日本語表現文型(041～050)

jinjin

041 ＊～かと思うと／＊～かと思いきや／～かと見ると

" C/ M& A: H' m名詞　　　　：　　　　×　　　　 ＋ かと思うと／かと思えば
0 A! J% s7 M+ k0 h- p( y9 K動詞・形容詞：普通形＜ナ形 ー×＞　 かと思ったら
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かと思いきや
! R: L, B1 g# |3 y! t　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かと見ると／かと見れば
（注：「～(の)かと思うと」のように「の」が入ることもある）

6 `9 n* w" ~! t" @3 d- X9 _$ m

♪　会話　♪

真理：さっきのお客さん、入ってきたかと思ったら、いきなり大声で文句を言い始めたんだから。
李　：ゆゆしき一大事かと思いきや、結局はどういうこともなかったね。よかった、よかった。
百恵：そうかと思うと昨日みたいに、言葉少なでも迫力があって恐いお客さんもいるわね。

♯　解説　♭

　これらの文型は「～（だろう）かと思ったら、意外にも～した／だった」という予想外の事態の発生を表します。どれも既定事実の表現なので、文末は完了形（「た」形）になります。「～かと見ると・～かと見れば」は視覚判断が強調されていますが、「～かと思うと・～かと思えば」と基本的な意味は同じです。なお、「～かと思いきや」は「～かと思うと」の文語的表現です。
- I# _3 B/ V$ O4 l7 M* c2 V　「か」のない「～と思うと／と思ったら／と思いきや」の形も使われますが、そのときの接続は次の通りです。
　名詞　：　　　だ　　 　　 と思うと
3 {# q- L6 Z% M! x! q! i- u　動詞　：　　普通形　　　　　＋　と思ったら
7 @; {1 W+ D/ F. S7 n0 u/ d( ^# P  c% g　形容詞：普通形＜ナ形ーだ＞　　　と思いきや

§　例文　§

１．静かなので勉強してるのかと思うと、ぐうぐう寝ていた。
1 \5 R9 }- r* ]# ]: S& G1 A* @$ a２．右かと見れば左から、左かと見れば右から、そのボクサーは多彩なパンチを繰り出した。
! `+ |" ~8 i9 B３．怒るのかと思いきや、なんと笑い出したではないか。
４．もう出かけたかと思ったら、まだ家でぐずぐずしていたのか。急がないと遅れるぞ。
; l1 A5 ~4 Q4 L, ^- G5 U. \" W1 U５．一つ解決したかと思うと、また一つと、次から次に問題が出てくる。
% ~. ?: Q" W. i

★　例題　★

1)　この子（って／ったら）、さっき（まで／までに）泣いてたかと思ったら、（もう／まだ）笑ってるわ。
- o* ^, @8 C8 j& y7 R+ m2)　彼は（怒る→　　　　）出した（　）と思いきや、突然（立つ→　　　　）上がり、私に握手を求めてきた。


% l3 j# c5 }+ ]6 v7 ]6 a/ X3 Q

(^^)前課の解答(^^)

1)　か否か／のみ／みなくちゃ（口語：～ちゃ＝ては／～たって＝ても）
2)　か／か／ある（～まい→文型398）

% S( n+ C/ F. C4 u

042 ＊～か～ない（かの）うちに／～か～ないかに

動詞：原形　　＋　　か、動詞：ない形　　＋　　かのうちに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 うちに
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かに
! _. k. R' ]. ]8 [2 H! ~

♪　会話　♪

小平：あれ、まだ八時か。夕御飯から一時間たつかたたないかなのに、なんだかお腹が空いたなあ。
. G- J7 p! w  v$ [良子：今、食器を洗い終わったばかりなのに・・・。
1 \" Y1 z. y) p/ F' K; A小平：口に入る物なら何でもいいから、何かないの？
良子：あ～あ、片づくか片づかないうちに、またそんなことを言われてもねえ。これじゃ気が休まる暇もないわ。
. W1 X) t9 l! g$ c0 |( W

