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そこでハムーチャは、再び火の砂漠や闇の森や怪物の洞穴(ほらあな)などを通り越して、人間の住んでいる方へ出て来ました。そしてようすをうかがってみると、もう七年もたった後のことでしたし、誰もマージの許(もと)へ行きついた者もありませんでしたから、マージの噂(うわさ)は嘘だとして消えてしまっていました。# R; J; F8 J, ]# P" l
「今に皆をびっくりさしてやる」とハムーチャは一人微笑(ほほえ)みました。
# G' R# C3 E Z ある町まで行くと、ちょうどお祭りの日でした。ハムーチャは人だかりのしてる広場に、新しい毛布を広げて、まず普通の手品(てじな)を使ってみせました。それから大声で言いました。) d5 M( X5 M- @/ N0 k
「さてこれから、世にも不思議な術を見せてあげまするぞ。これは火の神オルムーズドから授(さず)かった術で、どんなものをも煙にしてしまって、その煙でいろいろな物の形を現わすという、天下にまたとない妙術(みょうじゅつ)ですぞ。さあさあ、不用な物があったら持っておいで、この場で煙にしてご覧(らん)に入れる」
4 y8 h! f+ R& e4 q0 h) K+ K そこで見物人の一人が古い帽子を差し出しました。ハムーチャは受け取って、もう破れこけて役に立たないことを見定めると、それを毛布の上に置き、自分はその側に屈んで、胸に両手を組み合わせ口に何か唱えました。と、不思議にも、その古帽子がふーッと煙になって、その煙がまた大きな鳥の形になって、空高く飛び去ってしまいました。
# l4 H- f: i1 D) [7 z: K あまりの不思議さに、人々はあっけにとられました。次には夢中(むちゅう)になって喝采(かっさい)しました。そしてお金が雨のように投げられました。ハムーチャは得意になって、なおいろんな物を煙にしてみせました。
m% ?" z+ s/ r d6 s" } {. l# _ それからは、ハムーチャの噂(うわさ)がぱっと四方(しほう)に広がりました。ハムーチャの行く先々で、もうその地方の人々が待ち構(かま)えていました。中には、是非(ぜひ)私共の町へ来てくれと、馬車を迎えによこす者さえありました。しかしハムーチャは、馬車なんかには乗らずに、例の赤と白とのだんだらの服をつけ、三角の帽子をかぶって、てくてく歩いて行きました。懐(ふところ)にはたくさんのお金がたまっていました。いくら酒を飲んだりごちそうを食べたりしても、なかなか使いきれませんでした。
3 t" K9 i0 p* i: w7 d そしてハムーチャは町々をめぐって、ある大きな都にさしかかりました。都の人達は、今にハムーチャが来るとて大騒ぎをしました。いよいよハムーチャがやって来ると、都の一番賑(にぎ)やかな広場に案内しました。広場にはもう立派な毛布が敷きつめられ、不用な品々が山のように積まれ、四方には桟敷(さじき)が出来ていて、ぎっしり人だかりがしていました。ハムーチャは少しびっくりしましたが、やがて、ようようと場所のまん中に進み出ました。四方から、雷(らい)のような拍手(はくしゅ)が起こりました。
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有誰可以翻譯一下嗎? |
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