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[美文推荐] 裏の木戸があいている

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发表于 2007-5-4 09:03:41 | 显示全部楼层 |阅读模式
暇だから、読んでる小説をダウンアウトして皆さんと一緒に読みましょう。

裏の木戸があいている

その道が狭く、両側には土塀の武家屋敷が並んでいた。内蔵町の辻から裏通りへ曲がって中ほどにある一棟の屋敷だけ、笠木塀をまわしてあり、その一隅に木戸が付いていた。しばしば人が忍んで来て、その屋敷の裏木戸を開ける。木戸には鍵が掛かっていない。桟を引けば、ことっと軽い音がするだけで、すぐに内側へ開くのであった。。。。男も来るし、女も、老人も来る。みんな足音を盗むように来て、その木戸をあけ、庭へはいって、しばらく何かしていて、やがて出てくると、静かに木戸を閉め、きた時と同じように、足音を忍んで去ってゆくのであった。
ある日、高林喜兵衛は、寄合役の部屋に呼ばれた。そこには細島左内、脇谷五左衛門、藤井三郎兵衛、そして、喜兵衛の隣り屋敷の和生久之助がいた。

「そこもとが隠れて金貸しめいたことをしている、という訴文が、目安箱の何に投げ入れてあった。念のために事実かどうかを聞きたいのだが」左内が言った。
喜兵衛は「事実無根である」と答えた。


这条狭窄的道路两旁排列着土砌的武家宅邸。从内蔵街的街头往小巷子里面拐,途中有一家宅邸的周围是木的围墙,角落里有一个木门。时而会有一些人悄悄地过来,打开这座宅邸的这扇木门。木门没有上锁。只要轻轻的拉开门拴就可以进到里面。……来这里的有男人,也有女人,也有老人。大家都是轻轻的来,蹑手蹑脚的,打开木门,进到庭院里,在里面做一些什么之后,又马上的离开,轻轻的关上木门,同来时一样,悄悄的离去。

有一天,高林喜武官被叫到寄合(江户时期的俸禄达到3000石以上的非在职人员)的住处。细岛佐内,脇谷五左衛門、藤井三郎兵衛还有喜武官宅邸旁边的和生久之助都已经到了。
左内说:“收到一封投到诉讼箱里的诉状,说你在暗中进行借贷买卖。慎重起见我想先确认一下这到底是不是真的。”
“毫无事实根据。”喜武官回答道。
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 楼主| 发表于 2007-5-4 09:08:15 | 显示全部楼层
その次はまだ訳してないから、一応日本語だけをアップします。中国語が訳し次第、再アップしましょう
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 楼主| 发表于 2007-5-4 09:09:51 | 显示全部楼层
「余計な差し出口かもしれないが」と和生久之助が云った。「高林には、そういう中傷の種になるようなことが一つある筈だ。私から云おう。裏の木戸のことだ」



喜兵衛は手を上げて制止しようとしたが、久之助がもう言葉を続けていた。
「高林の家の裏木戸の内側に、金の入っている箱が掛けてある。その木戸はいつもあいていて、窮迫している者は誰でも、箱の中からほしいだけ持ってゆくことができる、そして、返すときも同様に、黙って木戸を入って、その箱の中へ戻しておけばよい。訴文はこのことをさすのだと思われます。」

「それが事実とすれば、金貸しそのものではないか」と三郎兵衛は云った。
「それは違います。金貸しというものは、人に金を貸して利を稼ぐものでしょう。高林は利息などは取りません。誰がどれだけ借りたかもわからない。高林はただその箱をしらべ、金が有ればよし、無くなっていれば補給するだけです。」
「どうしてだ」を五左衛門は訊いた。「どういう事情でそんなことを始めたのだ」
「それは」と喜兵衛は低い声云った。「その日の食にも窮しているものたちに、いちじの凌ぎでのつけばよいと思いましたので」
「小人の思案だ」と三郎兵衛が云った。「それは人に恵むように見えるが、却って人をなまくらにする、貧窮してもそんなに手軽に凌ぎをつくとすれば、
そうでなくとも、怠けたがる下人たちは、苦労して働くという精神を失うに違いない」
「それでは寄合役の意見を述べる」と三郎兵衛は改まった調子で云った。「いずれお沙汰があるまで、直ちにその木戸を閉め、その箱を取払っておくがよい」
喜兵衛は静かに「それは受けできません」と云った。「箱のなかの僅かな金を、たのみにするものが一人でのある限り、私はその箱を掛け、木戸を開けておきます」
「これはそう簡単な問題ではない」と久之助は云った。「領内に窮民があれば、藩で救恤の法を講ずるのが当然で、高林はそれを独力でやってきたわけです。廃止を命ずるまえに、その実態を調べるべきだと思いますが」
ほかの三人は顔を見交わし、あえて反対はしなかった。
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 楼主| 发表于 2007-5-4 09:11:17 | 显示全部楼层
その日、下城の太鼓が鳴ってから、喜兵衛の部屋へ久之助が来て、「あの箱をたのみにする人がいることを、なぜもっとはっきり云わなかったのか」を訊いた。

「それを云ったところで」と喜兵衛は悲しげに微笑した。「あの人たちは分からないだろうからね。十五年ほど前のこと、家に出入りの吉兵衛という桶屋が、貧窮のあまり、妻子三人を殺して自分も自殺した、ということがあった。その時、銀の一両か二両あれば死なずに済んだであろう、そのくらいの金なら誰に頼んでも都合ができたであろうに、場かなことをする人間もあったものだと、藤井の父の図書殿が云ったのを覚えている。はたして、吉兵衛が借りにいたら、こころよく貸しただろうか」

喜兵衛はその時「裏の木戸」のことを思いついた、と云った。初めの二年ばかりは、箱はからになることのほうが多く、その補給にかなり苦労したが、そのうち返すものが出はじめ、ときには元金より多く入っていることさえあった。

「訴状を入れた人間も、およそ見当がついてるんだ」と久之助が云った。「小金町あたりの日金を貸しているやつの仕事さ。やつらは貧乏人の生血を吸って肥えるんだから、裏の木戸は大敵なんだ。」
「難しいものだ」と喜兵衛は吐息をついて云った。「――こういうことでさえも、どこかへ迷惑を及ぼさずにはいなにんだな。」

           ーーーーーーーーーーーーーー完了ーーーーーーーーーーーーーーーー
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