父 千尋。千尋、もうすぐだよ。 ; t4 z9 c# `' @* t; x
母 やっぱり田舎ねー。買い物は隣町に行くしかなさそうね。
" L1 }, n' I9 Q x4 u父 住んで都にするしかないさ。
* y2 V* k, N Z+ J) Wほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。
0 K# Y u$ W% U9 i* D母 結構きれいな学校じゃない。
! I } N& ^9 Y4 F, C3 G# } 1 ]7 ~9 r3 j# ^' X; f$ V5 d1 O5 j
しぶしぶ起きあがってあかんべをする千尋。
7 f" I0 H, E% Z1 X8 Z 4 M4 \1 N$ j5 }
千尋 前の方がいいもん。 8 u1 U7 o: m2 q% J( j0 Q* d- h0 Z
…あっ、あああ！おかあさん、お花しおれてっちゃった！
. f5 }% `; D5 l* ]5 L2 c母 あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。 - w+ ^ e- v% g/ t# i; h4 F
千尋 初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい… % s9 Z' q" L6 `2 W" f# b( t8 I
母 あら。この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない？ 5 K4 U5 T* a5 A) j8 ], u
千尋 一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。 " f( B3 v4 F7 E: i6 y0 K
母 カードが落ちたわ。 $ |. d! U5 }0 y- `2 E' w
窓開けるわよ。もうしゃんとしてちょうだい！今日は忙しいんだから。
! ]+ J' w: n/ v% F6 z+ x 4 f3 B7 X. }9 a- k
タイトル
5 |& P* n% d. G* r" T$ X' B
: e0 n' x' @; K8 p# p; P7 n# Q. ]父 あれ？道を間違えたかな？おかしいな…
! L& B* O: s3 B/ \7 m母 あそこじゃない？ほら。 ! x$ h% D- a7 x' _- F5 Z
父 ん？
% g2 t% G7 A/ N母 あの隅の青い家でしょ？ ) H" ?2 F, X& z6 Z# |8 s0 j1 @
父 あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。…このまま行っていけるのかな。
1 @% o5 u G) f母 やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。 & o0 `4 A+ Q& R* E
父 ちょっとだけ、ねっ。
9 x' b; W' w) e. `8 M" x千尋 あのうちみたいの何？
k1 R. o# \/ D/ P母 石のほこら。神様のおうちよ
/ ?5 \' J: w. A2 r4 o / A ~1 U T" ^) h# a
父 おとうさん、大丈夫？
# ]$ a0 S9 I2 j# j' M7 X父 まかせとけ、この車は四駆だぞ！ ' {' h. ?) H4 w$ t% x
千尋 うぁっ―
' O! l# i2 N% a0 f: L, n母 千尋、座ってなさい。 - r4 i% |3 O' Y# T
/ u3 F- b5 Z' p" L% _) G
千尋 あっ、うわっ…わっ、わっ！ ; {( D4 l2 Q* p' m# } P: m/ [
ぅああああああっ！ 7 |. w* I( u1 G$ x5 Z
母 あなた、いいかげんにして！
2 e* S8 z! C1 N& e J7 o4 B" t: \父 行き止まりだ！ 4 N& b2 y8 x- l) y5 Z2 y' x
% Z% q o+ R7 j8 }% N6 f
母 なあに？この建物。 / J! R' e! i9 j. [9 A: b) z9 v* N. p
父 門みたいだね。 : ^/ E+ |, T9 _7 ?) t8 T) L( \
母 あなた、もどりましょう、あなた。
' [- p9 Q3 }8 z& j% ~0 ^' D千尋？…もぅ。 . \7 c- a3 D+ `/ I7 c6 u) P' V3 V
父 何だ、モルタル製か。結構新しい建物だよ。
( \ N! c$ m$ R千尋 …風を吸込んでる… 5 C0 o* K5 o& }; e
母 なぁに？
3 j; B" {- v: `/ |/ v! A: L父 ちょっと行ってみない？むこうへ抜けられるんだ。 1 C( m5 c* T$ y
