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楼主: youdariyu

皆さん日本語の小説とか読んでますか(1)

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发表于 2006-5-15 16:26:40 | 显示全部楼层
引用第72楼youdariyu2006-05-15 12:01发表的“”:
Mizuiroさん、こんにちは。
拙文を読んで頂き有り難うございます。早速ですがご質問にお答えします。

1.    「陰々滅々」は「いんいんめつめつ」です。
2.    「浸みて」は「しみて」です。
.......
youdariyuさん、こんにちは。

早速のご返事ありがとうございます。
「ユーモラスな表現にしたい時や強調したい時、本来はひらがなの言葉をカタカナで書く場合が多い」は知りませんでした。
カタカナで書くのはこのような働きをするのですね。
「グレさせる」をきっかけに、今後日本語の小説を読むときに意識しておきます。
確かに小説でよくこのような表記が目にしています。

今回、第五章もまた興味深く拝読しました。
すばらしいです! 
お忙しい中を本当にありがとうございました!!
「風雨園」の景色はとてもきれいに訳しておられると思います。
頭を下げます!
youdariyuさんのおかげで、また新しい表現がたくさん習得できました。

youdariyuさんの訳文を拝読していつも感じるのですが、
日本語と中国語は両国の言葉ともよく理解なさっている方なって。
翻訳者の中で、優れた作家も多いと以前どこかの本で読んだことがあります^^。

それでは、またお時間のある時に更新してください。
楽しみにしております♪
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 楼主| 发表于 2006-5-15 18:59:09 | 显示全部楼层
Aokiraさんこんにちは。
陳瞬臣の「小説マルコポーロ」はジンギスカンではなくフビライハンの時代の話ですが、
この時代の雰囲気をよく表しています。南宋の滅亡、元寇。
おおいに感動するという作品ではありませんが。

そう言えば日本には伝説が有りますね。ジンギスカンは実は日本人の源義経だったとい
う伝説。中国やモンゴルの人が聞けば大笑いでしょう。

日本人が笑える伝説は、楊貴妃が実は日本に来てから死んだという話。そして山口百恵は
楊貴妃の子孫である(^^)。何人かの人から聞いたので中国では結構有名な話みたいです。
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 楼主| 发表于 2006-5-15 21:05:59 | 显示全部楼层
longxing01さん、こんにちは。拙文を読んで頂き有り難うございます。

外国人の方にとって擬態語、擬声語は難しいと思いますが、是非チャレンジしてください。
これらは日本語の香辛料のようなものです。無くてもなんとか味わえるけれど、味気ない。
これからも宜しくお願いします。

mizuiroさん、こんにちは。
この翻訳文は、かなり以前に書いたものですので、忙しさには関係ありません。一人よがり
(觉得高兴一人)の表現も少なくありませんので、解り難い部分が有れば、いくらでも指摘
してください。

琼瑶先生の作品の魅力を日本語でいかに上手に伝える事ができるか。
未だ「叹息看海」の心境です。(この成語の使用法で正しいでしょうか)






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 楼主| 发表于 2006-5-15 21:19:59 | 显示全部楼层
瑶の小説「心有千千結」日本語拙訳です。

「心有千千結」

第6章

晩餐の席で彼女は再び耿克毅に会った。階段が使えない老人の為にダイニングは二階に設えられ、特別設計らしい照明は少しもまぶしさがなく柔らかで静謐な光を投げかけている。そのやや赤みがかった光の中で老人の顔は病院にいた時よりも溌剌として見えた。

「部屋は気にいったかな。雨薇」

老人は尋ねた。

「ちょっと良すぎます」

彼女は率直に答えた。ふかふかのベッドになんでも揃っている化粧台、それに独立したバスルーム。

「あんまり豪奢な部屋には泊まったことがないんです。父の事業が順調な時でさえ」

「若い娘なら時には贅沢も必要だ。夢も見なければいかん」

老人は江雨薇を暖かい目で見ながらいった。彼女はすでに老人のお気にめさない白衣を着替え黒いセーターと赤いスカート姿になっている。衣服は流行遅れだったがそれは逆に彼女の若さとスタイルを際だたせた。

「夢ですか?」

江雨薇は淡々と笑った。

「あたしが夢見る少女に見えまして」

「お前くらいの歳なら誰でも夢を見るものだ。わしでさえそうだった」

江雨薇はそっと目を伏せた。

「私の場合本当に・・半端な忙しさじゃなかったんです。夢どころか私がいつも思っていたことは弟たちにどうやって食べさせるか、それにどうやって学費をひねり出すかというただそれだけでした」

「一息つくことも必要だな」

老人は赤ワインの瓶を手にとるとグラスになみなみと注いだ。

「わしが長生きすればそれだけお前は給料を多くもらえるわけだ。それならわしの長寿を祈って乾杯してくれんか」

「いけません!」

江雨薇はあわてて遮った。

「お酒は絶対禁止です」

「堅いことを言うな。葡萄酒をほんの少しだ」

老人は言った。

「しばらく看護婦という事を忘れろ。お前を歓迎し、わしがまだ生きてることを喜び、そしてお前の未来の為に乾杯しよう」

「お酒を飲んだことがないんです」

「じゃあ今日が最初だな」

「じゃあ」

江雨薇は長い髪をかきあげた。

「一杯だけ」

二人はグラスをあわせた。

「健康と幸せを祈って」

彼女がごくごくと一気にワインを飲み干したので老人は目を丸くした。

「なんてこった。初めてじゃなかったのか」

「そんな事言いましたっけ?」

老人は微笑むとそっと酒を啜り食事を始めた。テーブルの上には丹念に造られた主菜が四皿にスープが一皿並んでいる。彼女は一口食べてそれが四川風だという事に気づいた。

「あら、北方の方だと思ってました」

「そうだ。だがわしは南方の料理が好きなんだ。李媽はたいしたやつでな。東西南北あらゆる地方料理が造れて一度に三卓は平気だ。以前この家がにぎやかだった頃なんぞ最高で45人の客を招待したが全部李媽が一人でまかなった」

「どうして今は招待なさらないんですか」

江雨薇は老人が一人で食事をしてる光景を寒々しく想像した。

「あれは」

老人は酒をまた一口啜った。表情はけわしく声は沈んだ。

「ここに居るのがわしだけになってからだ。あれからこの家は変わった」

彼女は老人をじっと見つめて言った。

「どうしてあの人を連れ戻さないんですか」

その途端、老人は持っていた箸をテーブルに落とすと恐ろしい眼差しで彼女をにらんだ。その声は氷のようだった。

「お前は今なんと言った。誰を連れ戻すだと」

「あなたの息子さんですわ。耿さん」

彼女は老人の眼光に射られ身体をこわばらせながらも視線をまっすぐ老人に向け続けた。

「息子だと」

老人の咆哮は続いた。

「お前はあのくそ息子ども二人の事を言ってるのか。奴らは奸計を尽くしてわしから銭を搾り取る事しか考えとらん。あのバカどもを呼んでわしを早く殺したいか」

「あの方達じゃありません」

彼女は言った。

「あなたのもう一人の息子さんです」

「もう一人の息子だと」

老人は目を剥いた。

「なにをたわ言ぬかしとる」

「たわ言は言ってません」

彼女ははっきりとことさら明瞭に答えた。

「若塵はあなたの大切な息子さんなんじゃありませんか」

その言葉を口にした時彼女は自分がもう後戻りできなくなった事を悟った。束の間あたりを静寂が支配した。風の音が聞こえる。遠くを走る汽車の汽笛と階下の時計が時を告げる音も。そして自分の胸の鼓動まで。
江雨薇は老人の視線を感じながらも自分がとんでもない事をしでかしてしまったというプレッシャーに卓上の四川料理を見つめるだけだった。死のような静けさに背筋を冷たいものが流れた。そうしてどれぐらい時間がたったかやがて老人はついに口を開いた。ひときわすさまじく。

「顔を上げろ、江!」

老人は今度は名前で呼ばなかった。彼女は号令をかけられたように顔を上げた。

「まっすぐこっちを見ろ」

老人はまたもや蒼白になり眼を血走らせている。

「お前はなにを知っているか言ってみろ!」

さながら軍法会議だった。彼女はそっと一枚の紙片を手元から取り出し老人の前に置いた。老人は顔を近づけると感電したようにぴくりと震えそれを手にとった。

「どっから持ってきた」

依然声は厳しい。

「お借りした本に夾んであったんです」

彼女は小さな声で答えた。老人は黙ったままじっとその紙片に見入った。ゆっくりと老人から怒りの色が消えていった。ゆっくりと。老人はやがて椅子に深くもたれかかった。青ざめた顔に今度は苦痛がとってかわった。老人は首をふり小さくつぶやいた。

