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[公法系科目]
' u" X: @4 n& O8 H/ a〔第1問〕(配点:100)/ D, f' S# s" g' V4 P
A教団は,理想の社会を追い求めて集団生活を営む信者のみが救済されるという教義を信奉しつつ活動する宗教団体であった。A教団には,「暗黒」な部分を除去しなければ理想社会は実現できな9 x# U4 j5 I7 F; m) t5 G, p
いという信条を強く持つ信者も少なくなく,200X年,一部の過激な信者達が,複数の官庁・企業周辺で同時爆弾テロを実行し,その計画,指示,実行に当たった教団幹部や信者は逮捕された。
* j9 x2 G7 r/ xこの同時爆弾テロは,A教団の活動として行われたわけではなかったが,A教団は自発的に解散せざるを得なくなった。その2年後,A教団の元信者達は,同教団の幹部であった甲を代表として,, T( i% ?! w7 `7 T$ C: h
新たにB教団を結成した。B教団は,A教団当時に行われたテロ行為について深い反省の意思を表明し,A教団との決別を宣言している。しかし,同時爆弾テロ事件で逮捕されなかったA教団の元
% x+ a3 }+ i, `幹部が全員B教団の幹部となっており,B教団の教典もA教団の教典と同一である。
+ P1 a+ K {+ h0 X+ n4 TB教団の教義によると,信者は集団で居住して修行しなければならないことになっており,B教団結成に伴い,集団居住のための新たな施設を建設する必要が生じた。B教団は,かつてA教団の$ k: G$ |- m8 }
施設があった幾つかの都道府県で本部施設の建設を計画したが,いずれも反対運動が起こり,断念せざるを得なかった。そこで,B教団は,新たに信者となった乙がC市にまとまった土地(敷地面, K' K9 r6 g @
積1200平方メートル)を所有していたことから,同土地の上に本部施設を建設することを計画した。当該施設は,本部機能を有するとともに,信者が集団で居住し,修行する施設となるもので( g) i" o9 o9 A
ある。8 E1 L+ }# w& e( b
C市は,特例市(地方自治法第252条の26の3第1項に基づき,政令による指定を受けた市)である。C市では,以前から,市民の間に良好な住環境を守ろうとする意識が強く存在し,行政も& M, y# ~& I/ P/ N
それに積極的に対応してきている。C市は,安心して暮らせる安全で快適な住環境の維持に特に注意を払い,独自の「C市まちづくり条例」(以下「条例」と表記)を制定している。この条例は,都* d! v" U2 |: ?% s7 F6 L
市計画法(都市計画法及び都市計画法施行令については,資料1参照)上の許可制とは別に,C市内の「まちづくり推進地区」に指定されている地域における1000平方メートル以上の開発事業/ h8 m4 L, q5 `+ j5 u
(大規模開発事業)について許可制を導入しており,大規模開発事業を行おうとする者に対して,事前手続として,「周辺住民」の過半数が同意する開発事業協定の締結及び市との協議を義務付けて' g3 @6 w7 E4 M. R5 I
いる。そして,条例第18条第2項に定める要件に該当する場合には,市長は,当該開発事業を許可しないことができる(条文については,資料2参照)。
$ f' @; z8 P& Y; DB教団本部施設の建設が計画されているD地区は,都市計画法上は都市計画区域のうちの市街化区域であり,条例上は「まちづくり推進地区」に指定されている。D地区は,C市の中でも住宅地
! [) M9 h5 r A# k1 s2 m! e区として人気が高く,常に各種ランキングで住んでみたい街の上位に位置していた。C市の相談窓口には,「周辺住民」ばかりでなく,B教団の本部施設建設計画を知った市民からも,問い合わせや+ s" V: J+ @; ^- g8 X
要望が多数寄せられるようになった。# i: W4 {/ Z5 u/ ~! u6 L" q3 ]& l
B教団の本部施設建設計画は,都市計画法上の許可要件を満たしている。B教団は,条例に基づいて「周辺住民」を対象とする事前説明会を開催した。この説明会には該当する住民の90%以上7 L5 d P' p& W s
が出席し,出席した住民からは「テロリスト集団を引き継ぐB教団の本部新設は絶対に認められない。」といった趣旨の発言が相次いだ。これに対して,B教団の信者から威圧的な発言があり,出席7 [9 K0 m& Z+ X: I
した住民は一層強い不安をかき立てられた。そして,B教団との間での開発事業協定の締結に同意する「周辺住民」は,一人もいなかった。市長は,B教団との事前協議(その内容については,資
' e: a# R4 f# Y1 |. m F料3参照)の結果を踏まえ,条例第17条第2項に基づいて開発事業の中止を勧告した。しかし,B教団は,これに従わず,計画を実施する構えを見せた。そこで,市長は,条例第18条に基づい/ W# e1 }8 v) k5 I! m" E: i" L
て,C市まちづくり審議会の意見を聴いた上で,B教団の開発事業計画を不許可とする処分を行った。
* ]/ }4 } w6 X6 I) YB教団は,C市を相手どって当該不許可処分の取消し等を求める訴えを提起した。) j, k$ m. v! V3 c. s
(出題者注:本問においては,「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(平成11年4 O, x+ _7 p; Q4 n+ Q
12月7日法律第147号)については考慮しないこととする。)3 V+ P8 _8 M+ e5 T% t* C% v+ u
〔設問〕: h5 z0 v! O- K6 ~7 d7 {
1. あなたがB教団の訴訟代理人だとすれば,この訴訟において,どのような憲法上の主張を行うか,述べなさい。
1 v- {+ V) s, J2. 設問1で述べられた教団側の主張に対する市側の反論を想定した上で,憲法上の諸問題を検討し,あなた自身の見解を述べなさい。- r- ~( S! U7 G, J. F7 d" K+ _+ p
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資料1: 都市計画法及び都市計画法施行令
