咖啡日语论坛

 找回密码
 注~册
搜索
楼主: Jennifer

[经验方法] 連載《天声人語》想看中文版请去看1590楼最新公告

[复制链接]
 楼主| 发表于 2007-9-17 11:09:02 | 显示全部楼层
2007年09月17日(月曜日)付2 V: G6 B6 [: q; T! J3 B; m! z

# u4 X. A. f3 G: H2 E0 s* B3 E# @$ h2 d
米国勤務から戻って間もないころ、エレベーターの中で舌打ちされたことがある。乗って行き先のボタンを押し、そのまま立っていた。すると、若い背広姿が「チェッ」と言いながら、脇から腕をぐいと伸ばして扉を閉じるボタンを押した。' Z- F5 ~1 c. q* ~* _% H) K! {
/ R, S1 I) G; s. g' f
 米国では、ボタンを押さずに扉が閉まるのを待つ。それに慣れていたのだが、ここは日本でした。人が降りたときも、誰かがすぐさま「閉」を押す。「時間の無駄」と言わんばかり。待っても2、3秒だろうに、どうもせっかちである。9 l* g# ~  @$ L  R$ u
* y. o$ T' _6 Z, h
 バスの中で高齢者が転ぶ事故が増えている、と聞いた。お年寄りは動作が遅い。迷惑をかけるのを案じ、止まる前に席を立つ。あげくに転ぶ例が多いと国土交通省は説明する。もたつくのを責める冷ややかな空気が、この国には濃いようだ。: B: |* D5 J) \5 n6 ]. j

* Y( r) i3 c) M3 C- | 冷ややかさは、自分が迷惑をかけたくない気持ちの裏返しでもあろうと、作家の藤原智美さんは見る。たとえばレジで順番を待ちながら財布の小銭を調べる。そんな人ほど、遅々とした高齢者がいると、いら立つのではないかと言う(『暴走老人!』文芸春秋)。
' Q% ^/ X# r! n. ?( A8 H" r, }1 q$ R8 O; \, \/ _
 米国は老若男女がおおらかだった。財布など、値段を聞いてからおもむろに取り出す。飛行機を降りるときも、前の人が歩き出してようやく自分の手荷物を下ろす。だからだろう。他人のモタモタにも寛容だ。
2 Z- L/ R% r0 \2 o; W6 X* P( f1 R
9 X+ V3 G& F5 r) s1 Z2 K 国交省は「高齢者がゆとりをもって乗降車するのを社会が当然のことと容認する」べきだと提言している。翻訳するなら、お年寄りには堂々ともたつく権利がある、ということである。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-18 08:23:10 | 显示全部楼层
2007年09月18日(火曜日)付
5 b; ]/ I+ g: O$ Z
6 b  H0 m+ R: W8 m: H" ~( X- X0 j分野を問わず長く活躍していると、出始めの頃の呼称がだんだん似合わなくなるものだ。美空ひばりは天才少女から女王になった。呼び換えは、長くて太い、豊かな現役生活の勲章といえる。
) [6 S2 Y! z* @. |6 X# r) F. M, ^( F
 この人の「ヤワラちゃん」もそろそろではないか。ブラジルでの柔道世界選手権で、女子48キロ級の谷亮子選手が7度目の優勝を果たした。「ちゃん」づけがはばかられる32歳の母親の偉業だ。# `! U7 r7 l5 G, w; {; l

/ y6 B& D- i& w; Y) D1 O5 X4 i 93年、カナダ大会での初優勝の弁は「おいしいカップケーキをたくさん食べたい」。以来、妊娠中で欠場した前回を除くすべての世界選手権を制し、優勝回数は男女を通じ最多となった。鋼(はがね)の小動物のような強さ、速さは衰えを知らない。
3 z& }. r- P& H; d
% }& g" P0 `6 B 今大会の日本勢は苦戦続きだった。特に男子は、井上康生、鈴木桂治の両選手が2回戦で敗退するなど、不振を極めた。最後にかけた技をより重視する国際審判の流れに戸惑いもあるようだが、谷選手はそんな細事を投げ飛ばした。「2位なのに代表か」という国内選考での疑念も押さえ込んだ。
$ q. \5 H' n1 K" q" M% [8 n9 ?
" n4 s* g6 Q: W- t 柔道からJUDOへ、古来の武道は上手に国際化した。カラー柔道着などの異物はその代償だ。国際柔道連盟の理事選挙で山下泰裕氏が落選するなど、この競技は「家元」の手をどんどん離れていくかに見える。だが、それがJUDOの進化だ。発祥国の誇りにかけて精進するしかない。
9 C/ ?9 r7 G$ w/ Q- P1 I3 Y; C  W) j' O  V; m7 g1 J& ~1 @3 m
 来年の北京五輪、各国の「ヤワラさん対策」は過去にない周到さになるだろう。支えは、変わることなき格闘技の鉄則。どこの畳でも、何色で組んでも、強い方が勝つ。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-19 10:04:29 | 显示全部楼层
2007年09月19日(水曜日)付" ^& N% n# |3 u) i/ k

