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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2007-10-17 15:07:03 | 显示全部楼层

2007年10月17日(水曜日)付

『言葉を友人に持とう』という短文が、詩歌や劇作で活躍した寺山修司にある。〈言葉をジャックナイフのようにひらめかせて、人の胸の中をぐさりと一突きするくらいは朝めし前でなければならない〉と、少々物騒なことを書き残している。
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 過激な一節はむろん、天才的な言葉の使い手だった寺山の自負である。〈マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや〉。詩歌や言葉の数々は、多くの人の心を一突きにして、忘れがたい印象を残した。
  ]' b. q. l9 r/ {, b" [/ a9 g& g7 K( ?# A" p' z
 だが、心ない者がナイフを振りかざすと、人を死に追いやる。上司から「給料泥棒だ」「存在が目障りだから消えてくれ」などと言われ続けた会社員が首をつった。東京地裁は一昨日、暴言と自殺の因果を認め、労災と判断した。: o! S) D' F" n
% S. `' z8 L, J1 o( P
 「会社を食い物にしている」「お前のカミさんも気がしれん」。残された遺書には殺伐とした言葉が並ぶ。口をつく言葉は、音や調子しだいで、字づら以上に凶暴になる。浴びた側の心の傷を、裁判長は「人格や存在自体を否定するものがあった」と指摘している。$ E$ J4 F! }& |0 E  s4 t* K" u
) i5 l% U+ x5 H( H2 q2 f2 j
 「褒(ほう)する辞は限りあれども、貶(へん)するに限りなし」と言われる。ほめる言葉に比べて、けなす言葉はいくらでも湧(わ)いて出る。人間の性(さが)を突く卓見だろう。その性を野放しにしたような世の上司には、今回の認定は厳しい警告だ。
- r- M, z: S! o1 l
: F+ X; q: T/ z9 C" d" V 冒頭の文で寺山は、言葉は薬でなくてはならない、とも書いている。〈深い裏切りにあったあとでも、その一言によってなぐさむような言葉〉である。けなすだけでは上司の器ではない。
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发表于 2007-10-17 16:47:14 | 显示全部楼层
訳文があれば、最高だな
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发表于 2007-10-19 08:27:24 | 显示全部楼层
、まず自分で訳してみってください。3 l7 a; M5 @, G% g: d# P5 j3 U
いい練習ですよ。
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发表于 2007-10-19 08:27:56 | 显示全部楼层

2007年10月19日(金曜日)付

名探偵「ブラウン神父」のシリーズは、推理小説の世界で人気がある。その一編に、「賢い人は木の葉をどこへ隠す?」「森の中に」という問答がある。なるほど、同じものの中に紛れ込んでしまえば、誰の目にも分かりにくい▼同じタンクに入った油は、葉っぱどころではない。識別不能だ。インド洋で、自衛隊が米艦船に供給した油は、何に使われたのか。「賢さ」ゆえではあるまいが、米軍の膨大な燃料消費に紛れて、多くが「使途不明油」になっている▼自衛隊の給油は、アフガニスタンでの「不朽の自由作戦」に限られている。それがイラクでの作戦にも使われたふしがある。イラクに巡航ミサイルを撃ち込んだ米艦にも給油していた。ほかにも、目的以外に転用された疑いが、つきまとって消えない▼その給油を継続するための法案を、政府が国会に提出した。国際的な対テロ行動への協力は必要だろう。とはいえ、不透明さに不信を抱く国民は少なくない。補給艦の航泊日誌が破棄されていたことも分かり、輪をかけている▼イラクでは多くの市民が空爆などの犠牲になった。中には、日本の「油」が間接的に死に追いやった人がいたかもしれない。そんな心配さえ、荒唐無稽(こうとうむけい)とは思えなくなってくる▼無料の「日の丸ガソリンスタンド」だけが貢献か、といぶかる声も聞く。テロ封じ込めは大切だが、貧困など、テロの温床を消す漢方薬的な協力も軽くはないはずだ。テロリストという葉っぱを引きちぎっても、根っこを残せば森は枯れないのだから。
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发表于 2007-10-19 08:28:48 | 显示全部楼层

