日本語表現文型(011～020)

jinjin

011 ＊～一方（で）

名詞　　　　：　　　　の 　　　 　　 ＋ 　　一方(で)
動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーな＞

" Q$ x- I. K, u$ p

♪　会話　♪

課長：李君は仕事に熱心な一方で、仲間とのつき合いも大切にしているようだな。それに大変な恐妻家だとか。
1 b* k6 Z0 z4 B( L5 y4 {/ \山田：そうなんですよ。でも、奥さんに財布の紐を握られ、頭が上がらないというもっぱらの噂です。
課長：はっは、それが夫婦円満の秘訣さ。夫婦で力を合わせて、将来に備えているわけだ。
4 F& O7 N& z9 l0 P
5 S  t; f- d" n( n3 k" p

♯　解説　♭

　「～一方（で）」は「Ａは～、他の一面では～」同一主語の異なる面を表す場合にも、「Ａは～だが、反対にBは～」と主語が異なるものを対比させる場合にも使えます。
  j) B7 M- W* _# w  [　類義語に「～かたわら」（→文型036）があり、例文１～３は置き換えることができます。また、例文４のように同一主語の対立する面を表す場合には「～反面」（→文型375）に置き換えることができます。ただし、この二つの文型は例文５のような異主語文では使えません。
　　姉は家庭的だが、一方（×反面）妹は活動的だ。　＜異主語文＞
　　父はいつも静かだが、一方（・反面）怒ると恐い。＜同一主語文＞
+ D& C( M( n# F. H" K
( B0 f: _% @, Y/ [8 H4 w* u- H2 Q" A

§　例文　§

１．彼は病院に勤める一方で、地域ではボランティア活動に参加している。
$ n1 E1 X9 P2 W, K) [( J; y, C* V/ ?8 A２．兄は勉強ができる一方、遊ぶことも忘れない。
３．表では争っているように見せる一方で、裏では手を結んでいるのが政治の世界だ。
* Q# o8 ?6 L* z４．日本経済については楽観的な見方がある一方で、今後は高成長は望めないという見方もある。
( G: D' ?+ X  K0 s５．あの家庭は夫が遊び好きな一方で、妻はしっかり者だ。

★　例題　★

1)　アジア地域の経済発展は目覚ましい（が／のに）、（一方／反面）、所得格差が拡大（する／し）つつある。
  Y, F- D3 B0 i# T3 y+ k2)　豊かな国々（　）益々（豊かだ→　　　　）なる一方で、貧しい国々が益々（貧しい→　　　　）なっている。

' d% S7 e& B; C
- g+ H+ e  S5 h, r7 r

(^^)前課の解答(^^)

1)　ばかり／ばかり／見あたらない
( j. I, F; s% u  l2 S2)　で／越し（Ｖ〔ます〕形＋そうだ＜様態＞／そうな
. ]4 N! E7 c: @2 }( b2 M2 o

012 いわんや～においてをや／～まして～にはなおさらだ

+ z4 R  m- Q$ w3 H7 a9 Tいわんや ～ 名詞 ：　×　　＋　　においてをや
  y+ s7 K+ t8 a0 }1 Nまして　　　　　　 　 　　　　　に(おいて)はなおさらだ

♪　会話　♪

李　：このパソコンの使い方がどうしてもよくわからないなあ。え～っと、マニュアル、どこにあったっけ？
良子：説明書を読むのもいいけど、山田さんに聞いてみたら？その方が手っ取り早いわよ。
9 C) O& j; \2 |4 @- l& B! C% i李　：彼がひどい機械音痴だってこと知らないの？僕でさえ四苦八苦なのに、いわんや山田においてをやだよ。

& c$ s! r0 {: H" K& p$ R

♯　解説　♭

　「況（いわん）や」「況（まし）て」と助詞「～において」（→文型291）が結合した文型で、「Ａは～ 、だからＢは言うまでもなく、（もっと・更に）～」を意味する文語です。話し言葉としては「まして ～ には、なおさらだ」が多く使われるでしょう。
( N- ~% P% Z3 ]+ E  D$ i6 C; D　専門家にさえ直せない。
7 i+ E  J, X2 A# D1 i　　→いわんや素人においてをや。
$ _( R7 ?7 r; |, m5 b. S. f　　→まして素人にはなおさらだ。

