【天声人語】2006年09月07日(木曜日)付
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: e8 ^7 t, l- S# [7 p8 q/ h 秋篠宮妃の紀子さまのご懐妊が発表された今年2月、この欄で北原白秋の一節を引用した。「薔薇(バラ)ノ木ニ/薔薇ノ花サク。/ナニゴトノ不思議ナケレド」。夫婦が子を授かるのに何事の不思議はないが、おめでたいことと記した。% |) z$ V5 H, N& }4 c0 i
( c; s# a, @+ k( h6 c! U# h 紀子さまが昨日、その第3子を無事に出産した。今度は、あの時のように「ナニゴトノ不思議ナケレド」とは言い難いものがある。出産という重い体験には、危険が伴うからだ。; E/ r e- S* H9 e5 d& T& Z" R
# C, L4 x+ v6 G; o 今回の分娩(ぶんべん)は帝王切開だった。この「帝王」については、古代ローマのカエサルがそうやって生まれたからという説や、これを俗説として否定する説などが事典類には載っている。いずれにせよ、危険が全く無いはずは無い。
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& j+ f& \3 T5 _* H* x1 f 18世紀のフランスの啓蒙(けいもう)思想家だったジャンジャック・ルソーの母は、ルソーを生んでから間もなく他界したという。今から30年以上前になるが、出産した直後に亡くなった人が身近にもいた。この世に命を生み出すことは、いわば命がけであり、それをご夫妻や周囲の人々、医療チームが力を合わせて成し遂げた。母子ともに健やかとは、何よりだ。
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3 X: ?5 A! \; p$ } ご懐妊の時、男の子が生まれるのも、女の子が生まれるのも、どちらもうれしく、おめでたいことと書いた。これは今も変わらない。
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5 P' `( p, ]* Y7 A$ M) G" ^$ x 親が皇族だから、きまりによって皇位継承の絡みが生じる。それはそれとして、人の生誕という厳粛な営みを前に、男でよかった、あるいは女なら……などと言うのは、はばかられる。身長48・8センチ、体重2558グラム。この小さな生の始まりを祝い、静かに見守ってゆきたい。 |