秋田事件判決―求められた償いの生涯
秋田事件判决——赎罪生涯
自分の一人娘と近所の男の子。1カ月余りの間に2人の子どもを殺害した畠山鈴香被告に対し、秋田地裁の下した判決は無期懲役だった。
自己的独生女儿和邻居的小男孩。对于被告畠山鈴香在1个月不到的时间里杀害2名儿童的犯罪事实,秋田地方法院下达了无期徒刑的判决。
被告は、ひごろ疎ましく感じていた娘を橋の欄干から突き落として死なせた。そればかりか娘の友だちの男の子を自宅に誘い込んで、首を絞めた。少年を見て、娘は死んだのに元気な姿がねたましく、とっさに殺意がわいたのだという。
被告将平日里感觉生疏的女儿从桥栏推落致其死亡。不仅如此,还把身为女儿朋友的男孩诱骗到自己家中并将其绞死。她说,看到隔壁小男孩,觉得自己女儿死了而他还活得好好的心里很是嫉妒,于是突然产生了杀人的念头。
2人の子どもにしてみれば、被告は最も頼りにしていた母親であり、顔見知りの近所のおばさんだった。その信頼を裏切った犯行は許し難いものだ。
对2个小孩来说,被告曾是她最信任的母亲和面熟的邻居阿姨。因此,这种背叛信任的犯罪我们将难以原谅。
検察は死刑を求めていた。しかし、秋田地裁は考慮すべき事情として次のような点をあげた。犯行はいずれも衝動に駆られてのことで、計画性はなかった。真剣に反省しているとはいえないが、更生する可能性はある。
审理时,检察官恳求法官予以死刑。然而,秋田地方法院却举出以下几点值得斟酌的意见。两次犯罪都是受一时冲动驱使,事先没有计划。虽然不能说被告已做过认真反省,但是她也有可能会重新做人。
そのうえで、「死刑を選ぶほかないと断ずるには、なおためらいを覚える」と述べた。2人の子への贖罪(しょくざい)のため、全生涯をささげるよう強く求めもした。
并且,法官表示“意识到只能判她死刑的时候,更让我感到犹豫”。她也强烈希望献出自己的余生为死去的2个孩子赎罪。
死刑か無期懲役か。3人の裁判官は、さぞ悩んだことだろう。私たちも判断が難しいと思う。
是判死刑还是无期,3名法官肯定苦于定案吧。我们也觉得很难给出判断。
この裁判では、なぜ犯行に及んだのか、動機の解明が注目された。
在案件审理中,解释为什么会涉及犯罪的杀人动机这点备受关注。
被告は娘を産んだ直後から、娘の体に触れることに嫌悪感を感じていたという。離婚後も娘が5歳になるまでほとんど話しかけることもなかった。その後もどのように接していいかわからず、汚れの目立つ服を着せ続けたり、風呂に入れなかったりした。しばしばストレスのはけ口に怒鳴り散らした。娘がいるために仕事が見つからないとも感じていた。
据被告陈述,生完小孩后,自己很讨厌去触碰女儿的身体。从离婚后到女儿5岁她基本没怎么和女儿说过话。之后,由于不知道该怎样跟女儿接触,不是连续几天让她穿脏衣服,就是不给她洗澡。偶尔还把她当作自己解压的出气筒。有时还感觉是因为有女儿自己才找不到工作的。
判決からは、子育てを重荷としか思えない未熟な親の姿が伝わってくる。
判决反映的是一个将哺育孩子视作重荷的未成熟母亲的姿态。
秋田県藤里町の役場には、娘の通う小学校から、「いつもおなかをすかして、汚れた服を着ている」との連絡が届いていた。民生委員が何度か被告宅を訪ねていたが、養育放棄とは考えず、児童相談所に通報しなかった。
女孩就读的小学向秋田县藤里町办公地投诉“小孩经常饿着肚子,穿着脏衣服”。民生委员多次上门走访,但他们没有想到这是被告在放弃养育的问题,因此没有将该情况通报到儿童咨询所。
被告の娘の状況については近くの住民らも知っていた。通学途中の児童が車にはねられて死傷した事故の報道を見た被告から、「あの中に娘がいればよかったのに」とのメールを受け取っていた友人もいた。
有关被告女儿的情况,附近的居民也很清楚。被告还曾经在看到上学途中的小孩被车撞死的报道后,给她朋友的邮件中写到“要是死的那个是我女儿就好了”。
子どもへの虐待は親からのSOSでもある。もし、こうした情報を児童相談所が知って対応に乗り出していたら、2人とも救えたのではないか。
父母对孩子的虐待同时也是父母发出的求救信号。如果儿童咨询所知道这些情况并给出对策,这2名孩子就有可能不会死。
秋田県警が娘の水死を当初、事故とみてしまったのも悔やまれる。被告の養育放棄に気付いて捜査していれば、第2の事件はなかったかもしれない。
秋田县警方对于当初将女孩的死认定为事故一事也深感后悔。要是当时能发现是被告放弃养育而展开调查,就不会发生第2个案件了。
昨年、警察が検挙した児童虐待事件は過去最高の300件にのぼっている。
去年一年警方侦破儿童虐待案件300件,达到历史最高。
結局、おとな一人ひとりが小さな命を守るための目と手になるしかないのではないか。事件の地元、藤里町でも、そのための模索が始まっている。
最终还是应该让每个大人成为保护小生命的眼和手吧。为此,在案发地藤里町也展开了这方面摸索。
[ 本帖最后由 一心一译 于 2008-4-2 09:03 编辑 ] |