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我是猫第四段

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发表于 2012-10-13 11:27:35 | 显示全部楼层 |阅读模式
吾輩がこの家へ住み込んだ当時は、主人以外のものにははなはだ不人望であった。どこへ行っても跳はね付けられて相手にしてくれ手がなかった。いかに珍重されなかったかは、今日こんにちに至るまで名前さえつけてくれないのでも分る。吾輩は仕方がないから、出来得る限り吾輩を入れてくれた主人の傍そばにいる事をつとめた。朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝ひざの上に乗る。彼が昼寝をするときは必ずその背中せなかに乗る。これはあながち主人が好きという訳ではないが別に構い手がなかったからやむを得んのである。その後いろいろ経験の上、朝は飯櫃めしびつの上、夜は炬燵こたつの上、天気のよい昼は椽側えんがわへ寝る事とした。しかし一番心持の好いのは夜よに入いってここのうちの小供の寝床へもぐり込んでいっしょにねる事である。この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入はいって一間ひとまへ寝る。吾輩はいつでも彼等の中間に己おのれを容いるべき余地を見出みいだしてどうにか、こうにか割り込むのであるが、運悪く小供の一人が眼を醒さますが最後大変な事になる。小供は――ことに小さい方が質たちがわるい――猫が来た猫が来たといって夜中でも何でも大きな声で泣き出すのである。すると例の神経胃弱性の主人は必かならず眼をさまして次の部屋から飛び出してくる。現にせんだってなどは物指ものさしで尻ぺたをひどく叩たたかれた。& e0 Q+ Y, P# ^- V* @1 _
 吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘わがままなものだと断言せざるを得ないようになった。ことに吾輩が時々同衾どうきんする小供のごときに至っては言語同断ごんごどうだんである。自分の勝手な時は人を逆さにしたり、頭へ袋をかぶせたり、抛ほうり出したり、へっついの中へ押し込んだりする。しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら家内かない総がかりで追い廻して迫害を加える。この間もちょっと畳で爪を磨といだら細君が非常に怒おこってそれから容易に座敷へ入いれない。台所の板の間で他ひとが顫ふるえていても一向いっこう平気なものである。吾輩の尊敬する筋向すじむこうの白君などは逢あう度毎たびごとに人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。白君は先日玉のような子猫を四疋産うまれたのである。ところがそこの家うちの書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四疋ながら棄てて来たそうだ。白君は涙を流してその一部始終を話した上、どうしても我等猫族ねこぞくが親子の愛を完まったくして美しい家族的生活をするには人間と戦ってこれを剿滅そうめつせねばならぬといわれた。一々もっともの議論と思う。また隣りの三毛みけ君などは人間が所有権という事を解していないといって大おおいに憤慨している。元来我々同族間では目刺めざしの頭でも鰡ぼらの臍へそでも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなっている。もし相手がこの規約を守らなければ腕力に訴えて善よいくらいのものだ。しかるに彼等人間は毫ごうもこの.観念がないと見えて我等が見付けた御馳走は必ず彼等のために掠奪りゃくだつせらるるのである。
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