* }! m1 U" l h E J/ f1 【都市計画法(昭和43年6月15日法律第100号)(抜粋)】
8 ~/ A w2 i) U% F3 S0 R(目的)6 D$ S; {1 |- G" D4 ]% j
第1条この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もつて国- J, ^) r) X5 x# ?0 I
土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
8 r9 V& n& I0 L* z1 C0 M7 v* n# _4 W(都市計画の基本理念)5 o/ j1 Z( J8 M2 B
第2条都市計画は,農林漁業との健全な調和を図りつつ,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られ6 c: _2 g! k( q) O
るべきことを基本理念として定めるものとする。( g8 N# e& h0 J5 @+ j) O, o
(定義); q7 }: B- n4 z- l6 V3 S
第4条1 (略)
" v% l$ L7 Y. Z. [2 この法律において「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域を…いう。7 I$ R9 [! N1 M" R# Y$ w s
3~11 (略)
0 ?2 n) c: z2 |3 d7 N; z1 t12 この法律において「開発行為」とは,主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。3 r V E; @/ C& w& i( B
13~16 (略)
5 d' J: K, T0 H9 [; G1 d& u! E( Q) M(都市計画区域)6 f( M6 h' T+ n) O" h) b b4 W
第5条1 都道府県は,市…の中心の市街地を含み,かつ,自然的及び社会的条件並びに人口,土地利用,交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して,一体の都
# V* P( h! P4 b6 Y1 B市として総合的に整備し,開発し,及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。(以下略)% x7 @, Z+ X. z8 @. c" N
2~6 (略)6 T7 Y2 U2 e& O) P7 T ]/ l' Y
(区域区分)
2 V8 i7 m/ v0 O- d第7条1 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るため必要があるときは,都市計画に,市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定% G. S7 k, r* n. v1 \# h4 W
めることができる。(以下略)
& G2 H$ ~! E: {1 ? K2 市街化区域は,すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
5 {$ ]' j2 w4 h! u3 (略)+ u8 M: d8 J. b2 H7 n& I
(開発行為の許可)
s; |, @" s( u% \第29条1 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事(地方自治法…第252条の19第1* x' n4 u. ]& c0 y) u Z
項の指定都市,同法第252条の22第1項の中核市又は同法第252条の26の3第1項の特例市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては,当該指定都市等の長。以下この節にお
$ J; P f! r5 S l, m F8 Zいて同じ。)の許可を受けなければならない。ただし,次に掲げる開発行為については,この限りではない。
8 O2 J, q! a) m$ p- l一市街化区域,区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で,その規模が,それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの6 e) k5 f. \* R
二~十二(略)1 T! j) \( h) @: H
2,3 (略)
) c& X: F6 j9 S' O6 |(開発許可の基準)
2 k4 W6 s; _0 M# [第33条1 都道府県知事は,開発許可の申請があつた場合において,当該申請に係る開発行為が,次に掲げる基準…に適合しており,かつ,その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく
9 W/ K% d' x9 B* a$ l) z5 D4 E命令の規定に違反していないと認めるときは,開発許可をしなければならない。
5 ]" S1 N! s1 ^) e- z一~十四(略)! T# C \' ?2 b/ l- L5 Y
2~8 (略)- E5 P( y$ ~: P: H# A" h# ?6 j
(出題者注:第33条にいう「都道府県知事」には,第29条第1項により「特例市の長」も含む。)1 _* K. @; u9 I7 p0 q4 ~$ V6 ^. ]0 L. o
2 【都市計画法施行令(昭和44年6月13日政令第158号)(抜粋)】
6 Y: C4 l# [1 J(法第29条第1項第1号の政令で定める規模)
/ E9 K: v9 ]4 b+ d. l9 J第19条法第29条第1項第1号の政令で定める規模は,次の表の第1欄に掲げる区域ごとに,それぞれ同表の第2欄に掲げる規模とする。(以下略)
% u z8 Y8 a$ r: ~( ?, b第1欄第2欄第3欄第4欄市街化区域1000平方メートル(略) (略)
5 C/ V& ^. v: C2 b8 n(略) (略) (略) (略)9 \+ O- u, g# D% ?/ d
2 (略) |
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