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楼主: youdariyu

皆さん日本語の小説とか読んでますか(1)

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 楼主| 发表于 2006-5-30 17:06:56 | 显示全部楼层
中国語は一つの漢字が、状況によって動詞になったり、名詞になったり、形容詞、副詞に変わりますね。
外国人が中国語を翻訳する場合、これが難しいんですよ。

以前、湖南省出身の先生に、「どうやって区別するんですか」と尋ねたら、「状況によって判断する」
と言われました。でもやっぱり難しい(汗)

翻訳でなくて結構ですから、構文の内容を教えて頂ければ助かります。

それからまた名前の話題。今日ニュースを見てると,「昱」さんという男の人が出てました。
でも同じ名前の女性を知っています。これは男女共用の名前なんでしょうか。たしか「輝く」
という意味ですね。
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发表于 2006-5-30 21:24:24 | 显示全部楼层
ええ、そうですね。
中国人は慣れましたから、特に気にとめないです。
でも、外国人にとって、大変難しいと思います。


「心有千千結」日本語拙訳は読んでいました。
本当にすばらしいと思います!
特に喧嘩の文、とても面白いですね。

でも、私もちょっと質問があります。

「よく考えろ」
“你是傻瓜吗?”(原文)

「違う!」
“我管不着吗?”(原文)

「これでもわからないか」
“就凭这个!”(原文)

あなたはどう思ってるの?
你爱他吗?(原文)

どうしてこんなに翻訳しますか?意味は違いますね。これは日本の習慣?

また、
「生地はもう少し黒みがかった青だな。襟ももっと高くしないと」\
“要用蓝灰色的衣料,领子改成大翻领,”

この「大翻领」は、日本語でいなですか?


“问世间情是何物?直教人生死相许!”
「世の中には、感情は何ですか」っと尋ねる。
「生きでも、死んでも、ずっと一緒に」っと答えます。

“走火入魔”
頭可笑しいになりました。



youdariyu様の翻訳、本当にいいですね、とても勉強になりました。どうもありがとうございます。
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发表于 2006-5-31 11:59:50 | 显示全部楼层
[quote]引用第129楼youdariyu2006-05-29 13:34发表的“”:
mizuiroさんへ。

削除するより、これでいいと思います。
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发表于 2006-5-31 12:04:06 | 显示全部楼层
引用第129楼youdariyu2006-05-29 13:34发表的“”:
mizuiroさんへ。

>「中国では、悪い神様に誘拐されないよう、子供にわざと悪い名前をつける」

これは私の勘違いかも知れません。パールバックというアメリカの作家が書いた「大地」という
.......
ごめんなさい。
先ほど投稿したものは、どうも文字化けになったようです。(><)
もう一度試してみます。

youdariyuさんへ

>1. ご馳走してもらった料理は必ず少し残さなければいけない。全部食べてしまうと「まだお腹がいっぱいではない」という意思表示になる。私の住んでいる江蘇省の人にこの話をすると、意外な顔をします。「そんな事はない、全部食べてくれたほうが嬉しいのは当たり前だろ」と言われました。本当はどうなんでしょうか。

「ご馳走してもらった料理は必ず少し残さなければいけない」というルールはないと思います。
ただ、招待側は誠意を示すためによく食べられるほど以上の物を注文するので、食べられないのはほとんどです。(もったいないですね。)\

「そんな事はない、全部食べてくれたほうが嬉しいのは当たり前だろ」は本音だと思います。

youdariyuさん、お腹がいっぱいになるまで、ご自由に食べてください。
本当にお腹がいっぱいになる時に、無理しなくてもそのまま残しても良いです。
絶対礼儀悪いと思われませんから。
自分の好きなものをお腹がいっぱいになるまでご気軽に食べてください。
中国の食事は本当に「随便」なんですよ^^

ただ、一つ思い出したことについて。(特に正式の場で)

食事中、ウェートレスが次の料理を持ってくるまでに、回り台に載せる料理を一つも残せず全部食べきれることは、とてもよくないことだと思います。
「もう何日間も食事もせずにお腹が死ぬほどすいている、とても教養がない人」というイメージを与えます。

>中国の人は夫婦喧嘩を家の外でする。近所の人達を集めて、妻と夫が自分の主張を述べる。どちらが正しいか、周りの人に判定してもらう。

実際に男女(夫婦かどうかわかりませんが)が路上で喧嘩をしているところを私も何度も目撃したことがあります。
これは怒りを抑えないで、路上で噴火してしまったとても極端的な例です。
まったく気が短い二人ですね^^。

