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楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

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发表于 2008-11-21 22:26:31 | 显示全部楼层
2008年11月21日(金)付
" M( u0 y; D/ s1 T* d. Y8 U 今は昔の感もあるが、ブッシュ米大統領が瞬時に国民の心をつかんだことがある。9・11テロの後、がれきの上でハンドマイクを握り、国民と犠牲者に語りかけた▼「君たちの声が私に聞こえる。世界が君たちの声を聞く。ビルを倒した連中も間もなく我々の声を聞く」。のちの政策の是非は置いて、動揺する国民に強い言葉を送ったのは、国を率いる者の大切な役目だったのに違いない▼ひるがえって、元厚生事務次官宅が襲われた事件での麻生首相は、どうも鈍い。丸1日たってようやく「二つの関係が明確になった段階では、テロと見なし断固たる処置をとる」。だが続けて「今の段階では単なる傷害か何とかって、まだ決まってないんだろ。よく知らねえけど」▼暴力を憎むこと、首相が人後に落ちるとは思わない。空き樽は音が高いともいう。声高に叫べばいいものでもないが、「よく知らねえけど」は首相の言葉ではあるまい。日本で一番情報の集まるはずの人なのに、である▼人間観察の達人だったフランスのラ・ロシュフコーは〈沈黙は自分自身を警戒する人にとって最良の安全策である〉と言い残した。だが、いくら自分の舌が心配でも、政治家に沈黙を選ぶすべはない。語らねば催促され、語れば吟味される。世の採点は甘くはない▼さても、と言うべきか。首相はまた「(医師は)社会的常識が欠落している人が多い」とやった。後で謝罪したが「現場の勇気をくじく」と厚労相も苦り顔だ。ぶれたり、困らせたりの迷言が、とみに目立つのはどうしたことか。
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发表于 2008-11-30 22:39:28 | 显示全部楼层
面目ないと嘆く男性もおられようが、お年寄りの場合、夫を亡くした妻は寿命が延びて、妻を亡くした夫は寿命が縮む傾向があるらしい。夫とは、妻に頼りきる重荷でしかないのだろうか。そっと胸に手を当ててみる、きょう「いい夫婦の日」である。
: k6 l. y1 o- n+ X( S11月22日の語呂合わせから始まって、今年で20年になる。だが、この時期に公表される各種の「夫婦調査」は、しばしば夫を意気消沈へ誘う。互いの気持ちはすれ違って、夫から妻への「片思い」が多くなっているようだ。
1 H: x2 R: |. @8 ]; J4 N- S3 Z  d3 Bたとえば「夫婦一緒の時間を充実させたい」と思う夫は増えている。ところが妻の方は減り続けている。熟年の夫婦では15%の妻が、夫に「嫌悪・不愉快」を感じていると聞けば、小春日和も少し曇る。: d; s# g# a$ x1 v: c8 |
そうした理由の一端を、田辺聖子さんの随筆に教わった。定年やらで人生戦線を縮小し始めた男と、これから戦線拡大をもくろむ女の違いのためらしい。自分の砦(とりで)に立てこもる夫と、残りの人生を楽しもうとする妻の、軋(きし)みあいのようである。
2 h8 R1 O1 e/ V0 Z. G夫は別荘がほしいと夢見るが、妻は別荘まで行って家事などまっぴら。心安い友達とリゾートホテルの方がずっといい。「オジサンは司馬遼太郎を読み、オバサンは渡辺淳一を読むようになる」などと、人間通らしく田辺さんは観察する。
$ z! Q& P, K' p心のすれ違いに特効薬はなさそうだ。「亭主元気で留守がいい」と言う。「女房元気で……」ぐらいの生活技術と独立心を、まずは夫も備えたい。すきま風には早めの目張りを。暖かい冬を迎えるには「片思い」では心もとない。
