2007年11月25日(日曜日)付
U) I' U- H0 I% Y, {3 x t 渡り鳥の飛来で知られる宮城県の伊豆沼と内沼を先ごろ、寒波の厳しかった日に訪ねた。低い空から湧(わ)くように雪が降り、末枯(すが)れた野山を白く染めていた。水面は寒々と波立っている。土地の人によれば、例年より早い冬景色らしい▼ハクチョウは優美だが、列をなして飛ぶマガンは感傷を呼びさます。古来、雁(かり)とも、かりがねとも呼び習わされてきた。二つの沼への飛来は、今月初めに計6万羽を超えたそうだ。遠くカムチャツカなどから渡って来るマガンの8割強が、ここで翼を休め、春を待つ▼〈今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ〉。弱いものへの慈しみを詠むことの多かった江戸期の俳人、小林一茶は、けなげな旅をねぎらった。現代人にも共通する思いだろう。だが「楽に寝られる」所は、減り続けているのが実情らしい▼かつては、関東などにも分散して冬を越していた。しかし開発で自然が損なわれ、伊豆沼周辺に集中するようになった。「ここの飛来数ばかり増えるのは、望ましいことではないのです」と、現地を観察して13年の嶋田哲郎さん(38)は言う▼13年前は2、3万羽だった。いまや2倍を超す。日の出を待って一斉に飛ぶ「総立ち」は、感動的でもある。とはいえ、ほかの越冬地の環境悪化が背景にあるのなら、喜んでばかりもいられない▼秋の空に飛来する雁は、古くから、懐かしい人の消息をもたらす使いだとされてきた。手紙のことを「雁書(がんしょ)」と呼ぶのは、それゆえだ。ひと冬のねぐらに事欠くのでは、風流の使者たちに申し訳がない。
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[ 本帖最后由 康成 于 2007-11-25 11:01 编辑 ] |