5 W: O* ?; b# @2 d" C

§　例文　§

１．この高校入試問題は大学生の僕にさえ難しいのに、まして中学生にはなおさらです。
２．僕が子供の頃、日本の家庭にはテレビもなかった。ましてパソコンにおいてはなおさらだ。
/ n% w) m/ y8 v% h0 a３．彼は英語すら読めない。況やフランス語においてをや。
5 j: ?! `& m8 ]  l$ S2 n9 a４．源氏物語を原書で読める日本人はそう多くない。いわんや外国人においてをやだよ。
% [9 H" X3 V, c５．約束は守るもの。いわんや首相の公約においてをやだ。

★　例題　★

1)　（これ／この）ほどの山と（する／なる）と、登るのは若者でも容易ではない。（だから／まして）老人においてをや。
2)　当時の私は食べ物に（　）（　）事欠く始末（だ→　　　）。（　）（　）（　）本を買う金などあろうはずがなかった。


  J, k; T: P& O8 S) o3 Q7 P# x' F

(^^)前課の解答(^^)

3 ?' Y2 a9 n9 _0 r& m8 z" C1)　が（「～のに」は因果の逆説）／一方（反面も可）／続けて（他Ｖ）
2)　が／豊かに（ナ形＋なる）／貧しく（イ形＋なる）


: K# t& c- R4 I' t& x

013 ＊～上で／＊＊～後で

) A9 \; J. I; }/ ]$ Y; b名詞：　の 　　＋　　上で
動詞：原形 　
名詞：　の 　　＋　　後(で)
動詞：た形　　　　　 上(で)

2 U, m; r1 k( }, x* b' @) O" V  H

♪　会話　♪

銀行：御融資の件ですが、私の一存では決め兼ねます。本店の審査を仰いだ上で、お返事を差し上げます。
# p8 f! b+ ]; g0 l: |( J* S" d( q社長：そこをなんとか・・・。私も今回ばかりは無理を承知の上で、お願いに伺っています。
1 i: K. S- K' C9 G* v4 y6 R/ ?" Q銀行：本店とも相談はしてみますが、御期待にそえるかどうかは、ここでは何とも申し上げようがございません。

♯　解説　♭

　「～上で」は二つの使い方があって、前が動詞で「原形」の時は「～する場合～」（方面・分野）を意味し、「た形」の時は「～た‐あとで」と同じ意味になります。ただし、前が名詞のときは文脈から理解するしかありません。
/ d0 [6 U$ {% D! V# P. s5 J3 ]　なお、「～た‐上で」は人の意志動作を強調するので、自然現象や状態発生には使えませんし、「～た‐上で／～た‐後で」は継続事態を表すときには使えません。例えば「～てから」「～た‐後で」「～た‐上で」を比較すると、以下のような違いがあります。
3 P0 m$ K1 e6 j; k4 }- V6 ]　　風呂に入ってから（・た後で／・た上で）、寝た。　　　 ＜動作発生＞
　　家に帰ってから（・た後で／×た上で）、雨が降り出した。＜状態発生＞
) x2 `) k/ F% P( f+ b　　離婚してから（×た後で／×上で）、ずっと一人暮らしだ。＜継続事態＞
$ m# S' o5 D8 k. Y' {; j

§　例文　§

１．辞書は言葉を学習する上で欠かせないものだ。
8 F* n9 g3 q1 D２．形の上では夫婦でも、実際は家庭内別居というケースが増えている。
9 Q6 ~( L( a6 E, h$ G5 U３．先の事件は、法律の上では犯罪にならなくても、道義的責任は免れない。
４．この問題は拙速な結論は避け、慎重に検討した上で（⇔後で）ということでいかがでしょうか。
５．採用か否かは面接の上（⇔後で）、決めることにする。
2 K! |! @) V: B

★　例題　★

1)　買う（か否か／や否や）は、実物を（見る／見た）上で決める。先ず品物を見せて（くれ／あげ）たまえ。
2)　いかに酔っ（ている→　　　）とはいえ、あのような暴言は酒の上で（　）過ちで済むこと（だ→　　　　　）。

