# ペンキ塗りは宝物をうむ
土曜日の朝です。
トム*ソーヤーはポリーおばさんから、塀のペンキ塗りを言いつけられました。
きのう、おばさんの大事にしていたジャムを、だまって食べたのが見つかってしまいました。それに新しくやってきた子と、掴み合いのけんかをしたのが分かってしまったので、罰としてやらされることになったのです。
ポリーおばさんにとって、トムは、早くなくなった妹の子供です。
おばさんは、その妹のためにも、トムをいい子に育てなければいけない、と心に決めていました。
でも、トムときたらすごく悪戯で、おばさん泣かせだったのです。おかあさんが違う弟のシッドは、とても大人しくて、おばさんの言うことをよく聞くいい子なのにね。
シッドは、トムのいたずらを見つけては、よくおばさんに告げ口をしました。
トムは、ペンキ塗りにもううんざりしていました。せっかくのいい天気で、遊ぶにはとてもいい日だというのに。 |