2008年8月27日(水)付
美食家の北大路魯山人は、料理哲学を様々な言葉で残した。〈どうしても料理を美味(おい)しくつくれない人種がある。その名を不精者(ぶしょうもの)という〉。魯山人が没する前年、この信念に挑むかのような商品が世に出る。熱湯だけで出来上がる「チキンラーメン」だ。
美食家北大路鲁山人,留下许多有关料理哲学的话语。比如“怎么也做不出美味料理的人种,叫做懒人”。在鲁山人去世的前一年,市场上出现一种似乎是专门为了挑战这个信念的产品——只要有热水就可以做出来的“鸡肉味泡面”。
日清食品が世界初の即席めんを売り出して、おとといで丸50年になった。腹ぺこを3分で片づけるインスタント技術に、器いらずのカップ型も加わり、食の風景は一変した。
日清食品推出了世界上第一例速食面,到前天为止正好50周年。肚子饿了,只需三分钟便可完成的“速食技术”,并配有纸杯,连餐具都不用。用餐的风景一度改变。
学生時代、仕送りの谷間を、チキンではなかったが即席めんが埋めてくれた。湯を切っためんに中濃ソースを絡めて焼きそば風にし、粉末スープは別に食す。妙な一汁一菜はしみじみうまかったけれど、袋にプリントされた「盛りつけ例」がまぶしかった。
学生时代生活费拮据时,曾吃过速食面,不过不是鸡肉味的。倒了汤水后放入浓浓的酱料做成和炒面的样子,再冲一碗粉末汤。奇妙的一菜一汤的搭配竟极其美味,不过印在袋子上的那个「装盘示例」太刺眼了。
貧乏学生がすがった即席めんは今、緊急援助に欠かせぬ品となった。各国メーカーでつくる世界ラーメン協会は、ミャンマー水害と四川大地震の被災地に計100万食を送った。きょうも誰かが湯を注ぎ、細く長く、命をつないでいるだろう。
当年穷学生所依靠的速食面,在今天变成了紧急援助时不可缺少的东西。由各国商家组成的世界拉面协会,往缅甸水灾和四川大地震的灾去送去了共计100万份。即使在今天,速食面仍担负着被倒入的热水泡得细长的使命吧。
世界で年に1千億食が消費されている。中心は中国で、日本の食文化が逆上陸した形だ。生みの親の安藤百福(ももふく)翁は「半世紀」を1年待てなかったが、発明品のグローバル化を見届けての大往生だった。
世界上的平均一年要消费1千亿份速食面。主要在中国,日本的食文化逆行而上。速食面之父安藤百福先生没能等到仅差一年的“50周年”(07年去世),不过终于看着自己的发明成为全球化而寿终正寝。
空(す)き腹にまずいものなし。この格言に、魯山人も異は唱えまい。即席めんのうまさは、万国、五感より腹加減で決まり、すすれば当座の元気は出る。逆境でこそ輝く一杯。食べ物が偏在するこの地球で、太く長く続きそうな「ハングリー」との二人三脚である。
肚子饿了什么都好吃——这句格言连鲁山人也不会反对。速食面的美味在于忽略国家与五官,一切由肚子来决定。啜一口便立即精神奕奕。越是逆境越要华丽地吃上一杯。在这个食物不平衡的地球上,速食面将与似乎越发深刻的“肌饿问题”一起发展。 |