♯　解説　♭

　これらの文型は「～すると、すぐ～した」（連続発生）という意味を表します。既定事実なので、習慣を述べる場合以外は文末は完了形（「た」形）になります。同時発生を表す文型は多くあり、「～が早いか」（→文型046）、「～なり」（→文型280）、「～とたんに」（→文型 148）や「～そばから」（→文型 127）、「～や否や」（→文型428）などですが、各項を参照してください。
　注意してほしいのは、上記の文型はどれも「～と、すぐ～」のグループで、後件で「～たい・～つもりだ・～だろう」などの意志・推量表現は使えません。これは条件を表す「と」と「たら」の違い（→資料･）から発生したものです。○　帰ったら、すぐうがいをしなさい。×　帰ると、すぐうがいをしなさい。

3 M, i, c) A/ |3 m& n. ]

§　例文　§

１．ホームに着くか着かないかに、発車のベルが鳴り出した。
9 y9 v: |9 P$ M' B- g２．彼女は、会社から送られてきた不採用の通知を読むか読まないうちに、わっと泣き出した。
３．彼はベットに横になるかならないうちに眠ってしまった。
４．黒い雲が現れるか現れないうちに、激しい突風が吹き荒れ、その妖怪は姿を現した。
５．この店のパンは、店頭に並ぶか並ばないかのうちに、飛ぶように売れていく。

# _1 G! U! x3 o$ L: j

★　例題　★

1)　夜（が／を）明けるか（明ける／明けない）うちに、母は台所に立って朝御飯の支度（が始まった／を始めた）。
  I* ?  B; I9 m. a  m2)　解答を（書く→　　　　）終えるか（終える→　　　　）かのうちに、試験官の「そこまで」という声（　）　した。
8 o: Q  g- e& z+ Q/ J/ }: W
! R4 |5 \: J6 N) U8 q- p

(^^)前課の解答(^^)

$ G% w! }8 A( u' N9 c1)　ったら（「～と言ったら」の口語→文型219）／まで／もう
2)　怒り（→文型137）／か／立ち（→文型003）
1 J4 m: ~& O, _
7 N, ?6 X2 }5 r+ u3 v

7 d( |* U- R+ J

043 ＊～兼ねない

* x+ D- T; l* s* E, Q# K) r動詞：［ます］形　　＋　 兼ねない

4 @# ]" D/ \( k; s8 y% q, S6 X

♪　会話　♪

課長：李君もずいぶんと危ない賭けをやったものだ。うまくいったからいいようなものの、一歩間違ったら取り引き停止になり兼ねなかったぞ。
係長：私が商いの「いろは」から教え直します。
0 Q& ^! r- X6 y- Z山田：しかし、話し方に注意しないと、誇り高い彼のことですから、辞めるなんて言い出し兼ねませんよ。
, _& @4 M# l% b1 {, ^

♯　解説　♭

　「～兼ねない」は不確実な推量を表す「～かもしれない」系の表現で、「（良くない事態が発生する）可能性がある」という意味を表します。「～する恐れがある」（→文型020）とほぼ同義の推量表現です。この二つは常に悪い事態にしか使えませんが、「～かもしれない」と同じく、事態の良し悪しに関係なく使える表現に「～ないとも限らない」（→文型264）があります。
0 S/ Y# o9 x* e　　秘密が漏れるかも知れない。
　　秘密が漏れ兼ねない。
" X7 L4 ~# _6 P8 M　　秘密が漏れる恐れがある。
　　秘密が漏れないとも限らない。

§　例文　§

１．会社命令に背こうものなら、首にされ兼ねない。
２．あいつは金のためには人殺しだってやり兼ねない男だ。
３．そんなにスピードを出したら、交通事故を起こし兼ねない。
４．部下を無能呼ばわりするなんて、人を傷つけるひどい言い方だけど、あの部長なら言い兼ねないね。
５．このままでは両国の国境紛争は、全面戦争に発展し兼ねない。まさに一触即発の状態と言えるだろう。
" ]! O. h1 m, k) D8 V  r6 j

