咖啡日语论坛

 找回密码
 注~册
搜索
查看: 2518|回复: 9

不思議工房症候群【ひとりぼっちの誕生日】完壁編

[复制链接]
发表于 2007-1-15 00:53:48 | 显示全部楼层 |阅读模式
   本版本是根据抹茶兔那边的听写基础上修改的,应该不会有什么错误.我会挤出时间尽快完成修订版的.(もう完成した)

    ~語り:樱井孝宏

01-
日常で起こる些細で不可思議な出来事、それが人の思考と行動に与えていく過程と結末を知りたいとは思いませんか。この物語はあなた自身の好奇心と願望に基づいて構成されています、ともすれば見落してしまいがちのいつもの風景のなかに、あなたが不思議工房を見つけることができるようにお手伝いしましょう。


02-

電話が鳴った。出勤前のあわただしさの中で、僕は面倒くさいと思いながらも受話器を取った。「もしもし。ああ、君。今忙しいんけど。え?誕生日?僕の?ああ、今日だっけ。でも、別になにもしてくれなくていいよ。いちいち電話なんかかけてこなくていいから。え?どうしても会いたい?今日は無理だっていたじゃないか。じゃ、もう、仕事いくから。」乱暴に受話器を置いた。彼女からの電話だった。夕べもあった。この忙しい時にと思いながら、玄関を飛び出した。自分の誕生日なんか、すっかり忘れていた。それよりも仕事だ。今日はでかい契約がある。これが成功したら、僕は間違いなく昇進する。同期の連中の悔しがる顔が目に浮かぶようだ。へん、あんなやつらに負けてなるものか。何だって僕はエリートなんだから。大学卒業後、大手商社に入社して、二年になる、僕はここで出世の道を掴む、そう心に誓って仕事に打ち込んできた。ライバルを押しのけ、とにかく前へ前へと突き進む。手段は選ばない、それが僕のやり方だ。一方で、仕事しかがないと思われるのは得策ではない。仕事に遊び。それに、私生活充実しているように見せなければ、この競争社会、信頼を得て抜きん出るのは難しい。得意先の人間とは、徹底的に遊ぶ、どうせ会社の経費だ、いくら使っても結果さえ出せば問題ない。朝まで飲んで、羽目を外すことだって、当然仕事の一環だ。は、得意先に僕が愉快で親しみやすいやつだと思わせればいい。彼女だって当然必要だ。正確に言えば、彼女くらい作れない男は仕事が出来ないと思われても仕方がないからだ。年をとれば、妻帯者の方が信頼度が高い。だから、婚約者の方が聞こえがいいこともある。だが、注意点もある、社内恋愛は極力避けなければならない。分かれた時の相手の出方次第で、社内表現を下げることが考えられるからだ。出世の妨げとなる。彼女常に外に存在する方が都合がいい、何かあった時の面倒もない、友達も厳禁だ、特に社内には必要ない。不覚にも心を許して、足元を救われる可能性があるからだ。社内にあっても、一緒に遊んだりする時間が惜しいだけだ。出世して社会的地位を築きあげる、それだけが僕の望みだ。他には何も要らない。その為に必要なものだけがほしいのだ。
03―