中国には、「家丑不可外扬」という言葉があります。(内輪のごたごたは外部にさらけ出してはいけない)
「近所の人達を集めて、妻と夫が自分の主張を述べる。」を読むととても笑いたいですね。
こんな馬鹿な夫婦……(おそらくいないでしょう)

「回家在和你算账」も口語としてよく使います。
これは「家に帰ってから、かたをつけてやるから。」という意味です。
よく外で喧嘩になりそうな時に使います^^。
外で喧嘩することに対して、中国人は羞恥心を持っていますから。
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 楼主| 发表于 2006-5-31 12:06:25 | 显示全部楼层
jewelさんへ。

拙文をお読み頂き有り難うございます。
確かに翻訳は只意味を伝えるだけでなく、習慣、文化、を考えないと不自然なものになって
しまいます。


>「よく考えろ」
>“你是傻瓜吗?”(原文)

直訳は「お前は馬鹿か」ですが、直訳だと日本語では程度が強すぎます。私は若塵を
もう少し優しい若者にしたかったんです。

>「違う!」
>“我管不着吗?”(原文)

直訳は「私にかまう権利はないのか」でしょうか。翻訳は翻訳する者の個性が出ますね。
私は出来るだけ簡単な短い言葉で表現するのが好きなので、こう訳しました。「俺がかまっちゃ
いけないのか」だと、より原文に近くなります。

>「これでもわからないか」
>“就凭这个!”(原文)

直訳だと「これに任せる」でしょうか。でも、この状況では本当に不自然な日本語です。

>あなたはどう思ってるの?
>你爱他吗?(原文)

これは江雨薇が「自問自答」している場面ですね
中国のドラマや映画だと、「我爱你」という台詞はよく聞きますが、曖昧を好む日本人は
「好き」と言う場合も、なるべく曖昧な表現を選びます。
これこそ本当に文化の違いです。

その他のご質問は次にお答えします^^
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 楼主| 发表于 2006-5-31 12:52:11 | 显示全部楼层
mizuiroさんへ。

>招待側は誠意を示すためによく食べられるほど以上の物を注文するので、食べられないのはほとんどです。(もったいないですね。)\

これは中国に来た中高年層の日本人が苦痛に感じる事の一つなんですよ。昔の日本では「一粒のお米の中には7人の神様がいる」と言われ、食べ物を粗末にするのは一番行儀の悪い事だと教えられてきました。

それに、「米」は全部で「八十八」の手間がかかっているから「米」と書く、だから大事に食べなさいとも言われました。
中国ではそんな事は言いませんか?

>食事中、ウェートレスが次の料理を持ってくるまでに、回り台に載せる料理を一つも残せず全部食べきれることは、とてもよくないことだと思います。

これも日本とは正反対ですね。日本では「テーブルの上の料理を全部食べてしまってから次の料理を注文する」
のがむしろ普通です。ですから、ご馳走する側も「海老の最後の一匹」「鳥肉の最後のひときれ」を客に薦め
ようとします。「さあさあ、全部食べてください」みたいに。
おそらく、日本に来た中国の人は、「日本人はとてもケチ(吝啬)」だと感じるでしょうね。

でもたしかに日本人は食事に関してはケチです(笑)
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 楼主| 发表于 2006-5-31 14:50:51 | 显示全部楼层
jewelさんへ。解説の続きです。


“要用蓝灰色的衣料,领子改成大翻领,”

「翻领」は服飾辞典を調べると「ロールカラ(roll collar)」ですね。
只の「襟(えり)」は中国語の「衣领(カラー)」ですから、きっと別のデザインでしょう。

でも私はファッション(時装)に関してはまったく知識がありませんし、センス(流行感覚)もゼロなので、
これ以上はわかりません。すいません^^:

>“问世间情是何物?直教人生死相许!”不,她还没有经历
过这种滋味,这种“生死相许”的感情。或者,她是小说看得太多了,诗词念得太多了,而
“走火入魔”了?或者,人生根本没这种感情,只是诗人墨客善于描写罢了!

