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「僕はいつも言ってるだろ。人類はすべて我が探偵事務所の潜在的な顧客だと。それと同じことだ。全人類に容疑がある」 小林泰三 『密室・殺人』
「泥の中に突っ込まれろ、漂白剤に侵されろ、オレが望むように、流行りもののように、友達のように、懐かしい思い出のように」 ニルヴァーナ 『カム・アズ・ユー・アー』
「いまのあなたは時の流れを生きたもっとも高潔な人間の廃墟だ」 ウィリアム・シェイクスピア 『ジュリアス・シーザー』(小田島雄志訳)
「いまは結婚しているのではないの? わたくしは、お兄さまの妻ではないの?」 田辺聖子 『新源氏物語』
「つまり、おれたちは新大陸の大蟻食いにとってのアンチポデスなのだ。」 澁澤龍彦 『高丘親王航海記』
「あなた、十字架で死んだのはイエスじゃなくてユダだっていうの?」 鯨統一郎 『奇蹟はどのようになされたのですか?』
「けっきょく、だれが人間であるかを決めるのは社会だということです」 森岡浩之 『スパイス』
「……はっきりと、判っていることだけは、ひとつある」 「なんです?」 「おめえに、この小娘を、押しつけられた、ということさ」 柴田錬三郎 『御家人斬九郎』
「下を向いて歩いてばかりいると、空が青いことも忘れてしまうんですよね……」 中山文十郎 『雪菜のねがい』
「言葉には気性がある、言葉によってはな──とりわけ、動詞だ。これがいちばん、えらぶってる」 ルイス・キャロル 『鏡の国のアリス』
「いったい、きみは暴虐が快楽を大きくすることに役立たないとでも思っているのかね?」 マルキ・ド・サド 『食人国旅行記』
「あれこそ、人によっては、黄金以外のもののために闘うものもあるという好例ですな」 ロバート・E・ハワード 『ネルガルの手』
「僕は、どんなにどんなに美しい絵であっても、衝撃的な一言にはかなわないと思う」 大槍蘆人 『DIALOGUE』
「旦那様は私の足を折るのですね」 酒見賢一 『エピクテトス』
「神よ、微風の中で息をつく力を与えたまえ。──そして冷たいメタルフレームの中から命を呼ぶ力を」 ドリーム・シアター 『ウェイト・フォー・スリープ』
「私はよく散歩するよ。磁石と地図を持って、ひとりでどんどん歩く。畑のなかの道だけ歩くとか」 片岡義男 『エスプレッソを二杯に固ゆで卵をいくつ?』
「──死ぬことに虚栄を張るな、いさましくあろうとなかろうと、死そのものにはなんの変りもない」 山本周五郎 『正雪記』
「箸がない」 「左手にもってらっしゃいます」 「なるほど」 司馬遼太郎 『燃えよ剣』
「わたしがあなたから欲しいと思うものは、ただひとつ。──あの街をください」 塩野七生 『コンスタンティノープルの陥落』
「今はこうして毎晩逢っているからよいけれど、僕はひとりで居る時、どんなにあなたが好きだったことだろう」 稲垣足穂 『莵』 |
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