千 あっ!ハクーーーー!
+ y8 ]6 @6 D1 W7 G- C何すんの、あっち行って!しっしっ!ハク、ハクね!?しっかりして!
$ p% h! F3 c4 } x静かにして!ハク!?……あっ!
8 y# l2 |" K- W! s
9 w. Y+ s7 g$ [# I3 a4 |2 }% V「湯バードにたかられる千。その隙に頭たちがハクを落とそうとする。」
* u- Y0 m1 C7 [' N0 O
7 b! r9 {4 X1 C$ @. M9 u千 あっ、わっ……あっち行って!
i* V) g5 d3 Q% k1 k- L4 Nあっ!だめっ!!
' j2 i O) i+ L
) Y8 z% C" q' [$ |& I$ x& M「部屋から坊が出てくる。」
1 ~- }: h- L. y9 Y' |) f% e: W \5 j7 d0 t3 E- q" L
坊 んんっ……んんんっ……+ L) U" A1 O8 F* Q8 J% M
血なんかへいきだぞ。あそばないとないちゃうぞ。
# r& i7 a a; F1 d; I! ?# {3 Q- K千 待って、ね、いい子だから!9 h' g; N) b, u c. D b0 Y
坊 坊とあそばないとないちゃうぞ……ぅええ~~……
6 A7 B+ x( F. ]- l千 お願い、待って!$ h6 L- f6 W2 d: R' ^/ ^" z
2 h1 S. ]$ z7 z式神 ……うるさいねぇ。静かにしておくれ。6 s0 A/ y: P. G$ Y1 G
坊 ぇえ……?; S5 ]4 S( j2 E+ V }$ s
式神 あんたはちょっと太り過ぎね。
2 Q( b% N1 l& g& M# P$ s1 O4 `4 w) K$ ~6 X
「床から銭婆が現われる。」+ h' n \; x, p$ n7 w
$ }8 o; _- R. [& T* P銭婆 やっぱりちょっと透けるわねえ。9 y$ D5 M: @8 |+ U
坊 ばぁば……?/ U C9 D' V6 ^- l
銭婆 やれやれ。お母さんとあたしの区別もつかないのかい。
s4 M5 x6 g" D3 T0 {5 _; F1 N) U8 D7 u" P( s8 V+ U
「魔法でねずみにされる坊。」
0 E% r8 |$ I' N$ F6 r
* X6 ~/ p! k6 g+ D5 g銭婆 その方が少しは動きやすいだろ?. y( i5 M1 C! h6 n, Y+ J
さぁてと……おまえたちは何がいいかな?: I N4 J/ ?6 V5 U
0 E0 A% [ g- S: s! r# Y& f「湯バードはハエドリに、頭は坊にされる。」" R1 a* O0 w1 n! | m
9 `/ D: H' {) L$ H! ^
千 あっ……( d% A8 d' p4 M/ L" k
銭婆 ふふふふふふ、このことはナイショだよ。誰かに喋るとおまえの口が裂けるからね。5 Y" z# F1 o W2 z# Y: \
千 あなたは誰?) _+ n( ~* C( ?3 D% u5 J+ q! @
銭婆 湯婆婆の双子の姉さ。おまえさんのおかげでここを見物できて面白かったよ。さぁその竜を渡しな。9 X+ [: C7 G8 a8 y2 K% m
千 ハクをどうするの?ひどいケガなの。
3 F& O) o. Y/ S3 t銭婆 そいつは妹の手先のどろぼう竜だよ。私の所から大事なハンコを盗みだした。
4 S; A( D% h* g- X$ V+ q0 x千 ハクがそんなことしっこない!優しい人だもん!
5 o4 ?# R) [2 G& o/ {銭婆 竜はみんな優しいよ…優しくて愚かだ。魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね。3 m9 z6 l' F* I
この若者は欲深な妹のいいなりだ。さぁ、そこをどきな。どのみちこの竜はもう助からないよ。ハンコには守りの呪い(まじない)が掛けてあるからね、盗んだものは死ぬようにと……1 B! Q8 v0 _9 i& \- T
