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楼主: shanxiazhi

「不思議な恋の物語」

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 楼主| 发表于 2006-6-27 12:56:30 | 显示全部楼层
「こんばんわ、kaiseiさん」
ひとり暮らしをはじめて日課のようになったチャットは
人恋しい気分を紛らわすのに必要不可欠な道具になっていた。
男の悲しい性というか、スケベ心から
自称「チャットのナンパ師」という50代の男性から色々な手解きを受けて
ナンパというものにも挑戦したが結果は惨憺たるものだった。
嫌気がさして人と会話することなく、もっぱら画面に出るログを見ていることが
多くなっていた頃、いつものようにログオンしたまま放置していた。
「お久しぶりです」
呼び出し音が鳴り、ログが表示されたがIDを思い出せなかった。
「忘れちゃいましたか?」机の上のメモ帳をひっくり返し
やっとの思いで探し出し、返事を返すと
「そんなに前でした?ここにはあまりこないから」
能天気な返事が返ってきた。
別居中でひとり暮らしだと話すと「寂しくありません?」
弱いところを突かれた気分で
「寂しいからこうして話し相手を探しにここに来てるんです」
少々苛立ちを感じながら、なげやりに応えた。
「それじゃ今から電話でお話しません?」一瞬目を疑った。
また騙されて携帯の番号を公開される間抜けなことになってしまうのかと
思いながらも恐る々電話番号を打ち込んだ。
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 楼主| 发表于 2006-6-27 13:01:30 | 显示全部楼层
携帯の着信音に慌てて反応しながら、非通知の表示に少しガッカリした。
ひとつ大きく深呼吸をして「もしもし、kaiseiです」
慌てないように低く抑えた声で電話に出た。
「もしもし、naoです」明るく艶やかな声が聞こえてきた。
「随分と落ち着いた声なんですね」
どんな印象で、誰と比べているのかと思いながらも
「自前の声ですから」悪戯っぽく返事を返すと
「あはは、面白いことを言う人なんですね」
明るく笑う声に忘れかけていた優しい雰囲気を感じた。
ひとり暮らしをはじめたが、なかなか馴染めない部屋の雰囲気の中で
眠れない夜が続いていた。
神経は過敏になり、安普請のアパートの上下左右の会話が筒抜けで
隣の若い夫婦の生活音細部まで聞こえてしまう始末。
男にとってある意味、過酷な毎日を送っていた。
「もっと軽いしゃべり方をする人だと想像してたので意外でした」
はっきりとものを言う人だと思いながら
「がっかりしましたか?」と聞き返すと
「いいえ、素敵な声ですよ」
自分はお世辞にも格好良い男とは言えず、「貴方のここが素敵です」
などと言われた事は滅多になく、すっかり有頂天な気分になっていた。
笑い声がいつまでも心に残るはじめての会話だった
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 楼主| 发表于 2006-6-27 13:05:39 | 显示全部楼层
独りの部屋
akoとは相変わらずメールと電話で連絡は取り合っていたが
付き合っているという実感が徐々に薄れ始めていた。
逢えない理由を理解しようとする自分と
何故逢えないのかと疑問を抱く自分が戦い始めていた。
そんな頃、何度かチャットの中で話していた女性に逢いましょうとせがまれ
お酒とカラオケを楽しみながら恋人気分で過ごした。
上機嫌な帰りの電車の中で届いたメールを見て
握り締めた携帯がミシミシと音を立てる程怒りがこみ上げてきた。
「楽しい時間をありがとうございました。
また逢う約束をしましたが、もう逢わないつもりです。
あなたに女性として見て頂けなかった自分が惨めです。さようなら」
その日から自分が変わった。部屋は荒れ放題に荒れた。
カーテンはいつ開けたのさえ覚えていない
洗濯物は部屋の隅にゴミ袋と一緒に山になり
部屋は汗と煙草とゴミの匂いが立ち込めていた。
PCのディスプレイの明かりだけが灯り、湿気を帯びた汗臭い布団に包まり
寝るわけでもなく起きるわけでもなく無意味に眺めている日々が続いたが
それすらもどうでも良いように思えていた。
唯一仕事に通う気力があったのが救いだった。
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发表于 2009-2-25 22:18:59 | 显示全部楼层
记得好像是漫画
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