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发表于 2008-11-30 22:39:51 | 显示全部楼层
2008年11月23日(日)付" o7 b1 N) A2 @/ z
出会うたび、別れるごとに人生は彩りを増し、一期一会の重なる先に次の幸せが待つ。そうした「平凡」を断ち切る凶悪犯罪の中でも、理不尽さ、もどかしさの極みは北朝鮮による拉致事件だろう。  s$ h1 u# [$ b- |( D* n& _
横田めぐみさんの写真展が有楽町マリオンで開かれている(無料、26日まで)。3年前にこの地で開かれて以来、国内やニューヨーク、ジュネーブを巡回し、計23万人の来場者が国家犯罪への怒りを新たにした。9 m! Y! O3 @5 E5 m' n% u+ Y* f$ y
ご両親の講演を聴いた中学1年生の感想文も展示されている。「平凡がどれだけ幸せなことか考えながら、生きていこうと思いました」という一文があった。拉致時のめぐみさんと同じ13歳の多くが、「普通の日々」のありがたさに触れている。# n; G+ Z4 g9 ?# d4 s0 d1 @
そしてもう一つ、娘を救うため31年闘ってきた老夫婦への敬意である。わが子を案じる心の強さ、激しさに驚き、親に感謝し直した生徒も多い。横田ご夫妻の活動は、現実の「世直し」でもあると知った。, p" V% f* v2 L3 d' O) v! H
卒業でも転居でも、親しい人との別れに心は震える。無理にも「元気でね」と笑えるのは、また会えると信じているからだ。だからこそ死別の悲しみは深いが、よくしたもので時が癒やすこともある。一番つらいのは生き別れではないか。0 r6 N) s( S9 A  G8 _6 B) s6 G; X' i
鹿児島の拉致被害者、市川修一さんの母上が先ごろ91歳で亡くなった。息子のスーツを虫干しして待ち続けたという。横田早紀江さんは「親としてこれ以上はできなかったというところまでやり、悔いのないように生きる」と語る。隣国の母に血の言葉を吐かせ、独裁者はまだそこにいる。
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发表于 2008-11-30 22:40:15 | 显示全部楼层
2008年11月24日(月)付: |+ q6 ^  g7 S* @  q" f$ n
元厚生事務次官宅が続けて襲われた事件が、連休の平穏を突いて急展開した。「元次官を殺した」という男(46)が警視庁に乗りつけたのは、かわいらしいピンク系の軽自動車である。同様の違和感がまだ随所に残る。
: W& @9 w+ _/ I$ B$ L5 y男は「保健所にペットを処分され、腹が立った」と動機を語っている。出頭前にも、ネットを通じて〈今回の決起は年金テロではない〉〈34年前、保健所に家族を殺された仇(あだ)討(う)ちである〉という、本人らしき告知が報道機関にあった。5 ^" U* O- r( A+ V
保健行政の連想から厚労省を狙ったのかもしれないが、これでは駐車違反の恨みを警察庁長官に向けるも同じだ。年金改革の立役者2人が狙われたのは偶然だったのか。愛犬の悲運を思い続ける「優しさ」と、3人殺傷の残酷さはどうにも結びつかない。6 A9 D) M7 ^- t, a9 q& k& _3 r! U& g
近所では、やたらに怒鳴る「怖い人」だったらしい。出頭に先立ち、山口県の実家に「手紙を送ったから読んでくれ」と電話してきたそうだ。ここでは、かすかに息子の顔がのぞく。10年ぶりという音信は明るい声で、老父は「嫁さんでも、もろたんかな」と思ったという。
% y( }% r: \" L" K$ C* e1 h: P片や「決起」の言葉には、ゆがんだ英雄主義と自己満足がにじむ。「誰でもよかった」の亜流で、「旧厚生省の大物なら誰でもよかった」というのだろうか。肉親を含め多くの人を泣かせることへのためらいは見えない。
% R' U- i( w; m* x0 Y% d個人的な感傷や不満のはけ口を求めて暴力が横行し、匿名の賛辞がネット空間を舞う。なんともイヤな感じである。「怖い人の突(とっ)飛(ぴ)な行動」で片づけられない、流れのようなものを感じる。