千 ……いや!だめ!6 ]# w4 |+ S9 b6 a' ~/ B2 d
# ]' X) A0 x0 M; F/ i3 |" P3 H( y
「坊になった頭が坊ネズミとハエドリを虐めている。」% Y) g8 |4 q+ Q- V6 ]2 n
% t! w2 `; x! d1 {
銭婆 なんだろね、この連中は。これおやめ、部屋にお戻りな。9 U2 n; J# y% n M
白竜 グゥ…!9 | @& d n) N: l3 \( e" G0 c* B2 ~& o
4 w7 e# J* h: i/ k「隙をついて竜の尾が式神を引き裂く。」 f. Y: H& H2 R6 E3 O* I) j/ s
0 O& ?" P7 r' _7 h
銭婆 !……あぁら油断したねぇ~……3 m" ]2 D+ k0 ?3 J' ^# c
% D) P7 V4 z! Y7 s' y「反動で落ちる竜と千、坊ネズミ、ハエドリ。」
! X0 B5 a8 j4 H9 w1 g9 b
4 V* T8 @/ p/ ^: Z" u千 ハク、あ、きゃああーーーっ!!
; [* R/ f/ \* S' Wハクーーーっ!!! V* t& [& R: L/ j
5 z7 X+ U7 t* c' Z* c「落ちていく中で水の幻影が浮かぶ。」
1 {& j5 N6 E* D/ R L/ r" a「力を振り絞って横穴に入る竜。換気扇を破ってボイラー室に出る。」3 p5 @7 U* ^7 Q# l( t* e/ J- }
$ @& Q" t; G. ~# Y, _9 x0 ^7 Y
釜爺 なっ……わあっ!!
q' P7 P0 f& W3 A3 ^% ]" z8 y千 ハク!) Y8 Q" E' X: [1 A( w5 |
釜爺 なにごとじゃい!ああっ、待ちなさい!
l+ Q5 L) V2 j% h; \+ y千 ハクっ!苦しいの!?7 Q. @/ U' \, ^
釜爺 こりゃあ、いかん!, B4 i- W, T$ A' B/ \- K
千 ハクしっかり!どうしよう、ハクが死んじゃう!, f1 m" X6 c$ ]
釜爺 体の中で何かが命を食い荒らしとる。
0 |2 a' n0 C; |: B& q/ [: K千 体の中?!" |/ V" v( \* A0 n
釜爺 強い魔法だ、わしにゃあどうにもならん……
7 y. |% F4 Q, G千 ハク、これ河の神様がくれたお団子。効くかもしれない、食べて!8 Z, d& ~, d+ L0 o
ハク、口を開けて!ハクお願い、食べて!……ほら、平気だよ。
$ f7 s( W# B2 E9 r$ d% x釜爺 そりゃあ、苦団子か?8 i# G1 Q. Y- [3 o+ q7 [
千 あけてぇっ…いい子だから……大丈夫。飲み込んで! T, T! Q6 P( A! O" h/ }8 K$ u9 x
白竜 グォウッ、グオッ……!2 z: o) Q/ O( S! G4 ~6 q
釜爺 出たっ、コイツだ!
6 h$ k2 c2 L% `9 z' q6 t, N千 あっ!0 d0 D: d$ k& J. C) Z
ハンコ!
6 ?3 P' m7 b8 q( W+ v釜爺 逃げた!あっちあっち、あっち!* L6 @6 R6 O# M. z# Q1 Z
千 あっ、あっ!あぁあああっ、ああああっ!% J# ~0 r5 @! `2 ]
(ベチャッ!)
$ U8 J0 i/ g8 F- w x& f3 } N! s釜爺 えーんがちょ、せい!えーんがちょ!!
( u: ~( ^8 V: E# d1 r切った!7 A: h4 t+ s. J- e- _; q) @ v4 U
千 おじさんこれ、湯婆婆のおねえさんのハンコなの!
: B! |9 ^& k) G8 F$ p釜爺 銭婆の?…魔女の契約印か!そりゃあまた、えらいものを……
7 u% s) m5 A p6 G千 ああっ、やっぱりハクだ!おじさん、ハクよ!
* [" _$ p+ y/ c! X9 L釜爺 おお……お……6 m K! n& A9 Z7 j
千 ハク!ハク、ハクーっ!
% y* [. C: ?0 e2 ^: Wおじさん、ハク息してない!