- b/ z( }$ y1 b! `) w平安期の随筆『枕草子』に、達筆で知られる藤原(ふじわらの)行成(ゆきなり)から唐菓子が届く話がある。餅皮に具を挟んだ餅餤(へいだん)だ。清少納言は紅梅を添えた礼状で「ご自分でお持ちにならぬとは冷淡な」と返した。餅餤と冷淡をかけた才女の遊びである。' W/ F& ]) a+ \

/ e  J& W1 N  j( F  _# {9 p" x クールな行成、年上の清少納言に気があったかどうかは知らないが、女性に物を贈る習いは古今東西を問わない。豊かな世なら花束や装身具、時代をさかのぼれば食べ物も喜ばれただろう。. K! E9 ^+ }, i

5 V. e8 _$ X) w% N9 H チンパンジーのオスもメスに贈り物をするそうだ。京都大霊長類研究所などのチームが突き止めた。西アフリカで野生の群れを2年観察したところ、オスがパパイアやバナナを農家から盗み、メスに分け与える例が25回あった。
- j4 ^4 F& ^9 `5 a; O. |0 R
/ Q! X  ?# I8 Y/ L 自然界では、生存にかかわる食料が最強の品だ。贈り先は若く、多くが発情中。オスは前後して、そのメスと交尾や毛繕いをしていた。果物は求愛の小道具ということになる。見返りを期待したプレゼント行動が確認されたのは初めてという。
! E6 U& M2 L- o2 S% O1 ]% ^2 Q! Z$ u% t/ q4 ]
 強い子孫を残すため、メスは強いオスを求める。体格や腕力ばかりか、食料をどこからか調達してくる才覚も強さの要素らしい。オスは自分の子を増やそうと人里に踏み入り、果物泥棒のリスクを冒す。身につまされる自然の摂理だ。
3 z  O# ~5 M# ^
* x# _2 P* E$ E  K$ s) f 本能が支配する雌雄の営みと違い、男女の間合いは難しい。贈り物で弾む交遊もあれば、しぼむ仲もある。大前提は、贈られる側にも多少の好意があることだ。実は清少納言、宮仕え仲間でも美男で教養あふれる行成が、一のお気に入りだったとか。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-20 08:26:37 | 显示全部楼层
2007年09月20日(木曜日)付
; w( y5 i0 I1 z# Y
* j  L3 U- C9 y: T北朝鮮が拉致を認め、日本中が国家犯罪に凍りついたあの秋から5年。北は核カードを振り回し、拉致問題に進展はない。きのう、横田滋さん(74)、早紀江さん(71)ご夫妻にお会いした。5 l2 p" q2 g( c- O: v
/ g6 p/ n% {% C! }" @+ v
 30年前、新潟でさらわれた長女めぐみさんは、10月に43歳を迎える。両親はそう信じる。母は「秘密の仕事をさせられている」、父は「どこかに監禁されているのでは」と案じた。情報は乏しく、2人の想像はいつも沈黙の闇へと消える。8 N! p% h" y: q: a; a

