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      第4回〔1987(昭和62)年〕1 ^! j; G3 B6 u# d& ^ 
【新語部門】0 U" h& ^. n4 R- Y  e 
☆金賞=「マルサ」9 f% [" P; e) B 
受賞者:伊丹十三(映画監督)/宮本信子(女優) 
2 r! j5 k5 V# v! O国税査察官は、査察の査を○で囲った“マルサ”と通称される。映画「マルサの女」は女性査察官を主人公にして大ヒットした。土地投機、株高、財テクと、大企業から個人まで、マネーゲームに参加することが当たり前のような社会風潮の中、それができない庶民は、悪賢く儲ける人物を摘発するマルサに拍手喝采した。8 L6 |' C0 `1 d4 |% Z/ D6 J 
☆銀賞=「JR」 
) V5 w: w! g) c! b& n% m# a2 Y受賞者:杉浦喬也(日本国有鉄道清算事業団理事長); \3 a2 @5 S3 M: E$ z$ O 
この年4月1日、国鉄は115年の歴史に幕を降ろした。7つのJRに分割、民営鉄道会社として再スタートを切った。JRとは、国鉄時代のJNRからNationalのNを外しただけの呼称であるが、この単純さが受け、アッという間に世の中に認知された。 
! l6 }$ [+ a1 l- _3 ?7 m0 [☆銅賞=「第二電電」) |3 p2 s: G. u0 p9 p 
受賞者:森山信吾(第二電電(株)社長)6 k  i( d& s3 j- s6 f 
電電公社が民営のNTTとして再生され、開放された電気通信事業には続々と新会社が参入した。その中で、ひときわ異色のネーミングで目をひいたのは「第二電電」。電電という古くさい言葉と、第二という表現は、まさに常識の裏をかいた新社名であった。安易なカタカナ社名が横行するなか、古さゆえに新しい新機軸が高く評価された。 
' C3 F4 Q: F* D5 k☆表現賞=「サラダ記念日」% l% `1 T9 i1 A5 V$ i' r 
受賞者:俵 万智(詩人)' Y# p- |/ M" K) O5 b 
短歌界の超大型新人俵万智のデビュー歌集『サラダ記念日』は、短歌集としては異例の260万部という大ベストセラーとなった。口語体を自在に駆使した歌風は、短歌の世界を変えたばかりでなく、多くの短歌ファンを生み出した。また独特な語感は、短歌以外の言葉の世界にも大きな影響を与えた。「○○記念日」が各地で続々と誕生したのも、人気を物語るエピソードである。! E5 i# g4 Y' L' ]" i! a; q 
☆表現賞=「朝シャン(モーニングシャンプー)」 
) F. s8 X4 ^- B: Z0 f; v受賞者:資生堂商事(株)セールス商品事業部 
- s- p/ h6 ~2 X/ [( o6 K; H「朝シャン」とは、資生堂のCM“朝のシャンプー”というフレーズが高校生の間で簡略化されたもの。朝にシャンプーをしましょうという宣伝が、またたくまに女子高校生を中心に広まった。日本人の生活習慣にはなかった「朝シャン」は、一時のブームという見方も多かったが、この年から男性も含めた“清潔指向”現象として社会問題化する。 
( X' H2 m6 [% L4 L% D, K☆表現賞=「ノリサメ」 
: y! q$ f* B! a, c+ |9 p受賞者:高田純次、兵藤ゆき(タレント)1 ]4 W! I/ f: Q 
ノッているかと思うとサメている、まったく新しいタイプの人物群を「ノリサメ族」と言う。前夜の宴会では盛り上がるが、翌朝はサメきって知らん顔。上司にしてみれば、本音の見えない、扱いにくい新人と言える。受賞者は、そういうノリサメを演技として巧妙に演じられるタレントとして評価された。 
; w5 g) D, \2 r8 o【流行語部門】! m9 n0 f7 D8 N/ q6 W2 \  |) H 
☆金賞=「懲りない○○」 
1 s7 r% h, v# i8 O, z) d受賞者:安部譲二7 _# _* n# |) @" r% Y& h 
