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想看横沟正史的书~

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发表于 2008-1-9 16:47:25 | 显示全部楼层 |阅读模式
如题 想看横沟正史的书 看电影太不过瘾了 哪里可看?日文的更好~
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发表于 2008-1-16 06:37:50 | 显示全部楼层
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恐ろしき四月《エイプリル・》馬鹿《フール》
☆横溝正史☆
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 四月一日の午前三時ごろ、M中学校の寄宿舎の一室に寝ていた葉山という一学生は、恐ろしい夢からふと目覚めた。彼の肌《はだ》衣《ぎ》はべっとりと汗にぬれていた。彼はその心《ここ》持《ち》悪さに寝返りをうとうとした。その瞬間、彼はふと部屋の中に怪しい気配を感じて思わず息をひそめた。それは満月に近い夜で、カーテンを引き忘れた窓を通して、美しい葡《ぶ》萄《どう》色の月光が部屋いっぱいに流れこんでいた。その月光の下に、寝ている葉山とは一間と離れないところに、一個の黒い影がおそろしく静かにうごめいている。咽《の》喉《ど》を絞《し》めつけられるような息苦しさを感じながらも葉山は薄《うす》
暗《くらがり》の中に凝《ぎよう》視《し》を続けた。
 曲《くせ》者《もの》は静かに押し入れの中から一個の行《こう》李《り》を取り出した。それから着物を脱ぎ始めた。曲者が着物を脱ぎ終わったとき、葉山ははっきりと彼の白いシャツの上に、夜目にも著《いちじる》しく血のあとを見た。曲者はそのシャツをも脱いだ。そしてすばやくそのシャツと他の何物――葉山はそれを短刀の中身と認めた――かを行李の中に投げ込んだ。そして最後に、彼はうかがうように葉山のほうへ振り向いた。その瞬間、葉山は冷水を浴びせられたようにびっくりした。なぜならば、その曲者は、現在この部屋に寝ていなければならないはずの、同室生の栗岡であったからだ。

