源氏物語～各帖のあらすじ

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  きり─膜堋就�壺】\

「源氏物語」第一帖の名。光源氏誕生から一二歳まで。帝の寵愛を一身に受けた光源氏の母桐壺更衣の死、源氏の臣籍降下、亡き更衣と生き写しの藤壺の入内、源氏と葵の上との結婚および藤壺への深い思慕など、物語の重要な伏線が描かれる。

ははき─�【帚木】\

「源氏物語」第二帖の巻名。源氏一七歳の夏、五月雨の宵に源氏の宿直所で頭中将・左馬頭らがかわした女性論「雨夜の品定め」と、翌日の方違えに空蝉をかいまみ、一度は近づくが、空蝉は二度とは源氏に会おうとしなかったことを述べる。

うつせみ【空蝉】
「源氏物語」第三帖の名。帚木の後半を受け、源氏一七歳の夏、三度目に空蝉に近づいたが、空蝉が薄衣をぬぎすべらしてのがれることを中心に描く。後から挿入された短編的性格の巻といわれる。

ゆう─�お【夕顔】\
「源氏物語」第四帖の巻名。光源氏一七歳の夏、五条の宿りに夕顔を見いだし、八月、夕顔を伴って宿った六条のなにがしの院で、物の怪（け）のため、夕顔を急死させてしまうことを中心に、空蝉（うつせみ）の伊予下向や六条御息所との交渉にも触れる。

わか─啶椁丹�【若紫】\
「源氏物語」第五帖の巻名。光源氏一八歳の三月から一〇月まで。源氏が北山で藤壺によく似た少女紫上を見いだし、紫上の祖母の死後、自邸二条院に引き取るまでを描く。

すえつむ─悉省灸┱�花】\
「源氏物語」第六帖の巻名。源氏一八歳の三月から一九歳の正月まで。光源氏は常陸宮の姫君と契りを結ぶが、翌朝になって鼻が長く垂れて先の赤い醜女だったことを知る。

もみじのが【紅葉賀】
「源氏物語」第七帖の巻名。源氏一八歳の秋から一九歳の秋まで。紅葉賀の試楽での源氏の舞う青海波のはなやかさ、藤壺の生んだ皇子が自分に生き写しと知って苦悩する源氏と藤壺、老女房源内侍をめぐる頭中将と源氏などを中心に描く。

はなのえん【花宴】
　「源氏物語」第八帖の巻名。源氏二〇歳の春、二月の紫宸殿の花の宴、三月の右大臣邸の藤の花の宴を中心に、朧月夜と源氏の出会いと、朧月夜にひかれる源氏の様子を述べる。

あおい【葵】
「源氏物語」第九帖の名。光源氏の正妻葵上は、嫉妬に狂う源氏の愛人六条御息所（ろくじょうのみやすんどころ）の生霊にとりつかれて、夕霧を生んだのち命を落とす。謡曲、浄瑠璃の題材とされる。

さか─�【榊】
「源氏物語」第十帖の巻名。光源氏二三歳の九月から二五歳の夏まで。六条御息所の伊勢下向、桐壺帝の崩御、藤壺の出家、源氏がひそかに朧月夜に逢ったのを見つかって追放の画策をされるまでのことなどを描く。

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  はなちる─丹取净ㄉⅳ肜铩縗
「源氏物語」第十一帖の巻名。源氏二五歳の五月二〇日、麗景殿の女御と、その妹花散里を訪問する次第を述べる。

すま【須磨】
「源氏物語」第十二帖の巻名。源氏二六歳の三月から二七歳の三月まで。須磨に退去した源氏の生活を描く。離京のさま、須磨での生活、三月一日の海辺の祓に大暴風雨と津波に襲われたことなどを述べる。

あかし【明石】
「源氏物語」第十三帖の名。源氏二七歳の三月から二八歳の八月。流寓の源氏は明石入道の娘明石上と結ばれるが、帝の召還により単身都に戻る。

みお─末くし【澪標】
「源氏物語」第十四帖の巻名。源氏二八歳の一〇月から翌年一一月まで。明石から帰京後の源氏の繁栄と、住吉詣での折の源氏と明石上とのすれちがいなどを中心に描く。