「そうだ。わしの息子だ。わしが一番愛して心痛めたな。誰がなんと言おうとあいつはわしの息子だ」

「そうだと思ってました」

江雨薇はまた言わずもがなを始めてしまうのだった。

「あなたとあの人は本当にそっくりです。会ったとたんわかりました」

「なんだと」

老人は聞き逃さなかった。

「なんであいつを知ってる」

「あっ、それはその・・」

彼女はしまったと思ったがもう言ったものはひっこめられない。

「えっと・・それは」

「どこであいつと会ったんだ。言ってみろ」

老人はひきさがらなかった。

「言ってみろ。お前は他にまだなにか隠しているだろう」

「あれは・・」

縮み上がった彼女はとうとう白状した。

「病院でした」

「病院だと?」

老人はいぶかしんだ。

「そうです。病院の中や外で」

彼女は勇気を奮い起こしまっすぐ老人に向かって言った.

「あの人はあなたを心配して三度も来ました。でもあなたに知られたくないからいつも離れた場所で私に尋ねたんです。知らせるなって言われたのにあたしつい口がすべって・・。でも言わせてください!私はたしかに息子さんに会いました。そしてあなた方親子の間にいったいどんな事があったかは知りません」

彼女は目の前の料理を押しやりすっくと立ち上がった。彼女は自分でもわからない感情に駆られて眼に涙を浮かべた。

「もしも私があなたならあの人をきっと連れ戻します!なぜならあの人こそ世界じゅうで一番あなたを愛しているからです!」

そう言うと彼女は身を翻し自分の部屋へ駆けこんだ。彼女は部屋の中で混乱した自分の気持ちを整理しようとした。どうしてあんな事を言ってしまったんだろ。自分はさほど事情を知っているわけでもないのに。それに他人が人の家庭の問題に割り込んでどうなろう。彼女は自分に腹をたて、また後悔もした。
彼女は世界から忘れ去られたように一人闇の中で物思いに沈んでいたがやがて夜も更けた頃誰かが扉をノックした。

「どなた?入ってください」

入ってきたのは李媽だ。にこにこしながらお盆を持ってやってきた。そこにはトーストにバター、スクランブルエッグ、それに熱いミルクが載っている。

「旦那様からですよ。江お嬢さん」

李媽は笑いながら言った。眼差しに。

「あなたがたぶん何も食べていないだろって」

「・・」

江雨薇は差し出された食べ物を見てはっとした。こんがり焼かれたトーストと卵のたまらなくいい匂いが食欲を呼び覚ました。彼女の空きっ腹がぐうと鳴った。

「冷めちゃうから、早くお食べなさい!」

李媽はまるで我が子に言う様に彼女に促した。江雨薇は椅子に座りなおすとすぐさまぱくぱく食べ始めた。その様子には微塵もためらいが無い。本当に腹ぺこだったのだ。李媽はそれを好ましげに見ながら言った。

「それから食べ終わったら旦那様の部屋へ行ってあげてちょうだい。自分で注射出来ないって困っておいでだから」

「あちゃ!」

彼女は口いっぱいに入れたスクランブルエッグを思わず吹き出しそうになった。そうだあたしは付き添い看護婦だったんだ!

「終わったらそのままテーブルの上に置いときなさい。また片づけに来るからね」

李媽はそうして部屋を出て行きかけたが扉付近で立ち止まり数秒江雨薇の顔をじっと見てから言った。

「江お嬢さん、あなたが来てくれて本当に嬉しいのよ」

「そうですか?」

彼女は少し戸惑った。

「もし私でなくても誰か他の看護婦が来たのでしょうけど」

「そうじゃないの」

李媽は首を振ると感激したように江雨薇に言った。

「今まで旦那様にあそこまで言った人はいませんでした」

彼女は熱っぽく言った

「あなたが晩餐の時に喋った事ですよ。もしも・・」

彼女は少し間を空けた。

「もしもあなたなら”ぼっちゃん”を連れ戻せるかも知れないわ。そうなったら本当にいいんだけど」

江雨薇は面食らった。この李媽はさっきの会話をみんな聴いてたらしい。しかも彼女が”ぼっちゃん”を連れ戻すって?いったいどうやって?それにしても若塵と他の兄弟二人、培中と培華、なんで名前が揃ってないんだろ。スクランブルエッグを前に彼女はしばし考え込んだがすぐに首を振った。もう気にしないでおこう、自分はただの看護婦なんだ。
食事を全部平らげて顔を洗うと彼女は耿克毅の部屋へ急いだ。ベッドの上で横になっていた老人は彼女をそっと見やった。

「申し訳有りませんでした、耿さん」

彼女はもじもじと謝った。

「さっきは失礼なこと言ってしまって」

「もう食事はすんだかな」

老人は彼女の言葉が聞こえないふりをし、何事もなかったように優しく尋ねた。

「ええ、おかげさまで」

彼女は少し赤くなりながらテーブルの上の医薬品箱を開け注射器を取り出した。使い捨てなので煮沸消毒しなくていいので助かる。彼女はアルコールに脱脂綿を浸した。

「やってくれ」

老人は注射される間じっと大人しくしていた。

「脚のほうはいかがですか」

「ちょっと疼痛がある」

「麻痺するよりは良いと思います」

彼女が答えると老人はちらりと彼女を見た。

「いつも打てば響くお前みたいな娘は珍しいな」

「動かないでください」

彼女はベッドの縁に腰かけた。

「脚の血行を良くするためにマッサージしますから」

老人は言われるまま素直にした。

「今度はお前が暴君になりそうだな」

老人の言葉に彼女はくすっと笑った。

「きっと暴君は伝染病なんでしょう」

「やれやれ」

老人は嬉しげに言った。

「ようやく笑ってくれたな。これで仲直りだ」

「もともと争ってなんかいないじゃありませんか」

彼女はマッサージを続けながら言った。

「それに私はただの雇われ看護婦にしか過ぎませんし」

「わかった、わかった」

老人はすぐさま反応した。

「そのよそよそしい言い方はやめてくれんか。もう聞き飽きたぞ」

「仕事に忠実だといやがられるし、そうでないと出しゃばるなって言うし、本当にどうればいいのかしら」

彼女は軽くため息をつくと黙ってマッサージを続けた。しばらく部屋は静まりかえり、青で統一された室内に幽玄な時間が流れた。机の上にはおそらく李媽が活けたのであろう万寿菊が一輪。そういえば今は菊の真っ盛りなのだ。

「お前はさぞ不思議に思っただろう。培中、培華、そして若塵。なんで息子達の名前が揃っていないのか」

老人は突然口を開いた。きわめて自然に。彼女は無言のまま老人を見た。

「そもそも若塵は妻の子供ではない。いわばわしの私生児だ。この意味はわかるな?」

彼女は一瞬手を止めたがすぐにまた続けた。

「若塵の母親はわしの秘書だった。華奢で小さくてまだ少女っぽさを残した女だった。わしに何も求めず籍はおろか金さえ受け取ろうとしなかった。だが若塵が産まれた時だけあいつは泣いて言った。この子の命はまるで風に漂う塵のようなものだと。それでわしはその子に若塵と名付けた」

老人はそこで眼を細めた。

「だがなんと聡明で強情な子だったろう。わしに生き写しなその子をわしは限りなく愛した」

老人は続けた。

「若塵が6歳になったある日、友だちと喧嘩して帰ってきた。全身傷だらけになって母親に尋ねた。『お母さんは妾なの?』と。
わしは暁嘉のあれほど悲しむさまを見たことがなかった。あいつは若塵を抱きしめて一晩泣いておった。そして次の日若塵をわしに預けてこう言った。この子を正式な養子にしてほしいと。わしはあいつに誓った。必ず面倒を見ると。実際あの時わしは妻としてもあいつを選ぶべきだったかも知れん。しかし事業が成功しだし社会的地位の出来つつあったわしはスキャンダルを恐れ、また妻は自殺さえしかねなかった。わしは暁嘉に言い繕い続け時間稼ぎをした、そしてある日暁嘉は忽然とわしの目の前から去っていった。