5 E! \2 \! D: u2 U* d. C

(^^)前課の解答(^^)

- X/ a; Y* O6 U9 t1)　これ（これほど≒ここまで）／なる（→文型253）／まして
2)　すら（「さえ」も可）／だった／まして

. E# n# c, ~+ }- M* H+ t2 }
! x' g% B) Q: }/ P8 A3 s( s3 {

014 ～上（に）

8 @% [1 ?# Q: q名詞　　　　：である 　　 　 　　　 　＋　　上(に)
動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーな＞

5 P: J4 v! _& J- G- E

♪　会話　♪

李　：もう遅いので、そろそろ失礼いたします。
0 r4 x. R" M2 o6 {" _( ]' P田中：今日はお休みのところを、わざわざ遠いところをおいでいただいた上に、遅くまでお引き留めいたして・・・、それに何のおもてなしもできなくて・・・。
李　：いえいえ、ごちそうになった上、お土産までいただきまして、本当にありがとうございます。

" G" @- H0 \/ {( ?% B

♯　解説　♭

　「～上（に）」は「～ し、（それに ／しかも／更に） ～」と同義で、添加・累加の表現です。類義語に「～し、～」（→文型107）、「～も～ば、～も～」（→文型199）、「～ばかりか～」（→文型363）などがあります。
　　彼女は優しい上に、美しい。
　→彼女は優しいし、美しい。
　→彼女は優しくもあれば、美しくもある。
　→彼女は優しいばかりか、美しい。
　この文型は良いことには良いことを、悪いことには悪いことを添加・累加しないと誤文になります。例えば、「彼女は優しい上に、背が低い」は誤文です。

: H& d6 A4 S2 _6 T* b$ u7 }( a& M

§　例文　§

１．このカメラは小型である上に、性能もすばらしい。
) e! w: }6 p  ~/ t0 M( d: s２．彼は弁が立つ上に、知恵と勇気を兼ね備えている。
; x  J! Y8 a6 e8 {) N３．お世話になった上に、送別会まで開いていただき、誠にありがとうございます。
: e8 \! a) |% E) Q) Y% C" S& B( r４．わが家は手狭な上、子供も多くて、日曜日もゆっくりくつろげません。
５．生活が苦しい上に、妻の入院も重なって、もうどうしていいのかわかりません。

3 L1 L5 [5 a+ A/ N" o6 O

★　例題　★

1)　彼は頭がいい（上で／上に）、ユーモアもある（ので／のに）、女性（だけか／ばかりか）男性にも人気がある。
2)　この店は安い上（　）うまいので忘年会の会場（　）は打ってつけだが、一応みんなと相談した上（　）決めないか。


4 S0 r/ Z+ n/ m" M" Q

(^^)前課の解答(^^)

8 O6 K; m8 t7 E4 J( O1)　か否か（→文型040／→文型428）／見た／くれ（→文型182）
2)　ていた（あのような＝過去）／の（格助詞＋のＮ）／ではない

& S8 M, T# q, @/ ~& }; C! A

015 ～上は

名詞　　　　：である 　　　 　＋　　上は
+ Y- s# r6 b6 T: c動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーな＞

♪　会話　♪

社長：君、今回の不祥事の責任をどうとるつもりだ。このままでは、社内のけじめがつかないぞ。
部長：ひとえに私の監督不行き届きです。かくなる上はいかような処分でも・・・。
5 ]0 ~. J, R  }5 |) V, @8 p% n社長：君の辞表１枚で済む問題じゃない。会社の信用がかかっているのが、まだわからないのか！
) w5 b6 q( L! C/ m: v

♯　解説　♭

　「～上は」は「～だから、当然・必ず ～」と言う意味を表す原因・理由表現で、「～以上」（→文型009）、「～からには」（→文型056）と同義表現です。「～ 上は」は文語で硬い印象を与えますから、日常会話では「～以上」「～からには」の方が適切です。