「おはようございます!」朝の挨拶も元気な方がいい。その方が上司に受けがいいからだ。今朝もスマートに決めてやる、何だって今日は大仕事があるからな。準備も昨日の内に完璧に済ませてある。午後3時に先方のオフィスに出向けばそれですべて片付く。契約が済んだら、夜が祝賀会だ。部長達がねぎらってくれる予定だ。午前中に彼女から携帯あった。「またか、忙しいといってあるのに。」電話に出た僕に、彼女はどうしても今日中に会いたいという。夜はだめだ、主役の僕が祝賀会を抜けるわけにはいかない。どうせ午前さまにきまっている。今日は無理だと説明しても、彼女は急用だからどうしてもという。電話を切ろうとしたら、泣き出した。「これだから女って奴は」これ以上長引くとかえって面倒のことになると思い、昼休みに会うことにした。人目につかないように会社から少し離れたビルのレストランを選んだ。何かにつけ、細心の注意が必要なんだ。彼女が暗い表情をしてやってきた。なんだか思いつめたような感じがする。嫌な予感がした。「とにかく話だけ聞いて、早く切り上げなければならない。」そう思った矢先彼女は突然難題をぶつけてきた。話を聞けば、両親に見合いをせまられているという。結婚を約束した人がいるから断ろうとしたらその人間に合わせろうといったらしい。それが出来なければ、田舎に帰ってこいというのだ。しかも。両親が上京して来るのは今日ではないのか。「なぜ早く言わない」と窘めると。ここのところを会ってもくれないし、電話でも録音を聞いてくれないと逆に言い返された。しかも、今日は僕の誕生日だから、一緒に祝うつもりいたのに、時間も作ってもくれないっと。まあ、確かにそうだが、しかし、よりによって今日はまづい。嫌、今日だけじゃない、まだ結婚するには早すぎる。まったく、面倒な話をもちこんだものだ。今の僕はそれどころじゃないのに。面倒くさくなった。「お見合いすれば?」あっさりと僕の言葉に彼女の顔色は見る見るうちに変わった。彼女は涙声で「どうして」と言った。僕はそれには答えずにデンピを取り席を立った。仕方がない、仕事優先だ。それに彼女の代わりはいくらでもいる。「じゃ、元気で」そのまま立ち去る僕の背中押しに彼女の覚えずが聞こえた。面倒を起こすタイプの女じゃない、それだけは付き合う過程の中で確認済みだ。ひとしきり抜けば、素直に諦めて、見合いをすることになるだろう。その方が、彼女のためになる。僕にとっては今は仕事だ、速く会社に帰って、契約の準備をしな ければらばならない。僕は彼女を残したままレストランを後にした。


[ 本帖最后由 guo828 于 2007-2-21 23:51 编辑 ]
回复

使用道具 举报

发表于 2007-1-17 18:13:33 | 显示全部楼层
哇~~~又看到了樱的工房了真感动 亲是在抹茶兔那边的听写基础上改的吗?
PS:亲爱的 字有点大~~~
有些错误之前已经给兔兔指出,兔兔是不是没在这里发修改后版本阿
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2007-1-19 08:31:15 | 显示全部楼层
04-

オフィスに戻るとなんだか午前中と様子が違うことに気づいた。みんなは僕と視線を合わそうとしない、なんだか不愉快になってきたが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。デスクにもどったところで、部長に呼ばれた。まあ、契約準備の再確認だろう。今日は僕が部長と課長に伴って、先方に出向く手筈となっている。
僕:失礼します。
ドアをノックして、部長室に入った僕はそこで不穏な空気を感じた。部長と課長のほかに、同僚の一人がいる。「何でこいつがここにいるんだ?」僕が怪訝な顔をしていると、部長がきっぱり言った
部長:残念だが、今日の契約はきみではなく、彼と行くことになった。
頭をハンマで殴られたような衝撃に僕はショック状態に陥った。全身がわなわなと振るえ、顔面がぴくぴくと痙攣しているのが自分でも分かる。
僕:なぜ~ですか?理由を説明願いします。
そういうのがやっとだった。今回の契約を取り付けるのに、僕がどれほど苦労をしたのか、お前らは分かっているのか。いたい何ヶ月かかったと思っているんだ、この契約で、うちの部署がどれだけ業績を上げられると思うんだ。僕に感謝こそする、こんな仕打を受けるいわれはない!僕の表情を察したのだろう。部長が重い口を開けた
部長:先方が君とは契約しないといってる。君にあまりいい印象を持っていないようだ。わが社としても、この契約はかならず成功させたい。分かってくれるなあ。
僕はそれ以上抵抗することもできずに、部長室を後にした。「そんなばかな」という思いが頭を駆け巡る。「何がまずかった、どこで失敗した?全てが完璧だったはずだ。もしかしたら、誰かの罠かもしれない。僕を陥れようとする誰かの?そいつは誰だ?僕の仕事を奪ったあの同僚のやつか?きっとそうだ、そうに違いない。しかし、先方だと言ったぞ。そうか、分かった。あいつがクライアントに僕の悪口を告げ口したに違いない。そうだ、そうに決まっている。」部署を戻るとみんなが哀れみの目で僕を見ているのが分かった。「やめろ!そんな目で僕をみるな!僕がお前なんかに同情されるほどに落ちぶれちゃいない!頼むから、そんな目で見ないでくれ!僕はそのまま会社を出た。