よもぎ─Α九钌�】\
「源氏物語」第十五帖の巻名。光源氏二八歳の秋から翌年四月まで。源氏の須磨下りののち、荒れた邸にあって、叔母に西国への同行を求められ苦しむ末摘花のさまと、源氏が帰京後訪れてその苦労が報われるさまを描く。

せき─洹鹃v屋】
「源氏物語」第十六帖の名。源氏二九歳の九月末から一〇、一一月ごろまで。源氏は石山寺へ参詣の途中、逢坂の関屋付近で、夫常陸介について上洛する空蝉（うつせみ）の一行と行きちがい、往時を思う。やがて常陸介は死に、空蝉は出家する。

え─ⅳ铯弧窘}合】
　「源氏物語」第十七帖の巻の名。光源氏三一歳。前斎院が入内され、二度の絵合が催され、梅壺（前斎院）と光源氏は趣向をこらす。

まつ─�ぜ【松風】
「源氏物語」第十八帖の巻名。源氏三一歳の秋。明石上が上洛して大井の山荘にはいる。源氏の明石上訪問が実現するが、紫上は嫉妬する。しかし、明石姫君を紫上の養女とする計画には紫上は喜んで賛成することなどを中心に描く。

うす─挨狻颈‰叀縗
「源氏物語」第十九帖の名。源氏三一歳の冬から三二歳の秋まで。藤壺の病死と、源氏の遁世への思い、帝がその出生の秘密を知ることなどが語られる。

あさがお【朝顔】
「源氏物語」第二十帖の名。故桐壺院の弟桃園式部卿の宮の娘朝顔の姫宮は、父の死により賀茂の斎院の職を退き、桃園に移り住んでいる。この姫宮に昔から思いを寄せていた源氏は、桃園邸に住む叔母女五の宮の見舞いにかこつけて邸を訪れた。長年の恋慕の情を訴える源氏に対して、姫宮はなびく気配もなく、帰邸した源氏からの朝顔の花をそえた歌に返事をするだけだった。源氏が前斎院に通っているという噂を耳にした紫の上は、嘆き煩悶する。雪の日の夜、源氏は紫の上をなだめ過しながら、藤壺をはじめとする女性たちの人物批評を語る。すると源氏の夢に藤壺が現われ、話題にしたことへの怨みを述べるのであった。

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おと─帷疽遗�】\
「源氏物語」第二十一帖の名。光源氏三三歳の四月から三五歳の一〇月まで。夕霧の元服、大学入学、六条院の新築などを描く。

たま─�ずら【玉鬘】
「源氏物語」第二十二帖の巻名。源氏三四歳の末頃から三五歳の一二月まで。玉鬘が、筑紫から、大夫監（たいふのげん）の手をのがれて上京し、初瀬参詣の折に昔の母の侍女右近と会い、源氏の六条院に引きとられるまでを述べる。玉鬘の二〇歳から二一歳まで。

はつ─汀境跻簟縗
「源氏物語」第二十三帖の巻名。源氏三六歳の正月。源氏の、六条院と二条院の御方々への年賀回り、臨時客、男踏歌（おとことうか）などを中心に、新年の六条院のはなやかさを描く。玉鬘十帖の第二。

こ─沥绀Α竞�蝶】\
「源氏物語」第二十四帖の名。光源氏三六歳の三、四月。六条院での舟楽、歌舞、季の御読経などを背景に、玉鬘（たまかずら）の周囲に懸想人が集まり、源氏までも懸想してしまうさまを描く。玉鬘十帖の第三。

ほたる【蛍】
「源氏物語」第二十五帖の巻名。源氏三六歳の五月。源氏が蛍の光で玉鬘の姿を兵部卿宮に見せること、源氏の物語論、夕霧と雲井雁の恋などを配し、玉鬘にひかれて行く源氏の心や、玉鬘をめぐる人々の動きなどを述べる。玉鬘十帖の第四。

とこ─胜摹境Ｏ摹縗
　「源氏物語」第二十六帖の巻名。源氏三六歳の夏。玉鬘への思いがつのってきた源氏が、玉鬘の結婚問題で悩むことを中心に、内大臣が引きとった近江君の話を配する。