★　例題　★

1)　旅先（に／で）は飲み水に注意しなさい。そう（する／しない）と、食あたりを（起こり／起こし）兼ねない。
2)　過ち（　）（　）学ぶことが（ない→　　　）ば、再び同じ過ちを（繰り返す→　　　　）　兼ねない。

3 N9 d4 w( z5 `
+ t0 Q; o% F* ]: V

(^^)前課の解答(^^)

1)　が（「明ける」は自Ｖ）／明けない／を始めた（自Ｖか、他Ｖか）
2)　書き／終えない／が（～がする→文型031）
2 W$ P* |1 I3 S( q" K6 U" n
$ J' y" m' ]( @6 h# n0 p$ D" b
: P- I9 F9 y6 X6 _1 ?) b5 \) U2 w

044 ＊～兼ねる

動詞：［ます］形　　＋　 兼ねる

♪　会話　♪

李　：今回の措置は少々理解し兼ねますので、よろしければ、説明していただけないでしょうか。
課長：色々と事情があってねえ。私の口からは説明し兼ねるから、佐藤君から聞いてくれよ。
- V6 H. Z" @5 ]/ u3 K" S& E- L佐藤：およその事情は存じておりますが、私には説明役は少し荷が重過ぎます。

" D5 H8 B; c4 I* m. @

♯　解説　♭

　「～兼ねる」は「心理的・感情的理由で～できない」を意味する表現です。「～できない」を意味する可能表現は下例のように色々ありますが、各項を参照してください。下例の中で「～得ない」は「～する可能性がない」を表すので、第三者のことでないと少し不自然ですが、意味の差は別にすれば、どれも使えます。→例題2)
% d" S+ |5 e9 g2 [* z　お世話になった人の頼みだから、
* O7 E; C$ m: l6 j　　断れない。
5 \# w9 N: G8 Z　　断り兼ねる。
' o7 f5 F5 B# A" v' c6 F; `　　断り得ない。　　　　　（→文型017）
5 B( j. S1 x1 f1 g　　断るわけにはいかない。（→文型457）
' L5 k5 V: [1 J# z　　断り難い。　 （→文型034）
# I, [, B* ]+ x% g: |9 c/ G7 M* {: S1 ]
7 w8 N: O( [( w$ q  b4 s* x

§　例文　§

１．あなたの意見には、どうしても賛成し兼ねます。
２．その種のことは、同僚の僕の口からは言い兼ねるね。
8 @; p- d$ B+ l- s% O( q% F! A３．今か今かと子どもの帰りを待ち兼ねて、何度も玄関口まで見に行った。
. ~! i2 h$ G5 Y. d: D6 D４．彼は能力はあるが、協調性がなく、私には扱い兼ねる存在だ。
５．当館では、傘の保管には責任を負い兼ねます。各自ビニール袋に入れてお持ちください。（張り紙から）
7 c% ]- T1 F( B- Z( E

★　例題　★

1)　たとえあなたの頼み（なら／でも）、こんな歴史を歪曲する（ように／ような）本は推薦し（得ない／兼ねる）。
2)　当店（　）いたしましては、申し訳ございませんが、その種のご相談（　）は（応じる→　　　　）兼ねます。

! ]3 u2 A3 y; L
1 E0 u) J4 d& N1 s4 T$ f

(^^)前課の解答(^^)

1)　で（動作の場所）／しない（→文型203）／起こし（他Ｖ）
0 d5 j- F! J  f# C" n! D( B" S2)　から／なけれ／繰り返し
1 v( }5 p. H5 X! }7 T: a, j
2 j$ h3 i/ ~9 d
; B1 [6 y9 P- ~/ V8 Y, x& b8 |6 x

045 ＊～かのようだ

8 _' d" H% |: Y6 L5 y名詞　　　　：　× 　／　である　 　 ＋ 　　かのようだ
! b% T+ _" `6 X9 w$ T& D動詞・形容詞：普通形＜ナ形 ー×＞
/ b: g2 ?0 O3 [# G, L