・・そして久しくして暁嘉が日本の華僑に嫁いだと聞いた。わしはあいつが去って始めてどれだけ深く愛していたかを知った。あいつが去ったことでわしの人生の半分も終わったんだ。わしは暁嘉を取り戻そうとしたが駄目だった。そしてわしは持てる愛情の全てを若塵に注いだ」

老人はそこまで言い終えると天井を凝視した。その顔にいつもの厳格さはなく深い哀しみが浮かんでいる。

「若塵は成長するにつれ、わしに似て負けず嫌いに、母親に似て聡明で感じやすい子になった。本と絵画を好み十歳で早くも詩をつくり絵の才能を発揮した。あいつはわしの生活の中心だった。友だちも多く朗らかでおごらず、あいつさえいればこの家は笑いと元気さで満ちあふれた。わしら親子の仲はこれ以上ないほど良好だったんだ。わしは自分の可愛がり加減が度を過ぎていたこともわかっていた。だがこんな生い立ちの子に誰がそうせずにいられるだろう」

老人は再び黙った。江雨薇は水差しを取ると老人の唇に持っていった。老人は一口含むと再び語り始めた。

「わしは家の中で若塵の生い立ちを口にすることを堅く禁じた。若塵には実の母親がすでに死んだことにしておいた。あいつはわしの妻を敬いはしたが母親とはしなかった。あいつは家の中でしだいに浮き上がっていき更にわしの寵愛は妻の実の子供、培中と培華にとって眼の中の釘となった。あいつらは若塵に嫌がらせをしようと素性について陰口を叩き始めた。そしてあいつは十八になりこの「風園」を建てる時に天才的な才能を発揮した。しかしそれはわしに大きな誤った決断をさせた。わしはあいつを自分の会社へ連れて行き部下達に紹介し、あいつはたかだか二十歳そこそこで専務になった。培中と培華はどうしたかって?わしはそこまで考えていなかった。妻と二人のその息子から若塵に向けられた嫉妬がどれほどすさまじかったか。その時若塵は大学で文学を専攻し書籍集めに熱中し貪欲に知識を吸収して仕事どころじゃなかったようだ。だがそんな事も知らずわしがある日調査すると会社の金が100万元近くもあいつの名前で借り出されていたんだ」

老人はため息をつき首を振った。

「わしは激怒し、ひどく若塵を責めた。お前はわしの短気がどんなものか知っているだろう。傍らで培中が煽った為にわしの怒りは更に高まった。あいつは全く身に覚えがないと言ったがわしはその時聞く耳など持たんかった。おまけに培中が口からでまかせを並べたて若塵はとうとう大声で叫んだ。『たしかに俺は妾の子だ、あんた達には目障りだろう、俺があんた達の金を盗んだって言うのか、じゃあ言ってやる、俺はあんた達の汚い金と根性をずっと軽蔑してきたんだ、20年間ずっとな、二度とあんた達の顔は見たくない!』
それが若塵が出奔した最初だった。わかるだろう、わしの性格でこんな事が許せるかどうかが。しかも最も寵愛した息子からのこんな言い方が。しかしそれから半月後だ、わしは見つけた。無くなった100万元は実は妻と二人の息子がしめしあわせてやったものだと言う事を。やつらはその罪を若塵になすりつけたんだ」

老人はそう言うとゆっくり深呼吸した。江雨薇は今は手を動かすのも忘れただ
じっと老人の話に聞き入っていた。

「それからどうなさったんです?」

「それからか」

老人は続けた。

「わしはあまりに傲慢だった。傲慢過ぎた。わしは自分の過ちを認めるよりもまず二人のバカ息子に心底激怒した。わしはあいつらに若塵を探させ連れ戻すよう命じたが若塵は絶対に戻ろうとはしなかった。わしは怒りのあまり妻と二人の息子をこの家から追い出し縁を切った。そしてその事が伝わるとようやく若塵は戻ってきたんだ。だが、今もはっきり覚えている、あいつはわしの前に立ちこう言った。

「お父さん、僕たち母子が味わったのと同じ苦労をもう一度誰かに味あわせるのはやめてくれ」と。

若塵がそう頼む以上どうしていかんと言えるだろう。わしは妻と二人の息子を再び呼び寄せた。わしはこれで全てうまく行くと思いこんだ。この一件が兄弟の仲直りのきっかけになる筈だと。だがそれは甘い期待だった。三人の間の亀裂は深まるばかりで更にわしと若塵の関係も次第に壊れていった。頑固で負けず嫌いの若塵はあまりにもわしの血を受け継ぎ過ぎていた。あいつは決してわしを許そうとしなかった。そしてある事でそれは決定的となった」

老人が身を起こそうとしたので江雨薇は慌てて身体を支えた。

「何があったんですか」

「ある冬の日、日本から一通の手紙が届いた。暁嘉が京都の病院で肺病のために死んだという知らせだった。わしはその時あいつが結婚して三年後男に捨てられ日本を放浪していたことを始めて知った。だが困窮の中でも誇り高いあいつはわしに何の頼りもせずそうしてほとんど行き倒れ同然で亡くなった。その時のわしの気持ちがわかるか。わしは日本に行きあいつの骨を拾った。そして若塵は狂ったようにわしを非難した
「母さんは生きていたんじゃないか、それなのに放ったらかしで見殺しにするなんてあんたは人間じゃない、畜生だ!」
わしはもちろん自らが責めを負う気持ちに偽りはなかった。だが子が親をそこまでなじる非礼にわしは思わずあいつを殴った。そうしてあいつは二度目の家出をした。

この時の家出は1年間近かった。なぜなら大学二年の夏休みにあいつは退学ししばらく兵役に行ったからだ。その間に培中と培華は結婚しよったがどっちもろくな嫁じゃなかった。培中に三人目の子供が出来た時わしはまとまった金を彼らにやって出ていけと命じた。培華はひどく腹を立てわしに喰ってかかりおった。

「俺たちを追い出すのはあの妾の子の為だろ、あんな本当はどこの馬の骨かわか
らん奴!」

わしは培華をぶんなぐった。翌日あいつ達は出てゆき、わしはと言えば昏倒し台北大学病院へ入院することになった。最初の発病だ。そして一週間ほど無意識のまま目覚めた時枕元に居たのは若塵だった」

老人はそこでしばし口を閉じた。寂しげな微笑が口元に浮かび眼はかすかに潤んでいる。江雨薇は時計を見た。もうすでに12時を過ぎている。夜は深く窓の外の夜景と天上の星は境目を無くそうとしていた。彼女はそっと申しでた。

「そろそろお休みにならないといけませんわ。後のお話は明日また伺わせてください」

「いいや」

老人は何かにせかされる様だった。

「もう少しだ、最後まで聞いてくれんか。わしは言ってしまいたんだ」

「わかりました」

江雨薇は優しく促した。

「おっしゃってください」

「若塵は帰ってきた。だがあいつは以前の若塵じゃなかった。陰気でしかも怒りっぽく無気力になり、いつもわしを恨む様な眼でにらんだ。日々口喧嘩が絶えずわしらの心はしだいに離れていった。いつしかわしらは「仇敵」に変わったんだ。おまけに培中と培華はあいつが帰ってきたのは遺産目当てだとあちこちで吹聴しおった。あいつは激怒し酒に乱れ四六時中わしにからんだ。

「いつかこのクソ忌々しい腐れ縁をぶった切ってやる」

わしはあいつがそう言いながらもわしから離れない理由を知っていた。あいつは暁嘉の子であると共に間違いなくわしの子だったからだ。自分にわしと同じ血が流れている事実に逆らえきれなかったんだ。だがあいつの堕落した様子は我慢できるもんじゃなかった。わしはあいつを罵りあいつはわしを罵った。わしらはまさに「仇敵」以外なにもんでもなくなった」

老人はため息をついた。

「どうだ、こんな親子が他にいると思うか」

彼女はそっと首を振った。

「そして妻が世を去り風雨園に残されたのがわしと若塵の二人になった時、わしは急に孤独を感じ始めた。新しい状況はわし達に仲直りのチャンスを与えたかのようだった。わし達はお互い歩み寄りを模索した。だがまたその時だ。若塵がろくでもない女にひっかかったのは」