05-

さぞかしい絶望的な顔をしているのだろう。ふらふらと歩く僕をすれ違う視線が容赦なく突きさす。不意に声をかけられた。
「よ、久しぶり」といって近づいてきた男は見覚えのある顔だった。
僕:お前は~?
大学の同期だったやつだった。すぐに顔の赤くなる対人恐怖症、いや、女性恐怖症だったか。とにかくむしずに走る。見ていていらいらする奴だったことを覚えている。だが、今目の前に立っている男が、およそそんな記憶とは無縁だ、あわやかな人間だった。隣にマタニテイーを着た女性を連れている。見るからに幸せそうな新婚カップルだ。こいつ本当にあいつなのか?女性恐怖症じゃなかったのか?じろじろ見る僕の視線に答えるように、彼は笑っていた。「自分達は結婚したんだ」と。
僕:へえ、お前女性恐怖症じゃなかったっけ。
皮肉をたっぷりと込めて、隣の妻も聞こえるように言ってやった。そういえば学生時代、ずいぶんとこいつをからかったことを思い出だした。しかし、彼は妻と顔を合わせるなり、くっすりと笑った。おまけに「お前辛そうだな」と言いやがった。僕がきれた。「何だ、お前にそんなことを言われる筋合いはない。落ちこぼれのお前なんかに。」彼はやれやれといった顔をして、こちらが聞きもしない、自分達のことを話始めた。「僕たちは不思議工房で出会い、幸せになった。今は何もかも充実にしている、お前も頑張れよ。」そういい残して、僕を背を向けた。屈辱だった。悔しさに血管が切れそうな思いだったが、一方で、彼の言った不思議工房という言葉に気になっていた。結婚相談所かお見合いサークルか何かか。それにしてもよくあの女性恐怖症が治ったもんだ。ふん、幸せになってよかったなあ。捨て台詞のような独り言を吐き、僕もその場を離れた。夜の祝賀会がなくなってしまったが、かといって、彼女に頭を下げるのが御免だ。どいつもこいつも胸くそが悪い。まだこんな時間か。くそ!パチンコでもして、憂さをはらすか。店内はほぼ満席だった。タバコの煙りで、視界が霞む。何とか空いている台を見つけて、打ち始めたが。まったく玉が入られない。パチスロをやって見たが、数字なんか揃いやしない。剥きになってやっていたが、ふと、吾身の情けなさに嫌気が差した。どうして僕は朝から台にしがみついているような連中と一緒になってパチンコなんかやってみなければならないんだ?くだらないったらありゃしない。「面白くない!」店をでると、ようやく夕暮れに指しかかったところだった。暇をもて余したことがないから、こういう時、何をしていいかよく分からない。酒でも飲んで帰るか。吐き捨てるように言って、目の前の赤提灯ののれんをくぐった。「いらっしゃい!」店の主人の勢いが癇に障る。時間が早いせいか、店内には他に客の姿がない。適当なテーブル席を選んで、どっかと腰を下ろしビールを頼んだ。酒はずんぶん鍛えた、少々だったら正気を失うことがない。しかし、この日はそれがかえって仇になった。いくら飲んでも酔えないのである。「くそ!」赤提灯をでたが今度は行く先に困った。なじみの店にいくてもあるが、会社の経費ならいざ知らず、自分の金を使うのはばかばかしい。それでなくても、今の自分の姿を顔見知りの前にさらすなんで、まっぴらだ。当てもなく歩いていた。歩いてみたところで、なにもない。ただ、いつもの町の風景があるだけだ。「帰ろう。」諦めて、家の方向に足を向けると、奇妙な看板が目に入った。戸板に筆で殴り書いたような文字を見て、僕はあっと声を上げた。「不思議工房」と書かれている。とっさに、同期の彼の言葉が思い出した。「僕たちは不思議工房で出会って、幸せになった。」ちょっと興味を持った。何とか道場のような看板と古びた家、およそ近所の学習塾にしか見えない「不思議工房」はきっとお見合い塾みたいなものだろうと思った。

评分

1

查看全部评分

回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2007-2-2 05:33:42 | 显示全部楼层
06-