♪　会話　♪

祖父：自分の家での昔ながらの披露宴もいいもんじゃ。皆が集まると、昔に戻ったかのようじゃ。
* }- u" [3 k  q祖母：でも裏方はもう大変。台所は盆と正月がいっしょに来たようでしたよ。
. X4 X6 `, w+ f3 y. ~2 S祖父：次男と末っ子にも、もう結婚相手が決まっとるかのようじゃったが、時が経つのは早いものじゃのう。
  E$ \- B1 u4 a) f

♯　解説　♭

　「～かのようだ」は「＜実際はそうではないが＞まるで～ようだ」（類似）を意味します。実際はそうではないことが暗示されているため、「～ふりをする」という意味や非難・軽蔑の感情を込めるときはこの文型がぴったりです。その際は「あたかも・さも」という副詞と結びつことが多いでしょう。例えば、「さも知っているような態度 」は「知っているふり」とほぼ同義です。なお、例文５のように「～ようだ」のかわりに古語「如し」（→文型083）が使われることもあります。
: X* j+ H6 j4 ]
. j9 O, I5 N8 s" Z

§　例文　§

１．寒いなあ。もう３月なのに、真冬に戻ったかのようだ。
２．新宿は不夜城の名にふさわしく、毎晩が祭りであるかのようににぎわっている。
３．彼女はペットの猫を、あたかも実の子であるかのように可愛がっている。
４．彼は毎日エネルギッシュで、疲れを知らないかのようだ。
, y/ R+ v/ w! q$ s( I５．この度の金融破綻が、全て政府・与党の無能無策から生じたかの如き主張は、我が党としては受け入れ難い。

) T; V3 M( J$ Q, i& }9 c

★　例題　★

1)　（ただ／ほん）の風邪なのに、（あたかも／実に）重病人であるかの（ように／ような）大げさに騒いでいる。
& u; v9 V" D/ w" g2)　彼（　）きたら、さも何でも（知る→　　　　　）かのような口振り（　）話す。　＜044の例題解答＞
1)　でも／ような（～ような＋Ｎ）／兼ねる（～得ない→文型017）
( I" N  V( d  C( T4 E2)　と（「～としては」の謙譲の形→文型237）／に／応じ
' d7 z$ @% w: Y! l5 j* `8 s  c' D3 ~
( y' P5 m0 U! l$ f) g5 y
  

046 ～が早いか

動詞：原形　　＋　　が早いか

♪　会話　♪

李　：小平のしつけがなってないなあ。座るが早いか、「いただきます」も言わないで夕食に食らいついたぞ。
良子：あなたって家に帰ってくるが早いか私に小言ですか。あなたにも半分は責任があるのよ。
, F6 `4 d" ~: c+ `9 m9 X# k3 |李　：坊主、雲行きが怪しいと思ったのか、食事が終わるが早いか逃げ出していったよ。

♯　解説　♭

　「～が早いか」は「～すると、すぐ～」を意味します。「～が早いか」は動作の同時発生を強調する点に特徴があり、以下のような自然現象や状態発生に使うと不自然になります。また、現実に起こった既定事実描写なので、後件で「～たい・～つもりだ・～だろう」などの意志・推量表現は使えません。→例題1)
　　家に帰るか帰らないうちに（？帰るが早いか）、雨が降りだした。
　　帰ったとたんに（×帰るが早いか）、涙が出てきた。
) c/ g: c  R% \) `- P% e1 I( M" |　同義表現は多くありますから、「～か～ないかのうちに」（→ 文型042）の項を参照してください。

! j& I7 h' ^. n- m4 k( e

§　例文　§

１．ベルが鳴るが早いか、彼は教室を飛び出した。
２．彼女は卒業するが早いか、結婚してしまった。
３．バスが着くが早いか、乗客は先を競って乗り込んだ。
４．主人の足音を聞くが早いか、子犬は駆け寄ってきた。
8 F0 }, N' k4 c3 Q/ Z- `2 t５．店が開くが早いか、お客はバーゲン会場に殺到した。
9 a1 H: c2 e/ j2 ^, t
% s! {1 b; k7 F& |& x