老人は口をゆがめ、江雨薇は注意深く耳を傾けた。

「女の名は”紀靄霞”と言った。わしは生涯その名前を忘れん。若塵より三歳年上で世慣れた奴だった。あいつがその女を連れてきた時わしは一目で女の魂胆を見抜いた。わしは若塵に近づくなと忠告した。女は金が目当てで本心ではないとな。だが若塵はわしの言葉を聞ききいれるどころか激怒した。好きな女を侮辱され愛情を疑われたと思いこんだ。あいつはわしに毒づきわしを守銭奴だと言いおった。そして自分の母親もその欲の犠牲になったんだと。わしは自分の傷口に触れられた事に我を忘れて怒った。わしらは罵りあい互いに呪いの言葉をぶつけあった・・とうとうわしはたまらず出て行けと叫んだ、二度とそのつらを見せるな、二度とこの風雨園の敷居をまたぐな、永遠にお前の名は聞きたくないと。そうして今度こそあいつは本当に出ていった。死んでも帰らないと言いながら」

江雨薇はじっと老人の瞳をのぞきこんだ。

「それはいつの事なんですか」

「四年前だ」

「じゃあ出ていかれてからもう四年になるのですね」

江雨薇は少し驚いて尋ねた。

「この四年の間、消息は届かなかったんですか」

老人の眼が彼女をちらりと見た。

「わしらは親子の縁を切ったんだぞ」

老人はそう言ったがすぐに力なく笑って首を振った。

「ああ、知ってはいる」

「まだその女性と御一緒なんですか」

「女と住んだのはたった一年だった。その女はわしから何もまきあげることが出来ないとわかるとおさらばした。あきれた話だ。奴は若塵と別れる前にわしのところへ来て金をゆすろうとした。手切れ金を払えば別れてやると言って。わしが一銭も払わんと答えると女はさっさと若塵を捨て今ではどこかの社長の後妻だ」

江雨薇はじっと老人の顔を見ていた。

「わかりました」

彼女は言った。

「それこそがあの人の帰らない理由なんです。あの人はとても自尊心が強いのだと思います。愛した女性に騙されたショックと、最初に忠告してくれたあなたに対しての負い目からあなたに会わせる顔がないんでしょう。それに自分自身に対しても」

老人ははっとしたように彼女を見た。

「お前の言うとおりかも知れん」

老人はこっくりと首を縦に振った。

「わしもあいつも負けず嫌いだ、自尊心は人一倍強い。わしらはお互い言ってはならん事を言い過ぎた。どうして一方から歩みよれるだろう」

老人は寂しく微笑んだ。

「どうだ。今宵お前はある金持ち一家の痴話を聞き通した。もしも小説にするならさぞかし面白いものが書けるぞ。父親と憎みあう三人の息子のドラマが」

江雨薇は立ち上がった。

「いいえ、違います。耿さん」

彼女は心から感じた事を口にした。

「あの人はあなたを憎んでなんかいません、決して」

「お前は若塵のことを言ってるのか」

「そうです」

江雨薇は老人が横になるのを助け、安定剤を飲ませた。

「あなた方に必要なのはお互いが意固地を捨てることだけです。私にはわかります。あの人はきっと帰ってきます」

「ほう、そうかな」

老人は半ばうとうとしながら答えた。

「もしも帰られたらその時は辛抱なさってください。決して責めたりされませんように」

彼女は部屋を後にしようとして扉の近くで振り返った。

「それではおやすみなさい。耿さん」

老人の部屋を出てから彼女はゆっくりとした歩調で自分の部屋に戻った。頭の中には千千(ちぢ)に乱れる様々な思いが去来した。老人と若塵の名がいつまでも彼女の脳裏から去らなかった。彼女はこうしてここでの最初の夜を眠れないまま過ごしたのだった。
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发表于 2006-5-16 00:34:04 | 显示全部楼层
youdariyuさんはえらい。     
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 楼主| 发表于 2006-5-16 12:25:50 | 显示全部楼层
80988995 さんこんにちは。
拙作を読んで頂き感謝します。顔アイコンを三つも有り難うございます(^^)

ついでに自己RES、「日暮れて道遠し」という諺は「叹息看海」だと思ってたんですが、
辞書を調べなおすと載っていません。遊びに来てた中国人の友達に聞いても「そんな
成語は知らない」。私の記憶違いかな?(汗)
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 楼主| 发表于 2006-5-16 12:41:26 | 显示全部楼层
琼瑶の小説「心有千千結」の拙訳です。

第7章

その日の朝、江雨薇が老人に注射やマッサージを施していると弁護士の朱正謀がやって来たので仕事の話に遠慮し彼女は席をはずした。実際、天気も良い日で庭園には陽光が満ちジャスミンの香りが溢れ外へ出ずにはおれなかったのだ。秋の日差しは暖かく、頬にそよぐ風はふんわりとしてやさしく彼女を酔わせた。そうしてゆっくりと庭園を散策しながらも彼女の胸中からは耿克毅とのその息子達の事が離れなかったけれど。
 庭園にはいくつもの大きな松とこんもり茂る竹林がありその間には小さな小道が伸びていた。彼女が何気なくその道をたどるとふいに濃密な木犀の香りが漂った。そう今は木犀の盛りでもある。そのまま道を行くと今度はまた少し開けた空き地に出た。そこには菊、マイカイ、それにシナフジの棚がまたひと味違った趣を醸し出していた。シナフジに囲まれて石造りのテラスがあり紅色のシナフジは光に映えその隣には木犀の大きな大木が黄金色の花の房を投げかけている。

「すごい」

彼女は思わず叫んだ。

「この庭園はいくつにも分かれてるんだわ」

考えてたよりもはるかに大きな庭園なのだ。彼女は木犀に近寄り花の一つを手にとり甘い香りをいっぱい吸い込んだ。そしてシナフジの棚が飾られた石の椅子に腰をおろした。陽光が花の間を透過し彼女の身体に降り注いだ。彼女は花をテーブルの上に置き深く椅子にもたれた。しばらく花と空を眺め、木々と庭園を眺めた。マイカイと木犀の香りに包まれ少しの間彼女はさながら桃源郷にさまよい込んだ気分だった。
 今度はなにか本を持って来よう、彼女はぼんやりとそう考えた。頭に浮かんだのは書庫から借りたあの本、そして自然と若塵が書いたあの肖像画に思いは移った。塵芥のような若塵・・。彼女は椅子に身を委ねその面影を心に描いた。
 
ふいに、葉っぱがざわざわと揺れる音が彼女を現実へ引き戻し、彼女は椅子に座りなおした。老李が木の間をかきわけ現れたのだ。彼はびっこをひきながら彼女の方へ近づいていった。手には大きな花ばさみを持ち目は彼女をしっかりとらえている。

「なに?」

江雨薇はちょっとびくついた。老李の顔は刃物傷があってスゴいのだ。そのうえ見たところ彼は江雨薇をつけて来たように思える。彼女は動悸が早くなるのを感じた。まったくこの人があの気さくな李媽と夫婦だなんて想像もできない。

