微妙に失礼な日本語 1 
  
1.どういうご用件でしょうか? 
 (いきなりこう言っては、相手をムッとさせる) 
 
 企業などへ、たずねて行った場合、受付嬢とか社員から、「どういうご用件でしょうか?」と聞かれることがある。いきなりそう尋ねられると、不審に思われているようなニュアンスを感じてしまいます。この場合は「よろしければ、ご用件を承(うけたまわ)ります」 と、やわらい日本語で対応したい。 
            
2.どなたをお呼びしましょうか?           
 (相手より自社の社員を敬っている) 
 
 電話などでの対応でつい言ってしまいそう。この 「どなた」 は相手に対する尊敬表現ですから、相手に対して 「どなた様ですか?」 と使うものです。正しくは、「誰をお呼びしましょうか?」           
           
3.ご覧いただけましたでしょうか?           
 (敬意をはらったこの表現のどこがおかしい?) 
 
 ファックスとかメールとかで、相手に連絡したのに返事がなかなか来ない。 
心配になって、確認の電話をするときに言ってしまいそうですね。「いただく」 は 「もらう」 の謙譲表現であり、自分を主体にした言い方です。メールなどを見るのは相手の行為ですから、相手を主体にした言い方 
「くれる」 の尊敬表現 「くださる」 を使って「ご覧くださいましたでしょうか?」           
           
3.ご持参ください           
 (一見、丁重なようで失礼になる言い方) 
 
 セミナーや試験などの案内に、「当日は、筆記用具をご持参ください」 と注意書きされていることがある。小学校のころから「弁当持参」とか「雨具持参」などの表現で慣れているためか、それに 「ご」 がつくと、丁重な表現になると思っているようです。それは誤解で「持参」 の言葉をよく見ると、 「参(まい)る」という字が入っている。もともと謙譲の意味が含まれているのです。ですから、 敬意を表すべき相手への案内に使うと敬語のマナー違反になる。生徒への通達文なら 「筆記具持参」 でもいいが、お客様への案内なら当日は、筆記用具をお持ちください」 と書いたほうがいい。           
           
4.厚くおわび申し上げます           
 (ちゃんと謝っているのにどこかおかしい) 
 
  失敗して、謝るときに言ってしまいそう。「厚く」 は、「厚くお礼申し上げます」 のように、良いことに対して使う言葉。「おわび」 や 「反省」 のような悪いことに対しては使わない。正しくは、深くおわび申し上げます」.          
                                                             つづき    AKIEより 
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