この部分は、我ながら、かなり「脚色(添枝加叶)」していますね(苦笑)、「世界がひっくり返るような恋」
とか「身も焦がすような百年千年の恋」とか。
でも、小説の翻訳は、こんな「遊び」ができるから楽しいんです^^
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发表于 2006-5-31 16:01:56 | 显示全部楼层
日本と中国の文化摩擦。これは「嫁(媳妇儿)、姑(婆婆)の問題」と並んで、永遠のテーマ(題目)なのです。

これは中国人の留学生が日本で経験した話。仮に「テーブルクロス(桌布)事件」と名づけましょう。

日本に住んでいる中国人留学生Aさんは、ある日、日本人の友人を家に招待しました。
その時、日本人の友人はAさんの家のテーブルクロスを見て大変褒めました。それはAさんが中国から持って
きた品物で、とても綺麗な中国風の模様が書いてあったのです。

優しいAさんは、日本人の友人が、それをとても気に入ったようなので、テーブルクロスを友人にプレゼント
する事にしました。

数日して、Aさんのところに、高価なプレゼントが届きました。それはテーブルクロスをプレゼントした友人
からのものでした。

Aさんは複雑な気持ちになりました。

  ========================

Aさんは何故、素直に喜ばなかったのでしょうか。いくつか理由があります。

1. Aさんは「返礼(中国語では回礼でしょうか)」を期待してテーブルクロスを友人にプレゼントしたのではない。
2. Aさんは感じました。返礼を贈る事で、友人はAさんとの貸借関係(借贷关系)を清算しようとしている。
  とても水臭い(太客気)。結局自分達は本当の友人ではなかったのだ。
3. Aさんはこうも感じました。「日本人は外国人に借りをつくりたくない、常に優越した立場でいたいのだ」

皆さんはどう思いますか。このAさんの考えは中国人として、特別変わっているでしょうか。あるいは「有り得る」
感情でしょうか。

私は日本人なので、逆に、返礼を贈った日本人の友人の気持ちが理解できます。

お互いが全く悪意を持っていないのに、結果として摩擦が起きる。これが異文化交流の難しいところです。

P.S
名前を漢字に改めました。youdariyuです。




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发表于 2006-5-31 20:56:50 | 显示全部楼层
(スレッドのテーマとは関係ありませんが)今日、起きた事件。

教室の鍵(中国語だと鎖ですね)が壊れてしまって、中にいた生徒さんが出られなくなってしまったーー!

中からも外からもドアが開きません。

慌ててドアのノブを壊したけれど、依然開かない。

一時はどうしようかと思いました;^^;;;;

いろいろ叩いたりした挙句、とうとうドアは開きましたが、貴重な授業時間を無駄に費やしてしまいました。

東レの皆さん本当にごめんなさい(お辞儀お辞儀お辞儀)
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发表于 2006-5-31 22:06:34 | 显示全部楼层
琼瑶の小説「心有千千結」日本語拙訳です。

「心有千千結」第13章

翌日の朝食時若塵は降りてこなかった。李媽は耿克毅に言いつけられて部屋まで呼びに行ったが,戻って言うにはこうだ。

「ぼっちゃんは食欲がなくてもっと眠ると言っておられます」

老人は眉をしかめると江雨薇を一瞥して言った。

「なにかあったのかな?」

江雨薇は思わず顔を赤らめた。なんでいきなりあたしに聞くの?彼女は肩をすくめて目をそらしあいまいに応えた。

「春眠暁を覚えずと言いますから」

「ふむ」

老人はつぶやいた。

「若いもんのよくない癖だ。唐部長はもう工場で待っておるぞ」

老人は箸をとりあげると江雨薇を見た

「昨日は遅かったようだな」

「あっ、はい」

彼女はあわてて返事した。

「あのX線と一緒だったのか」

また来たわ!江雨薇は少し眉をひそめことさらなにげなく答えた。

「ええ、華国ダンスクラブへ行ったんです。帰ったのは2時でした」

「うむ」

老人はうなったきり何も言わなかったが江雨薇が箸をとりながら欠伸をしたのにめざとく気づいた。

「どうやらみんな睡眠不足らしいな」

老人は笑った。

「お前達若いものはこの病気の老人ほどの元気もないようだな」

老人は誰が寝てないか全部お見通しなのだと彼女は思った。江雨薇が,うわの空で粥を口に運び惣菜をつまんでいると老人が注意した。\

「ソースに箸をつけたまんまだぞ」

老人の言葉に彼女ははっとして箸をひっこめ顔を赤くした。

「気をつけなさい」

老人は笑った。

「鼻からメシを喰うのはなかなか難しいからな」

江雨薇は更に赤くなった。やがてあわただしく食事を終えた江雨薇は昨夜の事を思い返しながら若塵にこれからどう接したものか考えていた。何もなかったような顔をするか冷たくするかそれともきっぱり無視するか。上の空でお茶をこぼしやけどまでしてしまった。
そして十時になり黄医師がやって来た。彼はいつもの問診を行い満足そうにうなづいた。\