7 i( \# v$ J" E- W/ I6 u釜爺 まだしとるがな。……魔法の傷は油断できんが。6 Y3 H( J) N1 }; L' g) I
1 t) A/ u6 Z4 w
釜爺 ……これで少しは落ち着くといいんじゃが……) p2 Z' J/ Q7 Y0 f; u2 @% M) _
ハクはな、千と同じように突然ここにやってきてな。魔法使いになりたいと言いおった。9 A9 r9 M- ~, i: N. R
ワシは反対したんだ、魔女の弟子なんぞろくな事がないってな。聞かないんだよ。もう帰るところはないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。/ T/ I$ q' R- J7 f3 O3 i# v- ~
そのうちどんどん顔色が悪くなるし、目つきばかりきつくなってな……
( L6 [$ x* f; t x8 a9 S- y千 釜爺さん、私これ、湯婆婆のおねえさんに返してくる。
- y6 e. X. X4 K. j% K3 d& a返して、謝って、ハクを助けてくれるよう頼んでみる。お姉さんのいるところを教えて。
# X1 N/ x) k4 P1 V; r7 X& H釜爺 銭婆の所へか?あの魔女は怖えーぞ。. S* i& Q0 H, t# L, Z
千 お願い。ハクは私を助けてくれたの。
# C2 t4 V" o; J5 A4 Zわたし、ハクを助けたい。
3 W- c& ~0 M, y. `5 J釜爺 うーん……行くにはなぁ、行けるだろうが、帰りがなぁ……。待ちなさい。0 I' v- s; l7 r! F1 u
たしか……どこに入れたか……0 r4 K: ?" u) @# g$ N* b
千 みんな、私の靴と服、お願いね。
& P. o4 B' y+ i' K! F4 b2 Q. J
, l: m5 t" l" h! D# Oリン 千!ずいぶんさがしたんだぞ!
1 x( s- x' s6 P# n5 X4 {; ?千 リンさん。
: ^1 s' l( A; @リン ハクじゃん。……なんかあったのかここ。なんだそいつら?+ u9 L) u% s: y# c1 I7 C
千 新しい友達なの。ねっ。$ @2 U4 y' M) c& [# ^/ O3 {+ U! @$ g
リン 湯婆婆がカンカンになっておまえのこと探してるぞ。
' x5 w4 Y) |6 ]1 j7 y! R" N7 ]千 えっ?
) d- n" }2 w( [リン 気前がいいと思ってた客がカオナシって化けもんだったんだよ。湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ。; c& F. a1 S3 F. t" ^
千 あっ……そうかもしれない。7 T* ^% e; Z) {. l: G! r
リン ええっ!ほんとかよ!
7 a7 H, d2 G% m# S千 だって、お客さんだと思ったから。
: ]1 ]4 y2 E2 A- yリン どうすんだよ、あいつもう三人も呑んじゃったんだぞ。
0 X: Z+ m/ G8 H7 J# y5 J, c釜爺 あったこれだ!千あったぞ!. e# u2 R0 X4 \' L
リン じいさん今忙しいんだよ。7 f* i# I2 I! R; C0 T+ y( D
釜爺 これが使える。
' [6 B1 e& C' c6 o/ X: e, _リン 電車の切符じゃん、どこで手に入れたんだこんなの。3 C+ ]8 K* ?1 G! c5 `: b% D
釜爺 四十年前の使い残りじゃ。いいか、電車で六つ目の沼の底という駅だ。
) a3 _5 {4 l" D @' l8 l千 沼の底?( [9 f5 u9 ]5 h# s
釜爺 とにかく六つ目だ。0 V Y( B, T$ m/ N
千 六つ目ね。6 @& ?0 }$ R+ V: G' b/ G" l# B o
釜爺 間違えるなよ。昔は戻りの電車があったんだが、近頃は行きっぱなしだ。
9 M1 ?+ v+ R- I Pそれでも行くか千?
4 F/ n$ ?* V( V" {* _" B( M: j千 うん、帰りは線路を歩いてくるからいい。
1 {; \- v) B4 m( j# @$ \: wリン 湯婆婆はどうすんだよ?3 b2 o: @4 {" ]" H5 i6 w
千 これから行く。" Z0 p( @/ Y2 ~! }* ]
ハク、きっと戻ってくるから、死んじゃだめだよ。
+ c! m1 d" {) [& R4 g; Lリン ……何がどうしたの?