安部譲二の『塀の中の懲りない面々』は、刑務所という特異なモチーフと登場するユニークな人物群によりベストセラーとなった。この題名に触発されたわけではないのだろうが、この年も多くの“懲りない”事件が続発。汚職、詐欺から盗難事件まで、新聞を飾る事件の数々を目にすると、人々は“懲りない○○”と言うようになった。 
# i5 s3 y+ w$ S0 Y6 s# T- f" a2 z4 S6 }☆銀賞=「なんぎやなぁ」 
3 }  b1 C% T- o/ W受賞者:辛坊治郎、森たけし: h% Y* y( L3 L# f' R$ f 
この年、阪神タイガースは開幕から負け続け、呆れるばかりの負けっぷりをみせつけた。地元大阪のテレビ関係者である受賞者が、この阪神の姿を見て言ったセリフが「なんぎやなあ」。口汚く罵るでもなく、大袈裟に批判するでもなく、愛情と悔しさとやり切れなさを含んだこのセリフは、視聴者の共感を呼び、大阪だけでなく、全国区の流行語となった。 
; v  f/ j  C8 g& N  c7 `☆銅賞=「ゴクミ」% }" F1 ]( y# n- S0 L' s* _ 
受賞者:後藤久美子(女優) 
2 S% Y- K* {' B後藤久美子を縮めてゴクミ。元祖“国民的美少女”と言われたゴクミ人気が大フィーバー。人気ドラマ「伊達政宗」に出演したとはいえ、演技は今一のゴクミがなぜ人気沸騰したかは謎。キャピキャピの“おニャン子娘”や、ブリッ子タレントに食傷した庶民の目に、古典的な美少女がマッチしたのか。その後に続く美少女ブーム、名前を縮める通称、確かに一つの時代の先駆けではあった。: B3 U; ]; |  D; ~- V/ q4 h) { 
☆大匈p=「マンガ日本経済入門」 
3 G. E! Q1 m8 H7 g! w2 A6 M受賞者:石ノ森章太郎- g+ y- z8 t" X( i* h" B' E 
言葉ではなく、表現方法が流行になったという意味での受賞である。難解な理論を分かり易いマンガで表現。学習、歴史、経済、情報という多岐なジャンルでマンガ本が出版され、文章に重きを置く従来のジャーナリズムに対する一矢となった。受賞の『マンガ日本経済入門』は、日本経済の内外状況をビビッドな迫力で描き、大ベストセラーとなった。/ H+ [, D; j* {. t8 u8 U/ V5 ~ 
☆大匈p=「ワンフィンガー ツーフィンガー」, T( ~! u/ i% V$ M. y 
受賞者:村松友視 
) F6 ~4 Y7 t. ]5 b% f8 I6 J; n村松を使った、サントリーウィスキーのテレビCMから生まれた。シングル、ダブルと言わずに、「ワンフィンガー、ツーフィンガー」とキザに表現したのが受けた。リッチになった若者のナイトライフは、この頃から大きく変わり、ゴージャスで派手派手しいものを好むようになった。そのような時代の気分に、キザなこの表現はピッタリした。 
8 o" |# w; T8 X! u) }: }8 X+ V☆大匈p=「サンキューセット」 
  t) ~6 t3 X% r' {受賞者:藤田 田(日本マクドナルド(株)社長); a& |" j9 n3 R' r+ c$ ] 
マクドナルドは520円のハンバーガーセットを390円で売り出し、39(サンキュー)セットとネーミング。数字の39と感謝のサンキューをもじった商品名で、街の話題となった。本格的なハンバーガー商戦の幕開きで、これによりマクドナルド商法は圧倒的に勝利した。2 z8 ^. ~2 ~7 X1 n 
【特別部門】% d5 U% b/ O; r+ l8 R- h 
☆特別功労賞=「“国際”国家」4 [1 }: \2 i- Q* I 
受賞者:中曽根康弘 
3 @+ V: U1 \# W7 [( O& i! Z( h0 c5年に及ぶ長期政権を終えた中曽根首相が、多くの機会に発言、表現したのが「“国際”国家」という言葉であった。日本が国際社会の中で生きていく、というこの言葉には、だれも反論があるはずはなかった。甘く、優しいこの言葉は、さまざまなメディア、報告書、会合の枕言葉に使われて、表面的には大流行語となった。ただし“国際”の中身については千差万別で、その分、言葉は根付かなかった。 
