進む日本の貿易構造の変化
日本の機械部品、資本財などの輸出入は大幅に拡大している。国境を越えた生産面での分業が進展した結果を反映し輸出の伸び率が鈍化を見せ、一方では輸入が増加を続ける貿易構造が定着しつつある。日本の製造業が海外生産を拡大した事や東アジア内での生産性が向上した事などが背景にある。
1996年の輸入に占める機械類部品の割合は12.2%,資本財は22.8%だった。国内の建設機械や家電製品の生産が伸び悩む中完成品に占める海外さん部品の割合は確実に増えている。機械類部品を国内調達に切り替えるのは技術的には容易とされているが今後円安に振れても為替動向を見極めると部品輸入を続ける企業が多い。対外直接投資によって設立された日系企業の海外生産拠点は当初、分品調達を日本からの輸入で補っていた。後にこの割合は次第に低下しその代わりに部品は現地企業やアジアの第三国などからの調達に切り替えられている。また、直接投資の受け入れ国は技術移転の恩恵を受けて生産性を向上させ、東アジア内での相互貿易を拡大し日米を中心として貿易構造に大きな変名をもたらしてる |