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宮内庁の野村一成・東宮大夫は5日、皇太子ご夫妻の長女愛子さま(8)が1日から学習院初等科を休んでいると発表した。愛子さまは現在2年生。野村東宮大夫によると、同学年に乱暴な男児が複数おり、愛子さまは強い不安感と腹痛などを訴えているという。一方、学習院の東園基政常務理事は同日会見し、「愛子さまに暴力行為やいじめがあったとは聞いていない」と話した。
宮内庁によると、愛子さまは1日は学校を休み、2日は4時限目だけ出席したが早退し、その後休んでいる。野村東宮大夫は乱暴の具体的な内容は述べなかったが、愛子さまにけがなどはないという。
一方、東園常務理事によると、昨年7月ごろ、数人の男子児童が教室でかばんを投げたり、大声を出すことがあった。愛子さまが被害に遭うことはなかったが、学校は学級担任に補助教員を付けて注意するなどした結果、昨年11月ごろには沈静化した。ところが、愛子さまが2日に学校を早退する際、隣の教室から廊下に飛び出してきた男子児童2人とぶつかりそうになったという。
東園常務理事は「その(2日の早退)時に怖い思いをし、過去のことを思い出されたのではないか。ただ、愛子さまが休まれていることは憂慮すべきことで、学校として今後の対応を考えていきたい」と話した。近く臨時父母会を開く予定という。【真鍋光之】
前代未聞の“乱暴騒動” 学習院側が謝罪
「ご心配をおかけしていまして、申し訳ございません」。宮内庁が敬宮愛子さまの不安感を表明したことを受け、5日会見した学習院の東園基政常務理事らは冒頭、皇族に対する前代未聞の“乱暴騒動”を謝罪した。乱暴行為自体の存在は否定したものの、皇族方の教育を支えてきた「ブランドイメージ」への影響は避けられそうにない。
宮内庁の野村一成東宮大夫と学習院の会見では、事実関係のとらえ方で大きな違いがあった。
学習院側は、昨年7月に複数の男子児童による迷惑行為があり、父母会を開いたり、見張り役の教師を配置したりするなどした結果、11月には迷惑行為がなくなり、通常の態勢に戻したと説明。今回の愛子さまの「不登校」は、男子児童が猛スピードで走ってきたため、愛子さまが当時のことを思いだしてショックを受けられたことが「一番の理由だろう」としたが、記者側からは「それだけでショックを受けるのか」などと疑問を示す声も相次いだ。
また、野村東宮大夫が指摘した、ほかの児童への被害についても、「確認していない」とするなど、ほかにも両者の説明が一致しない部分がみられた。
学習院には、皇族方を受け入れてきた長い歴史がある。東園常務理事は今回のように、皇族方が不安感を覚えられるような行為が問題になったケースは過去に例がないと認めた上で、「試験や面接のやり方を工夫する必要がある」と、入学試験の改革も示唆した。
学習院をめぐっては、今春から秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまと長女の眞子さまが、それぞれ学習院以外のお茶の水女子大付属幼稚園と国際基督教大学(ICU)に進まれることを決定し、話題となった経緯がある。 |
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