|
「——今年は猪年であります」。昨日の年頭の記者会見で、安倍首相が干支(えと)に触れた。そして、またあの「美しい国」を持ち出し、それに向かってたじろがず、一直線に進んで行く覚悟と述べた。
“今年是猪年”在昨天的年初记者会上,安倍首相触及到了生肖,而且还提出面向还是之前他提过的“美丽的祖国”不退缩,勇往直前的决心。
すぐに「猪突猛進(ちょとつもうしん)」が思い浮かぶが、猪のつく言葉には猪への厳しく皮肉な視線がある。この「猛進」は向こう見ずに突き進むことだし、「猪武者(いのししむしゃ)」は敵に向かって思慮もなく無鉄砲に突進する武者だ。なまいきでこざかしいことをいう「猪口(ちょこ)才(ざい)」もある。
马上想到“猪突猛进”,但是有关猪的语言里有着对猪挖苦的感觉。这里的“猛进”是不看目标勇往直前(胡乱猛冲),还有“猪之武士”是指面向敌人不进行思考鲁莽地勇往直前(胡乱猛冲)的武士。也有狂妄自大地说话的“猪口才”这种说法。
これは猪にとっては不本意な扱いではないかなどと思いつつ、東京の上野公園に出かけた。猪の剥製(はくせい)や人間とのかかわりなどを展示した国立科学博物館の「亥年(いどし)のお正月。イノシシを知る」展に、なるほどと思わせる説明文があった。
我在想这对于猪是否情愿呢,于是来到了东京上野公园。在展示猪的剥制(标本)和人类关系等的国立科学博物馆的[“猪年”的正月。了解猪]的展览上,有段让我觉得的确如此的说明文。
「実際には、イノシシは臆病(おくびょう)な生き物で、むやみやたらに突進しているわけではありません」。突進は、何かを恐れてやむなくということもあるのだろう。
“实际上,猪是胆小懦弱的生物,并不会胡乱的勇往直前(胡乱猛冲)的”。 勇往直前(胡乱猛冲)是因为有什么恐惧而不得已为之的吧。
近くの東京国立博物館でも、干支にちなんだ「亥と一富士二鷹三茄子」展が開かれている。望月玉泉の屏風(びょうぶ)絵には、猪が萩(はぎ)の花の中に寝そべる姿が描かれている。臥(ふ)して眠る猪をさす「臥猪(ふすい)」は、亥年を寿(ことほ)ぐ意味を込めて「富寿亥(ふすい)」とも表記するそうだ。
在附近的东京国立博物馆也展开了与生肖有关的“猪和一富士二鷹三茄子(好兆头)”的展览。在满月清泉的屏风画上画了猪在胡枝子花下伏卧的姿势。指伏卧猪的“卧猪”,包含了猪年长寿的意思好像也有“福寿猪”的记载。
「臥猪」は、鎮めて安泰にする意味の「撫綏(ぶすい)」との語呂合わせとして使われたこともあるので、天下泰平を祈る吉祥画とみることもできるという。世の平穏は誰しもの願いだが、首相が「一直線」になることには異論も少なくないだろう。「猪首相」などとは言われないように願いたい。
“卧猪”与表示稳定安泰生活的意思的“撫綏”谐音被人们合并使用,所以据说也可以看作祈祷天下太平的吉祥画。世界和平是每个人的愿望,但是对于首相的“勇往直前”的异论也不少吧。希望他不会被人们说成“猪首相” |
|