【天声人語】2007年01月24日(水曜日)付% G$ K0 h! `8 F- b
% A7 N) ]+ [0 F( z7 p 発明王エジソンが述べたという「天才」についての有名な言葉がある。「天才とは99%のパースピレーション(発汗)と、1%のインスピレーション(霊感)によってできるものである」。ほとんどは汗と努力によるもので、まれに霊感が閃(ひらめ)くと読める。 w, e: a; h! ]1 A9 h, X" E
$ I! P# H* k2 p/ s このエジソンについて、日本初のノーベル賞を受けた湯川秀樹博士が自著に書いている。「自分の才能が発現することにたいする方法論的な意識というか、どうしたらいいかというようなことは、ほとんど考えなかったという場合のひじょうに典型的な例だと思いますね」(『続々 天才の世界』小学館)。 e# K, Q/ r, W) b+ ?! H0 `1 Y
U' p$ Q- e2 l7 e4 E4 p1 P
博士によれば、エジソンは「経験的な直観型の天才」だという。その湯川博士が、努力の末に訪れた閃きに導かれ、あの中間子理論にたどりついたころのものとみられる日記が、本紙で公開された。
: ~! }4 X8 i! N* {) J* ~/ N. v0 B. N& t& X, E+ o# P
27歳の博士が、生まれた子の名前を決めたり、大学内の野球大会で奮闘したりしながら理論を詰めている。日記のコピーを見ると、後に中間子と名付けられる粒子が、「〓(ガンマダッシュ)」の記号で繰り返し登場する。天才物理学者の思考の跡が、いわば同時進行で見える。
6 F e8 ]2 V* Z$ c5 T* ~7 { e
Z' |; Z, F. R6 L- L エジソンは「私の言葉が誤解されてしまったようだ」とも述べたという。「99%の汗ばかり強調されている……99%の汗が実るのは、1%の閃きを大切にしたときなのだ」(ヘンリー幸田『天才エジソンの秘密』講談社)。3 T5 D& B5 Q3 L. j- S; e3 T2 U/ M
# j; |5 Z+ m, o! X6 R9 m/ s
湯川博士の汗と努力が実ったのも、1%の閃きを逃さなかったからこそなのだろう。その汗に、野球で流した汗が入っていたかどうかは、小さな謎だ。 |