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スリランカでは日本語がとても人気がある。「お元気ですか?」「こんにちは」「さようなら」くらいの単語を知っている人も多い。いわゆる客引きとしての日本語ではなく、基礎からきっちり勉強したいと言う。しかし、「勉強したい!」という需要にくらべ、勉強できる場が少ないのが現状のようである。
そんな中、南部の都市ゴールの日本語教室をたずねた。先生は、スリランカ人の男性。お母さんの話によると、子どもの頃からなぜか日本が大好きだったのだという。お父さんの仕事の関係で、家に遊びに来た日本人からもらった本で勉強する姿を見て、「きっと前世は日本人だったんだね」近所の人たちが噂したほど。独学で読み書きを修得した。もちろん漢字も勉強した。新聞は難しいと言っていたが、中学生程度の本ならすらすらと読めるし、書ける。
先生の自宅は、コロンボから海沿いを走る「ゴール道路」沿い。その一室を教室として利用している。生徒は13歳から50歳まで、学生も会社員もいる。最初は、ひらがな、カタカナを覚え、1回の授業で2~3の漢字を習う。
暗記が苦手な私のとっては、ひらがな、カタカナだけでも挫折しそうだが、スリランカ人はそんなに苦にならないらしい。数週間でものにしているのには驚く。
動詞の活用形は覚えやすいようだが、問題は冠詞。「は」なのか「が」なのか、「に」なのか「へ」なのか、改めて質問されると説明は難しい。
とてもよく勉強しているのに、日本語で話すのを恥ずかしがる人が多いので、あとは小さな間違えにこだわらずどんどん話すことが上達のカギだろう。といっても、このあたりには日本人は少なく(在住されている人はいるのだろうか? 旅行者もあまり見かけない)、練習の機会はないのだが・・・。
日本語を教えるということは、日本語だけでなく、日本という国について、文化や習慣や宗教(よく質問される)を知っていなければならないということである。生徒の質問を受けながら、易しい言葉でわかりやすく説明する難しさを痛感させられた1日だった。
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