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发表于 2008-11-30 22:41:06 | 显示全部楼层
2008年11月25日(火)付
/ ?  Y. ]% J- Y6 m( T 葉っぱの写真をあしらった図鑑を片手に、東京の北西にある奥武蔵の低い山を訪ねた。季節の進み具合は平地より早く、コナラやクヌギの木々からは落葉がしきりだ。風が吹くと、カサカサとさざめきながら頭上に降る。「木の葉雨」という美しい日本語が脳裏をよぎっていく。
& M: [: ~6 T& t燃えるようなモミジは、手(しゅ)裏(り)剣(けん)のように宙を舞い落ちる。ゆらりと枝を離れるのは、うちわを思わせる朴(ほお)の葉だ。所々に、雪だまりならぬ「葉だまり」がある。くるぶしほどに積もった葉をかき分けながら、山道を歩いた。  n$ @! A& O2 W7 _
シャンソンの名曲に「枯葉」があり、秋の日の/ヴィオロンの……に始まる名訳「落葉」がある。街路に散って、吹き寄せられる朽ち葉には、うらぶれた感傷が重ねられがちだ。だが、山に降る落ち葉には生命の輝きがある。$ ]# i" y! q: j& }/ Z! ^
〈それは凋(ちょう)落(らく)であろうか 百千の樹木がいっせいに満身の葉を振り落すあのさかんな行為……〉。石垣りんさんの詩「用意」の一節を思い出す。落葉は、一切を捨てて裸の骨格を空に突き上げる、木々の意志を見るようでもある。
, i* _& L) T9 g1 I6 p7 ~: J葉という衣装を脱いで、樹林は明るさを広げていく。光は地表まで差し込むようになる。落ち葉はミミズやバクテリアなどの力を借りて分解され、土に還(かえ)り、また木々を育てる。
3 T' R# i5 t& |% B# A; f山を歩きながら、手近な枝を引き寄せてみた。来年開く冬芽がもう、固く閉じた姿で枝についている。そんな生命力に自らを託すように、石垣さんは詩を結んでいる。〈私は身内ふかく、遠い春を抱く そして私の表情は静かに、冬に向かってひき緊(しま)る〉。
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发表于 2008-11-30 22:41:42 | 显示全部楼层
2008年11月26日(水)付
4 Y3 b9 T6 ^3 B$ Y4 c6 |% ]〈堪忍のなる堪忍は誰もするならぬ堪忍するが堪忍〉は、人生訓をうたう道(どう)歌(か)の中でもよく知られている。その教えが昨今はあやうい。誰もするはずの堪忍さえできず、ささいなことで堪忍袋の緒を切らす人が、世代を問わずに増えている。0 B8 ~1 ^; ?/ r+ X
当節は「キレる」と表記される。本紙の記事には17年前に初登場し、10年前から急に増えた。キレる人が増えたから言葉が広まるのか。言葉が広まってキレる人を誘発するのか。いらだつ空気は世を覆って、募るばかりに感じられる。" _+ p3 C1 f/ p
そんな社会から、学び舎(や)だけが例外とはいかないらしい。「子どもの暴力」に手を焼く学校の実情が、文部科学省の調べで浮かび上がった。感情を抑えられずに暴発する子が、こちらも増えている。+ I- Q. I% a* ^! z/ x
机を投げる(小学校)、はさみで同級生の背中を刺す(同)、すれ違いざまに肩がぶつかってけんかになる(中学校)……。いらだちというガスに、他人への非寛容が導火線になって火がつくことが多いようだ。$ Q; O, J3 ~, T$ A; Z5 l5 D: V# G
先日の本紙で、歌人の俵万智さんが、電車内で耳にした会話を語っていた。誰かとメールのやり取りでトラブルがあったらしく、「そのときばかりは頭に来て、面と向かって電話したよ」と言っていたそうだ。1 J  v6 {( N4 G: J' s$ \2 B
