( Q( r I& m/ m ももたろう桃太郎は、いぬ犬とさる猿をしたがえて、ふね船からひらりとおか陸の上にとびあ上がりました。" l3 s# Y, j/ d7 B0 w& [
み見はりをしていたおに鬼のへいたい兵隊は、そのみ見なれないすがたをみ見ると、びっくりして、あわててもん門の中にに逃げこ込んで、くろがねのもん門をかた固くしめてしまいました。そのとき時いぬ犬はもん門のまえ前にた立って、* p$ u+ S- Y, {; E
「にほん日本のももたろう桃太郎さんが、おまえ前たちをせいばいにおいでになったのだぞ。あけろ、あけろ。」9 e1 n ]9 H; P% z6 P. M
とどなりながら、ドン、ドン、とびら扉をたたきました。おに鬼はそのこえ声をき聞くと、ふるえあ上がって、よけいいっしょうけんめい一生懸命に、中からお押さえていました。) ]& f0 J8 J& s' e; [; D
するときじがやね屋根の上からとびお下りてきて、もん門をお押さえているおに鬼どもの目をつつきまわりましたから、おに鬼はへいこうしてに逃げだ出しました。そのま間に、さる猿がするするとたか高いいわかべ岩壁をよじのぼ登っていって、ぞうさなくもん門を中からあけました。" O2 a' x6 `$ h6 J/ G1 O
「わあッ。」とときのこえ声をあ上げて、ももたろう桃太郎のしゅじゅう主従が、いさましくおしろ城の中にせ攻めこ込んでいきますと、おに鬼のたいしょう大将もおお大ぜいのけらい家来をひ引きつ連れて、ひとりひとり一人一人、ふと太いてつ鉄のぼう棒をふりまわしながら、「おう、おう。」とさけんで、む向かってきました。
! _/ e+ H. H' w9 g けれども、からだ体が大きいばっかりで、いくじのないおに鬼どもは、さんざんきじに目をつつかれた上に、こんどはいぬ犬にむ向こうずねをくいつかれたといっては、いた痛い、いた痛いとに逃げまわり、さる猿にかお顔をひ引っかかれたといっては、おいおいな泣きだ出して、てつ鉄のぼう棒もなに何もほうりだ出して、こうさん降参してしまいました。
0 h3 D9 J7 \& k8 M/ a7 I おしまいまでがまんして、たたかっていたおに鬼のたいしょう大将も、とうとうももたろう桃太郎にく組みふせられてしまいました。ももたろう桃太郎は大きなおに鬼のせなか背中に、うまの馬仱辘摔蓼郡盲啤6 B( y$ F9 z6 L# Z" W9 C; V
「どうだ、これでもこうさん降参しないか。」/ `' s3 }( O7 j9 V8 _! F
といって、ぎゅうぎゅう、ぎゅうぎゅう、お押さえつけました。
8 X" A* S: W: t おに鬼のたいしょう大将は、ももたろう桃太郎のだいりき大力でくび首をしめられて、もうくる苦しくってたまりませんから、おお大つぶのなみだ涙をぼろぼろこぼしながら、
8 X" N$ h: F' b「こうさん降参します、こうさん降参します。いのち命だけはおたす助けくだ下さい。そのか代わりにたからもの宝物をのこらずさしあ上げます。」 m# c+ b& N3 \
こうい言って、ゆるしてもらいました。
2 B7 r$ z, C5 X' i# [ おに鬼のたいしょう大将はやくそく約束のとおり、おしろ城から、かくれみのに、かくれがさ笠、うちでのこ小づちににょいほうじゅ如意宝珠、そのほかさんごだの、たいまいだの、るりだの、せかい世界でいちばんとうと貴いたからもの宝物を山のようにくるま車につ積んでだ出しました。
. B% A3 D$ G" Z7 f! r0 u ももたろう桃太郎はたくさんのたからもの宝物をのこらずつ積んで、三にんのけらい家来といっしょに、またふね船にの仱辘蓼筏俊¥◣ⅳ辘闲肖瑜辘猡蓼恳护饯Δ栅痛韦悉纷撙毪韦悉渌伽盲啤ⅳ揲gもなくにほん日本のくに国につ着きました。7 k/ Q9 q2 |6 l2 F
ふね船がおか陸につ着きますと、たからもの宝物をいっぱいつ積んだくるま車を、いぬ犬がさき先にた立ってひ引きだ出しました。きじがつな綱をひ引いて、さる猿があとをお押しました。
+ v6 l9 y, ~/ k9 a2 _. F「えんやらさ、えんやらさ。」4 u, L& S0 f% C, l# o3 `. ]+ F& W
三にんはおも重そうに、かけごえ声をかけかけすす進んでいきました。# b6 h# }, f& U E. t
うちではおじいさんと、おばあさんが、かわるがわる、
* `5 l9 K0 E& U% V「もうももたろう桃太郎がかえ帰りそうなものだが。」
$ [5 M0 t' o/ g( E4 U+ m とい言いい言い、くび首をのばしてま待っていました。そこへももたろう桃太郎が三にんのりっぱなけらい家来に、ぶんどりのたからもの宝物をひ引かせて、さもとくいらしいようす様子をしてかえ帰ってき来ましたので、おじいさんもおばあさんも、目もはな鼻もなくしてよろこ喜びました。, r; b! F% X5 `3 r. ]
「えらいぞ、えらいぞ、それこそにっぽんいち日本一だ。」
8 k3 `' p6 e p2 \" V とおじいさんはい言いました。
/ Y( t9 R7 R1 @5 Y* a「まあ、まあ、けががなくって、なに何よりさ。」
9 p; F, P( n+ c とおばあさんはい言いました。
- N7 L+ }$ m6 N9 p4 o- w/ ? ももたろう桃太郎は、そのとき時いぬ犬とさる猿ときじのほう方をむ向いてこうい言いました。4 R) f' ~* T" ?' d
「どうだ。おに鬼せいばつはおもしろかったなあ。」
% c/ q" g1 v7 a; y* N a6 s9 n2 ]; b いぬ犬はワン、ワンとうれしそうにほえながら、まえあし前足でた立ちました。( T1 j- f/ E2 ~- Q! w
さる猿はキャッ、キャッとわら笑いながら、しろ白いは歯をむきだ出しました。7 K- M9 O0 K: N5 b3 J: g% Y
きじはケン、ケンとな鳴きながら、くるくるとちゅうがえ宙返りをしました。
/ G5 _+ X# r! d* [5 J そら空はあおあお青々とは晴れあ上がって、おにわ庭にはさくら桜のはな花がさ咲きみだ乱れていました。 |