「悪くない。注射と投薬を続けてくれ」

すると李媽が二階から駆け下りて来た。

「黄先生!」

彼女は言った。

「ぼっちゃんも診てやってくださいまし!」\

江雨薇はぴくりと震えた。老人がすぐに顔を上げた。

「どうかしたのか」

老人は尋ねた。

「熱があるんです!」

だから言ったのに!江雨薇は唇を噛んだ。もとより鉄や銅でできた身体でもない大理石でもない。なんでよりによって雨の夜、しかも春まだ早い季節に。死んだらどうするのよ、あのとんまのまぬけの・・。

「江さん」

黄医師の声が江雨薇を現実に引き戻した。

「診に行くから僕と一緒に来てくれないか」

「えっ、あの私は・・」

江雨薇の目が丸くなった。

「どうかしたの?江さん」

黄医師が不思議そうに尋ねた。

「えっ?いえなんでもありません」

江雨薇はあわててとりつくろうと医薬箱を持ち上げた。

「行きましょう!」

老人も心配そうに立ち上がった。

「あなたはここに居てください」

黄医師が言った。

「もしも伝染の可能性があれば危険です」

「たいした事はない筈だ」

老人は言った。

「せいぜい風邪じゃろう、それに少しの心の病とな」

江雨薇は肝をつぶす思いだった。この老人の千里眼にかかれば昨夜の出来事もお見通しなのだろうか。彼らは若塵の部屋に入っていった。彼は意識もはっきりとして腕をまくらにし大きく目を開きベッドに寝て二人が入ってきたのを見て無愛想に言った。

「なんでもありません黄先生、李媽が大げさ過ぎるだけですよ」

「とりあえず体温だけでも計ろうか」

黄医師は明るく笑いかけた。江雨薇が消毒済みの体温計を彼の目の前にやると彼は視線を一瞬彼女の顔に向けたがすぐにその表情を頑なにこわばらせた。江雨薇も胸の鼓動を加速させ持った体温計を差し出したまま何も言えずに
いた。
しばらくしてようやく彼は口を開け体温計をくわえた。江雨薇はいたって事務的に彼の腕をとると、いきなり跳ね上がり不規則になった彼の鼓動数を計った。彼女は眉をひそめ計り終わると黄医師に告げた。

「108です」

黄医師はうなづいた。次に体温計を調べた彼女は驚いた。39度5分!これでなんでもないって言うの。温度計を渡された黄医師はそれを見るとすぐに聴診器を取り出し若塵の胸を見ようとしたが若塵は煩わしそうに手を振った。

「熱なんかすぐ退いちゃいますよ。大層なことは勘弁してください」

江雨薇はじっと彼を見た。ほんと?あなたの発熱はそんな束の間のものなの?あなたの気持ちも身体も?彼女は見ておれず背を向けたが動悸は却って激しくなってくる。黄医師は往診し終えると立ち上がり江雨薇と一緒に階段を降り老人に告げた。

「重い風邪です。熱が高いので療養が必要です。あるいは肺炎の可能性もあります」

医師はすらすらと薬の処方箋を書いて江雨薇に言った。

「ひとつは注射薬だ、彼に処置してくれ。もう一つは服用薬で4時間に一度。夜中でも途切れさせずに飲ませるよう。明日も熱が退いていないようなら電話をくれ」

江雨薇はうなづいた。黄医師が帰ると耿克毅はすぐに趙を呼び薬を買いに行かせてから江雨薇に言った。

「雨薇」

老人は懇願するように言った。

「お願いだ。あいつの面倒を見てやってくれんか」

江雨薇はひどく心を乱されて老人を凝視した。まさかその言葉って他の意味も含めてない?まったく!彼女は首を振った。今日はいったいどうしたのかしら、誰の言う言葉もぜんぶ意味深に聞こえてしまう。江雨薇、しっかりしなさい、たった一度の出来事でこんなに気持ちを取り乱してどうするの、あなたはなによりもまず先に看護婦なのよ。
やがて薬が到着したので江雨薇はそれを携えて若塵の部屋に入っていった。

