江戸時代の農民が副業で作った「金剛草履(こんごうぞうり)」は、丈夫なのに激安だった。投げ売りを例える「二束(足)三文」の語源とされる。安いにも程があるという鳩山総務相のひと声で、日本郵政の保養施設「かんぽの宿」や社宅の売却計画が白紙に戻るらしい
▼79施設に投じた計2400億円に対し、オリックス不動産への売却額は109億円。赤字の源だから、二束三文でも一括処分できるならという感覚なのだろう。とはいえ、明快な競争入札とは違う手続きのあちこちで疑問が生じている
▼これでケチがついたか、郵政改革への逆風が急だ。麻生首相その人が、民営化の根幹、4分社化を見直すべき時だと述べた。しかも、実は民営化には反対だったと強調しながら
▼「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せられるとオレも甚だ面白くない」と言ってはみたが、当時の麻生総務相は「行政府としてはベストの法案」と語っている。当然、きのうの国会では釈明に追われた。安物のコメント屋ではあるまいし、総理がその場の空気に反応してはいけない
▼郵政ワンテーマの総選挙で与党は衆院を支配し、「反対だった」麻生氏まで既に4人の首相を選んできた。反民営化の議員も堂々と復党、閣僚に納まった顔もある。政権が「3分の2」を頼る衆院は、上から下まで有効期限切れだ
▼14%まで落ちた内閣支持率は、ボロ草履のような政治への退場要求だろう。口を開くたびに国民をあきれさせ、政治家の言葉を二束三文におとしめた責任は重い。それも濡れ衣とおっしゃるなら、投票箱に聞いてみるのが早い。
[ 本帖最后由 卉卉妈 于 2009-2-11 14:13 编辑 ] |