2007年10月18日(木曜日)付

甘党なら、あんころ餅は心のふるさとのような存在かもしれない。「ここだけは安泰」と信じた旧来の和菓子ファンは、帰る所を失った心地ではないか。伊勢名物、赤福の偽装である▼包装ずみの商品を冷凍保存し、包み直して売っていた。品切れを防ぐため、70年代から続くやり方だという。解凍し、再包装した日を製造日と偽った品は、過去3年の出荷量の2割近くになる▼小欄にとって、赤福の後味はほろ苦い。8月、北海道銘菓「白い恋人」の賞味期限偽装を取り上げた。経営者が赤福の伝統を目標にしていたことを紹介し、こう書いた。「今年創業300年の赤福の餅は、ごまかせない『製造日限りの販売』だ。伝統にはそれぞれ、理由がある」▼読者の皆様から「赤福にはもちろん、天声人語にも裏切られた」というおしかりや、「天声人語も犠牲者だ」とのご意見をいただいた。いずれにしても老舗(しにせ)の看板に目が曇り、公式サイトの言い分をうのみにした不明は恥じるほかない▼思えばここ30年ほど、赤福の評判は冷凍庫の中で保たれていたわけだ。風味に自信があるなら、冷凍品がまじる事実を堂々と明かせばよかった。銭勘定の下心をうそというあんこで包んでは、伝統さえも凍え死ぬ▼赤福は、長旅で疲れたお伊勢参りの旅人を癒やす餅から出発したと聞く。名前の由来は「赤心慶福」。偽らない心で、善男善女の幸せを一緒に喜ぶ志である。菓子としての素朴さ、作り手の愚直さ。そうした持ち味のあれやこれやが、営利の厚氷の中で震えている。
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发表于 2007-10-19 17:32:29 | 显示全部楼层
原帖由 jmijmi 于 2007-10-19 08:27 发表
+ q- y& K; D$ h" r( M) \+ e8 U 、まず自分で訳してみってください。
: ]3 X! a/ v- x; A$ k* d5 b, |いい練習ですよ。

9 Y0 |/ d' a$ M# u8 t8 `. X; _( |/ Z% D( {2 f8 S9 k8 Z
それはそうだけど、
7 v! A+ c4 o) M9 R読みながら訳したのだが、訳文がないと、正しいかどうかわからないのよ。
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发表于 2007-10-22 10:06:31 | 显示全部楼层
2007年10月20日(土曜日)付
2 y* H& v# y# c
4 ]& C0 d- o% e/ |) ]4 e三陸沖の秋の味、戻り鰹(がつお)の漁がようやく最盛期を迎えた。まるまる太った紡錘形が続々と水揚げされている。夏を過ごす北方の海域が、今年は暖かかった。ついつい長居をしたとみえ、南下が遅れていた▼青葉のころ、黒潮にのって北上する。それが初鰹で、風薫る季節の小気味いい食感が愛されてきた。だが、脂の乗りは、北の海でたっぷり餌を食べた戻り鰹がまさっている。もっぱら通に好まれる地味な存在だったが、最近は初鰹をしのぐ人気らしい▼魚博士で知られた末広恭雄さんによれば、鰹が珍重されるのは鎌倉時代からだ。だが鰹ぎらいもいた。『徒然草』の兼好法師も、その一人だったとみえる。こんな魚が上流階級の食卓にのぼるようでは世も末だ、と手厳しくやっつけている▼当節、鰹にかぎらず、魚が食卓にのぼる機会は減っている。今年発表の水産白書によれば「かつてない魚離れ」が起きている。「料理が面倒だから」が理由のひとつだ。ほかにも、まな板がくさくなる、いやな匂(にお)いが部屋にこもる…。魚にさわれない若い人もいるそうだ▼うろこを落として、腹を割く。魚料理はたしかに、ほかの料理より生々しい。〈刺す焙(あぶ)る殺す吐かせる削(そ)ぐ締める荒事ならで厨(くりや)の言葉〉(久々湊盈子(くくみなと・えいこ))。他の命をいただいて生きる。殺生の手ざわりを、一番自覚する家庭料理かもしれない▼旬を迎えた戻り鰹をまるごと買えば、刺し身に塩辛、アラ汁と余すところは少ない。さて週末。命をいただくありがたさに思いをいたし、秋の幸を満喫するもいい。
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发表于 2007-10-22 10:07:14 | 显示全部楼层