多少の暇つぶしにはなるか、そう吐き捨てて、僕はがたつく引きドアを開けた。中はがらんとのように思えた。目を凝らすと、奥にカウンターらしき大机があった。机越しに座っている人影が見える。僕はつかつかとそこに歩み寄った。人影は老人だった。辺りを見回したが、商品らしき物が見当たらない。やはりお見合い塾か、サークルの類だろう。すると、老人が眼鏡越しに僕を見上げて、低い声で言った
老人:ご注文ですか?
僕はカウンター前のパイプ椅子に腰を下ろすとかなり横柄な態度で言った。僕:ちょっと、聞きたい事があるんだけど
老人:どうぞ。
老人は落ち着いた様子だった。
僕:前に女性恐怖症の奴がここに来なかった?あいつ何を買っていったの?
老人:幸せを買っていかれました。
僕:はあ?
僕はぷっと吹き出すと今度は大声を出して笑った。
僕:ふん、ははは、こりゃいい。あいつはここで女と幸せを買っていったわけだ。ははは~
老人:そんなに可笑しいですか?
僕:だって、そうじゃないか、こんな怪しいところで見会いするなんて、まったくあいつらしいじゃないか。
老人:ご注文がなければ、お帰りください。
老人はいたって冷静だった。僕は笑いを止め、老人に顔を近付けて言った
僕:いや、注文はある。ここでは幸せを売っているんだろう、俺にも分けてもらえないかな、幸せとやらを
老人:では、これに住所とお名前、ご注文をお書きください。
老人は僕の態度を気にも止めない様子で、紙と鉛筆を差し出した。
僕:何これ?
それは「注文書」と書かれた白紙に近い紙。それにどこにでももあるような鉛筆だった。
僕:注文書なのに鉛筆なの、ボールペンのほうがいいじゃない?
あまりに適当な書式だったので、皮肉を込めていった。
老人:鉛筆で書いた文字がいずれ消えていくものです。幸せとはそれほど果敢なく尊いものです。
丁寧な言葉遣いだったが、面倒くさそうにも感じられる。早くしろうと言わんばかりと受け取れた。なんだかむかついてきた。何もっともらしいことを言っているんだ。そんなのこじつけに決まっているじゃないか。そう思いながら、ふんと鼻を鳴らして注文欄に『出世』と書いた。僕の幸せがそこにしかない。お見合いの類いを扱っている業者には到底無理な注文だ。
老人:かしこまりました。
老人がいとも簡単に言って、控えを渡して寄越した。ご注文の品は後ほどお届けします。
僕:出世を届けるだって?どこまでふざけた業者なんだ。まあ、お手並みを拝見といくか。
僕はせせら笑っていった。
僕:支払いはどうするの?
老人:後払いの成功報酬となっております。
僕:ふん~
どんな仕組みか分かりませんが、要は僕が出世出来なければ払わなくてもいいわけだ。出世すれば、いくらでも払えるしな。正に出世払いだ。こりゃ、ますます楽しみだ。

07-

不思議工房を出た。なんだか少し愉快な気分になって、飲み直そうと思ったら、おあつらえむきに、ショットバーの看板が目に入った。この辺では見かけたことのない店だったが、少し引っ掛けていくには丁度いい。そう思って、雑貨ビルの階段を下り、ベルのなるドアを押し開けた。目の前がすぐカウンターだ、客らしき男が一人酒を飲んでいる。カウンターの奥で、マスターがシェイカーを振っている。僕はその男の隣に腰を落ろし、ジンのロックを頼んだ。暫くすると、男が話しかけてきた
男:よ!一人か?なら一杯奢るぜ。今日は俺の誕生日なんだ、祝ってくれ。
普段なら、見知らぬ男と会話する気は毛頭ない。だが、その男の『誕生日』と言う言葉を聞いて、僕は少し話す気になった。
僕:僕もだ
男:おお、そうか、そいつはめでたい。お互い一人ぼっちの誕生日なわけだ。
男:よし。徹底的に飲もう。
男と飲むうちに、こいつは意外に気の合うやつかもしれないと思った。大手の企業に勤めていて、出世することが大事だと言う、その為には何だってやってやる。彼はそう言った。境遇と考えの似たもの同士ということで、僕たちは盛り上がった。そのうち彼がもっといい店で飲み直そうと言うので、ここを出ることにした。彼の言い方にマスターが嫌な顔をしたが、まあ、酒の席だし、気にしないことにした。勘定は彼が払った。どうせ会社の金だからと言って笑っていた。店を出ると、彼が自分の馴染の店に行こうと言い出した。人の馴染ということは自分の馴染ではないから、羽目は外せないな、と頭の片隅で思ったがたまには人に従うのがいいだろう。