千尋 ここいやだ。戻ろうおとうさん！
7 `, S# U9 H; {0 \7 _父 なーんだ。恐がりだな千尋は。ねっ、ちょっとだけ。
3 n9 K; s! v; j母 引越センターのトラックが来ちゃうわよ。
9 p; s) A! F. G+ X3 P父 平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ？
4 t: I0 l0 d6 s' q母 そりゃそうだけど… 2 F P9 m' h) c% p- P" W
千尋 いやだ、わたし行かないよ！
3 s( A5 h( y0 p: l. w' W7 W% b戻ろうよ、おとうさん！
9 e% C# k7 H( K( @- ]- `+ H6 ?父 おいで、平気だよ。
' x w! b" N! ~千尋 わたし行かない！
. O/ B' h$ i! W. |6 E& kうぅ…あぁっ！
* R6 ]/ S8 x, e& C4 J母 千尋は車の中で待ってなさい。 4 Q5 C0 e T9 o9 L+ g& A0 M- y
千尋 ぅぅ…おかあさーん！ + t0 I! p I: }/ b* f; `
まってぇーっ！ * r: \, `% C( K/ E% ~0 M7 I
父 足下気をつけな。 , S( q9 p; e9 G. l1 C
母 千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。
& ]% C) e2 x4 x& e $ ?8 M, E; S- f8 S" L! m' \
千尋 ここどこ？ + C" W, T" y# @9 N1 U* r
母 あっ。ほら聞こえる。
" B8 M2 Y( C* ^千尋 …電車の音！
% a9 \$ G# O, s2 q2 u母 案外 駅が近いのかもしれないね。
5 Z# Q3 X) _3 y i1 x父 いこう、すぐわかるさ。 $ G p/ M" B5 ]% y$ x7 }
% `0 l. ]( ]7 A) ~; _% W千尋 こんなとこに家がある…
/ H: [2 n0 g9 q7 t; e" S5 C父 やっぱり間違いないな。テーマパークの残骸だよ、これ。 6 }8 }9 S, r7 j3 n# M8 O0 s3 X' y
90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。これもその一つだよ、きっと。
1 ?9 |: J& R/ J$ @$ O" o千尋 えぇーっ、まだいくの！？おとうさん、もう帰ろうよぅ！ 1 z; a7 e+ `; K! J
ねぇーーーっ！ ) }1 y; t. t! C' a. B* x
6 n$ w& `4 C) l/ a; P. ^
千尋 おかあさん、あの建物うなってるよ。 & \& u) T- h, C
母 風鳴りでしょ。気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。 / j6 w! t" h/ E% _* g" Y# x
父 川を作ろうとしたんだねー。
# \) \2 k# g& I$ q4 }4 vん？なんか匂わない？ ; g2 w4 ]2 b# u; k4 T5 f2 A
母 え？ 7 q9 D- {6 ]7 O% I( _1 p+ P; ]
父 ほら、うまそうな匂いがする。
6 v6 k" g0 C& k4 r母 あら、ほんとね。 + M- k }* H2 |
父 案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。
1 C, K- R- j! J* ~9 v9 u0 n7 N母 千尋、はやくしなさい。
2 C. a% a7 g# U: L8 S [2 a千尋 まーってー！ 4 Q5 f8 f# j% j( q$ b
3 o) B# t1 d+ k$ s3 c9 j8 s
父 ふん、ふん…こっちだ。 ) d* F9 \9 I) k6 ~) x, T/ f" v* e/ V
母 あきれた。これ全部 食べ物屋よ。 ' K% ~* K, A* I( A4 J' K2 m) o
千尋 誰もいないねー。 & n3 k3 A R4 }- T& u
父 ん？あそこだ！ 0 R7 N& J2 @( [. ^& D! e" \' d! c M
おーい、おーい。
+ O/ o8 _$ Y! l2 _' ]$ [) n! Q( zはぁー。うん、わぁ。
3 W+ B, C% M, d' O# iこっちこっち。
! d5 y' y* b* l; j母 わぁー、すごいわねー。
5 }$ y2 }" g4 m7 x# s9 s父 すみませーん、どなたかいませんかー？
K0 x0 j! k/ J7 h `母 千尋もおいで、おいしそうよ。