 四月一日の朝、M中学校の寄宿舎ではおそろしい事件が発見された。それはこの休暇を寄宿舎に残っていた小崎という五年級の優等生が、深夜に、何者かに彼自身の部屋で殺害されたらしいことであった。彼の部屋は宛《さな》然《がら》大掃除のあとのごとく、雑然として、机は覆《くつがえ》り、インクは流れ、石《せつ》膏《こう》細《ざい》工《く》や置物は無惨にも破壊されて、その破片は六畳の部屋中に散乱していた。そしてその部屋の中央に広げられた夜具の白いシーツにはなまなましい血潮がべっとりとついていた。しかも肝《かん》心《じん》の死体は、その部屋の中のどこにも発見されなかった。
 この不幸な被害者の二人の同室者はともに帰省していた。曲者はそれを知っていたに相違ない。ただ不思議なことは、部屋の中のありさまがよほどの格闘があったらしいことを示しているにもかかわらず、その部屋の両隣りに寝ていた学生たちのうち、一人として物音を聞いた者はなかったことだ。
 校内では舎《しや》監《かん》の命によってただちに死体の大捜索が開始された。小崎の実家は学校とはあまり遠くないところにあるのだが、死《し》骸《がい》が発見されるまで何事をも知らさないことにした。もちろん警察のほうへも、学校としては、できるだけ秘密に解決したかったのだ。
 こうした間、葉山は幾度か同室の栗岡を訴えようとしては躊《ちゆう》躇《ちよ》した。がついに思い切って訴えることにした。それは午前九時ごろだったが、この異状な告訴によって栗岡はただちに逮捕された。彼の部屋は捜索された。そしてついに動かすことのできない証拠品の数々が発見された。
 寄宿舎ではただちに予審を開くために七名の陪《ばい》審《しん》官《かん》が学生のうちから選抜された。ただ一人速《はや》水《み》という学生のみはかたくこの光栄を辞して列席しなかった。
 予審は十一時ごろまで続けられた。しかし全然失敗に帰した。この間被告の栗岡は一言をも発しなかった。彼はただ青白い、全然表情を持たない顔をして立っていた。
「この上は」と舎監は残念そうに言った。「いよいよ死体が発見されるまで待たなければならない」
 そのとたん、扉が開いて速水の顔がのぞきこんだ。
「先生、死体が発見されました。裏の古井戸からです」
 これを聞いた八名の顔色はいっせいに変わった。そして舎監も陪審官の学生もみな、被告ただ一人を取り残して廊《ろう》下《か》の外に流れ出た。
 一人取り残された栗岡は、人々のせわしく走って行く足音に静かに耳を傾けた。彼の顔色はいままでと全然ちがって生き生きと輝いていた。
「とうとうやってきたな」と彼はうれしそうにつぶやいた。
「みなのやつ、さぞ驚いているだろう」
 そして彼はいたずらものらしく忍び声をおさえながら耳を澄ました。しかし彼の期待しているどよめきはいつまでたっても起こらない。ただときどきせわしく廊下を走って行く靴《くつ》音《おと》が響いてきたりしたが、それもすぐに物凄い沈黙のうちに吸い込まれて消えていった。
 こうした時が五分十分と流れていくに従って栗岡の胸にはある不安が根ざし始めた。
「速水のやつ、古井戸の中からですと言ったな。おれはそんなことを信じようとは思わない。しかし」彼は腕時計を見た。針はちょうど十一時五分をさしている。「小崎がやって来たにしては時間が早過ぎるようだ。約束は十二時の午《ご》砲《ほう》を合図にということだった。そして小崎はいつも約束を一分だって違えたことはない」
 栗岡の不安はしだいに高まった。
「小崎が来たのでないとすると、速水があざむいたのだろうか。しかし速水の態度は確かに、確かに……」
 栗岡は血にまみれた小崎の姿を想像した。そして慄《りつ》然《ぜん》とおののいた。
「うそだ、うそだ!」と彼はまた自らを鼓《こ》舞《ぶ》せんとして叫んだ。
「そんなはずはない。あれは狂言じゃないか。エイプリル・フールの御念の入った芝居じゃないか。昨夜万事の手はずがついたとき、
『では明日十二時にはやって来るよ』と、ぴんぴんして帰って行ったじゃないか」
 そして彼はまた静かに耳を澄ました。しかし塵《ちり》一つ落ちた音でも聞こえてきそうな静けさは、ますます彼の心をかき乱した。
「おれはかつてこんな小説を読んだことがある。ある男が小説を書いた。彼はその小説の主人公が自殺する決心をしているところを書いていたときに殺された。犯人は巧みに彼が書いていた原稿を利用して、彼の死を自殺だと人々に思わしめた。俺のいまの立場はちょうどその殺された男と同じではないか。だれか小崎を恨んでいる者があって、もし僕たちのこの計画を知ったなら、これほどよい機会がまたとあろうか。だれ一人おれのこのこしらえた証拠品を信じようとしない者があるだろうか」
 彼は自分で自分の恐ろしい想像におののいた。そしてそれらの妄《もう》想《そう》をはらいのけようとするかのように手を振った。
 そのとき廊下の端のほうから静かな足音が聞こえてきた。そして真に法廷に臨《のぞ》むがごとき厳《げん》粛《しゆく》さをもって、予審判事の舎監と七名の陪審官――速水を加えて――が入って来た。栗岡は彼らの顔色を読んだ。それは「絶望」だった。
 威圧するような沈黙の後、舎監は重々しく口を開いた。
「栗岡君、君の有罪はいよいよ確実となりました。ここにある証拠品に動かすことのできない幾重もの輪をかけるべき証拠があがりました。それは小崎君の死骸です」
 舎監のことばはかすかに震えて消えた。
「うそです。うそです」と栗岡は信じまいとして叫んだ。しかし彼の心はかえって彼のことばを否定していた。
 彼は人々の前にすべてを告白した。しかしだれも彼の物語には耳を貸さなかった。
「ほんとうです。ほんとうです」と、彼はどうすれば人々を信じさすことができるだろうかと身をもだえた。「ほんとうに、エイプリル・フールの狂言にすぎなかったのです。私たちは机を覆しました。インクを流しました。石膏細工を壊しました。そして鳩《はと》を殺して血を流しました。そうです鳩の血に相違ないのです」
「その鳩はどうしました」と舎監がきいた。
「その鳩は小崎が持って帰りました」
「それでは証拠にならない」と速水がつぶやいた。
「証拠になってもならなくってもほんとうです。『きっとみんなが驚くだろう』と笑って帰りました。そしてきょう十二時には来るはずです」
「その小崎君は死体となって帰って来ました」
「いいえ。それは私の知ったことではありません。では小崎君は僕のいたずらの犠牲になったのだ」
 作者は不幸にしてこれ以上この厳粛な場面を書く筆を持たない。簡単に言えば栗岡は自ら掘った穴に落ちて意識を失ってしまった。
 しかし幸いにして栗岡の意識は間もなく回復した。彼は自分の部屋に自分を取り巻く数人の友人を次から次へと見ていたが突然愕《がく》然《ぜん》として叫んだ。
「小崎〓」
 小崎は微笑をもって応じた。
「裏切者〓」と、栗岡は低い嗄《しやが》れた声で叫んだ。
「僕じゃないよ。栗岡、速水さ。また速水にやられたのさ。僕は真《ま》面《じ》目《め》に家にいたのだよ。すると十時半ごろ速水がやって来て、もうエイプリル・フールも終わったから、やって来たまえって言うのだ。だから僕は君がすっかり白状したのだと思ってやって来たのさ。すると、反対に君がエイプリル・フールにかけられていたのだ。いや、実際君には気の毒なことをした」
 小崎は真に痛ましそうに友人の肩に手をのせて言った。そのとき、友人たちのうちから速水は手をさしのべて言った。
「君たちはあまりに注意が足らなかった。第一小崎君が悪い。君は夜具の中で突然曲者に襲われて、死体となって運びだされる役だ。だから寝巻のままで隠れていなければならないはずなのだ。しかるに君は帽子をかぶり、下駄をはき、御丁寧に袴《はかま》まで着けて出た。第二に、あの部屋はあまり作りすぎた。あれだけの格闘をやれば、その物音だけでもだれか目が覚めるだろうし、また被害者にしても十分救助を呼ぶ余裕はあるはずだ。最後に、下からたくさんの石膏細工の破片が出た。君考えてみたまえ。床を敷いて寝ているところへ悪漢が忍び込んだ。そして格闘のとき石膏細工が壊れた。その破片がわざわざ床の下へもぐりこむかい。まあそんなことから僕はエイプリル・フールだなと思ったのさ。しかし許してくれたまえ。僕はあんなにひどく裏をかくつもりじゃなかったのだから」

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发表于 2008-2-13 11:37:58 | 显示全部楼层
很好很强大~~~~```
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发表于 2008-2-13 11:51:01 | 显示全部楼层
地獄の風を吹いて、、、

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发表于 2008-2-21 22:54:14 | 显示全部楼层
八墓村,看过
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