「・・花のお手入れ?」

とりあえず思いつく一番当たり障りない言葉だ。

「あんたを探してましたぜ」

老李は低い不気味な声で答えた。

「私を?」

「ええ」

そう言うと老李は素早く彼女に歩み寄り、ポケットから一枚の紙片を取り出し彼女の目の前に突きつけた。

「これを」

彼はぶっきらぼうに言った。

「これって?」

江雨薇はそう聞き返したが反射的にその紙片を受け取った。開けてみるとそこにはこんな文字が。

「和平通り東側、3丁目990,208の19号」

江雨薇はわけがわからなかった。

「これは何?」

彼女は尋ねた。

「”ぼっちゃん”の居場所に決まってるじゃありませんか」

老李はすぐさま答えた。

「旦那様にはこの李が知らせたって事はくれぐれも内緒に」

それだけ言ってしまうと彼は去って行こうとした。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

江雨薇は思わず叫び老李は立ち止まった。

「これでいったいどうしろって言うんです?」

老李は振り返り、さも妙な事を聞かれたかのようにいぶかしげに彼女を見た。

「あんたが”ぼっちゃん”を連れ戻してくれるって聞いたんだが」

彼は付け加えた。

「居場所がわからなきゃあどうしようもないしな」

「私が?」

彼女の眼が点になった。

「どうして私が?それに連れ戻すってそんな簡単に・・」

「わしの嫁さんが言ってたよ、あんたなら大丈夫だって」

老李の眼が大きく輝いた。

「旦那様の為にもあんたが行かなくちゃあな」

「行かなきゃって?」

江雨薇の眉間がぴくぴくと動いた。

「どうして私が行かなきゃならないんです?」

老李はすっくと背筋を伸ばした。その姿はそびえ立つ鉄塔のようで、濃く太い眉毛は一直線につながり両目は訴えかけるように彼女を見ている。

「それはあんたにその力があるからですぜ、お嬢さん」

彼は言った。

「私に?」

江雨薇はますます困惑した。

「旦那様にとってはあの”ぼっちゃん”だけが心の支えだった。もしもう一度帰って来てくれたなら・・」

彼は少し言いよどんだがやがてこう呟いた。

「もう思い残す事はないかも知れん」

「あの方には他にも二人の息子さんがいるじゃありませんか」

江雨薇は探るように言った。いったい培中と培華はここではどんな扱いなのだ。

「旦那様にとって本当の息子は一人しかいなかった」

老李はしみじと言った。

「あの”ぼっちゃん”だけが旦那様を本当に思いやり、それにわしらの事も思いやってくれた」

そう答える老李の眼は潤み、深く尽きせぬ思いが滾々とわき上がってくるようだった。傷が刻まれゆがんだ彼の顔が美しく変わるようにさえ思えた。

「あんな素晴らしい若者は他にはいませんぜ、江お嬢さん。わしらは子供の頃からずっと見てきたんだ」

「それなら」

江雨薇は紙片を示して言った。

「どうしてあなた方が連れ戻そうとしないんですか?」

老李は哀しげに眼を伏せた。

「やっては見ました。でも”ぼっちゃん”はわしらの言う事を聞いてくれなかった」

「じゃあ、どうして私の言うことなら聞くって言うんです?」

老李は自信たっぷりに彼女を見た。

「あんたは旦那様を手なづけたじゃありませんか」

彼は嬉しそうに言った。

「あの旦那様を手なづけれるなら”ぼっちゃん”だって大丈夫!」

「なんてこと!」

彼女は天を見上げた。いったいどういう理屈なのよ。

 彼女はもしかして自分がアリ地獄に片足つっこんだじゃないかと思った、それにこの峻厳にして熱血系の人物の期待さえ呼び覚ましてしまったではないか。こっちはどうしていいか皆目見当もつかないのに。
 彼女は弁解したかった、自分はただの看護婦であってなにも家庭争議を仲裁するために来たんじゃないと。けれど老李は彼女のそんな気持ちも知らずさっさと後ろの竹林の中へ去っていった。こう言い残し。

「江お嬢さん頑張ってくれ、その住所はなくさんようにな」

「あっあの」

彼女は叫んだ。

「待ってください!」

しかし老李は消えた後だった。江雨薇は花棚の下で紙片を握ったまましばし立ちつくした。もうなにがなんだかわからない。なすすべも見つからない。自分はたしかにここへ看護婦のつもりで来た筈。なのにこの耿家のみんなはいったいなんだと思ってるのかしら。
 彼女は首を振り紙片をポケットに入れると最初に来た道を戻り始めた。噴水の前で弁護士の朱正謀に会った。彼は自分のダッチ(車)に乗り込み今まさに去ろうとしていた。彼は車の窓から顔を出して言った。

「慣れましたか?江さん」

彼はにこにこと笑った。

「ええ、なんとか」

彼女も微笑み返した。

「きっとこの風雨園を気に入るでしょう」

彼は自分でも得心するようにうなづいた。

「本当に魅力のある庭園だ、そう思わないですか」

「そうですね」

「ぼちぼち、やっていくことですよ」

朱正謀は彼女を元気づけるように言った。\

「耿克毅と長くつきあっていけばたぶん気づく筈です。彼はただの頑固親爺じゃない。ボロクソは言うけど気にすることはない、ね?」

江雨薇は笑った。彼女はこの温厚な弁護士に親しみを感じていた。

「有り難うございます、朱さん」

彼女は言った。

「御助言忘れませんわ」

 朱正謀が去った後も彼女は噴水の側で大理石のビーナスを見つめていた。神々しさはやはり比類ない。そうしてしばらく佇んでいると今度はクラクションの音と共に黒い乗用車が入って来て門の前で停まり、中から小太りの男が出て来た。眼鏡をかけた白髪のその男は皮鞄を抱え、運転手の趙に何事か告げるとあたふたと急いで屋敷の中へ入っていった。状況からして耿老人は本日ご多忙らしい。

江雨薇は車のほうへ近づいた。

「おはよう、趙さん」

彼女は声をかけた。

「おはようございます、江お嬢さん」

趙は恭しく返事を返した。

「さっきの方はどなたです?」

彼女は何気なく尋ねた。

「旦那様の紡績会社の唐経理部長です。旦那様が最も信頼をおいておられます」

「あら」

江雨薇は肩をすぼめた。

「退院してすぐにこの有様なんですね。山ほどの商談と事務処理と。こんな事ではまた身体をこわしてしまいます」

「旦那様には優秀な社員が必要なのですよ」

趙はそう言ってから江雨薇をじっと見つめてこう付け加えた。

「”ぼっちゃま”がお戻りになるまでは」

江雨薇はびっくりして趙を見た。

「今なんて?」

彼女は思わず尋ねた。

「老李からもう話は伺っておりますよ」

趙は答えた。

「いつでもあなたをお連れできます」

「連れて行くって?」

彼女はわけがわからなくなった。

「車の準備は万全です」

趙はぺらぺら喋った。

「なにしろ、あそこは分かり難い場所ですからね」

そしてひそひそ声で。

「ご心配なく、もちろん内緒にしておきますよ。旦那様には町に用事で出かけるとかおっしゃって頂ければ」

またこれだ!これっていつのまにお約束ごとになっちゃったの?

彼女は厄祓いするかのように首を振り振り彼をやり過ごすと白いロビーへ向かった。唐経理部長はおそらく二階で仕事の最中なのだろう、姿は見えない。彼女は置かれてあったステレオに近づいた。積まれたレコードを見るとそれらはみな4年前に流行った曲だ。ということはおそらく若塵が集めたものだろう。彼女には今はもう鬼門の方向としか思えないあの”ぼっちゃん”の!

「江お嬢さん!」

彼女が振り向くと李媽が例によってにこにこ笑っている。

「なんでも食べたいものがあったら言ってね、おもいっきり腕をふるうから」

李媽はいかにも彼女に喜んでもらいたそうにことさら熱心にふるまった。

「どうか気をつかわないでください」

彼女は不気味なタクラミを感じとった。

「あたし、好き嫌いはないんです」

「どこのお生まれかしら?江お嬢さん」

李媽は尋ねた。

「湖南です」

「あっ、じゃあ辛いのがいいわね」

李媽は得意そうに言った。

「「辣子鶏丁」と「豆鼓魚頭」なんかどうかしら?」

「あのー、李媽」

江雨薇はさらに不安になった。

「本当におかまいなく、かえってあたしが困ります」

「させておくれよ、あたしにさ!」

李媽は相変わらず嬉しそうだった。

「喜んでもらって始めてこっちだって造りがいがあるってもんだよ、そういや”ぼっちゃん”は昔大皿いっぱいの料理を全部たいらげちゃ、あたしにこう言ったもんさ、李媽、ぼくがデブになったら李媽の責任だよってね、あの時”ぼっちゃん”は本当に元気だったのに、でもここ数年は全然会えなくて・・」

李媽の顔が曇った。彼女はため息をついて言った。

「いったいどんな暮らししてるやらねえ・・あっ!」

李媽はいかにも意味ありげに江雨薇の顔を見た。

「それじゃあ、食事の支度をしなくちゃ!」

李媽が去った後江雨薇はパニック寸前だった。いったいどういう事よ?あたしが捕まったアリ地獄はますます深くなって行くじゃないの。ここまで使用人を一致団結させるなんて若塵、あなたはどんな人なの?それにその崇拝されようもただ事じゃない。でもそれがあたしとどんな関係があるって言うのだろう、なんでこうまで足をつっこまなければいけないの。彼女は考えれば考えるほど混乱した。