) V1 p) G4 L7 K' e- D6 e- A

§　例文　§

１．軍人である上は、戦場での上官の命令は絶対である。
２．日本に留学した上は、一日も早く日本の生活に慣れることだね。
３．君の協力が得られない上は、この計画は諦めるしかない。
４．ここまで証拠が揃った上は、包み隠さず、素直に話した方が刑も軽くなるぞ。
- g, H; G5 P! ]* S0 b& z8 F５．選挙民に公約した上は、政治家たるものに二言があってはならない。
3 W7 k. w+ q3 f9 }& g* J
( H4 x$ S! E; A

★　例題　★

1)　日本代表に（選んだ／選ばれた）（上は／上に）、皆様の御期待に添う（べく／べき）全力を尽くします。
2)　たとえ不満で（ある→　　　　　）と、多数決で（決まる→　　　）上（　）、それに従うのが民主主義だ。

(^^)前課の解答(^^)

・　上に／ので／ばかりか
: j. Y0 Y4 n" d. z・　に／に／で（「上に」と「上で」の違いに注意）


, ^( @  C- I4 O; y7 r# k

016 ＊～うちに／＊～ないうちに

5 m& @; `2 I2 x4 [1 C8 _名詞　：　　　　　の 　　　　　　　　　 ＋　 うちに
動詞　： 普通形 （一般動詞は「ている」）　　　 うち(が／は)
' f1 u: [3 o( D4 ]4 A! |形容詞：＜イ形：ーい・ーくない＞
　　　　＜ナ形：ーな・ーでない＞

♪　会話　♪

真理：さあさあ遠慮しないで、冷めないうちに召し上がれ。でも、お口に合うかしら？
% B$ C* e- J( l+ n. I6 Y佐藤：真理さんの手料理なら、冷めてもおいしいですよ。
& P% F7 _4 u5 b7 j& x2 Y: V. o真理： まあ、佐藤さんったらお上手ね！どんどんお代わりしてね。
" \2 U7 P* K. [& ?, D佐藤：うまい！お袋の味を思い出しましたよ。

2 S, e: g. A, J# O

♯　解説　♭

　「～うちに」は「～の状態の間に ～する」という意味を表す表現で、「～間（あいだ）に」（→文型002）とほぼ同義表現ですが、状態変化に関心をおいたのが「～うちに」で、時間を問題にしたのが「～間に」です。
　どちらも動作・状態が継続中に発生したことを表すので、状態動詞（ある・いる・できる・わかる・要る）を除いて、「～ている」形か「～ない」形に接続します。また、時間だけを問題にするのであれば、「～ないうちに」は「～する前に」に置き換えることができます。
+ |" B5 c" y0 a$ W& M　　あなたが寝ている（×寝る）うちに、地震があったんですよ。
& [# P0 G* D- d) z! Y7 ?　　子供が帰らないうちに（≒ 子供が帰る前に）、掃除する。
　なお、「～うちに」＜事態完了＞と「～うちは」＜事態継続＞の関係は「～間に」と「～間は」と同じです。→例題1)2)
1 e8 f: P# C, G- x% _- o- x0 k
* {- o- D8 y# v

§　例文　§

１．鉄は熱いうちに打て。
& ]; X$ Z7 V  E3 Z% N8 O- w) H２．あの先生の授業は退屈で、聞いているうちに、いつも眠くなる。
３．生きてるうちが花なのさ。死んで花実が咲くものか。
; h# o/ G1 e! _  s+ O! |４．あ、もう五時ですね。暗くならないうちに帰りましょう。
５．そうそう、忘れないうちに話しておこう。実は・・・
+ S- {7 o! A$ c4 U7 K
0 B1 J' n7 v  J0 Q

★　例題　★

1)　うとうと（する／している）うち（に／は）、（つい／うっかり）畳にタバコの火を落として焦がしてしまった。
2)　この件につきましては、この場での即答は（いたす→　　　　　）兼ねますので、一旦会社に持ち帰り、上司と相談の上、一両日（　）うち（　）御連絡申し上げたいと思います。
$ U3 C. @; i/ O; U6 S. q" X1 l

(^^)前課の解答(^^)

1)　選ばれた（受身形）／上は／べく（→文型382／→文型385）
- W9 L& `0 D2 D2 @! p" @2 {; y# Z2)　あろう（未然形＋と：→文型437）／決まった／は
$ O  |# g3 B( M3 B& M2 a
+ Z4 u; U* u8 z- W! T2 X; p/ i
* l2 s/ |0 G% K/ M. |% E