: M- I7 V4 R& x% U父 すいませーん！ # Z) e m5 `" D% V2 r, W
母 いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。 * `$ |+ y) r0 y% ]% u9 L0 [8 c
父 そうだな。そっちにいいやつが… ! m5 N" ?/ h! e, e5 ^! {
母 これなんていう鳥かしら。…おいしい！千尋、すっごくおいしいよ！ 2 @5 g F- P: ^% \6 F$ u0 T9 p
千尋 いらない！ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。 / E; y) N; C c4 X9 r, z( r
父 大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。
$ ~+ l7 C$ G1 }3 G母 千尋も食べな。骨まで柔らかいよ。 5 w9 }& o1 ?9 T; L; Z. v! _
父 辛子。 , L" A" w- n* F4 Y. w0 d
母 ありがと。
7 h7 o* g3 y+ o1 ~千尋 おかぁさん、おとぅさん！ # u" o7 J) s' p8 ~0 J K
( B) p3 c, d: p+ ~- `+ M0 V& s
諦めて歩き出す千尋。油屋の建物を見つける。 0 D' C9 f5 W( e. }# Y
0 H7 n7 C8 X+ o @# ]- ^9 p千尋 へんなの。
9 l7 O( J/ D6 A* k
! N% Z% }0 t0 n$ Y# ~& k千尋 電車だ！…？
' J# ^9 z! a, o$ H" o. S' tハク様 …！
: A3 h S1 _6 J1 p: f% A9 Wここへ来てははいけない！すぐ戻れ！
, Q+ J* M/ |$ H, g6 M" J千尋 えっ？
9 G$ {8 o+ L& z) E* e( Mハク様 じきに夜になる！その前に早く戻れ！
$ k/ y. I) a0 g* W6 L…もう明かりが入った、急いで！私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ！ 5 n& |) K8 ?: S6 I3 z, U
+ R& t4 h9 T9 S/ n( n, a1 M千尋 なによあいつ… . r6 o, _( z& y5 `# N( V, g
" u3 ?% R" j) k A& z
明かりが入ると同時に、たくさんの影が動き出す。
% A3 s! V `' s2 V: j) d ' E% {% h: L, y1 f$ ^8 P/ X
千尋 ……！おとうさーん！
/ M: O5 r$ O. o- D% r1 Sおとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん！
$ X# F1 @) X8 A3 l9 W座っていた豚が振り向く。 2 S* C1 v& e, v
千尋 ひぃぃ…っ
( c. Y+ p* T. V) _& |豚がたたかれて倒れる。 ) o0 q* w) b# B4 C2 a
豚 ブギィィィ！
. U" `( B6 K. @1 l8 d1 Z千尋 ぅわぁあーっ！
4 r/ I( z! s3 Y# l$ b; u; F" Eおとおさーん、おかあさーん！ - Y9 m" U8 i/ p2 \$ @2 y6 f
おかあさーん、ひっ！
5 L, {9 H8 ?7 z6 b' h: S. C$ x6 {ぎゃああーーっ！
/ F1 [# ~9 ^7 y+ Y6 Q1 n 2 b# \7 K0 d& r! {
千尋 ひゃっ！…水だ！ 2 ^: y% A) h' H. P7 b8 r. B" a! b4 c
うそ…夢だ、夢だ！さめろさめろ、さめろ！ - o& w/ R- w* W! H
さめてぇ…っ…
& R8 f+ E( u$ \. @% \9 }7 fこれはゆめだ、ゆめだ。みんな消えろ、消えろ。きえろ。 : C; Q* T5 _5 W1 n1 a
あっ…ぁあっ、透けてる！ぁ…夢だ、絶対夢だ！
8 b5 @- u0 j2 t. S- ^5 ^ 6 A9 W# X6 t) s; X! }7 t7 S
船が接岸し、春日さまが出てくる。
* c+ Z) y' |( S+ b7 W. L! h n
. M2 T" q. H* u& h' \5 f4 x3 m千尋 ひっ…ひっ、ぎゃあああーーっ！
" h$ T+ ^+ h3 g v! ^; J5 [
% U3 _- O: z X9 }0 O# C( x千尋を捜すハク。暗闇にいる千尋を見つけて肩を抱く。
, a3 I* P, ~* W: b) J