「また来たのか」

若塵は彼女を見ると元気なく呟いた。

「俺の部屋は上品な君にはあわないだろ、なんだってまた来た。俺みたいな下卑た野郎は君に看てもらうには値しないぜ」

江雨薇はかまわず近寄ると注射器に薬を入れ気持ちを抑えて言った。

「私は看護婦です」

彼女は淡々と答えた。

「だからあなたのお父さんに面倒を見ろと言われた以上義務があります。さあ注射をします」

そう言って彼の袖をめくった。

「はっ」

彼は叫んだ。

「親爺の命令、それでいやいやってわけか。無理するなよ。仕事だからってへりくだる必要なんかないぜ!」

 彼女は思わず注射器を落としかけた。顔を上げて彼を見てから彼女は自分に言い聞かせた。だめだめ怒っちゃだめ、この人は今熱のせいで自分が何を言ってるかもよくわかってないんだから。だから絶対腹を立てないこと、そ
れに患者を怒らせない、これは看護婦の訓練の第一課じゃない。
彼女は唇を噛みしめて若塵の腕を消毒し改めて注射した。それが終わり彼女が彼の手を掴もうとすると彼はまた拒絶した。

「もういい」

彼は冷たく言った。

「いやいやされるなんてたくさんだ、もう出てってくれ」

「まだ飲み薬があります」

彼女の声は抑えきれない気持ちの高ぶりに震えてた。

「あなたが飲み終われば出ていきます!」

「君の手からは飲みたくない」

彼はわがままな子供のようにむかっ腹たてながら言った。目が真っ赤だ。

「翠蓮を呼んでくれ!」

「わかりました」

彼女はくるりと背を向けると言い放った。

「翠蓮を呼びます!」

その時、若塵の手が彼女の手を掴んだ。その手は火のように熱い。彼女は彼のほうを振り向いた。彼女の目からは大粒の涙がこぼれている。彼はひどく驚き、跳ね起きると彼女を強くひきよせその顔を仔細に見つめた。

「泣いてるの?どうして?」

彼の声はたちまちトーンダウン、しやがて彼は困ったように首を振った。

「俺なにを言った?またやっちゃったのかな??」

彼はしっかりと彼女の手を握っていたことに気づくとすぐに手を放しまるでそれが元凶であるかのように毛布の中にさっと引っ込めぽそぽそと呟いた。

「ごめんよ、雨薇、本当に悪かった。もうしないよ」

彼女は腰をかがめ彼の肩を押さえベッドに横にさせ毛布をかけるとそっと言った。

「お薬を飲んでくれるかしら?」

彼はばつが悪そうに彼女を見た。

「怒ってないって言ってくれるかい」

彼は尋ねた。

「ええ」

「じゃあ、飲むよ」

がらりと子供のように大人しくなった彼であった。彼女はベッドに腰かけ水と薬を手にすると彼の頭を支えて飲ませた。その間じゅう彼はじっと彼女を見つめながら手でそっと彼女の頬に触れて小さな声でやさしく囁いた。まるで夢を見ているかのように。

「もう泣かないで、雨薇。それに怒らないでくれ、雨薇。俺もわかってるんだ、自分がどれだけ低劣でダメな奴か。もうあんな事は絶対に言わない、誓うよ。・・そうさ絶対だ!・・もしも俺が間違ったら・・」

彼の声はしだいにとぎれとぎれになっていった。注射の効果が出始めたのだ。

「もしも俺が間違ったら・・言ってくれ、叱ってくれ、だから・・もう二度と泣かないで、怒らないで・・」

彼の手が力なく下がり声はやがて聞き取れないほどになった。

「俺は、・・ろくでなしだ。ろくでなし・・」

彼は目を閉じ眠りについた。江雨薇はしばらくそこに座ったまま彼の寝顔を眺めた。涙で視界がぼやける。彼女は手を彼の額にあてて驚いた。
なんて熱い!彼女は鼻を啜り手で頬の涙を拭ったが涙はあとからあとから湧いてきて彼女を当惑させた。そうしてようやく彼女が腰を上げ部屋から出ようとした時、ちょうど入ってきた耿克毅とばったりと出くわしてしまった。