2007年10月21日(日曜日)付

太るに任せながらもさすがにまずいと思ったのは、小走りか何かで「揺れる胸」に気づいた時だ。認めがたいことに、腹や尻が負けじと波打ち、全身の脂肪がぷるぷるしている。その不快にも、いつしか慣れた▼心機一転の手がかりを求めて、きのうまで東京で開かれた日本肥満学会をのぞいた。主役は、内臓脂肪が重病につながるメタボリック症候群で、講演や討論の多くに「メタボ」の表題がついた▼体験に触れる発表者もいた。糖尿病の専門家は、日に4本だった缶ビールを1本に、つまみをカイワレとワサビ漬けにして6キロ減を保つという。別の医師は「夜の宴席など、やめられないものはやめない。朝と昼でなんとかする」と宣言した。健康管理のプロとはいえ、中年男が考えることは似たようなものだ▼経済産業省が、12年ぶりに日本人の体格を調べた。女性はほぼ全年代で細身になったが、中年男性は肥えた。40代では「やや太り気味」が平均的な体形になってしまった▼畑違いにも見える経産省の体格調査は、服や車など身近な工業品づくりに、最新データが欠かせないためという。体形の変化を追いかけ、モノは時代時代で進化する。戦国武将の鎧(よろい)や絶対君主の寝台は、今の大人には小さかろう▼誰しも、おいしい物をたらふく食べる生活を夢見る。体が膨れたって、工業社会のモノたちは先回りして待っていてくれる。だが体験に照らせば、大きめの服やイスは油断できない。ここまでおいでと手招きするからだ。ご同輩、健康あっての美食である。
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发表于 2007-10-22 10:07:52 | 显示全部楼层

2007年10月22日(月曜日)付

長崎空港で、滑走路に向かう全日空機の無線が使えなくなった。ルールに反し、携帯電話の電源を切っていない乗客がいたため、一部で「携帯が原因か」と報じられた▼ところが、管制塔でも同時刻に無線が不調だったことが分かり、携帯電話のぬれぎぬは晴らされたという。この騒ぎのお陰で、何かの時は乗客の携帯が疑われると知った。「空騒ぎ」も時に無駄ではない▼かたや、間違っても落ちない安心からか、電車の優先席では携帯電話が野放しの状態だ。電磁波は約20センチの距離で心臓ペースメーカーを狂わせる恐れがある。外出のたび、逃げ場のない車内で「凶器」に囲まれ、心で悲鳴をあげている人もいるだろう▼しばらく前の声欄(東京本社版)に、帰宅中の目撃談「携帯メールで殴り合い寸前」が出た。優先席でメールに夢中の若い女性。前に立つ初老の男性が注意したら「うるさい」と一喝され、女性に加勢する酔客らも参戦した。場が収まり、投稿者が「殴られますよ」と声をかけると、男性は「2度あります」と答えたそうだ▼警告と違反が同居する「走る無法地帯」とは情けない。車中の飲食や化粧も見苦しいが、優先席の携帯電話は人様の体調にかかわる。迷惑が見えないからといって、罪悪感まで消えていいはずがない。鉄道会社は実効ある対策を講じる時だ▼優先席で携帯を切る習慣を機内並みの「常識」にするまで、何人が心で悲鳴をあげ、何人が殴られるのか。弱者や善人に勇気を強いていては、豊かな情報社会の離陸はおぼつかない。
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发表于 2007-10-23 08:20:33 | 显示全部楼层