電話では「面と向かった」ことにはなるまい。なのにそう思うほど、メールや仮想空間の浸透で、友達同士が話さずに付き合う世界が広がりつつあるのだろう。そうした中で自意識ばかり肥大すれば、寛容はますます失われないか。堪忍袋の緒が細った社会は、子どもにも大人にも生きづらい。
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发表于 2008-11-30 22:42:29 | 显示全部楼层
2008年11月27日(木)付
* q: U9 _4 m) c 釣り好きが自慢話をはじめたら両手を縛っておけ、などと冗談に言う。釣った魚の寸法がどんどん大きくなるからだ。だが俳優の松方弘樹さんが釣り上げた獲物は、両手をいっぱい広げてもまだ足りなかった▼300キロを超えるクロマグロ(本マグロ)は山口県沖の日本海で、釣り好きで知られる松方さんの針にかかった。東京の築地市場に運ばれ、おととい競り落とされた。大トロの小売値が、普通は100グラムで5千円を超すと聞けば目が回る▼「海のダイヤ」と呼ばれるこの魚は、世界的な乱獲で数が減っている。このままでは危ういと、大西洋などで漁獲量を減らすことが決まった。日本に来る6割はそこでとれる。3年で3割強減らすとの報道に、すし好きの顔は曇ったかもしれない▼国内には在庫がまだあり、急な品薄にはならないそうだ。しかし先はわからない。魚食熱は世界で高まっている。需要が増えればマグロに限らず乱獲に拍車がかかる。「命の湧(わ)く海」と言うけれど、その豊饒(ほうじょう)は無限に約束されたものではない▼すでに人間は、海をかなり追い詰めているという説がある。米国とカナダの大学が、今のままでは2048年には海から魚がいなくなると警告する論文を発表した。過激な内容だが、ありえない話ではないらしい▼古くはマグロをシビと呼んだ。その名が「死日」に通じるとして不吉がられた時代もあったという。時は移り、いまや「国民魚」さながらの人気を誇る。末長く舌鼓を打つためには、少し痛くても歓迎すべき資源保護ではないだろうか。
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发表于 2008-11-30 22:43:20 | 显示全部楼层
2008年11月28日(金)付, u/ o. J5 {9 }# E' D
 古代インドに『鸚鵡(おうむ)七十話』という説話集がある。仕事で長旅に出る商人が、家に残す愛妻のことを賢いオウムに託していく。だが彼女はある王子に誘惑される▼するとオウムは、謎めいた物語を連夜巧みに語って彼女を引き留める。かくして七十夜が過ぎ、妻は何事もなく夫の帰宅を迎える。そんな本を繰りながら、ことは違うがムンバイで起きた無差別テロを思った。テロリストを止める賢いオウムはいなかったのか▼爆発や乱射は、ホテルや駅などの各所で起きた。市街戦を思わせる映像が現地から届く。100人以上が犠牲になり、日本人も2人死傷した。出張中に亡くなった津田尚志さん(38)はロビーで胸や腹を銃撃されたという。痛ましさに胸がふさぐ▼犯行声明を出した組織の実態はよく分かっていない。テロの目立つインドだが、外国人の多い高級ホテルを狙い、英米人を人質に取ろうとしたのは異例らしい。「欧米支配への聖戦」を唱える国際テロ組織、あのアルカイダと関係があるのだろうか▼インドといえば、非暴力をつらぬいた独立の父ガンジーが思い浮かぶ。綿を紡ぐ糸車を回して支配や搾取に抗する姿を、写真でご記憶の方もおられよう。運動の象徴になった糸車の操り方をガンジーが覚えたのは、ムンバイだったと言われている▼今や経済発展のめざましいインドだが、その陰にテロを生む温床が息づいているようだ。背景は宗教か、それとも貧困なのか。テロを許さぬ固い決意とともに、国際社会が「賢いオウム」になるしかないとの思いが募る。
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发表于 2008-11-30 22:44:25 | 显示全部楼层
2008年11月29日(土)付