★　例題　★

1)　（まもなく／ただちに）取引先からの電話がある（はず／つもり）なので、（入ったとたんに／入り次第／入るが早いか）、（まもなく／ただちに）教えてください。
2)　隊員たちは「○○地区で火事が発生！」（　）の連絡を受けるが早いか、消防車に（乗る→　　　　）込み、現場（　）と急いだ。


* z7 j# }* p  E6 ?

(^^)前課の解答(^^)

1)　ただ（副詞の語義）／あたかも／ように
1 n; S0 U( J# j% Y4 V7 ~3 }4 s2)　と（～ときたら→文型229）／知っている／で

* D, A9 e3 A. N9 _, G

047 ＊～かもしれない／～かもわからない

名詞　　　　：　　× 　 　　　　＋　 かもしれない
動詞・形容詞：普通形＜ナ形 ー×＞ 　 かもわからない

♪　会話　♪

小平：難しいかもしれないけれど、私立の○○中学を受験してみようかと思うんだ。お母さん、いい？
良子：えっ？あの有名な○○中学？
, H' T- j) j$ \小平：もしかしたら、合格の可能性もあるかもわからないと、先生が言ってくれたんだ。
, @) O: I8 _( k6 q' \' j5 }良子：わかったわ。駄目でもともと、やってみたら？

♯　解説　♭

　「～かもしれない」は初級文型ですが、「～かもわからない」の形もあって意味も用法も変わりません。関連表現を挙げれば、可能性が高いと思えば「～だろう」、ほぼ確実だと思えば「～はずだ」が使われます。
　　明日は雨が降るかもしれない。
　　明日は雨が降るだろう（60～80％）
　　明日は雨が降るはずだ（95～99％）
3 \+ j1 o0 X/ Y$ X/ ~0 `　以上は知的推量に属しますが、人間の五感に基づいて感覚的に推量するときは「～ようだ／～そうだ／～らしい」（→資料｢）が使われます。例えば、人の額に触って「熱があるようだ」とは言っても、「熱があるだろう」とは言えません。

§　例文　§

１．帰りが遅すぎる。娘の身に何かあったのかもしれない。
# P0 \$ d$ d- R9 a２．そう言えば、そんなことを言ったかもしれないなあ。
３．ずいぶん勝手な奴だとお思になるかもしれませんが、先日の話は一旦白紙に戻していただけないでしょうか。
3 r1 o" U  D8 q４．一時父は重体で、もう助からないかもしれないと思ったが、どうやら峠は越したようだ。
５．ひょっとしたら、行方不明の息子が帰ってくるかもしれないと思って、部屋はそのままにしてあるんです。
2 |7 a5 {0 r# T( B' L

★　例題　★

1)　机上の理論（として／にとって）は成立する（はずだ／かもしれない）が、現実から（は／が）遊離した空論だ。
0 q& k. }" _* \7 q' S' D1 v2)　旅先（　）何があるかもわからないから、その際はここ（　）電話を（入れる→　　　　　）なさい。
* ^, y+ C+ J, H" ]9 S) I. C% X
' n: B# J7 V  I3 ~4 c

(^^)前課の解答(^^)

1)　まもなく／はず（→文型367）／入り次第（→文型111）／ただちに
" D' L6 I6 x3 o. `# a  `5 S: Y2)　と（内容の引用）／乗り（→文型094）／へ（～へと→文型387）
' L, Z" Z1 i" r8 N& \; P
' `/ L3 R" C. X* p- l
7 h! k. i! z$ G8 W: a2 F+ s

048 ～からある／～からする／～からの

# `% ]. T5 u5 ?; I0 A% n# j数詞：　×　　＋　　からある　　　　　　　　　　からする　　　　　　　　　　からの　＋　名詞
6 q/ C1 V0 l$ s  R' Q( }( b, q
( ~. K  k' b8 k* j- E