2007年10月23日(火曜日)付

葉末に露の多い季節である。初めは露に濡(ぬ)れないように注意深く歩いても、いったん濡れてしまえば大胆になる。「濡れぬ先こそ露をも厭(いと)え」のことわざには、一度過ちを犯すと、繰り返しても良心が痛まなくなることへの戒めがこもる▼過去に多くの公僕がたどった背徳の轍(てつ)を、この人も踏んだのだろうか。防衛省の守屋武昌・前事務次官が、取引先業者とゴルフ三昧(ざんまい)の間柄だったことがわかった。利害関係のある相手と100回以上繰り返していたというから、たがの外れ方は並ではない▼家族のために、業者に便宜を図ってもらったともいう。反対に、業者の資金繰りでは口を利いていた疑いがある。「大物次官」と持ち上げられて、長く組織に君臨した慢心か。倫理の土俵の割りようは、野放図にさえ見える▼守屋氏の次官時代、自衛隊はイラクに派遣された。庁から省へと格上げにもなった。昇格の際、氏は制服組を前に訓示し、「24万の隊員一人一人が、それぞれの部署で責任を果たす強い使命感」を求めている▼言行不一致にも思える言葉に、先の大戦中の、ある中将が重なる。南方の司令官だったその人は軍刀を掲げ、「君たちだけを死なせはしない」と激励して、特攻機を死地に送った。だが米軍の攻撃が迫ると、部下を置いて逃亡した▼いま、守屋氏に裏切られた思いの自衛官もいるだろう。国会に呼んで質(ただ)す動きも急だ。説明責任を果たす使命感が求められよう。のらくらと、服を濡らした露が乾くのを待つようでは、自ら垂れた訓示にもとる。
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发表于 2007-10-24 08:25:59 | 显示全部楼层

2007年10月24日(水曜日)付

古めかしい言葉を久しぶりに聞いた。福田首相がおととい記者団に、「情けない気持ちだ。“つかさつかさ”できちんと対応してほしい」と心中を語った。辞書を引くと、漢字なら「官官(つかさつかさ)」と書くらしい。あらゆる役所、役人をさす言葉である▼防衛省は、インド洋での給油の真相を、闇に葬ろうとしていた。厚生労働省は、C型肝炎の感染者の資料を地下倉庫に放り込んで、知らぬ存ぜぬを決め込んでいた。年金問題に続く失態だ。官官をむしばむ病は、十年一日のごとく重い▼漢字博士の白川静さんによれば、「官」はもともと軍の駐屯地をさしたらしい。軍の守護霊を安置した神聖な場所というから、庶民は近寄り難かった。防衛省にはいまなお、独りよがりの聖域意識があるのではないか▼「官」の応用に「管」がある。やはり「つかさ」の意味があって、管理、管制などと用いられる。ただ、元の意味は「細長い筒」だから、見聞や了見が狭い例えにも使われる。厚労省の官僚は、「管僚」と呼ぶ方がふさわしいかもしれない▼防衛省の失態は文民統制の根っこを揺さぶっている。厚労省のそれは、国民の命を脅かしている。政治家も私たちも、軽く見られたものである▼忘れてはならないが、宰相の「宰」も「つかさどる」という意味だ。「辛」とは肉を切る包丁。生(い)け贄(にえ)をさばいて祖先に供える長老、つまり官官の頂点に立つ責任者である。その人が「情けない気持ち」では、国民も情けない。剛刀でさばくようなリーダーシップを、たまには見たい。
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发表于 2007-10-26 09:35:23 | 显示全部楼层

2007年10月25日(木曜日)