017 ＊～得る／＊～得ない

動詞：［ます］形　　＋ 得る
　　　　　　　　　　　       得ない

♪　会話　♪

百恵：ねえねえ、山田さんが昨夜ＵＦＯを見たって言ってたわよ。
  q/ H% _( F: u% ^0 E# q1 }李　：あり得ないよ。でも、嘘を付く男じゃないから、あいつの目の錯覚だろう。
百恵：まるっきしロマンがないんだから。この広い宇宙のどこかに宇宙人がいることだってあり得るわよ。
2 c/ o( u9 i: \1 d% d. V6 F3 Z
  Q" q6 X6 T6 O) D

♯　解説　♭

　「～得る／～得ない」は可能表現の一種で、一般動詞につくときは可能形「～られる／～ られない」と意味はあまり変わりません。しかし、「話し得る」は状況から判断して「～話せる可能性がある」が本来の意味なので、単に能力を言うだけの「彼は英語が話せる」を「彼は英語が話し得る」とは言えません。
　また、「～得る／～得ない」は可能形が作れない「ある・できる」などの状態動詞や無意志性の自動詞について、「あり得る／あり得ない」「起こり得る／起こり得ない」のように「～する可能性がある／ない」ことを表します。
　　あり得る（＝存在する可能性がある／×あれる）
, w0 Q6 s& l! M　　できうる（＝できる可能性がある／×できれる）

" p4 y9 [' I3 @' N1 r$ q# K

§　例文　§

１．人類が火星に移住するってことは、近い将来、起こり得ることだ。
. t' g+ U0 C9 n6 k２．私ができ得る限りのことは、喜んでいたしましょう。
３．これが今選択し得る最良の方法ではないでしょうか。
４．申し訳ないが、まだ公表し得る段階ではないので、あしからず。
５．彼ほどの財力があれば、なし得ないものはないと言っていいだろう。
' o6 D( h/ {- f
3 T: }  j3 ^9 h2 F& H# p& r" k  z1 ~: N

★　例題　★

1)　考え（得る／兼ねる）限りの手は尽くし（ておいた／てみた）が、もはや倒産を免れる道は（絶った／絶たれた）。
: C. l, }. B% l4 C% |& b2)　あなたの主張は支離滅裂で、私（　）は到底（納得す　る→　　　）（得る→　　　）。

/ y, {" ^6 e# N
+ C  \# k  y3 }. T1 X7 V# J; ]4 O

(^^)前課の解答(^^)

+ l6 ^. H, K9 u# ^6 ^1)　している／に／うっかり（不注意は「うっかり」）
2)　いたし（→文型044）／の／に（「うちに」と「うちは」の違いに注意）


- ^; Y$ e7 L+ F6 n7 m+ M2 c. g
. j' A2 G# t+ M5 _) a8 N- T

018 ＊～おかげで／＊～おかげか／＊～おかげだ

名詞　　　　：　　　　の　　　　　 ＋　　おかげで
動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーな＞　　　　 おかげだ
* z& u: k3 Z' l, P$ ^" P# v$ Q　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おかげか
1 I. G$ M9 r( d, I& V2 a
) [3 k/ j; U* ~5 C; |
$ ^$ g. H  _- Y! H

♪　会話　♪

母親：おかげさまで、息子も志望校に無事合格できました。本当に夢のようです。
) K$ n& `" ]5 e3 k  Z7 b* P先生：本人の努力のたまものですよ。本当によくがんばったと思います。
" ]# U  D6 D1 U1 R! f" h/ ^母親：いえいえ、先生のお力添えがなければ、とても・・・。全て先生のおかげです。
& E/ \2 S2 v8 `1 O5 F+ M
0 N5 _/ _9 L, T/ \/ |. y+ p" b9 j
0 `/ s  r- \* G7 v