かがり─印倔艋稹縗
「源氏物語」第二十七帖の名。光源氏三六歳の七月、初秋の一夜、玉鬘を訪ねた源氏は篝火をたかせ、柏木、夕霧を呼んで、ともに合奏を楽しむ。

の─铯�【野分】\
「源氏物語」第二十八帖の巻名。源氏三八歳の秋八月、野分の吹き荒れたあと、風見舞にまわる夕霧の目に映じた六条院のさま。垣間見た紫上や明石姫君のさまなどを述べる。玉鬘十帖の第七。

み─妞�【行幸】\
「源氏物語」第二十九帖の巻名。玉鬘十帖の第八。源氏三六歳の一二月から翌年二月まで。冷泉帝の大原野行幸を見物する玉鬘、玉鬘を宮仕えに出そうと企図する源氏、玉鬘が父内大臣に紹介され、やがて裳着が行われることなどを描く。

ふじ─肖�ま【藤袴】
「源氏物語」第三十帖の巻名。源氏三七歳の八、九月のこと。夕霧が、玉鬘恋しさのあまり藤袴の花を贈り、和歌を贈答するのを中心に、玉鬘をめぐる人々の思惑を描く。

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まき─肖筏椤菊婺局�】\
「源氏物語」第三十一帖の名。玉鬘十帖の第一〇。源氏三七歳の一〇月から翌年一一月まで。玉鬘が鬚�（ひげくろ）の大将と結婚したあと、鬚�の北の方の煩悶などさまざまの波乱と、玉鬘の尚侍（ないしのかみ）になっての出仕、鬚�の熱愛ぶりなどを描く。\

うめ─�─ā久分Α�
「源氏物語」第三十二帖の名。光源氏三九歳の正月から三月。明石姫君の裳着から入内の決定、その用意をめぐる出来事などを描く。

ふじのうらば(ふぢのうらば)【藤裏葉】
「源氏物語」第三十三帖の巻名。源氏三九歳の三月から一〇月まで。夕霧と雲井雁はめでたく結ばれ、明石姫君は東宮女御に、源氏は準太上天皇になり、六条院では冷泉帝と朱雀院を迎えて盛大な紅葉賀が行われる。

わか─省救舨恕可希à袱绀Γ�－下（げ）\
「源氏物語」第三十四、三十五帖の巻名。上下に分ける。光源氏三九歳の一二月から四七歳の一二月まで。朱雀院の女三宮の光源氏への降嫁と、それを迎える紫上の苦悩、柏木の女三宮への思慕とそれによる女三宮の懐妊、その真相を源氏に知られた柏木の心痛と発病などを描く。

かしわ─�【柏木】\
「源氏物語」第三十六帖の名。源氏四八歳の正月から秋。源氏の妻、女三の宮は、柏木とのあやまちからのちの薫（かおる）を生むが源氏に二人の間を察知され出家し、柏木は苦悶の末病の床につき、夕霧に後を託して死ぬ。

よこ─证ā竞岬选縗
「源氏物語」第三十七帖の巻名。光源氏四九歳の二月から秋まで。親友柏木の死後、柏木の北方落葉宮とその母一条御息所を見舞った夕霧が、御息所から柏木遺愛の横笛を贈られることを中心に、柏木没後の模様を描く。

すず─啶贰锯彸妗縗
「源氏物語」第三十八帖の巻名。源氏五〇歳の夏から秋八月まで。入道した女三の宮の持仏供養、六条院での鈴虫を聞きながらの人々の音楽、冷泉院での詩歌の会、秋好中宮の出家の希望を源氏がいさめることなどが描かれる。

ゆう─�り【夕霧】
「源氏物語」第三十九帖の巻名。光源氏五〇歳の八月から一二月まで。夕霧の柏木未亡人落葉宮への思慕と、それをめぐる落葉宮の母御息所の死と、夕霧夫人雲井雁の嫉妬を描く。

み─韦辍居�法】\
「源氏物語」第四十帖の巻名。源氏五一歳の三月から秋まで。健康の思わしくない紫上は出家を望むが許されない。法華経千部供養の法華八講ののち、紫上は、八月に病没する。源氏は自失し、夕霧が葬送万端をとりしきる。

