2007年06月25日(月曜日)付$ O1 F+ t. Z3 h' Z- J; r
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欧州に住んでいた女性の話である。6年前の夏、日本の母親が信号無視の車にはねられ、急死した。一番早い飛行機と新幹線で帰郷し、スーツケースを引きずって斎場に駆け込むと、火葬が始まっていた。後日、実家の洗面所で母を見つけ、そっとティッシュにくるむ。ブラシの毛髪だ。
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横浜市で開かれた葬祭見本市で、「手元供養」の商品群を見た。たとえば、遺骨や遺髪から合成するダイヤモンドは、炭素の結合力を故人とのきずなに見立てる。遺骨と石の原料を溶かして飾りにする業者は、工程を遺族に見せるという。) \8 s3 H. U4 e1 i: f
, S7 S/ L* O, F9 x0 l8 q 「愛する人たちとの死別に比べれば、他のことはいずれも、人生で取るに足らない」。物理学者の米沢富美子さんは『二人で紡いだ物語』(朝日文庫)で、夫との別れをこう書いた。, Y. e5 P5 G( @
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風になると思えば、いくらかは安らぐ。でも、「人の世の悲しみをよそに、自然は容赦なく営みを継続し、春がゆき、夏が来ようとしている」(同書)という心境になれば、愛する人の「かたち」を欲することもあろう。! y: _! x* N, ~1 {6 d/ d% a; ^
^' ]( \: z) \3 y4 { 日本の死者は03年に年100万人を超え、葬祭関連の市場も膨らんでいる。一方で、介護や医療の負担もあって、葬儀1件あたりの出費は減る傾向という。都会では、お墓や仏壇が縁遠くなりつつある。 z! ^1 o3 N5 Y% q! L+ H- z* @
/ _! P3 [" i8 z, w) j9 U3 N+ b' d& r9 K 死者をしのぶ行為は本来、すぐれて個人の心の問題だ。しきたりや世間体を離れ、簡素でも自分に正直に、気が済むようにすればいいとも思う。私事にわたるが、冒頭の話は今回、手元供養をめぐるやりとりの中で、妻から初めて聞かされた。 |