  F: T* G* v" ^9 k. L; f2 x 世論が冷えたとは思わない。全国からの励ましは千羽鶴だけで段ボール6箱とポリ袋二つ、届き続ける手作り小物や服と合わせ一部屋を埋めつつある。「めぐみが戻った時、こんなに多くの人が応援してくれたのよと広げて見せるのが夢」だという。
  t; H3 V2 O- X  M4 h# K% d  ]: F3 e. T# S/ P' ]1 L, C; ~* }
 政府認定の拉致被害者だけでも、12人が帰国していない。冷たい国際情勢の波間に、同胞の顔が浮き沈みしている。引き裂かれた親兄弟が日本海の両側で老いてゆく。独裁者も年を重ねるが、彼の退場を待つ余裕は肉親にはない。
! h& k) A1 u8 F! x8 O4 @( b+ c" y, m9 b  p4 f+ ?3 S
 めぐみさんの衣類や教科書を手に取れば、新潟時代がよみがえり、身も心も崩れそうになる。だから見ない。早紀江さんは「部屋は今の生活のにおいだけにしておきたい。そのほうが闘いやすいから」と悲しく笑った。, p! v6 e( f) E0 U' A
: q# M# W) P- C  Q9 t+ g: d
 ここまで強くなれるものかと言葉をのみ、子を奪われて弱い親はいないと思い直す。それでも相手は国家だ。生身の個人を矢面に立たせるわけにはいかない。他人事(ひとごと)にせず、最後の一人が戻るまで声を上げる。誰が首相になろうと、そこは変わらない。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-21 16:33:44 | 显示全部楼层
2007年09月21日(金曜日)付
* n( r! Y+ b9 e3 `* i8 s2 h, f  P( s7 E" n0 b, @
近未来の悪夢を一つ。凶悪犯が捕まるたび、生い立ちと共に過去の「徳育」の成績に関心が集まる。「やっぱり」の事例が続き、徳育不振の子のブラックリストが学校から警察へ――。幸い、それは取り越し苦労に終わりそうだ。
  t3 j* c( a# P1 i: N
4 ?0 ^* r3 c. K8 A' _% D 次の学習指導要領を検討している中央教育審議会が、道徳を新たな教科「徳育」にするのを見送る方向という。安倍首相が設けた教育再生会議の提言は通りそうにない。" C5 T9 g+ o  J) P
/ j- y1 B0 G0 o
 広辞苑の「徳」の項に『徒然草』の一文が引かれている。「人に本意なく思はせて我が心を慰まん事、徳に背けり」。人に嫌な思いをさせて悦に入るのは徳に反するという教えだ。それは「争ひを好む失なり」、つまり戦いに興じるあまりの弊害だとも説く。
; R. x. F- C- G# P" w/ ^8 n. h! `# T6 J8 B
 安倍氏は、戦後レジームなるものに戦いを挑み、政策の幹や枝葉に、復古の色をにじませた。とりわけ教育改革では思い入れが強すぎ、色使いも塗りも雑になったようである。この秋、紅葉と入れ違うように、政策の枝葉から安倍色が抜けていく。) b# n0 B+ ?! ^, [5 E+ [5 K

$ ?' V% |6 A/ n: F" {2 C 公共心や品格は、生涯を通じて育み、磨くものだ。大事な子供時代は、成長に応じて親や教師が範を垂れ、助言し、人格の離陸を見守る。そういう丁寧なやりとりが要る。検定教科書で教え込み、一律に評価するのは見当違いだろう。
3 u4 T8 |) _( V/ D5 A
$ Z! j" y& d: M3 S もちろん、人間の幹を太くするのはやはり道徳で、そこから国語や算数の枝が元気よく伸びてゆく。大切な幹であればこそ、せっかちな品評や、押しつけの肥料は控えた方がいい。成績表という坪庭の外で、大きく真っすぐに育てたい。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-23 20:23:28 | 显示全部楼层
2007年09月22日(土曜日)付0 _* @5 S, b0 Z4 H

/ Y) y' y% s# H( [. O7 f1 A- l0 d 芸風の違うスター2人の共演が「ツーマンショー」だ。持ち歌の交換あり、デュエットあり、トークあり。ひとつ間違えば双方のファンを裏切る茶番となるが、はまればワンマンにない盛り上がりを見せる。+ H- ^# N9 N  M$ C' z, Q, j

7 x. l  c4 P4 W7 m% F& l+ X 自民党の総裁選はどちらだろう。両候補はきのう、日本記者クラブの公開討論に臨んだ。丸々2時間、これをNHKが生中継した。聞きほれる論争はなかったが、いくつかの発言をメモした。
5 L/ l! B$ H. T$ q/ L& x8 b- U. Y7 F2 H( q# ]) P1 H
 一番の肩透かしは、年金対策を問われた福田氏の「コツコツと信頼を回復する」だ。「問題を解決するのが政治家。起こすのが仕事ではない」には噴き出した。麻生氏に街頭の明るさはなかったものの、指導者の必須が「孤独に耐える力」とは味わい深い。福田氏は「辞める時の決断」と答えた。. y; `) |% B8 J
; \7 v! W# u4 T* h* z! v
 その二つを欠く安倍首相が招いた総裁選。本来、政治ショーどころか大ピンチだ。しかも出演の世襲コンビには、単独で客をわかせる芸はないように見える。この瀬戸際のニュース素材を、しかし、自民党はかれこれ10日売り続けた。. ?4 E0 I# {5 _6 o- \