08-

繁華街のやや小綺麗なビルの上の階にその店はあった。どこにでもあるようなクラブだ。僕がいつも接待で利用している店とさほど変わらない。それほど下世話な店じゃないし、高級感もある。店に入ると、女の子たちが出迎えてくれた。席に着くとウィスキーのボトルが出てきた。僕たちはすでに相当量のアルコールがはいっていたが、勢いでまた飲み始め、女の子達と騒いだ。一頻り飲んでいると、僕はだんだんと自分が不愉快な気分になっていることに気づいた。店の女の子はみんな彼の周りに集まって、はしゃいでいる。僕の隣にも一人いるけど、無口なのか、乗り気がしないなのか、あまり口を開かない。僕が自分が一人ぼっちのような気がしてきて、無性に腹が立った。何だ、楽しんでいるのはあいつだけじゃないか。やっぱり人の馴染の店に行ったって、面白くもなんともない。それに、もっとこっちに気を遣ってもいいんじゃないか。自分だけ楽しけりゃいいなんて、本当に呆れたやつだ。こんな奴と少しでも気が合うなんて考えた僕が馬鹿だった。
僕:もう出よう。
僕がそういうと彼は『まだいいじゃないか』と言って、もうひと盛りあがりする。こっちの気持ちに気づく気配さえもない。終電が近いからといって席を立とうとすると、さすがに彼も仕方がないと言った風に勘定を始めた。勿論彼持ちだが,領収書を切っている姿を見れば、別に心が痛まない。どうせ会社の経費だ。店を出てずんずん歩いていると彼が後ろから追いついてきて、言った
男:どうした、ずいぶんご機嫌ななめだな。
僕:そりゃそうだろう、自分だけ楽しんでりゃいいってもんじゃない。
男:はあ?何を言っているんだ?こういうところに来たら楽しまなきゃ損だろう。楽しめない奴は馬鹿なのさ。
僕:何だと?
腹にすえかねてにじり寄ると、彼はせせら笑うように言った
男:ふん、おかしなやつだなあ。お前だってしょっちゅうやっているんじゃないのか?友たちもいないって言うから、この俺様が付き合ってやってるんだぞ。感謝されこそすれ、文句なんて言われる筋合いはないだろう?
僕:友たちがいないわけじゃない、作らないんだ!
そう言い返すと彼は冷たい目で言った
男:作らないじゃなくて、出来ないんだよ。お前の友たちになろうなんて殊勝な奴がこの世にいるのか?
僕:き、貴様!
こんなつは殴ったってかまわない、そう思って、拳を振り上げた矢先にハプニングが起きた。気づくと、彼の前に女性が立っている。泣きながら、彼に何かを訴えている。僕はやり場のなくなった拳を下ろすと、呆然とその光景を見つめた。痴話げんかのようだった。察するに別れ話を切り出された彼女が男にすがっているようだ。それにしても、彼女が必死な様子だった。よほど彼のことが好きなのだろう。『分かれたくない。』を連発している。暫くすると、揉み合いになった。
僕:おい、寄せ!
僕は見兼ねて声をかけたが、その時にはもう彼女は突き飛ばされた後だった。路上にうずくまって鳴咽する彼女を目尻に、彼は歩き出した。その後追いかけ、肩を掴んだ。
僕:なんて乱暴なことをするんだ!
彼は冷たい目をして、振り向きざまに言った
男:代わりはいくらでもいるだろう。
僕:こ、この野郎!
どうしても許せない。そんな感情がふっと湧いて、衝動的に僕は彼に殴りかかっていた。しかし、僕の拳はあっさりとかわされ、勢いで地面に転がってしまった。その脇腹に蹴りが入って僕はのたうち回った。彼のせせら笑いが聞こえる。
男:へへへへ、本当にどうしようもない奴だなあ、お前は。自分のやってることを棚に上げて、人を非難する立場にあると思っているのか。
僕:う、う、う~
呼吸ができない、僕はうずくまっているのが精一杯だった。『そうだ、お前にいいをこと教えてやろう。お前が気づいていないだけの、とっておきの面白い話をな。
僕:な、何を?
男:いいか、どんなにエリード面してたって、所詮俺たちががちっぽけな存在なんだよ。出世、地位、金、名誉のために人を蹴落とすことに必死になって、そんなくだらないことに一喜一憂している。他人を信用出来ないから友達が作れない。そのくせ小心者だから、いつも人の目が気になる。心から笑ったことがない、そんな俺たちが本当に出世して人の上に立てると思っているのか?
くそ!声が出ない、こいつはいったい何を言いたいんだ。
男:俺が思うにな、傍から身ていてこんなに面白い人間がいない。お前もそう思わないか。くだらないことに必死になっている人間こそ自分が滑稽なことに気づかない。そんな俺たちの存在を一言で言ったら、何だと思う?
返す言葉がない。幾分呼吸ができるようになったが、こいつの威圧に勝てる気がしない。
男:ギャグなんだよ。
僕:ギ、ギャグだと?
男:そうさ、周りのみんなそう思っている。影で笑い、同情し、蔑み哀れんでいる。それに気づかない俺たちの存在はギャグそのものじゃないか。こんなに面白い人間が他にいるか?どうだ、お前も面白いだろう?これが笑わずにいられることか?俺は可笑しくてたまらないね。あ、はははは。
僕:ゃ、止めろ。
男:俺もお前もギャグなんだよ。
僕:や、やめろう!
09-

