産経抄［事件］2011.05.09下跪

nomimi

５月９日

京都市の京阪三条駅入り口に、地元の若者から、「土下座像」、あるいは「ごめんなさい像」などと呼ばれている像がある。待ち合わせ場所として人気が高く、「ドゲザ前で何時」で通じるそうだ。
在京都市的京阪电车三条站入口处有座雕像，当地年轻人称之为「下跪雕像」或是「道歉雕像」。是个相当热门的约会碰面场所，据说只要说「在下跪雕像前几点」对方就知道意思了。
▼確かに台座の上では、いかつい顔の武士がひれ伏している。とはいえモデルとなった江戸時代の勤皇思想家、高山彦九郎は、別に謝っているわけではない。三条大橋のたもとから、御所の荒廃を嘆きつつ、遥拝（ようはい）しているのだ。
的确，台座上跪着一位神色严肃的武士。雕像的主人翁是江户时代的帝国主义思想家高山彦九郎，其并非是在道歉，而是感概从三条大桥旁到皇宫的荒废因而跪地遥拜。
▼もともと土下座は、貴人が通行する際に路上にひざまずいて平伏することを意味していた。謝罪の気持ちを表す姿に取って代わられたのは、いつのころからだろう。最近では、その気持ちさえも薄れ、単なるポーズにすぎないのではないか、と疑いたくなる土下座も珍しくない。
「下跪」原是达官贵人经过时跪下磕头之意。不知何时演变成表达谢罪的姿态。而最近连这种心态都渐渐的淡薄，有些让人觉得只不过是做作样子而已。
▼東京電力の清水正孝社長ら首脳陣や集団食中毒を引き起こした焼き肉チェーン店の社長の振る舞いを見て、その思いを強くする。原発事故の避難住民から「土下座しろ！」と迫られてからひれ伏すくらいなら、むしろまなじりを決して、事故の収拾と補償に万全を期する決意を語ってほしかった。
特别是看了东京电力清水正孝社长等首脑阵容以及造成集体食物中毒的烤肉连锁店社长的举止更是让人觉得如此。与其被核电事故的避难居民斥声「给我跪下!」而被迫磕头，不如痛定思痛展现如何收拾残局及保证赔偿到底的决心。
▼焼き肉チェーン店の社長の場合は、そもそもテレビカメラの向こうの誰に向かって、謝罪しているのかわからない。杜撰（ずさん）な生肉の取り扱いの実態が次々に明らかになり、被害者の怒りは増すばかりだ。
而烤肉连锁店的社长不知是对着射相机前头的谁在谢罪。草率的生肉处理方式被陆续揭发，让受害者的愤怒不断地持续中烧。
▼そんな土下座を見直す動きもある。大人向けコミック『どげせん』（板垣恵介＆ＲＩＮ作）は、一見さえない高校教師が、土下座によって、トラブルを解決していくストーリーだ。どぎつい笑いは万人にはお勧めできないが、真心のこもった土下座が、思いもかけない力を発揮する、というアイデアは面白い。
然而也有人重新检讨下跪。成人漫画『DOGESEN』（板桓恵介＆ＲＩＮ著）是讲述一位外貌不起眼的高中老师透过下跪解决问题的故事。虽然无法向万众推荐如次搞笑的东西，但真心下跪可发挥意想不到的结果的创意倒是相当有趣。