* e. n6 l" j" F3 f にこやかに群衆に紛れる両候補の姿が、連日のように茶の間に伝えられる。報道ではなく、党の宣伝ビデオを見るようだ。福田氏はフラダンスを眺め、麻生氏はせんべいを焼いた。「結構いい人かも」と思わせたら、参院選以降の傷も少しは癒える。焼け太りである。
' F. b/ o" P' D7 @3 R5 U
& s! r3 B8 ]0 v$ j7 j 自民党のツーマンショーは明日まで。他党は楽屋で、舞台が国会に戻るのを待たされている。新首相のデビューに、まさか、バックダンサーとして花を添えるつもりはあるまい。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-9-23 20:24:23 | 显示全部楼层
2007年09月23日(日曜日)付* D  C1 {1 S) I' b6 ?

9 i& S5 }! a/ k, ~2 r' H 画家の辻まことに、「虫類図譜」と題する愉快な画文集がある。色々な事物を虫に見立てて皮肉っていて、国連もやり玉にあげている。〈できの悪い粗悪品を、美しいものとよばなければならない〉と手厳しい。0 \" @7 e$ z% h6 @+ L4 \
7 R2 e2 Z* h/ K8 n* M) I
 美名と裏腹に、冷戦下で機能しなかった時代の冷笑だ。今なら、こう悪(あ)しざまには言われまい。とはいえ利害と思惑のぶつかる国際社会で、黄門様のようにはいかない。「お墨付き」である決議も、厳しい折衝をくぐって日の目を見る。+ f: M8 u/ W7 m6 s* B/ H* g* {7 a* z

2 ?' Q0 L; k  D) J 懸案のテロ対策特別措置法をめぐって、日本政府が「印籠(いんろう)」と頼んだのは、決議の前文の「謝意」だった。インド洋で給油活動を続ける根拠になると踏んだ。米国に働きかけて文言を潜り込ませたが、ロシアは反発して棄権した。安保理の足並みを乱したと、風当たりが強い。
! @1 e$ q% u7 p3 H& E* x. p) w/ {: B; w/ u7 r
 安保理は国連の心臓部だが、協議の多くは決議文の言葉選びに割かれる。取材していた頃、最後にわずかな言葉を換えて採択された決議があった。言い換えで各国の思惑に配慮したからだ。その決議を根拠に、米国は強引にイラク戦争に打って出る。
, p, t+ g" U; M; O. V; q1 @& V
' f; m7 @& P4 s 片言隻句の違いが、何万人もの生死を左右したと言えなくもない。外交官が、それぞれの国益を背負って扱う一語が、人の頭上に爆弾を降らせもする。国連の美名のもとなら何でも是と思うのは、だからあやうい。
. G7 r- G8 G8 `( j# ?0 T5 f( b' Y! ], C
 政府には渇望の印籠だったが、特措法に反対の民主党はひれ伏すふうもない。年金に比べれば特措法も国連も身近ではないが、ときには遠くも眺め、粗悪品でないかどうかを確かめたい。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:15:18 | 显示全部楼层
2007年09月24日(月曜日)付
; k6 ^% c9 Z9 v' |1 N2 l* L
3 r. A8 m  v& ?- {! E8 U 勝負ごとの予想屋なら、商売にならないと投げ出したのではないか。消化試合と目された通りの戦いに勝って、福田康夫氏が「天下餅」を食うことになった。新しい自民党総裁は明日、戦後29人目の首相に選出される。
6 V3 h( S' E* Z1 |) u
6 S* G) J$ e; c( `2 o9 q1 U 安倍首相の投げ出した餅である。それを、家康よろしく「座りしまま」に食う印象だ。「夢にも思っていなかった」と出馬を表明したら、瞬く間に派閥力学の生む上昇気流に乗った。対抗馬の麻生氏がやや健闘したのは、古い体質への「先祖返り」に対する反発もあってのことだろう。8 f' F1 A0 A: B% d% B; c) U