& K* N+ P+ d* l7 w, R+ x 「鍍金」と漢字で書くと首をひねる方もおられようが、メッキと読む。古来の技術で、奈良の大仏を造ったときにも用いられた。だが、いつしか、お粗末な中身を隠して外面を繕うという、芳しくない例えに使われるようになった▼「沈黙は金。メッキがはがれないように」。自民党内からも「メッキ呼ばわり」の麻生首相は、苦しい政権運営が続く。名言なら「一日一言」もありがたいが、これでもかの放言や朝令暮改には身内もたまらないのだろう▼経済危機に向けた第2次補正予算案の国会提出は先送りする。解散・総選挙もずるずる延ばす。政府と与党は「政権」という城に立てこもった印象だ。ならばと、民主党は籠城(ろうじょう)する堀を埋め、門をこじ開けにかかる▼麻生首相と小沢代表がきのう、初の党首討論に臨んだ。「この人の話は危ねえ」「そのへんのチンピラ」と互いをけなし合う仲だ。野天の真剣勝負を期待したが、道場の申し合いだった。質疑は堂々巡りして、与野党応援団のヤジばかりが大きい▼民主主義の基礎は「他の人が自分より賢いかもしれないと考える心の用意」だと、戦後すぐの英国首相だったアトリーは言った(『政治の品位』内田満)。言い負かそうと力むばかりでなく、他の言葉をしっかり受け止める資質が政治家には欠かせない▼条件反射のように湧(わ)いた盛大なヤジに、日本の政治が心配になる。言論の府でも「聞く耳持たず」がまかり通るのか。いまや政治全体がメッキ仕立てになっているのなら、深刻さは首相の放言どころの話ではない。
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发表于 2008-12-2 22:28:12 | 显示全部楼层
谢谢分享~~~~~~~~~~
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发表于 2008-12-3 12:03:53 | 显示全部楼层
谢谢楼主分享!
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发表于 2008-12-9 22:59:01 | 显示全部楼层
お疲れ様です
7 g& |  P8 t0 x& f% qありがとうございます
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 楼主| 发表于 2009-1-15 09:39:01 | 显示全部楼层
2009年1月9日(金)付9 V7 ]8 b+ B5 x' k% e* }  D- U

) @( y( K) _2 ~' ?. m8 O# I4 F% `3 z* d. 戦火の絶えないパレスチナへ日本からも多くの報道写真家が入っていく。広河隆一さんはその草分けだ。1969年にイスラエルで写真展を開いたときの様子が著書『パレスチナ』(岩波新書)にある▼写真展には「安全」という題をつけ、ユダヤ人の安全のためなら何でも正当化される国への批判をこめた。感想ノートは反発であふれたそうだ。一人が「私たちが安全を考えなかったとき、誰かが私たちの体から石鹸(せっけん)を作ったのだ」と書いていた▼これはナチスが強制収容所で、ユダヤ人の脂肪から石鹸を作ったと言われた話をさす。安全に必死にならなかったから虐殺が起きた――。痛切な思いだろう。だが、それが新たな悲劇につながっているとしたら、やりきれない。パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の攻撃に、国際社会の非難がわいている▼700人を超す死者の多くは一般市民という。国連の運営する学校にも砲弾を撃ち込んだ。過激派ハマスへの攻撃と言うが、これほど巻き添えを生めば、もはや無差別に近い▼戦火に巻き込まれる市民らを、専門用語で「付随的損害(コラテラル・ダメージ)」と呼ぶ。人間の命の温(ぬく)みを前に、その響きはあまりにも無機的だ。数字だけがあって一人ひとりの生と死はない。攻撃する側の身勝手な論理である▼紛争地の経験豊富な広河さんに「砲撃音から着弾までの数秒は生きた心地がしない」と聞いたことがある。ガザの子らの、恐怖におののく報道写真が胸を突く。安堵(あんど)を取り戻させる停戦へ、一刻の猶予も許されない。
