2005年07月28日(木曜日)付
3 V8 ?1 j$ b- v* y8 }8 V- Yスペースシャトル・コロンビアの打ち上げをケネディ宇宙センターで見たのは、81年の秋だった。
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- v6 @; Y/ T4 T8 N6 y0 p 天に向かうロケットの噴射口の下に、白金のきらめきを強烈にしたような巨大な光の玉が見えた。やがて、空気を大きく揺るがす衝撃波が記者席に届き、体が小刻みに震えたのを覚えている。
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打ち上げを見守る現場には、緊張感とともに、厳粛な雰囲気が感じられた。悠久の時の流れの中で、地球は宇宙の力学によって定められた軌道を巡っている。その地球に張り付いて同じ軌道を巡る人類が、地球を飛び出して独自の軌道を描こうと試みる命がけの現場だった。そしてその挑戦は、時には悲惨な結果をもたらした。/ d7 d+ V; r! W: n: e
, ^/ f" i, V; i9 r- z: w7 K5 C コロンビアの空中分解事故から約2年半、日本人の宇宙飛行士・野口聡一さんたちを仱护骏钎%攻啸戛`が打ち上げられた。野口さんは述べている。「危険性はあるが、宇宙から得られる利益や、若い世代への知的な刺激のため、挑戦する価値がある」
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, N% S; Q0 m3 W% y8 ^ 初の日本産ロケット「ペンシルロケット」の発射実験から50年になる。素朴な仕組みは、巨大で複雑なものになった。人間のなすことでは、失敗の可能性を完全には消し去れない。しかし今は、野口さんたちが任務を果たし、宇宙を存分に味わって帰還することを念じたい。6 v$ @& w, m0 e C/ @( P
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アポロ計画で月に行った宇宙飛行士のひとりが、後年述べた。「宇宙にはすべてを超えた『力』がある。始まりも、終わりもない。ただ、すばらしい世界をつくった『意志』があるだけなんだ」。野口さんたちもまた、宇宙の力を感じただろうか。 |