) d# V  d* C" J- Z 父親の赳夫氏に続く「親子宰相」は史上初めてとなる。就任の年齢も同じ71歳というから、因縁めいている。祖父の元首相をよりどころにした安倍氏からのバトンタッチに、室町時代の『風姿花伝』の一節が頭をよぎる。
6 E1 h3 {) o+ z# l/ A  K; g: ]  D' u, V! }( F. {2 m! ^
 この能楽の秘伝書は、子々孫々に奥義を授ける上で、〈たとへ一子たりといふとも、不器量の者には伝ふべからず〉とくぎを刺した。そして、「血統が続くのが芸の家ではない。芸の神髄が続くのが芸の家である」と、勘所を突いている。' h' [" y6 Z0 ?' d( G  _# q. ^; b
# C# d% ]/ l% W" i
 「芸の家」を、「政界」に置き換えれば分かりやすい。国民にとっても、続いてほしいのは血筋ではあるまい。政治家の神髄とも言うべき、高い志や、強い責任感のはずである。
' V6 c5 G  C% ~1 [8 \: @( c' @* @6 o6 G4 }4 T, e/ ]: D
 きのうの記者会見で福田氏は、自民党は国民の信頼を得ていない、と繰り返した。それを回復させる器量を備えているかどうかは、これから問われる。天下餅を平らげて胃もたれしないタフな心身のことは、言うもさらなり、だろう。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:16:03 | 显示全部楼层
2007年09月25日(火曜日)付& M( R' u5 a  e0 X7 x7 v' I
. o: g1 k8 D* {2 ~; x" E6 C
 東京・六本木に芋洗坂(いもあらいざか)という素朴な地名がある。江戸の昔、このあたりに青物屋があり、旧暦8月15日に大量の里芋を商いしたのが由来だ(東都歳時記)。芋は各戸で煮っ転がし、十五夜の月に供えた。' h) g0 d% o9 @& y+ s5 C- S! ?

0 ~: W% n3 c4 E4 u5 Z* g 今夜は、芋名月とも呼ばれる中秋の名月。雲さえなければ、日没前の東空に現れる。その山吹色の天体へと今、日本の探査機「かぐや」が向かっている。打ち上げから12日、旅も半ばの頃合いだ。1 u+ \! ~/ w. p/ a; F

+ J3 Y2 T* ~7 h, h) N5 k 「未来の資源庫」への関心ゆえか、世界的に改めての月探査ブームだという。かぐやは、表面の様子や環境を調べて月の起源に迫り、利用価値を探る。首尾よくいけば後々の月面着陸や、有人探査に道が開けるそうだ。
& Z0 `* {+ S  l1 S# i5 }, k
7 R6 ]4 G6 z+ [ 月の正体が分かるにつれて、神話や俗説は葬られた。そこは荒涼の世界で、地球から見えない裏手に宇宙人が集結している気配もない。かぐやもまた、薄衣(うすぎぬ)の何枚かをはがすのだろう。
0 }- x9 W- B! n9 ]+ A; ^8 Z
) C9 J9 @6 t5 m6 a: |9 `; T まだ夢があった頃の『竹取物語』で、かぐや姫は「おのが身はこの国の人にもあらず。月の都の人なり」と明かし、涙のうちに故郷に発(た)つ。恩人の老夫婦が残る地球は穢(けが)れの星。絶えぬ戦争や環境汚染を思えば、なかなかの洞察力だ。かぐやが送ってくる手はずの「地球の出」の動画に、私たちは何を見るだろうか。
' M, n& j5 X5 |3 o: S. Z9 X0 X
, `5 N% D  Z8 j% y9 ?4 [ 人類は地球の表面をいじり、目先の利便や享楽を追求してきた。いじり尽くした所を都会と称する。こよいは手つかずのあばた面(づら)を見上げ、足元の厚化粧を省みるのも一興だ。そんな月見には、芋洗坂を見下ろす不夜城、六本木ヒルズあたりが絶好である。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:16:57 | 显示全部楼层
2007年09月26日(水曜日)付  {- B6 K: ?$ ^9 l

( S4 S  f- m; B& L: g パントマイムの神様、マルセル・マルソーは舞台の外では多弁だった。「マイム役者にしゃべらせちゃいけないよ。止まらないから」という軽口を、AP通信の追悼記事が伝えている。( T0 l/ k! J" ~+ T) q% G5 }( b* d3 w( c
  
