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家族の元に戻ったのは去年の年末頃のことでした、
空港まで迎えに来てくれたのは二番目の義理の兄だった、
つい最近、今の愛車を購入したそうです、
もう 少し最愛の家族に会える自分の気持ちを確かめる余裕もなく、ひどく酔っていた、
ようやく家に着く、車中に熟睡の次男を起こし、慌てて車から降り、手ぶらで家へ駆け込んだ、
「ただいま」、突拍子もない声だった、
やはり、私なりに感動、興奮が身体のどこかに隠れていたんだ、それを自分さえ、気付かなかった、
先頭に出迎えに来る母親が笑顔を浮かべ、「お帰り」、
両腕を」いっぱいに広げて、母を抱擁したかったが、、なぜか、出来なかった。涙を出したくなかったかも、、
抱擁すれば、もっと いたわりを感じれるはず、
抱擁すれば、もっと いたわりが溢れるはずだが、
今の私には 無理があった、
ごめん、抱擁すべき相手だった、
次回 会うときに 必ず 抱きしめてあげると私は決めていた、
だから 今 一緒にいられるこの僅かの時間を大切にする、
二人の息子は思いかけない歓迎ぶりに困惑し、口元だけを緩ませ、笑顔を見せていた、
彼らなりに皆の熱意に応えようと声をひそめて挨拶をした、 |
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