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 楼主| 发表于 2009-1-15 09:39:21 | 显示全部楼层
2009年1月10日(土)付
6 e0 v1 k# q$ u6 Z" y& i印刷# r% |4 Y: Z/ t; O9 z) \/ R
. 火伏(ひぶ)せのお札(ふだ)といえば愛宕神社が知られるが、変わり種もある。あるお宅の台所で「火気の元火止まろ」なる札を見た。古(いにしえ)人(びと)の姿も描かれていて、いわれは知らないが、万葉歌人の柿本人麻呂との語呂合わせらしい▼かつては火鉢の炭を消すときも、灰をかぶせたあと火箸(ひばし)を×の形に刺すなどした。火伏せのまじないであり、火の始末を確認する所作でもあった。「木と紙の家」に暮らす日本人は、火を畏(おそ)れ、火の災いを恐れてきた▼この冬、年をまたいで痛ましい火事が続いている。富山では帰省中の家族ら6人が亡くなった。首都圏では一家の4人が逃げ遅れ、幼い兄妹3人も団地火災の犠牲になった。さらに各地で多くの人が炎に巻かれた▼〈赤き火事哄笑(こうしょう)せしが今日黒し〉。西東三鬼の句は火事の現場を詠んで不気味だ。炎が高笑いするように生命財産をなめ、あとには黒い廃虚が残る。住宅火災の死者は1~3月が図抜けて多い。炎の跳梁(ちょうりょう)を最も用心すべき季節である▼そんな折、サッシメーカー5社の耐火偽装が明るみに出た。窓に使うサッシの性能をごまかしていた。国の調査には「不正はない」と答えているから悪質だ。信頼を裏切るような企業には、ユーザーが大きな「×印」をつけるほかない▼交通事故死者の着実な減少に比べ、火事の犠牲はなかなか右肩が下がらない。2年後の6月までに全戸が火災警報器をつける決まりだが、目下の普及率はいま一つという。現代版の「お札」というべきだろう。細心の用心に文明の利器を加えて、大切なものを守りたい。
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 楼主| 发表于 2009-1-15 09:39:40 | 显示全部楼层
2009年1月11日(日)付
4 i- g! c/ k$ U9 D' D印刷
$ R! E- d/ `1 A. 正月気分は足早に去り、きょうが鏡開きという地方が多い。供えていた餅は汁粉や雑煮で食すか、揚げて大根おろしで味わう手もあるそうだ。〈鏡餅開く木槌(きづち)の音高く〉谷口佳寿▼重ね餅の解体を、割るとか砕くとせず、開くというところに日本語の優しさを思う。幸せを願っての行事だから、呼び名ひとつにも縁起を担ぐ。もっとも、昨今は家庭用に小さく密封されたパック餅が出回り、開くという表現が妙にしっくりくる▼食す/味わう、割る/開く……。変幻自在の動詞は便利だが、曲者でもある。似たような仲間が多く控え、使い手の意を体して都合よく入れ替わる。与野党がもめている定額「給付」金も一例だろう▼その名に与党が組み込んだ給するという字には、目上から与える意味がある。ありがたくいただきます、という反応を見込んでいたに違いない。ばらまくという野党の言い換えはさておき、納税者が見えていれば、還(かえ)すか戻すを使っていたはずだ▼国会序盤の論戦を動詞ひとつで表せば、質(ただ)すでも答えるでもなく、すれ違うだった。質疑への罵声(ばせい)、答弁への怒号。ともに当意即妙の芸には遠い。のらりくらりの麻生節といい、永田町の冬景色は一段と寒い▼神仏にすがりたくもなる。三が日、主な神社仏閣への人出は計1億人に迫り、統計が残る74年以降の最多となった。秋田県にかほ市に伝わる餅占いでは「100年に一度」の大きなひび割れが現れたそうだ。こうなれば、凶兆さえも奮起の糧にしたい。奮い起(た)つと動詞で書けば、少しばかり元気が増す。
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