中国「日本は再び真珠湾攻撃する」滑稽論説の背景に「米国世論への危機感」…「中国脅威論」高まり日米の仲を引き裂きたい?
米国のオバマ大統領が今年4月に行ったアジア4カ国の歴訪は、外交、経済、安全保障でのアジア太平洋地域への関与を強化する一環と位置付けられている。これに反応した中国メディアは、オバマ氏来日を前に「日本が真珠湾をまた攻撃する」などといった理不尽きわまる論説を掲載した。訪日前にあった米世論調査会社の「最大の敵はどの国か」の調査によると、中国が初めて1位に。米世論で敵とみなされた中国は、日米関係に神経をとがらせていたのだろうか。
中国の危機感、真珠湾攻撃を担ぎ出す
今年4月15日、中国共産党の機関紙「人民日報」海外版に、不可解な論説が掲載された。表題は「日本を縄から解き放って、米国は安心していられるのか?」。タイミングはオバマ氏の来日(同月23~25日)直前だったが、その論旨は到底理解できるものではなかった。
内容は、オバマ氏来日を前に安倍晋三首相が憲法改正や集団的自衛権行使での世論形成を進めているとし、日本の再軍備が米海軍の主要基地がある真珠湾攻撃につながるかもしれない、歴史は繰り返される-などとしたのだが…。
そもそも現在の日米関係を見れば、日本が真珠湾を攻撃しなければならない理由など、どこにも存在しない。
首脳会談後の共同声明で、オバマ氏は尖閣諸島を日米安保条約の適用対象にすると明言し、中国の理不尽な領有権主張に対抗する姿勢を明確にした。その後、訪問したフィリピンでも、米軍の定期的な派遣や軍事施設の共同使用で軍事協力協定を締結するなど、対中包囲網を強めた感がある。
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