秋田の「きりたんぽ鍋」には素朴な味わいがある。漫画家の東海林さだおさんはある日、鍋の材料をあれこれ購入した。だが必須とされる秋田特産の比内地鶏は、店になかった。やむなく「比外鶏」を使ったと、近刊の著書でユーモラスに書いている。
' r2 R: M( T6 M" \0 F+ x- h今なら比内地鶏と銘打っていても、信じられない。秋田の業者が、卵を産まなくなった廃鶏に「比内」の衣装を着せて長年出荷していた。きりたんぽ鍋のセットにも偽の鶏肉を使っていたと聞けば、湯気の向こうの笑顔も曇る。# W  ^. s& X+ G8 b; U/ W- r7 ~: z
老舗(しにせ)や特産の金看板が、相次いで墜(お)ちている。食べ物不信が募るさなか、北海道の食肉業ミートホープの社長らが警察に逮捕された。こちらは、豚や鶏を混ぜたミンチ肉を「牛肉」と偽って出荷していた。
2 w/ B9 K8 r# T% E4 S# C# _# U背信行為を小紙が特報したのは、内部告発によってである。これが呼び水になったかのように、井戸の底から醜聞がわき出した。「白い恋人」に「赤福」、「比内地鶏」。内部から漏れ届いた良心の声が嘘(うそ)の仮面をはがしていった。
5 S+ c" R) N4 j食べ物職人の意気を懐かしむ短文が、往年の名記者、長谷川如是閑(にょぜかん)にある。ある老人の売る煮豆は絶品だった。ところが家が焼けて竈(かまど)も釜も失った。新しい設備で煮たが、味に納得がいかない。煮ては捨て、煮ては捨てて、決して売り物にはせず、ついには廃業してしまった。遠く明治の話である。3 R/ N' G4 Q* o
儲(もう)けにかまけてモラルを見失った現代の老舗など、顔が赤らむことだろう。あまたの醜聞に「食への信頼」を吹き飛ばされて、迎えた食欲の秋を何としよう。
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发表于 2007-10-26 16:37:31 | 显示全部楼层

2007年10月26日(金曜日)