「どうしたんだ?」

耿克毅は彼女の顔を見ると顔色をさっと変えた。

「病状はそんなに重いのか?どうしてお前は・・」

「いいえ、耿さん」

彼女はあわてて言った。

「よくお休みになってます。安心してください。私がついていますから」

老人はいぶかしげに眉をしかめ彼女を見つめた。

「だが・・」

彼女は涙を拭った。

「なんでもありません!」

彼女はきっぱりと言った。

「あたしちょっと気分が悪いだけなんです!」

不思議がる老人を残して彼女はさっと自分の部屋に逃げこんだ。そのままベッドに倒れこんだ彼女だったがやはり涙は止まらない。どうして?なんで泣くことがあるの?それは昨日の出来事のせい?それともさっきのひどい言われようのせい?それともその後にかけられたやさしい言葉のせい?
自分の気持ちのおきどころが見つからない。涙をもうすっかり拭い彼女は仰向けになり天井をじっと見つめながら自分の心の分析と整理を始めた。昨夜から今朝にかけての一連の出来事の流れ。なぜ彼が自分を邪険に扱った時ひどく心が
傷ついて、なぜ彼がやさしい言葉をかけた時悲しくてたまらなかったのだろう。彼女は幾度も自分に尋ねたが遂に最も大きな可能性が彼女の心を占めた。

”まさかこれが恋というもの?”

その大胆な仮説は彼女の心を大きくゆさぶった。驚きに彼女は目を見開いて天井の灯りをじっと見つめた。そんなことってあり?それは前触れもなくやってきて心を痛みと切なさで満たすなんてことがあるの?
彼女は始めて彼と出会った日を思い出した。病院の廊下のつきあたり。その人は自ずから引き寄せる様に彼女の前に現れた。それからあのゴミ箱部屋での長い会話。それからそれからこの3ケ月間の朝夕のこと。彼女は彼のデザインした服を着て彼の前でひらりと舞った、彼に合わせて詩を詠い、一緒に培中培華兄弟をあしらい、一緒に老人の身を案じ、幾度となく庭園を散歩し雨の中で語り合った。
どうして気がつかなかったのだろう、あれが始まりだったかも知れないことに。新しい発想は彼女を更に驚かせると同時に心胆寒からしめた。昨晩自分は彼にいかに非情に接しただろう。

「江雨薇・・」

彼女は一人つぶやいた。

「救いようのない事言ったわよね、あれを忘れる人なんていないわ!」

けれどあれは嘘でもない筈、実際あの人は放蕩息子だったし悪い女とつきあってたのも事実。彼女は起きあがり座り込むと手を頭にやり抱え込んだ。違う、あたしはその尻軽女の身代わりになりたいわけじゃない。問題は彼が彼
女を本当はどう思ってるかだ。
彼の気持ちは?本心は?彼女は繰り返し自問した。哀れなり江雨薇、二十三歳にもなって愛することも愛されることも知らないなんて。ただ苛立たしくじれったい。彼女が首を振り鏡の前に向かうとそこには普段と全く違う自分がいた。乱れた髪に青ざめた顔、涙に濡れた瞳。彼女は指で鏡をそっとなでると小さな声でつぶやいた。

「いいこと江雨薇、この風雨園の魔力に惑わされちゃだめ、途方もない夢なのよ、あの人は億万長者であなたは身よりもない看護婦、はっきり立場をわきまえなさい、しっかり自分を持って決して惑わされないこと、あんたなんてあの人にとってはただの間に合わせなんだから!」

彼女は櫛を手にとると髪をすき浴室に行き顔を洗った。そして薄化粧をすると再び才気溌剌な自分を取り戻したように思えた。

「考えるだけ無駄」

彼女は自分にそう言い聞かせると鏡に向かって微笑みかけたがやはり不自然甚だしい。心のもつれが依然ほぐれないまま彼女はあの詩の一節を思い出した。

「この世続くかぎり 愛はとこしえ

 心はあざなえる綱のごとし

 ついには千千にからまれり」

彼女は少しぼんやりしてからぺンをとり今の自分の気持ちを織り交ぜて一編の詩を綴った。

「世界の終わりはいつ?

 愛の終わりはいつ?

 我が心の深い場所に

 千千(ちじ)のもつれあり

 解けることない多くのもつれあり


 庭園に風雨は満ち

 この愁いはいつまで続く?

 我が心の情は誰が知る?
 