♯　解説　♭

( x) n; |  K% _% r8 O" z5 I% J　「～おかげで」は「～（の）援助・恩恵があって～」という意味を表す原因・理由の表現で、いい結果が生じたときに使われます。悪い結果が生じたとき使うのが「～せいで」（→文型122）、どちらの場合にも使えるのが「～ために」です。ただし、「～おかげで」は、例４のように皮肉・非難の気持ちを込めて使うことも希にあります。どれも「ので」系（→ 資料編､）なので、後件では発生した事実や確定事実を表し、「～つもりだ／～たい／～だろう」などの意志・希望・推量表現は使えません。
) ^5 [( V' }8 f/ z2 Z; N( v　理由が不確かなとき、断定を避けて「～おかげか」の形が使われます。なお、「おかげさまで」という語は文頭でしか使えず、接続助詞の用法や文末で「～おかげさまです」とは使えません。
　　先生のおかげで（×おかげさまで）、無事合格できました。
　　合格できたのは、先生のおかげです（×おかげさまです）。
# b0 A! I% \# k- @2 I- d7 X2 Y" ]
. a! B$ o* X4 F. ^

§　例文　§

１．君が手伝ってくれたおかげで、仕事が早く片づいた。
7 e; M) X6 O3 |7 T, Z9 A$ ^２．私が今日あるのは、田中さんがあのとき助けてくださったおかげです。御恩は一生忘れません。
2 e! \, d: z2 v& h- x6 n３．お前が一人前になれたのは、一体、誰のおかげだと思っているんだ。
４．あなたのおかげで、平気で嘘がつける女になれたわ。
2 X2 z% `! R3 j0 ?( a/ f- v５．先生の丁寧な教え方のおかげか、このクラスには落ちこぼれの学生は一人もいません。

★　例題　★

1)　一人っ子の（おかげか／せいか）、わがまま（が／に）育っ（てしまいました／ていました）。
2)　おかげさま（　）主人は軽い骨折で済んだのですが、あの事故（　）亡くなられた皆様のことを思う（　）・・・。
9 M+ h. ^, p) Z& k
) [2 G% U: }5 Y

" \; D2 M. n. Q4 D' m# g# q" G

(^^)前課の解答(^^)

2 y8 f% I" J; U* @& E$ R1)　得る／てみた（→文型197）／絶たれた（基運「受身」：→　Ｐ）
% }! T# |* G; w2 i2)　に／納得し／得ない
" b: v1 r4 S: v% Z$ ^, s0 Q6 D

) U9 s3 A# {4 S' w& Y

019 ＊御～する／＊御～になる

御（お／ご）＋ 　動詞：［ます］形 　＋ 　する／いたす
2 F# V( Z1 P* B8 o3 ]& a& B3 \　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　になる／なさる
御（お／ご）＋ 　動詞：［ます］形 　＋　 ください
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　願えませんか
4 O$ r6 r* `6 F3 }, I( t! o+ H  {　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　なさい
  \6 q& B! A) r: }5 H

♪　会話　♪

李　：部長、田中様がお見えになりました。こちらにお通しいたしましょうか。
部長：うん、そうしてくれたまえ。
& E3 x0 V' l/ U& X田中：突然お伺いいたしまして、御迷惑ではなかったでししょうか？
部長：いえいえ、そんなことはございません。さあ、どうぞ。
9 ?2 K5 ]$ ?% F9 ^! ~
4 {4 Y/ [# P* ~; n

♯　解説　♭

　「（お／ご）～する／いたす」を謙譲形、「御（お／ご）～になる／なさる」を尊敬形とも呼びます。敬語は場面や相手によって複雑に変化しますので、一言で説明することは困難ですが、私は下げる（＝謙譲語）、相手は上げる（＝尊敬語）と覚えておくといいでしょう。
2 P: b. A) C) R! o' w　「御」は「お」とも「ご」とも読みなす。　「お約束する・お料理する」や「ご案じになる・ご案じいたす」などの例外がありますが、一般に和語動詞には「お」、漢語動詞（「～する」動詞）には「ご」がつくと考えればいいでしょう。