( P0 ]- u0 g  w3 B/ _% J 84歳で逝った「沈黙の詩人」は、芸術性を削らずに無言劇を大衆化した。観衆はマルソーの指や目を追い、演者も客の感性を信じて指や目を動かす。そんな濃密な意思疎通が、言葉の不在を埋め、お釣りがきた。
5 c& M$ _& W2 S  {0 P+ g+ Q' }/ |! v$ d$ j
 マイムとは逆に、政治は言葉がすべてだ。その言葉がどうも貧しい。最近の首相でも、小泉氏は短い断定で大衆をけむに巻いた。安倍氏は肝心な時に説明を避け、病院から小声で別れを告げた。福田康夫氏にはぜひ、言葉を大切にする政治をお願いしたい。
, ?3 L% }3 @. B! P& W/ k" F2 r! O
 政治姿勢は人事に表れる。自民党の伊吹幹事長は「テレビ討論に強そうだから」と起用されたらしい。再任や経験者をそろえた新内閣も、国会論戦をにらんだ布陣と聞く。来るべき総選挙まで、衆目の中で与野党が議論を尽くし、対案を出し合う「有言劇」を見てみたい。* s+ f7 q/ N" s5 s) f* D
$ l0 S5 X% r: Z
 民主党の小沢代表は、口より腹や腕を駆使して政界を渡ってきた印象がある。安倍氏との党首討論は期待外れだった。政権を狙うのなら、国民の前に進み出て、自身の弁舌で世論をうねらせる努力が要るのではないか。% I% _8 T7 O4 Y

" m, m: I) `: i! X: `' k 言葉に頼らぬマルソーの芸は、軽やかに国境を越え、世界中で愛された。ひとたび顔を白く塗った役者は「動きの人」に徹した。政治のプロたちにも、この潔さがほしい。それは、本職の舞台で「言葉の人」を貫き通すことである。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:18:44 | 显示全部楼层
2007年09月27日(木曜日)付
+ U3 I7 t0 [3 |
0 i7 `! f1 c" N# E4 p' r 竹山道雄の児童向け小説『ビルマの竪琴』にこんな一節がある。「ビルマでは住民が坊さんを非常に大切にするから、坊さんになりさえすれば生きていかれる」。密林で敗戦を迎えた主人公、水島上等兵はその国で僧侶となり、異郷に散った日本兵を弔う道を選ぶ。! K+ }0 u8 p) p* [8 l* h
3 N) n3 a+ }6 u$ r* V
 小説の舞台ミャンマーで、軍事政権が僧侶や市民のデモを弾圧し始めた。多数が拘束され、死傷者が出たとも伝えられる。死者1000人を超えた88年以来の大きな衝突だ。  
# u+ ], k4 V' a) _* T/ {1 G+ y7 A
 国民の9割が仏教徒で、托鉢(たくはつ)で暮らす僧侶を今も強く慕う。24日から続いた10万人規模のデモでは、読経して歩く若い僧侶の両側を市民が固めた。れんが色の僧服が、熱い「血の川」のように大通りを進んだ。  ^6 V8 E2 O' U* A
: U1 ^+ F0 l; W8 A/ i# d
 発端は燃料値上げに抗議する僧侶への暴行だ。僧侶らは民主化指導者のアウン・サン・スー・チーさんを軟禁下の自宅に訪ねた。軍政は***の波の広がりを恐れたのだろう。, j% V) v( F2 {! ~7 h9 h/ h5 f

: f2 ~& p/ K- j( v スー・チーさんの父は第2次大戦中、日本の支援で英国軍を追い出し、次いで日本とも戦った独立の英雄。「建国の父」とも呼ばれる。「民主化の母」となるべき娘は1945年、日本兵が連合国の捕虜になった夏に生まれた。5 V2 p1 y; q! A' v2 Q2 d. n