やがて彼女はのろのろと二階にあがった。唐経理部長はまだ老人の部屋で打ち合わせ中らしい。時計を見るとまだ服薬と注射の時間ではなかったが彼女は老人の部屋の扉をノックすると声をかけた。

「耿さん、あまりご無理なさらないでください!金儲けよりもお身体のほうが大事です!」

「ほら来やがった」

耿克毅は呻いた。

「この女暴君は口やかましいぞ」

そう言って唐経理部長に彼女を紹介した。

「これはわしの付き添い看護婦をやってくれている江雨薇さんだ。こっちは唐経理部長」

江雨薇は唐に小さく会釈した。

「あまりお仕事を持ち込まないでくださいね。唐さん」

「ええ、言われるとおりで」

唐は汗をかいた。

「どうだ、女暴君だろ」

老人の言葉に彼女はにっこり笑うと部屋を出た。彼女はそれから自室に戻らずあの広い図書室に向かった。彼女にとってここは図書室であり宝の山であった。蓄えられた本の数々は磁石のように彼女を誘引し、それは一歩入ったが最後出ていく事が難しい仙郷だった。無数の絵画本や詩本の中で彼女はあれこれを手にとったが多くの本には短いメモが添えられていた。それが全て若塵の手によるものであることに疑いはなかったが彼女は彼がたった一人でこれほどの本を読んだとは信じ難かった。彼女は「ゾラ短編小説集」のメモにこう書かれてあるのを見つけた。

「僕はこの頃自分の欠点が何かを見いだしたように思う。二つの矛盾した感情である自尊心とコンプレックスが僕の心の中でいつもせめぎ合っているのだ。自尊心とコンプレックスは考えるところ表裏一体の関係にあるらしい。そして時にそれは一緒になって区別がつかなくなるのだ」

彼女はその文字をしげしげと眺めた。自尊心とコンプレックスの関係、確かにそれはそうかも知れない。彼女が覚えているある人物は自らを天才と認じながら生涯を困窮に甘んじた。彼の友人がからかって、君は天才なのにこのていたらくはなんだと言うと彼は殴りかかったものだ。彼のその行動は自尊心によるものなのかコンプレックスなのか。貧しい者は貧乏人と呼ばれるのを嫌い、逆に学歴のない者は無学と呼ばれるのを厭う。コンプレックスを補おうとする心の動きが自尊心かも知れない。彼女は紙片を戻しそびれたまま本棚の前の安楽椅子に腰掛けぼんやりと思案した。

階下の時計が12時の時報を鳴らし、彼女は椅子から跳び上がった。もう午前が過ぎてしまった。彼女は急いで自分の部屋へ戻った。部屋へ入ったとたん彼女はそこに翠蓮の姿を見つけて驚いた。翠蓮は江雨薇を見ると顔をくしゃくしゃにして笑いながら言った。

「江おねえさん、早く早く!この服いいと思わない?」

江雨薇はそこでようやく床いっぱいに広げられた衣服の数々に気づいた。彼女は歩み寄ってその一着を手にとった。どれもみな真っ新でセーターからロング、ショートのスカート、スーツ一揃え、それにコートにドレス、およそありとあらゆるものが並んでいる。彼女は思わず叫んだ。

「ここで洋服屋でも開くつもり?」

「やだあ!」

翠蓮はけらけら笑った。

「これは旦那様が唐さんに言って持ってこさしたものよ。おねえさんに着てもらう為に!さっどれにする?」

「え?あたしの為に?」

彼女は眼を丸くした。

「どうしてそんなことを?服なら持ってるわ」

翠蓮はおかしそうに首を振って見せた。

「きっと旦那様は白衣が好きじゃないのね」

彼女はそう言うと一着を取り上げ彼女の身体にあわせた。

「わあ、最高!これなんておねえさんのために誂えたみたい!」

彼女はしばらく何事か考えていたが、ふいに手に持った本を近くへ投げ出すと、さながら一陣のつむじ風のごとく風を切って耿克毅の部屋へ駆け込んだ。唐経理部長はすでに帰って、老人だけが椅子に一人座っている。

「耿さんお話があります」

彼女はぶつける様に言った。

「あの衣服はいったいどういう意味ですか」

ほとんど検事が罪人を問いつめるがごとき口調だ。

「おう?服だって?」

老人はちらりと彼女を見ると呑気そうに答えた。

「若い娘ならそれに見合った格好をせねばな。どうだ?あれはわしからのプレゼントじゃから給料とは別だ」

江雨薇は少なからずかちんと来た。

「私の格好はそんなにみすぼらしいですか?この豪華なお屋敷にはふさわしくありませんでしょうか?」

「おやおやおや」

老人は言った。

「気にさわったかな」

「ええ」

江雨薇は顔をこわばらせた。

「あんなものを頂く理由がありません。私は自分の好きなものを着る権利がある筈ですわ。たとえ白衣だってかまわない筈です。たとえあなたが好まれなくても。・・私は”施し”は受けません」

「待ちなさい」

老人は眉をしかめた。

「どうしてあれが”施し”だと言うのかな」

「私にはそう感じられます」

老人はしばらく彼女を見ていたが。

「わしの話を聞きなさい。雨薇」

諭すように言った。

「あの服は全部わしの社の製品だ。わしは紡績工場を持ちそして既製服も造っておる。お前のサイズは見たところ米基準の7号と9号だな。それでわしはこの秋冬の新作を唐部長に持ってこさせた。だからわしは余計な金を費やしたわけではない。お前はわしにからかわれたように感じたかもしれんが、わしにはついぞそんなつもりはない。貧しい事は何も恥じゃないぞ。お前は着るものを持っていない。だがそれだけの事だ。わしはお前がそんな小さい事にこだわるのが理解できん。お前が守らねばならない自尊心はそんなものじゃないだろう」

自尊心。江雨薇は若塵のメモ書きを思い出した。自尊心とコンプレックスの関係。そう、たしかにここでむげに断るのは自尊心なんかじゃない、むしろコンプレックスのなせる業だ。老人はなにも彼女を見下してなどいない。彼女はしばらくじっと考えるとやがて笑顔に戻った。

「わかりました耿さん。あなた方親子の言われるとおりです。御好意をお受けしますわ」

「親子だって?」

老人は一瞬何のことかわからず問い返そうとしたがその時彼女は部屋を去っていた。なんだってここにいない若塵があの娘の服の話に入ってくるんだ?

やがて江雨薇は翡翠色の長いドレスをまとって食事の席に現れた。襟と袖口はゆったりとして蓮の刺繍が施されている。衣装にあわすために彼女はうっすらと化粧までしていた。優雅に微笑み若さをふりまきながら席についた彼女を見て耿克毅はまぶしそうに言った。

「わしがもう30年若ければ放ってはおかんのにな」

「いえ、その時でも相手は私じゃなくて」

江雨薇はほとばしるように笑った。

「きっとあのビーナス・・の方じゃありません?」

老人の顔が少し曇った。

「たしかにな」

老人は言った。

「わしが気になるのは、お前を嫁にする幸運な奴はどいつかってことだ」\

「幸運ですって?」\

彼女は問い返した。

「こんなひどい女暴君なのに?」

老人が大声を上げて笑った。その傍らでは李媽がひどく喜び涙を流さんばかりだ。彼女は老人が心から笑ったのをここ何年も見たことがなかったのだ。

江雨薇はたらふく「辣子鶏丁」と「豆鼓魚頭」を食べた。午餐が終わり彼女が部屋へ戻るとテーブルに木犀の花が活けられていた。ふくよかな香りが部屋じゅうに満ちている。彼女が花瓶に近づき顔を近づけた時ドアを叩く音がした。振り向くと李媽がにこにこしながら立っている。