個性(こせい)派の俳優で昨年亡くなった岸田今日子さんは、風変わり(かぜがおり)な子どもが好きだった。ほかの子とテンポ(拍子)が合わないような子がいるとうれしくなってしまう。随筆(ずいひつ)にそうつづっている。
  T/ |( H- H* n, @  @' v6 Uところが自分の子が生まれると、勝手が違った。「早くご飯を食べなさい」「宿題はしたの?」。わが子が仲間はずれになりはしないかと気にかかる。今や、ただの大人になってしまったのだろうか――筆づかいからは、深い溜(た)め息が聞こえてくる。
( M! \# w, d3 R# n3 y' F8 d親なら誰もが「ただの大人」なのだろう。文部科学省が公表(こうひょう)した全国学力調査の結果も、気にかかるに違いない。何しろ都道府県の成績がきっちりと出た。表には出ないが、市町村や学校ごとの順位も分かっている。うちは、よそはと、心騒(さわ)ぐ人も多いことだろう。
: ~4 ]( F, B- H5 k- h0 }! V3 v順位(じゅんい)の思わしくなかった府県は、教委の口ぶりも苦い。「衝撃を受けた」と嘆(なげ)くのは最下位(かい)の沖縄だ。「考えられる限りのことはやってきたつもりだったが」と大阪。高知は「子どもには申し訳ない」と敗軍(はいぐん)の将さながらである。
; y8 C' R4 j7 m2 h- C! Z9 z結果の分析は難しい。だが順位は分かりやすいから、口の端(くちのは)にのぼりがちだ。上位(じょうい)は誇り(ほこり)、下位は落胆(らくたん)する。不毛(ふもう)な明暗(めいあん)ばかりが市町村へ、学校へと広がっては、鳴り物入り(なりものいり)の調査はむなしくなる。
- @- e; x( L: m7 h岸田さんに話を戻せば、小学校高学年でも割り算(わりざん)ができなかったそうだ。母親に教(おそ)わって、数を割る意味が分かった瞬間、違う世界が見えてきたと語っていた。調査は来年もある。順位大事のテスト対策がはびこり(蔓延る)、分かる喜びを奪わないか心配だ。
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发表于 2007-10-28 19:55:19 | 显示全部楼层
天声人語: O) k6 y6 }$ {% R, m) H* d1 t4 D
2007年10月27日(土曜日)付
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( p, [: b4 M! X2 ^$ }! P3 o「鬼」と聞けば恐ろしいものを想像する。若者言葉に「鬼ダチ」というのがあるそうだ。ダチは友達だから、怖い悪友のことかと思ったら、外れ。とても仲の良い友達をさすらしい▼いまどきの若者は、「鬼」を最上級を示す接頭語に使うのだという。「鬼かわいい(すごくかわいい)」などの言い方があると、『みんなで国語辞典!』(大修館書店)に教わった。若い世代や業界に飛びかう新語を、広く募集して編んだ辞書だ▼生まれては消え、消えては生まれ。うたかたのような新語の中にも、生き延びて市民権を得るものがある。そんな言葉も取り込んで、代表的な国語辞典の『広辞苑』(岩波書店)が10年ぶりに改訂される。「うざい」「いけ面(めん)」「デパ地下」「メル友」など1万語が追加される▼日本語として独りで歩き始めたかどうかが、掲載の物差しだという。91年の改訂では「いまいち」「断トツ」などが独歩を認められた。98年には「どたキャン」「素っぴん」などが、晴れて「広辞苑一家」のメンバーになっている▼一度掲載されれば原則として削除されないから、言葉には安住の地になる。長い命を得る新語もあろうが、せわしない時代である。一時の春を謳歌(おうか)したあと、ひっそりと寂れていく言葉も多いのではないか▼辞書を言葉の師と仰ぐか、しもべとして使うかは、人それぞれだ。中には、読み物として付き合う人もいるという。開けば広がる、あいうえお順の大宇宙である。「鬼ダチ」になって、深い味わいに時を忘れるのも悪くない。
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发表于 2007-10-28 19:55:58 | 显示全部楼层
天声人語6 _2 E) t; |+ a' K6 u
2007年10月28日(日曜日)付
5 G7 U4 j4 u) W+ }4 w$ e/ F# K. {6 p+ T1 N
外食がとびきりのぜいたくだった時代、日本人の栄養と食欲はもっぱら台所が引き受けた。半世紀が流れ、「食悦」に震えるツボは胃から舌に移ったかに見える。それでも家での食事は、乱れた生活のリズムを正してくれる▼NHKの「きょうの料理」が放送開始から50年になる。初回は1957(昭和32)年11月4日だった。最初の料理「かきのカレーライス」の材料表記は6人分。当時の食卓が浮かんでくる▼4人に1人が栄養不足とされた初期の放送には、レバーや鯨など、安くて滋養豊かな素材が使われた。江上トミ、土井勝、村上信夫ら、戦後の「食育」を担った面々が、生放送で名調子を競ったものだ▼昭和30年代。豊かではなかったけれど、都市も農村も、これから豊かになるんだという予感と熱に満ちていた。料理番組は、家計に優しい今夜のおかずを提案しながら、時には、いつかは手が届くであろう「一流の技」を紹介した▼ほどなく帝国ホテル料理長となった村上は、画面でテリーヌを焼きながら「もう皆さんは、ひき肉料理のベテランと伍(ご)しても絶対に負けません」と、まん丸な笑顔で主婦を励ました。テレビがまいた種が、家庭の味という無数の実を結び、親から子へと受け継がれてゆく。リレーはまだ続いているだろうか▼番組のテーマ曲は、25歳の冨田勲氏が前日に頼まれ、一晩で仕上げた。転がるようなマリンバの旋律は、まな板で弾む包丁を連想させて楽しい。まな板と包丁のない家など想像もできない昔の、味わい深い絶品である。
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