♪　会話　♪

山田：例の他社から引き抜かれて来た彼、懸案だった○○物産を見事に開拓しちゃったよ。やはり凄腕だよ。
李　：「営業の鬼」と言われる人物だけあるねえ。今まで10人からの営業が当たっても無理だったのにねえ。
0 g! e0 V  d& B/ {: [5 P山田：その報賞として、社長から金一封と50万円からする時計をもらったそうだ。
2 F& y' E) ~+ S  H+ Z

♯　解説　♭

　これらの文型の用法は「～を越える～」「～以上ある～」という意味を表します。話者とって数量がとても多いと感じられるとき使われる文型で、距離・重量・高さなどには「～からある」、金額には「～からする」、人数には「～からの人」が使われます。
　例えば実際は二万円でも、その数量をどう感じるかで表現は異なります。
' Q" g: u& V, v/ }　　二万円ぽっちの時計　＜その時計をとても安いと感じている＞
　　二万円しかない時計　＜その時計を安いと感じている＞
　　二万円ばかりする時計＜その時計を少し高いと感じている＞
$ l& S5 O( a1 r5 e5 u( [　　二万円からする時計　＜その時計をとても高いと感じている＞
6 K* [1 ~% g& C

§　例文　§

１．彼は50キロからあるバーベルを軽々と持ち上げた。
! p' I9 N- h6 U1 }1 G２．この骨董品は明代の物で、買うとなると50万円からします。
8 y3 j; p0 N9 P３．この前の地震では、二万人からの人々が家を失い、五千人からの人が死にました。
４．この湖は、深いところは三百メートルからあります。
* N! b/ |) A/ G" f５．数名しか採用しない会社の社員募集に、五百人からの人が応募した。

★　例題　★

1)　二億円から（ある／する）絵画をぽんと買っていく（なんか／なんて）、一体どんな人なん（だい／かい）？
% e% ~* r* v: }- T7 Y) G( d. _( V2)　日本人が中学まで（　）習う教育漢字だけで881字からある。非漢字圏の学生たちから、とても（覚える→　　　）切れないという悲鳴（　）聞こえてくる。
% `' b& e& ]2 r

(^^)前課の解答(^^)

1)　として（→文型237）／かもしれない／は
2)　で／に（「へ」も可）／入れ（Ｖ〔ます〕形＋なさい）

- L6 u2 v. R6 G7 W

049 ＊～から言うと／＊～から言えば／＊～から言って

名詞：　×　　　＋　　から言うと
　　　　　　　　　　　から言えば
　　　　　　　　　　　から言って

♪　会話　♪

李　：営業担当として言わせていただくと、新製品の開発はできるだけ急いでいただきたいです。
0 q2 {  I$ h& q# v# Z3 O佐藤：今一歩のところまで来てはいるんですが、現状から言って、もう一ヶ月程度はみてください。
課長：他社に先を越されては困るし、かといって品質に問題があっても困る。とにかく、部長の指示を仰ごう。

' g$ n! K( l( m0 j5 E; t1 O6 o

♯　解説　♭

　「～から言うと／＊～から言えば／＊～から言って」は「～ の観点から判断して言えば ～」という意味で、用法の差はありませんが、仮定の「と／ば」がないため、「～から言って」は断定に近い語感になります。
　同義表現に「～から見ると／～から見れば／～から見て／～から見たら」（→文型059）、「～からすると／～からすれば／～からして」（→文型052）がありますから、各項を参照してください。
1 M7 o' L: c  b: @4 R

§　例文　§

１．A社の製品は、デザインから言えばB社に勝るが、実用性から言えば劣っている。
9 `' V, \& n% J; E% ?- c& Q. y２．彼の性格から言って、その程度のことでくよくよしたりしないでしょう。
３．健康という観点から言えば、激しい運動は「百害あって一利なし」です。
４．この成績から言うと、○○大学は少し無理かと思う。
, c7 l( i- ?  j6 E( R4 D- F% W５．交渉の進展状況から言って、今夜が山場になるだろう。
: t0 C& y: m* S$ |* s% f
. y4 p% r  ~4 g# V3 X