& t6 }1 w* s# k0 e2 E千尋 っっっ！ 0 T1 G& K& n: Q5 d7 g5 B5 Q5 |) T8 C! G
ハク様 怖がるな。私はそなたの味方だ。 4 ^1 b0 E8 W+ ?' g
千尋 いやっ、やっ！やっっ！
& @3 Z0 m$ t( D. m" rハク様 口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。
6 x; {; l5 Z5 D' E千尋 いやっ！…っ！？ - Q! |0 j$ t8 T# _( m8 |- |% w; _
ハク様 大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい。 1 a" _1 ?1 }! b2 P# w
千尋 …ん…んぅ…んー…っ 9 N- U6 i( h( M
ハク様 もう大丈夫。触ってごらん。
: d' y* O O# E5 D+ b千尋 さわれる… 5 Y: y0 N3 }& i j: A3 {
ハク様 ね？さ、おいで。 ' J4 w2 j$ t& ?8 r% b! K) i
千尋 おとうさんとおかあさんは？どこ？豚なんかになってないよね！？ " K' T, J: w8 c% ]0 D) J3 W3 ]
ハク様 今は無理だけど必ず会えるよ。…！
3 x- o" g- M: ]0 z& v' B静かに！ : t9 _4 I5 b$ i: W
# ^4 r; u* w4 l, `7 G" q' R
ハクが千尋を壁に押しつけると、上空を湯バードが飛んでいく。 : _9 f0 Z6 z/ J5 Y
8 H; l% T% u. _
ハク様 そなたを捜しているのだ。時間がない、走ろう！ 5 w4 F) ?! D% I- }) ~8 U
千尋 ぁっ…立てない、どうしよう！力が入んない…
5 m6 F4 x3 u2 g" H8 g1 hハク様 落ち着いて、深く息を吸ってごらん…そなたの内なる風と水の名において…解き放て… - P6 b& U5 z2 ]. Y& [
立って！
& a4 ` m" _ j$ Y: v% x3 Z1 v& z千尋 あっ、うわっ！
' s) v0 b( G# ?( W6 e) k. Z ; ^3 G3 H$ T6 p! |3 F' M: p' t5 V
走り出す二人。 % U7 g. ?6 b+ _/ C' Z( q! T5 K2 ?5 H
% ^9 ]; P/ \3 r% v) s
ハク様 …橋を渡る間、息をしてはいけないよ。
7 C6 A* G1 h/ v# b9 ]ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。 * ^5 N' ~$ | D! {1 x2 @
千尋 こわい…
* y. n8 o- l9 P( p# P5 R- dハク様 心を鎮めて。
3 M' z A' Y5 R! c4 K
/ }/ O" ?. V1 ~: n- r従業員 いらっしゃいませ、お早いお着きで。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。 4 F: E; v" s8 W6 }7 l2 |
ハク様 所用からの戻りだ。
3 u* _/ o X9 d' j従業員 へい、お戻りくださいませ。 / X8 x. v% ^% M2 }, V
ハク様 深く吸って…止めて。 # Q' [( K2 ^% T6 z
8 K6 J6 d) _7 X: L' J
カオナシが千尋を見送る。
4 X! F5 d5 y; E$ { B- j 3 H. N& N1 ~9 d# V# m
湯女 いらっしゃい、お待ちしてましたよ。
* v, X- x. U# L0 Y( |& U+ d( Uハク様 しっかり、もう少し。
) K8 Q3 }8 _; p- S% u青蛙 ハク様ぁー。何処へ行っておったー？ 0 U" H5 n5 ]! a2 ]: J# X
千尋 …！ぶはぁっ
( y& S* i2 V. W/ @青蛙 ひっ、人か？
6 Q4 V! g' Y; ^! Z! x+ J% h- ~ハク様 …！走れ！
$ A% X3 }/ l0 H+ b Q; o* W+ E青蛙 …ん？え、え？ / L, i" N! h; u3 L+ n
0 g0 ?9 i. G' a5 Z" I" G3 h青蛙に術をかけて逃げるハク。
& A4 L9 _/ _0 h+ y; p " G. W$ ?6 {$ n+ l# F! D
従業員 ハク様、ハク様！ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ！臭いぞ、臭いぞ！
" I* R3 b4 t7 M8 a- N( p" {" wハク様 勘づかれたな… # u4 I. A9 N6 L$ ^, [# ?
