〔完了の助動詞「たり」の終止形「たり」から。中世末期以降の語〕
活用語の連用形に接続する。ガ・ナ・バ・マ行五(四)段活用の動詞に付く場合には「だり」となる。
①
並行する、あるいは継起する同類の動作や状態を並べあげるのに用いる。普通、「…たり…たり」のように、「たり」を二つ重ねて用いる(時に、末尾の「たり」のあとに「など」を添えていうこともある)。 「人が出-入っ-している」 「本を読ん-(だり)手紙を書い-するひまもない」 「大きかっ-小さかっ-などして、なかなかからだに合うのがない」
②
(副助詞的用法)一つの動作や状態を例としてあげ、他に同類の事柄がなおあることを暗示する。 「あの子は、親にたてつい-して、ほんとうに困ったものだ」 「わたしが人をだまし-などするものですか」
③
(終助詞的用法)同じ動作を「…たり…たり」と繰り返してあげ、命令や勧誘の意を表す。 「さあ、早く起き-起き-」 「そこに居てはじゃまだ。どい-どい-」