はっと気づくと、そこは最初に入ったショットバーのカウンターだった。あわてて辺りを見回すが、あの男の姿が見えない。目の前にマスターがいるだけだ。あれ?いつの間にか、僕は寝ってしまっていたのか。恐る恐るマスターに尋ねてみた
僕:あの,先まで隣にいた男の客は~?
すると、マスターが怪訝そうな顔をした。
マスター:何を言っているんですか?今夜のお客さんはあなた一人だけですよ。それより、そろそろ弊店時間なんですが~
店を出て歩き出した僕は、それでもなんだか納得できない気分だった。可笑しい、僕は夢でも見ていたのか?それにしては,あまりにリアルな夢だ。生々しい感触だって残っている。脇腹に手を当ててみると、ずきっと痛みが走った。やっぱり夢なんかじゃない、これはあの男にけられたせいだ。きっと気を失った僕をあの店に運んできたに違いない。警察沙汰になることを恐れて、マスターと共謀して,僕をはめやがったんだ。くそっ!何て奴だ!明日になったら、あの店にもう一度行って、どこのどいつだか調べてやる!絶対に許さないぞ!そこまで考えて、僕はあることに気づいて、ふと足を止めた。待てよ、あいつ、どんな顔をしてたっけ?あれだけな長くいたのにあいつの顔が思い出せない。それじゃ、見つけられないじゃないか?顔が分からなければ、とぼけられておしまいだ。そんな馬鹿な、なぜ思い出せないんだ!暫く考えてみたが、どうしてもはっきりしない。もしかしたら、本当に夢でも見ていたのではないかと気さえしている。『そんな馬鹿な。』僕は独り言を言って、今日のところは考えるのをやめることにした。少し酔いが回っているだけだ。明日になれば思い出せるだろう。そう自分に言い聞かせて家路を急ぐことにした。明日からの仕事に、どう取り組めばいいか分からなかったが、とにかく疲れていて眠かった。

[ 本帖最后由 guo828 于 2007-2-17 15:02 编辑 ]
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-2-2 23:18:11 | 显示全部楼层

物語について

意味深長
でも幸せと言うものは一体なんだろう
親の目を見ると自分のやりたいこと、本当の気持ち、好きのようになろうと言う意識が全て罪。私の幸せは他人にとって別なんだ。
重々しい物語
重々しい人生
重々しい新単語でも (字有点小)谁说字大
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2007-2-17 23:27:45 | 显示全部楼层
10-