4 T8 }& Y. B% @$ @2 @8 f 小説の捕虜たちは、のんびりした僧侶らの生活にたまげ、収容所で論争となる。同じ強いられるなら、軍服と袈裟(けさ)のどちらがいいか。「お経ばかり読んでいるから未開なのさ」「その国に迷惑をかけた我々の方が野蛮だ」。結論は出なかった。
6 l) f$ I& a) {* g8 M' p  h6 X
' v# c! d$ G. N 戦で死ぬことなかれ。竪琴の願いを胸に、僧服の川を待つのが民主化の大海だと祈る。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:19:16 | 显示全部楼层
2007年09月28日(金曜日)付
; I/ F9 [5 P( ~4 _0 t+ [! }
) W4 a# [( h% p' A" M& I1 r' { 一人旅の駅か空港で、信用できそうな人に荷物の見張りを頼むとする。「これ見ててもらえますか」と用足しに立ち、戻ると荷物が無い。「若い男が持ち去りました。ずっと見てたから間違いない」と言われたら、普通は怒る。
' ?) `: c7 S6 c
0 t2 V2 J; c, O4 \ 番をするのも、ただ眺めているのも、会話では「みる」になる。動詞の意味は常識で判断するしかない。誤解しようがない動詞もあるが、相撲部屋では油断できない。兄弟子が新入りを何度も土俵に転がし、立ち上がれなくなるまでしごくことも「かわいがる」と言うらしい。
, Q# g, J0 E1 F9 }0 z' c( J
1 h) V! T, B8 p! W5 Q 時津風部屋の17歳の力士が6月、けいこ中に急死した。事故とされたが、親方や兄弟子が土俵の外でも「かわいがった」ことを認めたため、刑事事件になりそうだ。
$ \. p5 d0 p/ j+ B$ o/ s3 s% t* Z5 x# j- f/ S" `7 d( a; y! _8 Y
 被害者は春に入門、何度か部屋を脱走して、リンチまがいの「かわいがり」が激しくなったと聞く。死の前日にも、実家に電話で「救出」を求めていた。父親は「もうちょっと頑張れと言ってしまった」と悔やむ。傷だらけの遺体と、両親が求めた行政解剖が警察を動かした。
# G( m! i* \6 w9 u# q9 K$ L7 S; G- u) T, r& p! E" H0 u4 Y' k1 `2 b. M
 預かった若者を、親方夫婦が一人前の力士に育てる相撲部屋。肉親は本来の意味で「かわいがってもらえ」と送り出し、実際、その通りにしている部屋も多い。だが、時津風部屋は名門だ。不合理な習わしはここ限りだろうか。- ], n3 J+ n$ u% p
1 f1 r+ ^% j. N- N7 Q. D
 隠語は閉鎖社会の闇に育つ。どうか、世間並みの言葉と常識が通る角界であってほしい。一度託されたものは責任を持って面倒見るべし。旅行かばんならいざ知らず、手塩にかけた宝物は取り戻せない。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:19:40 | 显示全部楼层
2007年09月29日(土曜日)付; l3 h9 ]; Y$ B* Z" `2 l4 C- ]8 s; _
. x$ m( F! C4 i4 u! a& k. l+ v" K( y
 一昨日の朝刊を手に取り、お面の写真に引き込まれた。永い眠りを解かれたその顔は、笑っているのか泣いているのか。木肌から、大地が封じた太古の香気が立ち上るようだ。
7 s* m' |  R- b2 Z- @7 F3 A$ r0 ?# l5 j* g
 奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡で、国内最古の木製仮面が出土した。3世紀前半のもので、これまでの「最古」を400年ほどしのぐという。遺跡は邪馬台国の有力候補地、年代も卑弥呼の治世に重なるとくれば、夢想は広がる。  l# I5 g  g  _9 f& n1 c: n

" u" f/ o& v& r% v: b 仮面は顔が隠れる大きさで、鍬(くわ)にする予定のカシの板に細工をしていた。わずかに赤い顔料が残り、豊作祈願などの儀式で手に持って踊ったらしい。古代人は、面で顔を覆って呪術師となり、森羅万象と交信したのだろうか。8 ]+ B7 C& c; l

( G' a8 D9 h+ [8 h& a& y1 P7 p( b 人間を意味するラテン語の「ペルソナ」は、もとは役者の仮面だという。着脱自在の顔から別の人格をもらい、人は正義のヒーローにも、野獣にもなる。素顔はしばし仮面の裏に退く。4 J* Z/ R' O2 J  x; ]
. b- s, B! d! [. E1 w) L7 L
 本物をつけずとも、現代人は心の仮面を刻々と替えて一日を送る。男性なら夫に父親、上司に部下、夜はカラオケ大王だったり。〈髪切ってイコール君への思慕切って凱旋(がいせん)している私の仮面〉石井睦子(朝日歌壇)。心の仮面でこんな心機一転もできる。
" v, i' b5 F: K: Y' @8 x" ^) U) K# r3 c4 r0 t6 e
 面倒なご時世、仮面は二つや三つでは間に合わない。取り換える手際は世渡りの技だが、交換に追われて「素(す)の私」はあいまいになる。翻って、最古の仮面の圧倒的な存在感はどうだろう。一つで国中を幸せにしただけのことはある。それを手にした人々も、素朴だが、揺るぎない素顔を持っていたに違いない。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:20:04 | 显示全部楼层
2007年09月30日(日曜日)付
1 @, _9 z/ S9 f/ d( ]! e2 [- g$ ~3 G
0 r  r# P: _6 r) Z 二百十日の時節に、前代未聞の「政権投げ出し台風」が列島を襲った。人々があきれ、怒り、いささか同情もした9月の言葉から。2 f. c' j% w2 [