まぼろし【幻】
「源氏物語」第四十一帖の巻名。正編の最終巻。源氏五二歳の正月から年末まで。紫上の没後の、源氏の追憶と悔恨の日々を、二条院・六条院の四季の変化を背景に、ほぼ一年にわたって描く。

くも─�くれ【雲隠】（番外）
「源氏物語」の巻名。巻名だけで本文がない。光源氏の死を象徴しているといわれる。のちの「宿木」の巻によると、源氏は出家後、嵯峨に隠棲し、二、三年後に死去したとある。

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におう─撙洹緞鰧m】
「源氏物語」第四十二帖の巻名。匂宮一五歳の春から二一歳の正月まで。源氏の没後、世人が匂宮と薫とを並称したこと、薫は自分の出生に不審を持って沈みがちであり、匂宮は薫に対抗するように華やかにふるまうことなどを中心に述べる。

こう─肖ぁ炯t梅】
「源氏物語」第四十三帖の名。薫大将二四歳の春から冬まで。順調に勢力を伸ばした柏木の弟按察大納言（のちの紅梅右大臣）の家庭の事情を中心に、薫と匂宮とのかかわりが描かれる。

たけかわ【竹河】
「源氏物語」第四十四帖の巻名。薫一四歳から二三歳の秋まで。弘徽殿女御に嫉妬された玉鬘の娘大君が冷泉院のもとから里にもどる。

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はし─窑帷緲驃�】\
「源氏物語」第四十五帖の巻名。薫二〇歳から二二歳の一〇月まで。薫は出家を思う心から宇治に隠棲する八の宮を訪ね、大君と中君を知り、山荘の模様を匂宮に語る。また、大君に仕える弁のおもとから、自分の出生の秘密を知らされる。宇治十帖の第一。

しいがもと【椎本】
「源氏物語」第四十六帖の巻名。宇治十帖の第二帖。薫の二三歳の二月から二四歳の夏まで、宇治の八宮の逝去と、その姫君たちをめぐっての薫と匂の宮の動きを述べる。

あげ─蓼�【総角】
源氏物語第四十七帖の名。宇治十帖の第三。薫二四歳の八月から一二月まで。大君は薫の求愛を妹の中君へと考えるが、中君は匂宮と結ばれてしまう。大君は考えと違った結果に妹の将来を憂いつつ死ぬ。

さ─铯椁印驹甾А縗
「源氏物語」第四十八帖の巻名。宇治十帖の第四帖。薫二五歳の正月から二月まで。宇治の大君没後の中君の心境と、中君が匂宮の二条院に移って薫が失望するさまを描く。

やどり─�【宿木】\
「源氏物語」第四十九帖の巻名。宇治十帖の第五。薫二四歳の夏から二六歳の四月まで、匂宮に正妻ができたことで沈む宇治の中の君と、それに接近してゆく薫の前に浮舟が出現することを中心に描く。

あずま─洹緰|屋】
「源氏物語」第五十帖の名。宇治十帖の第六。薫二六歳の八月から九月。薫は、亡き大君に生き写しの浮舟に心を奪われ、宇治の山荘に住まわせる。

うき─栅汀靖≈邸縗
「源氏物語」第五十一帖の名。宇治十帖の第七。薫二七歳の正月から三月まで。浮舟は薫と匂宮との愛の板ばさみに苦しみ、入水の決意をする。

かげろう【蜻蛉】
源氏物語第五十二帖の名。薫大将二七歳の春から秋。浮舟の失踪から匂宮と浮舟の関係を知った薫は憂愁に閉ざされるが、明石中宮の法華八講で女一の宮に心を動かされ、自分の道心のもろさを恥ずかしく思う。

て─胜椁ぁ臼至暋縗
「源氏物語」第五十三帖の巻名。宇治十帖の第九帖にあたる。薫二七歳の三月から翌年の四月まで。宇治川に入水した浮舟は横川僧都に助けられ、僧都の母と妹尼のもとに引きとられ、僧都に願って出家する。薫は浮舟の一周忌を行うが、やがてその生存を知り、僧都と浮舟に会おうとする。

ゆめ─惟うきはし【夢浮橋】
「源氏物語」第五十四帖（最終帖）の巻名。浮舟のゆくえを確かめた薫が、浮舟の弟小君に手紙を託してさし向けるが、浮舟は逢おうとしない。