「ダンスダンスダンス」の翻訳（83）

yamoli

14（2）
部屋に帰ってしばらくすると、彼女から電話がかかってきた。
「何よ、あれ？」と彼女は怒りを押し殺したような静かな声で言った。「仕事中は変なことしないでってこの前言ったでしょう。仕事中にああいうことされるの嫌いなの」
「悪かった」と僕は素直に謝った。「何でもいいから君と話したかったんだ。君の声を聞きたかった。つまらない冗談だったかもしれない。でも冗談の内容が問題じゃない。ただ君と話したかっただけだよ。特に迷惑はかけてないと思うけど」
「緊張するのよ。前にも言ったでしょう？仕事してる時って、私すごく緊張してやってるの。だから邪魔してほしくないの。約束したじゃない？じろじろ見たりしないって」
「じろじろ見てない。話しかけただけだ」
「じゃあこれからもうあんな風に話しかけないで。お願い」
「約束する。話しかけない。見ないし、話しかけない。花崗岩みたいにじっとおとなしくしてる。ねえ、ところで君は今夜は暇なのかな？それとも今日は登山教室のある日だっけね？」
「登山教室？」と彼女は言ってから溜め息をついた。「冗談ね、それ」
「そう、冗談だよ」
「時々私ね、そういう冗談についていけなくなるの。登山教室だって。ははは」
彼女は壁に書かれた字を読みあげるみたいに乾いた平板な声ではははと言った。そして電話を切った。
僕はそのまま三十分待ってみたが、もう電話はかかってこなかった。怒っているのだ。僕のユーモアの感覚は時々まったく相手に理解されないことがある。僕の真剣さが時々まったく相手に理解されないのと同じように。他にやることも思いつかないのでまたしばらく外を歩いてみることにした。うまくいけば何かにぶつかるかもしれない。何か新しいものをみつけることができるかもしれない。何もやらないよりは動いた方がいい。何か試してみた方がいい。理力が僕とともにありますように。
一時間歩いたが何もみつからなかった。体が冷えただけだった。雪はまだ降りつづいていた。十二時半にマクドナルドに入ってチーズバーガーとフライド?ポテトを食べ、コカコーラを飲んだ。そんなもの全然食べたくもなかった。でもどうしてかはわからないけれど時々つい食べてしまうのだ。たぶん体が定期的にジャンク?フードを求めるような構造になっているのだろう。
マクドナルドを出てまた三十分歩いた。何もなかった。ただ雪が激しさを増しただけだった。僕はコートのジッパーをいちばん上までひっぱりあげて、マフラーを鼻の上でぐるぐると巻いた。それでも寒かった。ひどく小便がしたくなった。こんな寒い日にコカコーラなんて飲むからだ。どこか便所がありそうなところはないかなと僕はあたりをみまわしてみた。通りの向かいに映画館が見えた。ひどくうらぶれた映画館だったが、まあ便所くらいはあるだろう。それに小便をしたあとで、映画を見ながら体を温めるというのも悪くない。どうせ暇をもてあましているのだ。何をやっているんだろうと思って看板を見た。日本映画の二本立てで、そのうちの一本が『片想い』だった。僕の同級生の出ている映画だ。やれやれ、と僕は思った。


我回到房间过了一会儿，她就打来了电话。
“你都说了些什么？”她强压住愤怒平静地说。“正在工作中不要办些不该办的事，这以前我也说过呀。在工作中很讨厌那些事。”
　　“对不起了。”我很直率地道谦。“非常想和你说点什么，想听你的声音。就忍不住开起玩笑来。开玩笑的内容并没有问题。只是想和你说话而已。也不想那么打搅你。”
　　“非常紧张呀。以前不是说过了吗？在工作的时候我处在非常紧张之中。所以不要来打搅。不是说好了吗，也不要盯着看。”
　　“不让盯着看。只是说话吧。”
　　“那么今后也不要用那种方式说话。求您了。”
　　“约定了。不能说话。不让看，也不让说话。像花岗岩那样很安稳。那么，你今夜有空吗？今天却是有登山教室的日子？”
　　“登山教室？”她说后喘口气。“开玩笑吧，那是。”
　　“是，在开玩笑。”
　　“任何时候对我，都不能开那样的玩笑，像登山教室什么的。哈哈哈。”
　　她就像是在读写在墙上的字那样，用干燥的平板的声音说“哈哈哈”。然后把电话掛了。
　　我就那样等了三十分钟，电话也没有再打过来。应该还在生气中。我幽默的感觉总是不能完全让对方理解。就像我的认真劲也不能让对方理解一样。也想不出其它要做的事，过了一会儿又走到外面去。走出去也许能碰到什么好事，也许能发现什么新事情。和什么也不做相比活动起来会最好。偿试做什么总会好的。智力就在我旁边。
　　走了一个小时也没有发现什么，只是身体很冷。雪还在继续下着。在十二点半去了マクドナルド，吃了奶酪和炸土豆，还喝了可乐。真不想吃那些东西。可怎么也不明白时间不长就把那些吃完了。大概身体变成了定期需要营养的那样构造了。
　　从マクドナルド出来后又走了三十分钟。什么也没有。只是雪在加剧。我把大衣的拉锁拉到最上面，把围巾围到鼻子上面。即便那样还是很冷。倒是非常想小便。是因为在这么冷的天喝了可乐造成的。厕所在什么地方呢？我环视了周围地方。发现在街道的对面有电影院。虽是很破旧的电影院，应该有厕所吧。而且小便之后，一边看电影还可以提高体温也不错。总不好打发时间。正在放映什么呢，这样想着看了看广告。写有两部日本电影，其中一部是《单恋》。是我同学出演的电影。哎呀哎呀。

yamoli

他的同学出演电影。
从这部电影中主人公能发现什么呢？能有什么巧合呢？