) X  `3 C" U; B9 e, S6 s

§　例文　§

１．あのう、ちょっとお尋ねしますが、この近くに郵便局はないでしょうか。
0 R2 T# N8 v/ A8 ~! \8 t$ n# D２．申し訳ございませんが、もう少々、お待ち願えませんか。
３．私がご案内いたします。さあ、こちらへどうぞ。
４．では、ご主人がお帰りになられましたら、私の方にお電話くださるようお伝えいただけませんか。
５．当ホテルをご利用のお客様には、特別ディナー招待券を差し上げております。どうぞご利用ください。

★　例題　★

1)　お買い上げ（する／になる）かどうかはともかく、一度お（召し／召し上がり）（して／になって）みてください。
9 Y0 }5 [: u% j" B1 _$ X4 y2)　どうぞ、お（入る→　　　　）ください。（　）（待つ　→　　　　　）しておりました。

8 z: ?- `- ~4 B: v% \

(^^)前課の解答(^^)

. l$ p; R: U3 E+ i, H1)　せいか（悪い結果）／に（変化の結果）／てしまいました（不本意）
, H7 _( @( g2 \2)　で／で（理由）／と（「お気の毒です」が省略・感情発生→文型203）

020 ＊～恐れがある

. S+ H/ q) I6 q
8 ]7 W& }2 Q# j' ^' ~" y) d7 Y名詞　　　　：　　　　の 　 ＋ 　恐れがある
) j- E! q$ @; D- _7 v動詞・形容詞：普通形＜ナ形ーな＞
. Q$ f; A/ z0 B; L6 J; u
" g, P9 J" n6 ]. c; f2 I4 v2 k

♪　会話　♪

4 u2 U4 ]7 E# y$ {9 N良子：ねえねえ、今夜あたり関東地方に台風が上陸する恐れがあるそうよ。
5 A( ~7 |- ~: ]! O7 ^李　：道理で雲行きが怪しいと思ったよ。早く帰って来て正解だったようだ。
. P' _6 K* u5 d- I3 M良子：でも、ここらで一雨あった方がいいかもしれないわね。そうでないと、水不足の恐れもあることだし。


6 a3 c" K6 [. h' P6 O% P1 w9 g6 Q; e

♯　解説　♭

　「～恐れがある」は「～（の）心配・不安・危険など＜良くないこと＞が起こる可能性がある」という意味で、否定は「～恐れはない」となります。「～かもしれない」と同じ意味です。しかし、「～かもしれない」はどのような場合にも使えますが、「～恐れがある」は悪い事態の発生の時にしか使えないという特徴があります。なお、この文型は「～兼ねない」（→文型043）とほぼ同義表現です。
! Y: [3 @" w- A( t' _　　台風が上陸するかもしれない。
7 d; U- V# G; B2 r. W& S7 t　→台風が上陸する恐れがある。
7 n! L% l8 x" o8 C& k) `　→台風が上陸し兼ねない。
　間違えやすいのは悪い傾向を表す「～嫌いがある」（→文型063）との違いですが、「～嫌いがある」は既定事実で、未来の推測ではありません。→例題1)
+ `& Q4 v6 A1 `$ J7 Z6 x( \

§　例文　§

１．この病気は伝染する恐れもあるから、気をつけてほしい。
7 e6 Q' D& P' q- t% g% u) U3 W" ?２．地震の影響で津波の恐れがありますから、緊急に避難してください。
! B. U: Y/ P+ `% K３．バーゲン品は安いが、品質が悪い恐れがある。
$ I7 m+ ^2 B$ u' r2 W４．彼は口が軽いから、彼に話すと秘密が漏れる恐れもある。
; z+ T/ \: f$ S! d9 Q6 o５．この金融不安がこのまま続くと、最悪の場合、世界恐慌に発展する恐れがある。
$ f* s9 }8 k& o5 G
+ r- j2 p" D  a

★　例題　★

1)　この船は（この／あの）程度の浸水で沈没する（恐れ／嫌い）は（ないから／なくて）、慌てなくてもよい。
2)　未成年者の犯罪を警察力だけで（押さえる→　　　　）（込む→　　　　）とすれば、かえって事態を（悪化する　→　　　　　　　）恐れがある。

, i+ B' t/ j6 L* u) I9 O6 u

0 U3 _4 N- t1 V4 Z3 b

(^^)前課の解答(^^)

1)　になる／召し（お召しになる＝着る）／になって
2)　入り／お／待ち