▼キツネにくらべると、タヌキはどこかとぼけている。ともに「化ける」ようだが、キツネの七変化に対し、タヌキはもっぱら縞柄(しまがら)の着物である。ときおり化けそこなって、しっぽを出しているそうだ
和狐相比,狸稍微有点迷糊的感觉,虽说两者好象都会乔装变化,但是,相对于狐的七种变化,狸主要就是穿着条形花纹的外衣,听说有时会乔装失败,露出尾巴。
▼そのタヌキが、せんだって、東京西郊の狭いわが庭にデンと座っていた。目が合っても逃げず、悠々たる風体だ。そういえば漢字の狸(たぬき)は、「けもの偏」に「里」と書く。もともと人里近くで生きる身近な動物だったのだと、太めの腹を眺めつつ合点した
前几日,狸在东京西郊狭小的我家院子中庄重的坐下。眼睛相对也不逃走,悠然自的样子,这么说起来汉字的狸[兽字边旁]加上[里]字这么写的,听说原本是在村庄附近生活的动物,远远的看着那胖胖的肚子,表示认同。
▼人と建物のひしめく東京23区だが、都市動物研究会によれば千頭ほどいるそうだ。すみにくいだろうと不憫(ふびん)がるのは、よけいなお世話らしい。近づかず、騒がず、食べ物を与えず。何事もなかったようにしているのが、タヌキには一番という
在人和建筑物林立的东京23区,根据都市动物研究会的说法好象有近千头的样子,说是住的条件很差很值得同情,但是相当的麻烦,不靠近,也不吵闹,也不用给食物。好象什么事情也没有,狸好象是做的最好的。
▼人のもたらす「ありがた迷惑」が、動物界には少なくない。これからの季節は、巣から落ちたヒナを拾うのもその一つだ。ヒナが落ちても、親鳥は世話を続けていることが多い
人给动物界带来的[值得感谢的照顾]并不算少,在接下来的季节里,捡拾从巢里掉出来的小鸟也是其中之一。其实小鸟即便掉落,多数母鸟还是会继续照顾小鸟的。
▼良かれと動物病院へ持ち込んでも、それは「誘拐」。そっとしておいてと、日本野鳥の会などがキャンペーンを始めた。弱って死んでも、それが食べ物になって別の命を育む。「自然界の命の原則は、他の生き物の食物になること」と安易な感傷を戒める
做的好的话带它去动物医院,那其实是[诱拐]如果就这样放任不管的话,日本野生鸟协会之类的团体又会开始宣传活动,其实,体弱的动物死之后,可以将之作为食物孕育别的生命,[成为别的生物的食物,是自然界的生命原则]要戒掉这种容易伤感的情绪。
▼利口なゆえでもあるまいが、キツネは「東京砂漠」からは早めに姿を消したそうだ。その点、タヌキは人付き合いが良い。〈山里は狸もまじる踊哉(かな)〉花弄。ご近所でいられる愉快とともに、さまざまな命あふれる盛んな季節を、おせっかいなしで見守ろう。
也许正式因为这个不聪明的缘故,听说狐很早以前就在[东京沙漠]里消失了,正因为这一点,狸好象和人相处的更加融洽,[在山野里,狸也在其中跳舞弄花,在附近给人带来了愉悦的同时,在这充满生命活力的季节里,不打扰它并守望着它。 |