. v, c( L( {1 h% E& D1 Z( `☆特別賞=「鉄人」  `( c7 W2 v7 P0 B- A9 U 
受賞者:衣笠祥雄(広島東洋カープ)* f# U4 d* i: d2 U( F 
プロ野球の連続出場試合新記録を達成した衣笠選手に送られた称号。18年、2,191試合を一日も休まずに出場し続けた偉業の陰には、凄まじい努力があった。この事実をメディアはこぞって報道し、「鉄人」衣笠はスーパースターになっていった。同時に「鉄人」という言葉は、“料理の鉄人”というようなさまざまな使われ方をされ流行語となる。 
  {; Z' e' M3 N' {7 H7 ^$ y0 c; p1 c# O6 I* E 
第5回〔1988(昭和63)年〕 
4 @$ g  G8 J( Q7 h【新語部門】 
4 ~1 v8 f) D, G! u( {. ^4 E2 h☆金賞=「ペレストロイカ」 
& u! O- M9 m" x, Y受賞者:ソロビエフニコラエビッチ(駐日ソビエト連邦大使)5 n% h/ i+ j# k1 M$ B0 P: P 
ソビエト共産党のゴルバチョフ書記長が打ち上げたソ連の改革政策(ペレストロイカ)は、世界中から好感をもって迎えられ、その成否は注目を集めた。日本においても、一日として新聞に「ペレストロイカ」の文字が無い日はなかったほど。国内改革にも「行政のペレストロイカ」というように使われ、外来語としては異例の定着ぶりであった。 
% P3 d$ ]4 R0 K6 H0 r# v; ]) ~- i' v0 t☆銀賞=「ハナモク」 
# @7 P: K. S6 z" e' n受賞者:(株)松屋 
0 ^! x+ H0 m* h% d/ `$ {7 p; M  A週休二日制が定着し、金曜日の夜を「花金」と呼び始めたのは数年前のことだったのに、早くも木曜日が遊ぶには最適な日と大騒ぎ。金曜日の夜からは海外旅行やスキーなど小旅行に出かけようというわけで、レジャー大国の実現と浮かれた。日本経済が絶好調の中、初任給の急上昇など、リッチな若者が増えたことが背景にあった。松屋はこんな時代の空気を感じとり、木曜日休日を変更した。 
, X9 W) E) {& \+ X# c; T7 t3 ]☆銅賞=「トマト銀行」 
' k7 a7 c$ i6 z受賞者:吉田憲治(山陽相互銀行社長)8 _/ s7 Y* |) y0 F- u0 O 
アメリカやECから批判され、ようやく銀行業務の規制が緩和された。法律改正に伴い、相互銀行などが“銀行”として統一され、いっせいに社名変更をすることになった。新社名として世間の度肝を抜いたのが「トマト銀行」。堅いイメージの銀行に、トマトを冠する発想の柔軟さが話題となった。 
- N* ], l. P  K$ x5 K5 f☆表現賞=「遠赤(効果)」 
. k, Z! `/ l" i5 x$ H# }受賞者:遠赤外線国際研究会+ s  W" n7 ?3 W7 X3 w: \( b8 X% l 
健康ブームに仱盲骏蕙攻偿撙螆蟮坤颏盲堡恕ⅳ长文辘摔铯恕高h赤」がもてはやされた。遠赤とは遠赤外線のことで、生鮮品の鮮度維持や健康管理に著しい効果があるとされる。商品化も容易なため、さまざまな新製品が開発、研究された。市場規模10兆円という数字が一人歩きをし、メーカーからメディアまで、さまざまな場面でもてはやされた。/ f; n% ~/ D! u$ x6 S 
☆表現賞=「カイワレ族」 
( x+ S8 L$ S4 Z  R% [3 B6 ~受賞者:村崎芙蓉子! l$ O6 j% |) w2 H+ ?- y! q9 F 
プラスチックケースの中のウレタンの苗床に植えられ、土ではなく水で生きるカイワレ。完全な管理のもとに育てられるカイワレ野菜は、中学生、高校生の姿そのものだ、という指摘は社会に大きな反響を巻き起こした。親の立場からの村崎の発信に、メディアはこぞって管理社会の中でしか生きることが許されない中、高校生を「カイワレ族」と呼んだ。  ~0 `0 f" b8 T  K1 O2 @4 E6 R9 L 
【流行語部門】& u2 y0 c/ O+ ^0 J+ d+ Z: _ 