★　例題　★

1)　親の気持ち（から言えば／からと言って）、血を分けた自分の子供（ほど／しか）大切なもの（は／が）ない。
# e* p, A! V* C7 f8 H) {2)　気候（　）（　）言うと、北海道の方（　）北京より寒いんじゃない（　）と思える。
  i4 q! ?. S/ b  Q5 H
7 E" Q: h& N& v- }. t% c' Y0 a+ N% b

(^^)前課の解答(^^)

0 d2 A2 G. W0 H3 q: Y0 ~& B( U0 W1)　する／なんて（→文型274）／だい（→文型129）
3 o' @* A% _7 a( e2)　に（→文型402）／覚え（～切る→文型067）／が（自Ｖ）


( V5 f0 `" a' w0 z: A
- x) V3 L( p9 H0 f
. W8 n" Q, i" n, M! i# R$ v8 p

050 ＊～からこそ／～ばこそ

9 T& Z; ]/ T0 C, g% z! D8 {& e0 J名詞　　　　：　だ／である　　　　　　　　　＋　　からこそ
. T' n/ ~8 u" l動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーだ／である＞
名詞　　　　：　であれば／なら　　　　　　　＋　　こそ
7 x* Y! u/ F' ?# ]$ ]4 c9 W動詞・形容詞：仮定形＜ナ形ーであれば／なら＞

# @8 ~" n# \" `8 D8 W' h8 i# J8 u4 [

♪　会話　♪

良子：心配してると思えばこそ、こうして電話してるのに、いきなり怒鳴りつけることもないでしょ。
* ~+ I0 r# x+ ?4 k; H* r  k5 f李　：一体全体、今何時だと思ってるんだ。帰りが遅すぎるから、何かあったのかと心配してたんだぞ。
0 |& e+ t9 _2 E; f良子：それにしても、もう少し優しく話してくれたっていいんじゃないの？

♯　解説　♭

　「～からこそ／～ばこそ」は、どちらも「正に～だから～」と原因・理由を強調する表現です。副助詞「こそ」と結びついて、文末が「～んです」と呼応するのが特徴です。「～からこそ」と「～＜仮定形＞ばこそ」の多くは置き換え可能ですが、仮定形の「～ば」は文末に完了形（「た」形）がとれない制約があるため、例文４、５のような場合は不自然になります。
2 G/ p, @5 u2 o8 H　君が来いと　○言ったからこそ　僕は来たんだ。
　　　　　　　×言えばこそ

, z0 H5 D5 h+ C' }" ]+ W! S

§　例文　§

１．親は子を愛するからこそ、厳しくしかることもある。
２．健康だからこそ、幸せな日々が過ごせるのよ。
& P& \5 _" s: f* ^3 |3 B  N, w３．君のことを心配すればこそ、注意しているんです。
４．この作品は、妻の協力があったからこそ完成したのです。
# q6 Z/ ?1 v4 v' Y3 r! F4 e: d- S５．私の話に耳を貸さなかったからこそ、失敗したんだ。こうなっては、もう取り返しがつかない。

/ F) P" T3 B7 H7 x$ t- s

★　例題　★

1)　苦し（さ／み）が多いほど、また喜びも大きい。そして、悲し（さ／み）が多いほど、人に優しくなれる。このように人生は、表裏一体だ（からこそ／からには）おもしろいんじゃないか。
: ]+ ^$ H+ ]% v3 y% r2)　希望が（ある→　　　　）ばこそ、人は（生きる→　　　　　　　）いけるんじゃないでしょう（　）。


: M8 v2 ]8 o$ b- ]  D* L1 v

(^^)前課の解答(^^)

1)　から言えば／ほど／は
) p3 z. U' ^& ?, i2)　から／が／か