& e9 C/ N) Z- M9 z3 M8 Z% T釜爺 わからんか。愛だ、愛。* `! \" Z2 E) j& K' K
, b7 ]) e8 E* L$ \8 j; z6 V* [
湯女 きゃああぁーーっ!ま、ますます大きくなってるよ!/ Q& t/ O( M: i! L
湯女 いやだ、あたい食われたくない!" R4 _+ c# ?: e; Y( p
湯女 来たよ!$ L( i7 g, Z6 Y, E
9 n( Q7 x, A5 z9 ~& f+ \3 B
父役 千か、よかった、湯婆婆様ではもう抑えられんのだ。5 j: o* V6 X( r' {
湯婆婆 なにもそんなに暴れなくても、千は来ますよ。
; v+ b; p H# w( s. ?2 i. gカオナシ 千はどこだ。千を出せ!* k4 r6 G1 d4 ]( @* _9 \! k( R
父役 さ、急げ。* j; Y( C9 S7 v) q
湯婆婆様、千です。% @, b$ j# y9 g3 H: J
湯婆婆 遅い!……お客さま、千が来ましたよ。ほんのちょっとお待ち下さいね。* n+ Y# R4 x- N9 e: Q' i
何をぐずぐずしてたんだい!このままじゃ大損だ、あいつをおだてて絞れるだけ金を絞りだせ……ん?
" }. C3 ~2 Q* k: f$ S: @7 ?坊ネズミ チュー。
( f, W3 {5 K+ x! F" v. l' ~湯婆婆 なんだいその汚いネズミは。
( ?* ^/ a( f" y2 r8 Q千 えっ、あのー、ご存じないんですか?
3 t- V! L7 N) `6 O' G湯婆婆 知る訳ないだろ。おーいやだ。さ、いきな!……ごゆっくり。
1 H! d {$ W4 o父役 千ひとりで大丈夫でしょうか。
$ W$ ?: W. x) j# C3 A4 `$ E湯婆婆 おまえが代わるかい?" Z' B3 Z7 p$ R6 B& G+ O9 ]
父役 エっ?4 |7 |1 h+ n1 q) a$ D
湯婆婆 フン!
$ T& M% F) G q
0 [3 _( |2 o0 ?( O- Yカオナシ これ、食うか?うまいぞー。% e4 z8 t* i/ W4 j8 v
金を出そうか?千の他には出してやらないことにしたんだ。
. \5 f A3 [3 } P. h2 Aこっちへおいで。千は何がほしいんだい?言ってごらん。
" a/ ]3 i& t7 U9 Q/ p- L. Q. [. c千 あなたはどこから来たの?私すぐ行かなきゃならないとこがあるの。& ~/ k# o& D& {2 E7 ?, d, ~% _3 I1 q
カオナシ ウゥッ……
: R1 @0 @3 j2 B千 あなたは来たところへ帰った方がいいよ。私がほしいものは、あなたにはぜったい出せない。
0 d4 U7 d* m8 j% V- e! mカオナシ グゥ……
' D; ?# i3 I% k* i/ _千 おうちはどこなの?お父さんやお母さん、いるんでしょ?; k! W& g# F5 s0 z$ [
カオナシ イヤダ……イヤダ……サビシイ……サビシィ……( h# y, I9 e% a6 r8 b$ x1 |
千 おうちがわからないの?
/ D8 ^& v* m* w" C5 ?& vカオナシ 千欲しい……千欲しい……* J1 ^7 a* }* f3 D) L
欲しがれ。
. ?: V1 [" u) {+ j1 b M千 私を食べる気?9 m& C- ?' I$ h. H" z
カオナシ それ……取れ……
7 w7 q) ~) r }, d坊ネズミ チュウ!(ガブ)9 w7 x' [5 N8 u0 ^; [, N
カオナシ ケッ……
6 O& h5 p( k; z0 ~6 g千 私を食べるなら、その前にこれを食べて。本当はお父さんとお母さんにあげたかったんだけど、あげるね。: x- h) h% M$ Z8 q+ b8 q- D
カオナシ ……ウッ!グハァ……ゲホ、ゲホ……
/ n) h* q9 X3 e1 x, p6 h# l- Rセェン……小娘が、何を食わし……オグゥ……
+ Y* S! |% \8 {" P. c7 `, E' C, z) P; i: T
「カオナシが吐きながら千を追いかける。」
0 ~& G Z& h; G2 I& z" t' r
9 B% r/ k" A1 E: E& `/ e6 t7 V湯婆婆 みんなお退き!お客さまとて許せぬ!!+ b4 V/ i, X' c7 k
カオナシ オグゥ……!& V4 R! u. {% p7 a, H5 j* o( F
湯婆婆 あらっ!?