9 ]; W; ?, c6 {- o8 x 「首相辞意」の報は津々浦々を駆けめぐった。JR大津駅前で客待ち中の個人タクシー運転手、伊藤市蔵さん(65)は「そもそも器として無理があり、4人乗りのタクシーに6人乗せたような感じだった」。驚きの中に「やっぱり」の思いが混じる。  |1 g) Z# z$ ^; t6 @
+ s( O3 |& D$ r
 安倍氏の地元の下関市に住み、親交のある直木賞作家、古川薫さん(82)は「首相はお人よし。酒を飲まず、食も細い。政治家は大酒を飲み、たくさん食べ、それがバイタリティーになる」。「可哀想で、不運な男」と残念がった。* F9 ]  Z& o8 J- D
: S" N) l6 m* f( S: J
 だが驚きもつかの間、関心はすぐ後継選びに。東京の渋谷で街頭演説を聴いた大学院生、鈴木洋さん(26)は「麻生さんに共感する。だけど今は国内がぐちゃぐちゃ。まずバランスのとれた福田さんが政権につき、そのあと麻生政権になれば」3 m( q8 y4 ]! I( {% ?! v1 _6 Z
# O" Z% z/ v( r% u. n
 一騎打ちの軍配は親子2代の福田氏に上がった。新首相への期待は老若を問わず身近な政策だ。青森県で、21歳の大学生佐々木彩乃さんが「一番気になるのは年金。ちゃんと払って満額もらいたい」と言えば、87歳の高松ソデさんは「これからの老後の歩む道を、楽に進みたい」% e  ?8 D0 Z$ {) \

, {: j. ]" N3 _: {4 T 「大事なのは人々が生きていくのに欠かせない安心感を作り出していけるか。その視点がなければ短命に終わる」と、福田氏の地元群馬に住む哲学者の内山節さん(57)。前首相の面影はすでに遠く、台風一過の国会が週明けから始まる。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-10-5 16:20:27 | 显示全部楼层
2007年10月01日(月曜日)付+ M) ]! }5 f& I; a, K
( u# v5 M5 u" N! [
 「泥と炎」と形容された戦火の果てに、インドシナ3国の首都が相次いで陥落したのは1975年のことだ。4月にカンボジアと南ベトナム、8月にはラオス。命の保証もない現地に日本のフリー写真家も身を挺(てい)し、生々しいフィルムを世界に発信した。
, [. `& L. a! L! l& K4 w2 o' g( M6 V; p* n
 「誰も行かないところへは、誰かが行かなければならない」。武力弾圧下のミャンマー(ビルマ)で落命したカメラマン、長井健司さんの口癖だったという。戦争や紛争を伝えるジャーナリストに脈々と受け継がれてきた情熱であり、使命感だろう。
2 o2 o  p( x, S6 X/ \& R, U) G, @% y/ h$ {4 r4 h' |7 ^- |
 4年前、戦争不可避のイラクから、日本の大手新聞、テレビは撤退した。入れ替わるようにフリーの写真家らが現地を目指した。「攻撃される側」から報道するためだ。茶の間に届いた映像や写真の多くは、その情熱がもぎとった真実だった。戦火の下に、長井さんもいた。
8 V, O) p1 g( u+ g* |
8 ?" G( w) P: ~* v 物静かな人だったという。先天性の障害に苦しむイラクの少年に、紙おむつを届ける優しさもあった。功名心ばかり先走る者もいる業界である。そこにあって、紛争解決のために何ができるか、をいつも考えていた。4 M0 Z0 @! F- c3 z1 X
. S, {3 L) g+ }- f- u' u
 戦場カメラマンの武器は「笑顔」だけだと聞いたことがある。憎めない笑顔を持つか否かが、生死を分ける局面もあるらしい。今回はしかし、背後からの問答無用の射殺だった。こんな蛮行には、やわらかな武器は使いようもない。
+ z$ N' s( @* S& Y# @' o" U0 m
 遺体は、右手がビデオカメラを握る形に硬直しているそうだ。非業の死と、命と引き換えの最後の映像が、ミャンマー民主化の力になることを願う。
回复 支持 反对

使用道具 举报

您需要登录后才可以回帖 登录 | 注~册

本版积分规则

小黑屋|手机版|咖啡日语

GMT+8, 2026-11-8 18:01

Powered by Discuz! X3.4

© 2001-2017 Comsenz Inc.

快速回复 返回顶部 返回列表