自宅マンションのドアを開け、電気をつけると、奥のリビングのテーブルに何か置いていてあるのが見えた。そばに行くと、それがバースデーケーキとそれヲ囲むようにきれいに並べられた料理だった。どうやら、彼女が来ていたらしい。まちくたびれで、帰ったのか、そう思いながら、急にむしゃむしゃしてきて、僕はそれをテーブルごとひっくり返した。『こんなもの!』がしゃんと音を立てて割れるテーブルガラスと、飛び散る無残なケーキや料理の姿を見て、僕は益々息苦しくなった。これは僕へのあてつけか?一人ぼっちの誕生日を祝ってあげるとでも言いたいのか?そうやって、僕を影て笑いるのか?もううんざりだ!興奮したからだを鎮めようと、僕は洗面台に向かった。顔でも洗ってもう寝よう。今日は本当に酷い一日だった。しかも、こんな日が誕生日とは。洗面台に立った僕は、そこで『あっ』と声を上げた。すぐ目の前にあの男がいる、あの男の顔がある。今はっきりと思い出した、あの男に違いない。あいつは、あいつはー僕だ。がくんと足を折り僕はその場に蹲った。鏡の中の自分を見て、ようやく気づいたことに、自然と笑いが込み上げてきたた。『くっくっく~、あ、ははははは~』僕は笑い続けた。これは可笑しい、こんな面白いことはめったにない。そうだ、あいつの言う通りだ、自分がこれほど滑稽な存在だったなんて、初めて気づいた。こんな僕に、会社が大事な契約を任せるはずがない。そんなことにいまさら気づくなんて、なんて馬鹿なんだろう。同僚たちが部長室から悲壮な顔して出てきた僕を哀れむ姿を思い出した、大学の同期が『お前、辛そうだなあ』の言葉を思い出した。そうだ、僕のしていることは全てギャグにしか見えないんだ。笑いが止まらなかった、笑いすぎて、涙が出た。そのままふらふらとリビングに戻ると、飛び散った料理の間に、置き手紙が見えた。彼女の字だった。

『暫く待っていたけど、余計なことしてとまた怒られそうだったから、今夜は帰ります。勝手に上がり込んじゃって、ごめんなさい。見合いの話は断りました。両親は怒っていたけど、あなたのことが好きだから。。でも、あなたの将来の邪魔をするつもりはありません、きちんとお別れを言いたかっただけなの。今までわがままな私に付き合ってくれて、本当にありがどう。お仕事頑張ってください。ハッピーバースデイ、お誕生日おめでとう。』

手紙にポツリと涙が落ちて、彼女の字を滲ませた。僕は空いている方の手で、散らばったケーキのかたまりを口にほおばった。甘いものが苦手なことを知っているくせに。そう思ったが、口の中のケーキはほろ苦かった。埃が混じってじゃりじゃりいう感触が余計にに苦さを際立たせた。涙も混じって塩辛い、後から後から涙があふれてきて、彼女の字が判別できないほどに手紙が濡れた。彼女に会いたい!そうだ、今すぐ会って謝ろう,許してくれるかどうか分からないけど、今の僕の気持ちを伝えよう。君が必要なんだ、  と。僕はもっと素直に生きるんだ。

11-

玄関を飛び出した僕は、ふとポストーから覗く一通の白い封筒に気づいた。彼女からの手紙かと思ったら、表書きに『請求書』と書いてある。差出人は『不思議工房』となっていた。封を開けると、中には次のような文言が記されていた『あなたの幸せをお届けします、あなたは人の役に立って生きなさい。これを代償として、生涯払い続けられるようご請求申し上げます。--不思議工房』
外はもうすっかり夜が明けていた。すがすがしい青空が目の前に広がっている。僕はその封筒を胸ポケットに大事にしまうと,世界に向けて,新たな第一歩を踏み出した。それから僕は、何度か彼女を誘って、不思議工房を探してみたが、二度とあの看板を見つけることは出来なかった。
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-2-18 19:26:30 | 显示全部楼层
続けて♯
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-2-21 20:59:09 | 显示全部楼层

物語について

終わってないでしょう。あのうーーーー結果は先に出すのはどうだ。
回复 支持 反对

使用道具 举报

 楼主| 发表于 2007-2-22 07:41:48 | 显示全部楼层
上の階の方、もしCDを聞けばこんな失礼な発言はしないでしょう。とっくに終わったよ!
回复 支持 反对

使用道具 举报

发表于 2007-2-26 23:40:21 | 显示全部楼层

物語について

でも
感心です。
御免。

[ 本帖最后由 nanimo 于 2007-2-26 04:55 编辑 ]
回复 支持 反对

使用道具 举报

您需要登录后才可以回帖 登录 | 注~册

本版积分规则

小黑屋|手机版|咖啡日语

GMT+8, 2024-5-8 03:04

Powered by Discuz! X3.4

© 2001-2017 Comsenz Inc.

快速回复 返回顶部 返回列表