W$ G- I% u6 w3 @2 m6 `5 Y
+ A2 C. D3 D8 B$ u$ _! G. C& E千 こっちだよー!こっちー!
2 j+ {" U \! I8 Mカオナシ グゥゥ……
+ y; n. d. N) p: r+ s+ [8 u% U7 t- r4 V
「逃げ回る千を追いかけるカオナシ。湯女と兄役を吐き出す。」' h5 B7 J7 C& v6 j& c0 R$ \: g# L
. u( Y: t0 Z/ nカオナシ グハァッ……!!……ハァッ、ハァッ……許せん……
( ]6 }$ d8 \$ C7 h5 ~9 D" k3 X; U4 _( z7 @6 P& p
「外に出ると、リンが盥船を出して待っている。」9 h! S3 n" \/ [2 x# s1 B; H
) W3 D3 r6 r1 H9 d5 ?; X6 Jリン セーーン!こっちだー!; C" b, f3 T0 r2 C# n( w
千 こっーちだよー!6 a6 d6 z5 U# a* R/ W8 j. W
リン 呼んでどうすんだよ!2 e5 r2 v) B1 R
カオナシ あ、あ、……
0 S+ w' ]3 D& V5 a千 あの人湯屋にいるからいけないの。あそこを出た方がいいんだよ。: ?2 ?5 Y: H% y) A4 V$ z
リン だってどこ連れてくんだよー!; v* A' O! T/ x; K, B1 K1 D& H& B* ?
千 わかんないけど。2 Q8 h3 e8 R- O3 `) n# ?9 v* J
リン わかんないって……!……あーあついてくんぞあいつ……0 i" e6 j( `, M$ F
1 E( j# a' S {( Z( w; eカオナシ ……ごふっ!
; [/ ?5 x# V2 {) u3 ~) z3 y+ D
! g; A2 Z# Q" u* I「青蛙を吐き出すカオナシ。」
8 \1 Y i* }' u6 C$ t6 H3 U; G: w. M& w9 J$ x/ A
青蛙 ん?% X2 J" i$ m! A/ D5 R6 ~3 D/ `
1 g( y2 k8 ?7 Z0 L. p
リン こっから歩け。9 u# t& w5 ]2 `( P* L
千 うん。7 N8 K! E4 m+ R- v' G$ j
リン 駅は行けば分かるって。1 d: [2 v5 Y$ H: X+ } ~% L
千 ありがとう。
; |3 z0 [# h6 Q* Rリン 必ず戻って来いよ!
9 D9 I. M; \% i2 A: J6 Y* Y千 うん!# K, K& ^( d' R6 \' E( Z1 }
7 R. K, p3 p* i# X3 x+ A2 w
リン セーーン!おまえのことどんくさいって言ったけど、取り消すぞーー!2 i( s4 j9 f! l
カオナシ!千に何かしたら許さないからな!
2 P3 q' |% I6 b
. M, k7 U4 f/ `4 Z千 あれだ!+ P. a0 R! i) k; r2 l: \# u
電車が来た。くるよっ。. X4 ]' I8 h9 W1 m, W! g! ?
2 l) {$ b1 \0 j+ i" O! Y千 あの、沼の底までお願いします。) @5 b. M- q& H# ^7 f9 ~! J
えっ?……あなたも乗りたいの?
