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  ビジネスマナーの基礎知識 
■                          <第129号> 
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            ■ お中元のマナー ■ 
 
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みなさん、こんにちは。 
 
今回のテーマは「お中元のマナー」です。 
お中元は地域によって送る時期が若干違いますし、 
送り先や地域によって、選ぶ品も異なってきますよね。 
 
今回は、そんな「お中元のマナー」についての知識をお届けしたいと思います。 
それでは今週もよろしくお願いします。 
 
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◆ お中元を贈る時期 
 
この風習は中元(7月15日)という、先祖の霊を迎え御魂祭りのお供え物や 
贈り物をした習わしと、伝来した仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ/7月15日)とが 
重なっていることから、現在では一年の上半期の区切りの意味で、 
普段お世話になっている方へ「お中元」の贈り物をするようになりました。 
 
ですから、お中元は7月1日から15日までにお届けするのが一般的です。 
しかし、東北や関西より西では旧盆を採用している地方が多いため、 
一ヶ月遅れの8月1日から15日くらいまでに贈る習慣があります。 
 
贈る時期は先方の地方に合わせても、自分の地方に合わせても、 
どちらでもかまいませんが、その時期を過ぎてしまった場合は、 
「お中元」としてではなく、立秋(8月7日頃)までは「暑中見舞い」、 
立秋を過ぎたら「残暑御見舞」として贈りましょう。 
 
 
◆ お中元を贈る相手 
 
お中元は自分がお世話になっている方に対して贈るものですから、 
必ず誰々には贈らなければならないとルールがあるものではありません。 
 
上司、取引先、両親、親戚、恩師やお医者さん、お稽古先の先生、同僚、 
友人など、お世話になった人と言えば思いあたる人も多いでしょうが、 
一度贈ると途中で止めにくくなりますし、予算の兼ね合いもあるでしょうから、 
特にお世話になっていなければ会社の上司や同僚には贈らなくてもいいでしょう。 
 
特に、勤務先の上司については、社内のルールや慣習があるので、 
自分ひとりだけ贈るよりも、他の人に合わせる事も大切です。 
 
 
◆ お中元の金額 
 
金額の相場はだいたい3~5千円くらいです。 
同僚や友人、先生なら3千円程度、上司や取引先でも5千円程度が一般的です。 
 
お中元とお歳暮を共に高価なものを贈るのは、自分にとっても負担ですし、 
あまりに高価なものを贈るとかえって相手に余計な気を遣わせたりするので、 
値のはるものよりも本当に喜んでもらえるような品選びに気を遣いましょう。 
 
ちなみに、年に1回だけ贈る場合は、「お歳暮」を贈ってください。 
逆に言えばお中元を贈る場合は、必ずお歳暮も贈るのがマナーです。 
 
 
◆ お中元の品の選び方 
 
お中元の品選びの基本は「贈りたいもの」ではなく「喜ばれるもの」です。 
ですから、贈るものについては、相手の家族構成や好みに合わせて考えましょう。 
 
ビールやジュース、お菓子類が人気となっていますが、 
お世話になっている相手だからこそわかる、相手の好みに合わせることが大切。 
例えば、健康に気遣っている方なら野菜ジュースや脂肪抑制オイルなど、 
最近、赤ちゃんが生まれた方なら洗剤やタオル類などが良いでしょうね。 
 
逆にビールが好きな方だから…と毎年同じようにビールを贈っていると、 
病を患ってお酒を控えているなどという場合も考えられます。 
事前にある程度贈り先の方の情報は持っていた方がいいですね。 
逆に毎年同じものを贈っていると、先方もそれが習慣となり、 
重複して自分で購入してしまったりすることもなく、 
おかしな言い方ですが、先方が「もらう計画」を立てられて良いとも言えます。 
 
企業宛に送る場合は、社員のみなさんで分けることができるような 
食べ物やお菓子がよいでしょう。 
 
 
◆ お中元の熨斗紙(のしがみ)のマナー 
 
お中元には熨斗紙が必要です。 
水引は紅白もしくは金銀で、結びは花結び(蝶結び)のものを使います。 
水引の結び目中央上に「御中元」、下にはやや小さく自分の名前を書くように 
してください。 
尚、お中元の時期を過ぎてしまった場合は、「御中元」と書くところに 
目上の方には「暑中御伺」、目下の人には「暑中お見舞い」と書きます。 
 
 
◆ お中元の届け方 
 
正式には先方に直接手渡しをするの方が良いのですが、遠方の方などには 
デパートから直接配送することも最近は少なくないでしょう。 
そんな場合は挨拶状を同封するか、先方に届く頃に別便で、 
手紙か葉書を添え状として送るのがマナーです。 
 
 
◆ お中元をもらった場合 
 
お中元を受け取った側は特にお返しをする必要はありませんが、 
友人や同僚からいただいたの場合や、あまりに高額なものを受け取った場合は、 
同額もしくはその一部に相当する品物をお返ししてもいいでしょう。 
その場合の熨斗紙の表書きは「粗品」になります。 
 
お礼の品物を贈らない通常の場合は、到着したことを知らせるお礼の電話か、 
届いてから2~3日のうちにお礼状を出すようにしましょう。 
 
 
贈りものは何といっても「心」が一番大切です。 
単に義務的に、それが習慣になっているから…ではなく、 
相手のことを思い、日ごろの感謝の印として、心からのお中元をしましょう。 |   
 
 
 
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