 この庭園の門をくぐりし時より
 
 風は吹かず 月に隈なく

 ただ我が心に幾重のもつれあり

 誰が結び 誰がほどかん

 ・・・ 」

彼女はなおも書き進めたかったが急に身震いがして頬が燃えるように熱くなった。何をはにかんでるのよ、こんなものを書いて。彼女は筆をおろすと腕時計に目をやった。もう十二時、昼食の時間である。
 階下に降りた時彼女はすでに心の平静を取り戻していた。食事の支度は李媽によってすっかり出来ている。老人は椅子にもたれなにやら鬱々と考え事をしていたが江雨薇が降りて来るとこそっと様子をうかがった。まるで叱られるのを恐がっているか、あるいはなにかを探るかのように。江雨薇はそれに勘づくとすぐに明るくふるまいながら老人に微笑みかけた。

「若塵は寝てらしゃいますか」

彼女は尋ねた。

「ああ、さっき李媽に看に行かせたばかりだ」

老人は言った。

「よかったです」

彼女はぴょんぴょん跳びはねんばかりに食卓についた。

「安心してください、耿さん。あの人は昨晩雨に打たれて風邪をひいちゃったんですけど注射を打ってからぐっすりお休みになりましたからもう大丈夫です!あの人ほどの身体なら少々の病気なんてへっちゃらです」

彼女はテーブルを見て歓声を上げた。

「わあ、大好物の砂鍋魚頭だ、もうお腹ぺこぺこ!」

彼女の快活さはなんとか老人に伝わり二人は昼食の団欒を始めたがそれでも老人は時折江雨薇のほうをちらちらと窺い、最後にとうとう彼女に尋ねた。

「雨薇、わしのバカ息子がお前になにか失礼をせんかったか?」

江雨薇は老人がそんなに直接的に口にするとは思っていなかったので一瞬どきりとしたが、すぐに自然さを装いつとめてさりげなく答えた。

「ええ、ちょっとだけ。でももうすんだ事です!」

「それならいいがな」

老人はほっとしたように言った。

「まともに相手にせんでくれ。あいつはとかく言行不一致だからな」

えっ?”まじめ”に受け取るなって?それに”言行不一致”??世間ではよく子を知るに親にまさる者無しという。若塵はやっぱり”不まじめ”なの?
無理につくった快活さは翼が生えて窓から飛び去って行き彼女は箸を握りしめたまま茫然とテーブルを見つめた。
 食事が済み、若塵が薬を飲む時間になり江雨薇はまた彼の部屋に入った。若塵はぐっすり眠っている。彼女はそっと額に手をあてた。よかった!熱はひいているし汗の量も多い。彼女はバスルームからタオルを持ってくると額の汗を拭い、それからじっと彼を見た。
すやすやと眠るその顔の真っ直ぐな眉とすらりと高い鼻、薄い唇。気がつかなかった、こんなに魅力的な顔だったとは。彼女はこれまで男性の顔などこんなに仔細に観察したことはなかったが、たしかに彼は抜きんでて器量の優れた若者だった。彼女はしばしうっとりしてからそっと彼を揺り起こした。

「起きて、薬の時間です」

彼は寝返りをうったがまだむにゃむにゃと夢うつつだ。彼女はもう一度揺すった。

「起きなさい若塵、薬よ!」

彼は低く呻きながらゆっくりと瞼を開けたが江雨薇の姿が目に入るとたちまち目が醒めた。

「君か?雨薇?」

彼は言った。

「そうよ」

彼女は苦労して笑みをつくった。

「薬を飲まなきゃ」

彼女は薬と水の入ったコップを差し出した。

「飲んだらまた眠るのよ」

彼は大人しく薬を飲んでから横たわるとまた彼女を見つめた。彼女はベッドに腰かけ枕をなおし毛布を整えてからにっこり笑って言った。

「眠りなおしてね」

彼女は言った。

「また時間が来たら起こしにくるわ」

彼女は立ち上がり出て行こうとした。

「待ってくれ、雨薇」

小さな声で彼がつぶやいた。彼女は立ち止まった。すっかり目を醒ました彼は真摯な眼差しでやさしく言った。

「昨日の夜のことは本当にすまなかった」

消え入りそうな声だった。

「心から謝るよ。どうか忘れてくれ、そして許してほしいんだ・・今までのこと全部」

彼女は首を振った。

「もういいの」

彼女もか細い声で答えた。

「もう全然気にしてません、それに私も謝らなければいけないかも」

彼女の声は更に小さくなった。

「さんざんひどい事言っちゃったし」

「いや違う」

彼はあわてて打ち消した。

「君の言ったとおりだ、君は正しいんだ。君はずっと正しい」

彼はため息をついて唇を噛んだ。

「それからもうひとつ言わせてくれ、雨薇・・」

「なに?」

これ以上ないほどやさしい声で彼女は期待とときめきに胸はずませながら尋ねた。

「祈ってるよ、あの医者と幸せになれるように」

神様!彼女は冷水を頭から浴びたような気持ちですぐさま部屋を出て扉を閉めるとしばらくずっと背中でもたれ胸を押さえ立ちつくした。あの医者と幸せにですって?まったくなんて厄介なの、あのX線は!