) x+ B# Z+ ]1 c" A/ B; xカオナシ あ、あ、……
$ V7 f6 W/ _0 c( r7 a千 あの、この人もお願いします。* G9 y( C; j7 {, G
8 b5 g- G' S J
カオナシ あ、あ、……
: r" S+ @5 Y; y, j千 おいで。おとなしくしててね。
. E( u6 I0 M" x! `4 ^) k
6 n/ U; }: E- b. J' ~7 H0 v「ボイラー室で目覚めるハク。釜爺を揺り起こす。」+ M% M" N( e/ ]1 W6 Y& P
' w, k; q! K( t2 G7 G* f3 K
ハク様 おじいさん。$ O8 G d3 @3 E) n
釜爺 ん?んん……おおハク、気が付いた。
1 y3 t* h# C0 O$ |' e7 sハク様 おじいさん、千はどこです。何があったのでしょう、教えてください。' s" j. S4 B9 s7 P1 M# b
釜爺 おまえ、なにも覚えてないのか?: a+ y% a5 p2 J( `1 X1 I5 q
ハク様 ……切れ切れにしか思い出せません。闇の中で千尋が何度も私を呼びました、その声を頼りにもがいて……気が付いたらここに寝ていました。
, T& N4 K C' y釜爺 そうか、千尋か。あの子は千尋というのか。……いいなあ、愛の力だなあ……
; \; b8 I4 }4 ^* [$ y. g' l( D V9 N+ T- t t; J
「ガウン姿で暖炉の前に座る湯婆婆。」
- R- ^ A, ~/ a# R5 E+ l/ s ?: [* V/ `' G- [# d" i- Q" d, ?' }
湯婆婆 これっぱかしの金でどう埋め合わせするのさ。千のバカがせっかくのもうけをフイにしちまって!+ z! ?! I, j0 V6 v# {: O
青蛙 で、でも、千のおかげでおれたち助かったんです。
$ k$ H5 J, }( h5 I. W湯婆婆 おだまり!みんな自分でまいた種じゃないか。それなのに勝手に逃げ出したんだよ。あの子は自分の親を見捨てたんだ!
+ Z- V( [2 z( b h( Z1 h5 `; M. t親豚は食べ頃だろ、ベーコンにでもハムにでもしちまいな。
3 i' j W1 A) F8 E6 g0 Fハク様 お待ち下さい。# l& e N8 ]: {" R/ d+ n, C
青蛙 ハク様!! m" ^5 J. x1 t6 v: |5 k4 [4 ]
湯婆婆 なぁんだいおまえ。生きてたのかい。
0 f) m) U$ Q3 a$ Nハク様 まだ分かりませんか?大切なものがすり替わったのに……
" ^( F/ D; c* d( m/ L湯婆婆 ずいぶん生意気な口を利くね。いつからそんなに偉くなったんだい?, G( p! E0 D9 J8 I/ M5 i+ U
フン……0 h* X* u0 N: o* L K
6 H1 v" G2 l% i1 L6 q/ ?1 A% k; R「真っ先に金を確かめる湯婆婆を哀れげな瞳で見るハク。」# \" u2 y5 J6 C ~2 q
「ふと坊に目を向け術を解くと、頭たちが逃げていく。」
p5 p1 R1 j. `2 L6 S! f/ x' ]- t) p3 @8 j" @- v
湯婆婆 な……あ……あ……
9 T+ [6 J0 e7 R& X+ D
% h. S4 C& p9 J5 D/ k, k% E「金塊も土に代わる。」* i8 J4 Y3 D* i: r v( d4 P) z
6 L& y9 n z0 ^5 j
湯婆婆 ……ああ……きぃいいいーーー坊ーーーー!!!
( u" W+ ]$ ?; e# A& a) s) m青蛙 土くれだ!9 [9 k7 u* ~4 _
湯婆婆 坊ーーーーーー!!どこにいるの、坊ーーーー!!!/ s% X. A4 h: @' w: [
出てきておくれ、坊ーー!坊、坊!
N$ N+ e, M- x9 L4 \5 T; u……おぉのぉれぇぇええーーー!!キィイイイーー!!
" z' Z' J0 g6 Mあぁたしの坊をどこへやったぁーーー!!! j8 q% `8 v& |' W) w- q# o- d; |" Z
ハク様 銭婆のところです。
# X- X5 i2 q- `湯婆婆 銭婆……?……あぁ……
( _; s3 L6 D; F6 g, t9 {/ ], h+ y( F& M' ]; f! g! Y( r
湯婆婆 なるほどね。性悪女め……それであたしに勝ったつもりかい。3 {/ P4 {3 P3 S0 {+ ]8 c- ~
で!?どうすんだい!?7 v# ~, e' F. _0 Q
ハク様 坊を連れ戻してきます。その代わり、千と両親を人間の世界へ戻してやってください。7 z+ x: w; E' i0 G+ f) S& {
湯婆婆 それでおまえはどうなるんだい!?その後あたしに八つ裂きにされてもいいんかい!??
* _& f0 \* \% j) Q' J* |3 w- \' W0 G/ m' v/ y+ N, h6 k
[ 本帖最后由 月影 于 2006-10-9 16:22 编辑 ] |