【天声人語】2007年02月08日(木曜日)付 / l! J' S7 o/ B/ c9 Z- E3 Z
9 z3 T- o `( y8 x; M
通り道にある小学校の脇を歩いていると、いいにおいがしてきた。給食室で白い前掛け姿の人が、ずらりと並んだ皿に何かを盛りつけているようだ。ふと、給食代を払わない親たちがいるという記事を思い出した。
, m& a2 q# E5 g: x+ s' N. J$ w5 ^; N# B' w8 T9 E$ c* v% C0 w' j
歓声が聞こえる。休み時間らしく校庭いっぱいに児童が遊ぶ。ドッジボール、縄跳び、追いかけっこ。入り乱れる様は昔と変わらない。あどけない笑顔を見つつ、今の学校が抱える問題の多さ、深刻さを思う。3 M1 }% V8 q: E
6 y8 d; O3 \, q& t9 I' J/ f( {. i! O 文部科学相の諮問機関の中央教育審議会の総会で、劇作家で評論家の山崎正和さんが会長に就任した。審議を見守りたいが、文科相が気になる発言をした。
, i: T3 p7 y: p+ |# ~' t! o# x, Y- {1 [/ k' ]" m
安倍首相が通常国会に提出する意向を示す教育関連3法案を巡り「2月中か3月上旬にはまとめていただきたい」と述べた。性急な感が否めない。; X _, ^2 v0 J5 u/ m* ~
0 F# U6 H" X, t" u5 u 山崎さんは以前、日本の教育を改める必要性を指摘して、森鴎外の小説『青年』にふれた。「『日本人には人生がない』と嘆く一節があります。『学校に行けば人生があるだろう』『学校を出れば人生があるだろう』と急いでいるうちに、結局、人生を味わうゆとりもなく命が終わってしまう、というのです」(『二十一世紀の遠景』潮出版社)。この辺りにまで踏み込んだ深い論議を期待したい。
0 ]5 r3 r$ v) d) q. g' J4 i$ y7 q; f$ w
文科相は、教育は国家百年の計とも述べたという。それならば、設けるのは締め切りではなく、百年後に耐える議論をするゆとりにしてはどうか。時には、校庭で歓声を浴びてみる。一人一人が元気に育ってほしい。そんな思いが、心の底からわき起こってくるはずだ。 |