「木犀が好きなんでしょ、江お嬢さん。この庭園の中でなんでも欲しい花があったら一声言ってね、すぐ持ってくるから」

「・・」

江雨薇は感激した。

「本当に・・有り難う!」

「これぐらい当たり前ですよ。江お嬢さん」

李媽はエプロンの前でもみ手をして、精一杯自分の気持ちを表現した。

「あなたはこの家にまた笑い声を運んで来てくれたんだから、本当に素晴らしい娘さんよ」\

本当?それ本当?本当?これほど褒められたことなんて今までなかった。彼女は眼をぱちくりしながら言った。

「李媽、ちょっと話があるんですけど」

李媽は近づいた。江雨薇は小さな声でささやいた。

「老李と趙さんに言って欲しいんです。来週のお休みの日、私はあの人を探しに行きますって」

李媽の眉がぴょこんと上がり眼は輝き口元にあっと言う間に笑みが広がった。彼女は喜び溢れた様子で江雨薇に深くうなづくとそそくさと出て行った。

江雨薇はベッドに仰向けになると天井を身ながら呟いた。

「江雨薇、江雨薇。あなたとうとう台風の眼の中へとびこんじゃったのね、これでもう後戻りできないわよ!」

【続く】
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发表于 2006-5-16 21:06:24 | 显示全部楼层
引用第77楼youdariyu2006-05-15 21:05发表的“”:
mizuiroさん、こんにちは。
この翻訳文は、かなり以前に書いたものですので、忙しさには関係ありません。一人よがり
(觉得高兴一人)の表現も少なくありませんので、解り難い部分が有れば、いくらでも指摘
してください。

琼瑶先生の作品の魅力を日本語でいかに上手に伝える事ができるか。
未だ「叹息看海」の心境です。(この成語の使用法で正しいでしょうか)
うわ、更新速度は速すぎ~~
消化不良になりそうです。

youdariyuさん

「叹息看海」は成語ではないような気がします^^。
もしかして、「望洋兴叹」のことでしょうか。

「望洋兴叹」
本义指在伟大的事物面前感叹自己的藐小,今多比喻要做一件事情而力量不够,感到无可奈何。
しかし、「望洋兴叹」は普通本当に自分の能力不足を感じて、もうどうしようもない、やめる、諦めるときしか使わないので、この場合では不適切だと思います。

「日暮れて道遠し」は知りませんでした。
早速意味を調べてみました。
「年をとって人生も残り少なくなったのに、 いまだ少ししか目的が達せられていないこと」とありました。
これに似ている意味の成語はちょっと思いつけなくて・・・(中国語の勉強不足)

中国語には「日暮途穷」という表現があります。
これは「日暮れて道きわまる。困窮のどんづまりに突き当たる」という意味です。
「年をとって人生も残り少なくなったのに、 いまだ少ししか目的が達せられていないこと」とは違いますね。
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 楼主| 发表于 2006-5-17 12:26:16 | 显示全部楼层
mizuiroさんこんにちは。
消化不良を起こさせてしまっては申し訳ないので、これからは小さなネタ(話題)を途中
に挟みながら、ゆっくり更新しますね(^^)

「望洋兴叹」、そうです!この成語です。教えて頂いて有り難うございました。

>しかし、「望洋兴叹」は普通本当に自分の能力不足を感じて、もうどうしようもない、やめる、諦めるときしか使わな>いので、この場合では不適切だと思います。

そうなんですか、私の辞書にはそこまで詳しく説明されていませんでした。やはり語学はネィティブの方と交流しないと上達しませんね。
日本語の「日暮れて道遠し」は

>「年をとって人生も残り少なくなったのに、 いまだ少ししか目的が達せられていないこと」

の意味で問題ないと思います。

以下余話です。
文芸小説を翻訳していて楽しい事。それはストーリーがすでに出来上がっているので、どんなに苦労しても、いつかは完成出来る、という事ですね。
琼瑶先生がこう書いておられます。「たった一つの台詞を考え出すのに徹夜した事もある」
それに較べれば翻訳は楽な作業です。

逆に、翻訳していて苦痛に感じる事。それは「この台詞は省略したほうがスッキリするなあ、この場面は余分だなあ」
と思っても、やはり原作を尊重する以上、忠実に訳さないわけにはいかない、という事です。
勝手に内容を変えたりすれば、別の作品になってしまいますもんね(笑)
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 楼主| 发表于 2006-5-18 14:01:50 | 显示全部楼层
落語「牛肉麺公社」
これは落語の「ぜんざい公社」を標準語に修正したものです。役所の仕事の非能率を皮肉った話。

●あの、すいません
■はい
●こちらの牛肉麺を食べたいんですが
■当公社の牛肉麺をお食べになる? お食べになる牛肉麺は特別牛肉麺になさいますか? それとも一般牛肉麺になさいますか?
●な、何です?
■特別扱いの牛肉麺になさいますか? 一般扱いの牛肉麺になさいますか?

●特別扱いの牛肉麺って何ですか?
■特別牛肉麺とは、まず、新疆出身の牛肉麺技師が新疆産の肉を用い、上海産の醤油を入れまして、四川省産の砂糖にて味付けしたものです
●それ、すぐ食べられますか?

■はい、今日申し込んでいただきますと、一括いたしまして審議にかけ議会の議決を必要としますので……、受け渡しは来年の3月7日以降となります
●そんなに、待てません。一般扱いでけっこうです。

■では、このカードを持って18番の窓口で手続きをしてください
●牛肉麺食べるのに手続きが要るなんて、役所は大変だな……、18番、18番。すいません、牛肉麺を食べる手続きに来たんですけど。

◆はい、あなた住民票、運転免許証、保険証その他、身分証明になるものはお持ちですか?
●散歩のついでに寄ったんです、そんなもの持ってる筈がないでしょ
◆それではこちらの方で書類を作成しますから、ここに住所、氏名、生年月日、職業、連絡先等書き込んでください。

●牛肉麺一杯で身分証明書? 書けと言われれば、書きますけど、、どうしてこんな面倒臭い事をしないといけませんか?
◆当公社ではいつどなたが牛肉麺をお食べになったかといぅことを克明に記録にとどめ、決算期になりますとこれを元帳に転記し、来年度予算請求の資料といたします。

●よ、予算請求……。書きました、ちょっと見てください
◆はい、北京市……、王さんですね。お食べになるのはあなたご本人ですね
●当たり前でしょ、牛肉麺食べるのにどうして人を雇って食べさせるんですか
◆それなら結構、代理人の場合は委任状が必要となりますので、念のため。

◆右の者、牛肉麺を食すこと保証します。牛肉麺飲食公社保証の印。はい、これが証明書類の代わりになります。が、印紙が必要となりますので1番窓口で印紙を購入してきてください
●印紙が要るんですか? 面倒臭いなぁ……、1番、1番、あの、すいません。書類作成の印紙もください。いくらですか? 100元? 100元も要るんですか。

◆はい、結構です。これで当公社の牛肉麺を食べていただきます。が、当公社では代金前払制となっておりますので、ここの廊下の突き当たりに銀行の出張所がございますから、そこで振り込んできてください。

●いくら払うんですか?
◆250元です
●いくらですって?
◆一般扱い牛肉麺は一杯250元となっております
●高い、高過ぎます。それなら民間の牛肉麺店に行きます
◆お食べにならない。それはご自由ですが王さん、あなたと当公社の間には既に売買の契約が成立しております。それを一方的に破棄なさるといぅことになりますと、牛肉麺法第3条2項(契約の破棄)違反5万元の罰金もしくは6ヶ月の懲役。

●馬鹿馬鹿しい。牛肉麺の為に懲役……、食べます、払えばいんでしょ

  ========================

こんな感じで、本当はもう少し続きます(^^)
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发表于 2006-5-18 14:15:11 | 显示全部楼层
面白いご落語をご提供いただいてありがとう。
いいお勉強になりました。

ちなみに、youdariyuさんは日本の数字関連の言葉が知ってますか。
ご存知なら、教えていただければありがたいんですが。
例えば、4649=よろしく
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 楼主| 发表于 2006-5-18 16:24:18 | 显示全部楼层
longxing01さん、こんにちは。

数字関連の言葉ですか。よく中国の人が使う「88(拝拝)」みたいな言葉ですね。
日本の女子高生が携帯電話のメールでよく使ってるようですが、私はオジサンなので
あまり知りません。ごめんなさい(^^; 見つけたら覚えておきますね。
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发表于 2006-5-18 17:29:47 | 显示全部楼层
引用第85楼longxing012006-05-18 14:15发表的“”:
面白いご落語をご提供いただいてありがとう。
いいお勉強になりました。