千尋 ごめん、私 息しちゃった… . ~5 q x1 s: g4 t! q
ハク様 いや、千尋はよく頑張った。これからどうするか離すからよくお聞き。ここにいては必ず見つかる。
+ ]$ n% z: o) s( s0 s: }. U私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して… ; v$ p; h7 ^0 C3 @% n8 w+ D
千尋 いや！行かないで、ここにいて、お願い！
4 l# m3 {9 N+ Gハク様 この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。ご両親を助けるためにも。 ; X: \' r' b3 t( o' }
千尋 やっぱり豚になったの夢じゃないんだ… + u. u1 e$ v$ Q9 n% I$ s
ハク様 じっとして… ( b# L' ]+ E8 O2 T
騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。外の階段を一番下まで下りるんだ。そこにボイラー室の入口がある。火を焚くところだ。
! Z7 B: A* ` {; e; T5 D, I8 l中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。 * c7 J% D# w# E
千尋 釜爺？ % m. s/ ^9 m; k* N$ M3 g, A
ハク様 その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。 ; V& B' u) I$ N$ n3 U/ v' _
ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。
# }$ |' s( G$ Y0 v千尋 湯婆婆…って？
6 q5 ~7 _( m. B7 s, U7 {7 Q1 c, mハク様 会えばすぐに分かる。ここを支配している魔女だ。嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない。
5 M9 P9 h7 n# i千尋 うん… 0 I! d0 R5 z$ c4 w0 w$ f
$ j: x2 g: K9 w$ N
従業員 ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー？ & v' m, a' U3 o4 D5 l
ハク様 いかなきゃ。忘れないで、私は千尋の味方だからね。 $ x$ N5 D& l; M* ^5 w) U
千尋 どうして私の名を知ってるの？ 8 Z+ I+ ?* m4 a c
ハク様 そなたの小さいときから知っている。私の名は――ハクだ。
+ p/ a# I H( a. b0 D 0 V( K$ y5 O2 |
ハク様 ハクはここにいるぞ。 ( G; c) A, w- ]' i4 I7 K+ Y* U) w$ ^% s
従業員 ハク様、湯婆婆さまが… . q" f: A2 I, l& Q6 N
ハク様 分かっている。そのことで外へ出ていた。 4 N' _$ ?* t- J2 ?) L
/ W+ _5 `( }5 S; Z階段へ向う千尋。恐る恐る踏み出し、一段滑り落ちる。 0 @6 Y; I/ O% O! u5 N" X2 R
G8 T9 \! q: K e0 ]8 c- g; I) w& _
千尋 ぃやっ！ 7 A( U0 Q3 Q/ i0 R0 ?! K: }9 s' R5 X
はっ、はぁっ… 5 Q0 ^3 O0 ]1 a
6 ~5 Q1 O" P1 X
もう一段踏み出すと階段が壊れ、はずみで走り出す。
0 q/ g1 T4 _1 }( m
A b2 a6 h4 T$ }千尋 わ…っいやああああーーーーっ！やあぁああああああー！ 0 S7 i$ Z5 N' t( J
+ ^& m: i; W5 t% y2 l, J( b1 f
なんとか下まで降り、そろそろとボイラー室へむかう。 % ^% I' T" A1 G9 _7 C; c1 {
ボイラー室で釜爺をみて後ずさりし、熱い釜に触ってしまう。 * u P# q$ r- b! [
: _& O: }: \ G2 s千尋 あつっ…！ 3 d) B# i1 z8 Y. l' e
' [- H: G2 o4 p# \. h1 Uカンカンカンカン（ハンマーの音）
7 F( h6 f2 Y# H 4 ~0 z+ } T2 M
千尋 あの…。すみません。
) e8 N- r" j/ W* y7 nあ、あのー…あの、釜爺さんですか？
( a# b% E' W' N釜爺 ん？…ん、んんーー？
7 i% W2 G7 s" D" n, v) S千尋 …あの、ハクという人に言われてきました。ここで働かせてください！ # F) h5 \4 z$ d/ h1 `' W
) g; {" v- F. X1 nリンリン（呼び鈴の音） * h- p% c6 y% C6 ^' L8 ?
- b* \" d7 s3 J. E7 S釜爺 ええい、こんなに一度に…
( ^" |3 S6 L hチビども、仕事だー！
; r' q) i) b4 s- F1 f$ ^
9 ^; [" z8 V9 h7 E$ i2 _, {カンカンカンカンカンカン
& d" ], g+ z9 R& Y. {: F ( w! Z' I+ a7 f. ^! K
釜爺 わしゃあ、釜爺だ。風呂釜にこき使われとるじじいだ。
9 R- o5 E2 m0 u: vチビども、はやくせんか！
: ]7 I* a) U2 i' v/ ~# L/ T. ~千尋 あの、ここで働かせてください！ 3 J$ J5 C) ^3 [0 p: |3 O |
釜爺 ええい、手は足りとる。そこら中ススだらけだからな。いくらでも代わりはおるわい。
% s$ P+ }( b2 m5 t& f # i+ d- o: j1 a: u/ j
千尋 あっ、ごめんなさい。 2 Q7 g" [) K9 C ^
あっ、ちょっと待って。 : v/ ?( \ v$ \( v
釜爺 じゃまじゃま！5 R* r6 [9 P( t
6 I, N B- p: n1 I0 X: N6 d# a[ 本帖最后由 月影 于 2006-10-9 16:21 编辑 ] |
发表于 2006-10-10 00:03:48
提升卡
变色卡
楼主