【天声人語】2007年02月17日(土曜日)付
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' A0 O5 @' [' F( q r 地球の隣の軌道を公転する火星は、その赤く光る姿が印象的だ。ダンテも「神曲」で「見よ、朝(あした)近きとき、わたつみの床(ゆか)の上西の方(かた)低きところに、濃き霧の中より火星の紅(あか)くかゞやくごとく」とうたった(岩波文庫・山川丙三郎訳)。, Y4 W, F0 B) k5 m! u& J, S
6 Y8 o0 t2 p( T2 H$ U8 p0 s) L 赤い星の地表に、白っぽい線が幾重にも重なって見える画像が届いた。米航空宇宙局(NASA)の火星探査機マーズ・リコネッサンスが撮影したもので、峡谷にある層状の地形の亀裂に沿って、白っぽい帯状のところが見える。
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: k! E* `( u0 r 画像からは大きさがつかめないが、この峡谷は全長が約4千キロもあり、太陽系で最大級だという。米アリゾナ大グループによれば、白いところは「水が流れたらしい痕跡」だ。% k0 T0 r4 B# c; P3 A/ [: M% g
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昨年の暮れにも、NASAが「過去7年以内に水が流れたと考えられる痕跡」がみつかったと発表している。今も、火星の一部の地下などには液体の水がある可能性があるという。今回の画像の繊細な波紋のような白い線の重なりを見つつ、水がゆったりと流れている様を思い浮かべた。地球で命を育んだ水は、この星にも生命の息吹をもたらしたのだろうか。; _# b# _+ T! Z* E+ Y0 w* H8 }/ m
( V4 N1 p6 n6 o, a3 Z" b 「何か面白い事はないか?」「俺(おれ)は昨夜火星に行って来た」。石川啄木のユーモラスな短編「火星の芝居」の一節だ。夢の中で行って、芝居を見てきたと言う。「火星の人間は、一体僕等より足が小さくて胸が高くて、最も頭の大きい奴が第一流の俳優になる」/ S& U6 \4 _2 |. _ l: l' Y
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火星は地球人の想像をかきたててきた。そこで生まれた火星人には、地球人もまた一種の宇宙人だと思わせるところがあるようだ。 |