ちなみに、youdariyuさんは日本の数字関連の言葉が知ってますか。
ご存知なら、教えていただければありがたいんですが。
.......
4649は よろしくって 面白いですよね
じゃあ 
8083 八百屋さん(やおやさん)
1564 人殺し  (ひとごろし)
1122 いい夫婦 (いいふうふ) 
2319 ぶさいく  
1039 盗作   (とうさく)
4864 弱虫   (よわむし)
8931 白菜   (はくさい)
8783 花屋さん (はなやさん)
2983 肉屋さん (にくやさん)
3783 魚屋さん (さかなやさん)
2683 風呂屋さん(ふろやさん)
1028 豆腐屋さん(とうふやさん)
どうがな~!
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发表于 2006-5-18 18:26:05 | 显示全部楼层
youdariyuさん、こんにちは。

第六章は読み終わりました。
不好意思,让你等得花儿都快谢了^^。
(「花が散るほどお待たせしました」という意味。「長いことお待たせしました」の面白い言い方)
今回は口語の表現がたくさん習得できてありがとうございました。

「心有千千结」の第六章についての質問です。

1.他爱朋友,爱交际,爽朗好客,一掷千金。只要他在家里,家里永远充满了笑闹,充满了生气,充满了活力与青春的气息。
友だちも多く朗らかでおごらず、あいつさえいればこの家は笑いと元気さで満ちあふれた。

「一掷千金」は「いってきせんきん。ばく大きな金を惜しげもなく使う」という意味なので、「おごらず」は正反対の意味になってしまうような気がしますが、youdariyuさんのご意見はいかがでしょうか。

「友だちも多く朗らかで客好きでいってきせんきん。あいつさえいればこの家は笑いと元気さで満ちあふれた。」という訳文はいかがでしょうか。

2.そのやや赤みがかった光の中で老人の顔は病院にいた時よりも溌剌として見えた。

「かった」の元の動詞は何でしょうか。「かう」ですか。「かる」ですか。そして、その意味は何でしょうか。

3.テーブルの上には丹念に造られた主菜が四皿にスープが一皿並んでいる。

「四皿」と「一皿」の読み方を教えてください。

4.江雨薇は老人の視線を感じながらも自分がとんでもない事をしでかしてしまったというプレッシャーに卓上の四川料理を見つめるだけだった。

「プレッシャー」の後ろの「に」がよく理解できません。どんな働きなのでしょうか。

5.そこにはトーストにバター、スクランブルエッグ、それに熱いミルクが載っている。

「スクランブルエッグ」は「目だめ焼き」のことですか。「目だめ焼き」という言い方より、日常会話でよく「スクランブルエッグ」を使うのでしょうか。

6.「旦那様からですよ。江お嬢さん」李媽は笑いながら言った。眼差しに。

「眼差しに」の「に」はどういう意味でしょうか。「眼差しに」は文中でどんな役割なのでしょうか。

7.母さんは生きていたんじゃないか、それなのに放ったらかしで見殺しにするなんてあんたは人間じゃない、畜生だ!

「放ったらかし」の元の動詞は何でしょうか。どういう意味でしょうか。

8.その間に培中と培華は結婚しよったがどっちもろくな嫁じゃなかった。

「結婚しよった」の「よった」は何でしょうか。

9.老人は半ばうとうとしながら答えた。

「半ばうとうと」の読み方と意味を教えてください。

山ほど多い質問で申し訳ありません。
お時間がある時に教えていただければ大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。

私の特に好きな琼瑶の作品は『六個夢』(特に、『追尋』、『三朵花』この二つの短編)、『梅花烙』です。
ご存知でしょうか。
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 楼主| 发表于 2006-5-18 19:54:35 | 显示全部楼层
Mizuiroさんこんにちは。

早速ご返答いたします。Mizuiroさんのような「骨の有る」質問をしてくれる方がいると、私も、やりがいがあります。

>1.他爱朋友,爱交际,爽朗好客,一掷千金。只要他在家里,家里永远充满了笑闹,充满了
>生气,充满了活力与青春的气息。
>友だちも多く朗らかでおごらず、あいつさえいればこの家は笑いと元気さで満ちあふれた。

>「一掷千金」は「いってきせんきん。ばく大きな金を惜しげもなく使う」という意味なので、
>「おごらず」は正反対の意味になってしまうような気がしますが、youdariyuさんのご意見
>はいかがでしょうか。

>「友だちも多く朗らかで客好きでいってきせんきん。あいつさえいればこの家は笑いと元気
>さで満ちあふれた。」という訳文はいかがでしょうか。

「おごらず」について。
「おごる」という動詞を「奢る(請客)」、「人に食事を提供する」という意味で考えれば「おごらず」は確かに正反対なのです。
けれどこれを「驕る」と書くと、「謙虚な態度を失い、傲慢になる」という意味になります。
ですから「おごらず」を詳しく書けば「気前良く人に「おごる(ご馳走する)」けれど、彼はその事を全然「おごらない(自慢しない)」」となります。
「一掷千金」という成語は日本では普段使わないので、この言葉はこう訳すしかなかったんですよ。

>2.そのやや赤みがかった光の中で老人の顔は病院にいた時よりも溌剌として見えた。

>「かった」の元の動詞は何でしょうか。「かう」ですか。「かる」ですか。そして、その意味
>は何でしょうか。

「がかる」という表現は「帯有..様子」「有点像..」です。
例えば「吉田は考える事が左がかっている」は「吉田的想法有些偏左」です。

>3.テーブルの上には丹念に造られた主菜が四皿にスープが一皿並んでいる。

>「四皿」と「一皿」の読み方を教えてください。

「四皿」は「よさら」或いは「よんさら」、「一皿」は「ひとさら」です。

>4.江雨薇は老人の視線を感じながらも自分がとんでもない事をしでかしてしまったという
>プレッシャーに卓上の四川料理を見つめるだけだった。

>「プレッシャー」の後ろの「に」がよく理解できません。どんな働きなのでしょうか。

この「に」は「の為に」と同じです。「吉田のアホな行為に全員怒り狂った」は「大家都発怒吉田的愚行」となるでしょうか。

>5.そこにはトーストにバター、スクランブルエッグ、それに熱いミルクが載っている。

>「スクランブルエッグ」は「目だめ焼き」のことですか。「目だめ焼き」という言い方より、
>日常会話でよく「スクランブルエッグ」を使うのでしょうか。

手元に原本がないので実際の料理名が今わかりません。「炒蛋」でしょうか。
すいません、これを訳していた時私はたぶんお腹が空いてたので、つい、自分の食べたい料理の名前を書いてしまったのでしょう(苦笑)。
冷静に考えれば、たぶん台湾の人が作るのは目玉焼きでしょうね。
「スクランブルエッグ」は日本語だと「炒り卵」。卵を炒りながらかきまぜて「そぼろ(魚肉松)」みたいにする料理です。

>6.「旦那様からですよ。江お嬢さん」李媽は笑いながら言った。眼差しに。

>「眼差しに」の「に」はどういう意味でしょうか。「眼差しに」は文中でどんな役割なので
>しょうか。

ごめんなさい。この部分は間違いです。「眼差しに」の後に何か書くつもりだったのに忘れたみたいです(汗)。

>7.母さんは生きていたんじゃないか、それなのに放ったらかしで見殺しにするなんてあん
>たは人間じゃない、畜生だ!

>「放ったらかし」の元の動詞は何でしょうか。どういう意味でしょうか。

「放ったらかし」は「放置不管」です。原文はどうなっていたでしょう、訳し間違えたかな?

>8.その間に培中と培華は結婚しよったがどっちもろくな嫁じゃなかった。

>「結婚しよった」の「よった」は何でしょうか。

「よった」は連用形の後に使います。嘲笑、驚きの感情が含まれます。この場合は嘲笑ですね。
例えば「吉田は食べ過ぎで死によった」。どちらかと言うと関西地方でよく使われます。

>9.老人は半ばうとうとしながら答えた。

>「半ばうとうと」の読み方と意味を教えてください。

「なかば、うとうと」です。「なかば」は「ほとんど」。「うとうと」は「眠っていないけれどもすぐ眠ってしまいそうな様子」の擬態語です。例えば「吉田は昼食を食べた後、いつもうとうとして仕事をしない」。

「六個夢」は、私が始めての海外旅行一人旅で台湾に行った時、テレビで放映されていた思い出の作品です。この時代の中国の女子学生の制服はカワイイなあと思いました(^^)

またじゃんじゃんどしどしどんどん(全部「たくさん」という擬態語)質問をお願いします。
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