【第14章に続く】
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发表于 2006-6-1 09:35:41 | 显示全部楼层
ご説明どうもありがとう!

>お互いが全く悪意を持っていないのに、結果として摩擦が起きる。これが異文化交流の難しいところです。
これはそうですね!
私もそう考えます!しかし、この異文化はある人は認めないですから、とても残念です。

>東レの皆さん本当にごめんなさい
友达日语さんは東レの先生ですか?
私は一度東レ上海の会社に行きました。この会社は本当にいい会社と思います。(笑)
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发表于 2006-6-1 10:16:05 | 显示全部楼层
jewelさんへ。

日中異文化摩擦の一番身近な例は「煙草」ではないでしょうか。

中国には「煙酒不分」という言葉があるそうですね。「酒と煙草はみんなで楽しまなければならない」と
いう意味でしょうか。酒はともかく、問題は煙草。

1. 日本人の側から。「煙草は健康に悪いのに、中国では、いつも吸え吸えと勧められて困る」

2. 中国人の側から。「日本人はいつも一人で煙草を吸って、周囲に勧めない。なんてケチ(吝嗇)なんだ」

これは、ほとんどの日本人が、中国で最初に経験する事のようです。

ちなみに、「酒はともかく」と書いたのは、ただ、私が「飲んべえ(酒鬼)」だからです^^
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发表于 2006-6-1 14:10:03 | 显示全部楼层
これは中国に赴任した日本人サラリーマンの話。

日本人の彼がレストランで一人で酒を飲んでいるのを見た中国人の同僚、「一人で酒を飲むなんて、あまりに
も寂しすぎる」と同情し、大勢の仲間を呼んで来て、にぎやかに「乾杯、乾杯」の酒盛り(酒会)を始めた。

よくある風景です。でも、日本人の立場で考えると、そのサラリーマンはそれを「有難迷惑(倒添麻烦)」だと
思わなかったかどうか、気になります。
なぜなら日本では「一人で酒を飲む」のは当たり前の事。別に「寂しい」とは感じないでしょう。

日本に来た、中国、台湾、韓国の人は、仕事を終えた日本人サラリーマンが、駅の「立ち飲み(站着喝)」で
一人で酒を飲んでいるのを見て不思議に思うそうですね。

日本人は団結意識が強いとよく言われますが、それは「個人が組織の為に自分の個性を殺さなければ
ならない」社会という事でもあります。

組織の束縛から解放された時、一人になりたくなるのは日本人の「悲しい国民性」かもしれません。
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发表于 2006-6-1 14:29:43 | 显示全部楼层
小説は映画より難解で
何冊買ってたが最後まで読んだことは一度も有りませんでした
時間余裕が無いも一つの原因です
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发表于 2006-6-1 15:11:13 | 显示全部楼层
choudandanさんへ。

>時間(の)余裕が無い(の)も一つの原因です

私の場合、毎日2時間の電車通勤は、却って幸運だったのでしょう。満員の車内でできる事と言えば
、本を読む事くらいでした。

それに琼瑶と孟庭葦という、中国語への興味をかきたててくれる対象にも恵まれました。
(「かきたてる」は「挑动」)

最後まで読まなかったのは、きっとその本が面白くなかったからでしょう。面白くない本を無理に読む
必要はないと思います。でも自分が「面白いと思える小説」を探す努力は、しても損はないと思いますよ。

実は私も最初に読みかけた琼瑶先生の「冰儿」という作品はあまり面白いと思えなかったんです。でも
その時、あきらめないで「新月格格」を読み始めたら、これは本当に面白かった。

こういう事を日本の諺では「恩人(琼瑶と孟庭葦)に足を向けて寝れない」と言います。中国語ではどう表現
するんでしょう。私の辞書には載ってません^^
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