☆金賞=「今宵はここまでに(いたしとうござりまする)」5 ~/ l( F5 `, q 
受賞者:若尾文子(女優)$ d/ T2 V: ~% k& x  w 
この年、大ウケした流行語。会社の会議、学生のサークル、宴会、はては教室でも、時間の終了を婉曲に告げる時に好んで使われた。発信元はNHK大河ドラマ「武田信玄」。番組の最後に、若尾文子が語るモノローグの締めのセリフであった。 
+ t9 V( N3 m5 h5 w/ H% E2 {5 c4 |☆銀賞=「ドライ戦争」 
3 L: a5 K$ x/ D" h, d! y, W$ G; G受賞者:樋口廣太郎(朝日麦酒(株)社長)& h% e& @# ~7 w4 O! x  h4 a 
この年の夏、テレビ・ラジオ、新聞、雑誌などあらゆる媒体に「ドライ」の文字が踊った。ビールメーカーによる「ドライビール」の宣伝だが、マスコミはこれを「ドライ戦争」と書き立てた。この“戦争”の勝者はアサヒビールで、驚異的な売り上げ増を記録した。ビールを変えるビールとの予想どおり、日本人の嗜好を変えた大戦争であった。 
6 g) o4 z/ g( S: M2 b) e☆銅賞=「シーマ(現象)」 
1 l9 y/ r2 }1 p; X. r4 n受賞者:久米 豊(日産自動車(株)社長) 
3 p( c; Z3 h; J; d" P6 i9 R日産が新発売した高級車「シーマ」は、爆発的な人気を博した。注文から半年待ちは当たり前、走っていれば街行く若者が振り返るというような情景であった。日本経済の好況、円高から外車ブームが続く中、日本人の高級品志向に応えたのがシーマであった。高級品志向の商品が数多く発売されたこの年、日本人の意識の変化を物語る言葉として「シーマ(現象)」の語が多く使われた。& n; I) k7 x% c! M' i/ l 
☆大匈p=「アグネス論争」- B7 [) s  Z* f* [1 O3 u5 Z 
受賞者:アグネスチャン& ^6 k) @+ b8 { 
子供を連れて仕事場に行くアグネス・チャンに対し、作家林真理子が批判。これにアグネスが反論し、双方の応援団を混じえての大論争に発展した。正確に言えば「アグネス子連れ論争」と言うべきもので、大きな国民的関心を得た。女性の自立という問題を含みながらも、イベント的要素がふんだんにある、“時代”を感じさせる論争であった。 
$ g& B2 O5 Y2 H, w☆大匈p=「5時から(男)」 
, r6 \3 j+ W! J受賞者:高田純次(タレント)2 {( j+ b" O& N4 v 
栄養剤「グロンサン」のコマシャルから生まれた。疲れ切ってダラダラとしていた男(高田)が、5時の終業時間が来ると、グロンサンを飲んで大元気、疲れを知らず遊び回るというストーリーで、サラリーマンには人気となった。管理社会への抵抗という解説もあったが、身近に必ずいる“仕事よりも遊び男(女)”が彷彿され、彼らを「5時から男」と揶揄した。+ C& g# K# d9 W" G& C) S 
☆大匈p=「しょうゆ顔、ソース顔」8 `, J0 a2 z, H# j1 J; _ 
受賞者:東山紀之、蹇椧磺錦 
! h9 C9 P) Z+ ?2 T3 C( z, T若い女性の間で、男性の顔を分類する遊びが大流行した。「マヨネーズ顔」「ケチャップ顔」「みそ顔」などなど。そんな中で、もっともポピュラーで市民権を得たのが「しょうゆ顔」「ソース顔」の分類。切れ長の一重まぶたの和風の顔立ちが「しょうゆ顔」、彫りが深いモデル顔が「ソース顔」で、それぞれの代表として“少年隊”の東山と蹇棨xばれた。4 c. D0 u- G7 f3 A 
【特別賞部門】 
$ x' g9 j5 @$ _$ ~☆特別功労賞=「一村一品/ヒューマンブランド」 
) P0 n1 D2 n4 l8 b6 ]受賞者:平松守彦(大分県知事)( |! Z' s, @9 z3 `, H. P 
大分県が独自の地域活性化事業「一村一品」邉婴蚴激幛 |   
 
 
 
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