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中日对照 夏目漱石 夢十夜

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发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层 |阅读模式
[B]第一夜[/B]

 こんな夢を見た。

 腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然云った。自分も確にこれは死ぬなと思った。そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いて見た。死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。大きな潤のある眼で、長い睫に包まれた中は、ただ一面に真扦ⅳ盲俊¥饯握纥な眸の奥に、自分の姿が鮮に浮かんでいる。

 自分は透き徹るほど深く見えるこの郅紊珱gを眺めて、これでも死ぬのかと思った。それで、ねんごろに枕の傍へ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。すると女はぱ郅蛎撙饯Δ苏訾郡蓼蕖ⅳ浃盲绚昃菠噬恰ⅳ扦狻⑺坤踏螭扦工猡巍⑹朔饯胜い铯仍皮盲俊

 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、見えるかいって、そら、そこに、写ってるじゃありませんかと、にこりと笑って見せた。自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。

 しばらくして、女がまたこう云った。

「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」

 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。

「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――あなた、待っていられますか」

 自分は黙って首肯いた。女は静かな調子を一段張り上げて、

「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。

「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」

 自分はただ待っていると答えた。すると、ろ韦胜缩rに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、女の眼がぱちりと閉じた。長い睫の間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。

 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂もした。穴はしばらくして掘れた。女をその中に入れた。そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。

 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ仱护俊P扦纹破贤瑜盲俊iLい間大空を落ちている間に、角が取れて滑かになったんだろうと思った。抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。

 自分は苔の上に坐った。これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。一つと自分は勘定した。

 しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。

 自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。

 すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。

「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

做了這樣一個夢。

我抱著胳膊坐在女人枕邊,仰躺著的女人溫柔地說:我將要死了。女人的長髮舖陳在枕上,長髮上是她那線條柔美的瓜子臉。白晰的臉頰泛出溫熱的血色,雙唇當然也是鮮紅欲滴。怎麼看也看不出將要死去的樣子。可是,女人卻溫柔且清晰地說:我將要死了。我也感到,女人真的快要死了。

於是,我俯視著她的臉再度問說:是嗎?妳快要死了嗎?
女人睜大雙眸,回我說:是啊,我一定會死。
在那雙大又濕潤的眸中,細長的睫毛包裹著一片漆黑。而黝黑的眼眸深處,鮮明地浮泛著我的身姿。

我眺望著這雙深邃無底的黑瞳色澤,暗忖,這模樣真會死嗎?
然後懇切地將嘴湊近枕邊再問:妳不會死吧!沒事吧!
女人極力張開昏昏欲睡的雙眸,依舊溫柔地回說:可是,我還是會死的,沒辦法呀。

我接二連三地問她:那,妳看得到我的臉嗎?
她輕輕笑說:看,在那兒嘛,不是映在那兒嗎?
我沉默地自枕邊移開臉龐。抱著胳膊,依舊不解,她真的非死不可嗎?

過了一會,女人又開口:
「我死了後,請你將我安葬。用偌大的真珠貝殼挖掘一個深坑,再用天河降落的星塵碎片做為墓碑。然後請你在墓旁守候,我會回來看你的。」

我問她說,什麼時候會回來。
「太陽會升起吧,又會落下吧,然後再升起吧,然後再落下吧……當紅日從東向西,從東方升起又向西方落下這當兒……你能為我守候嗎?」
我不語地點點頭。女人提高本來沉穩的聲調說:
「請你守候一百年。」又毅然決然地接道:
「一百年,請你一直坐在我的墓旁等我。我一定會回來看你。」

我只回說,一定會守候著。剛說完,那鮮明映照在黑色眼眸深處的我的身影,竟然突兀地瓦解了。宛如靜止的水突然盪漾開來,瓦解了水中的倒影一般,我正感到自己的影像好像隨淚水溢出時,女人的雙眸已嘎然閉上了。長長的睫毛間淌出一串淚珠,垂落到頰上……她已經死了。

然後,我到院子用真珠貝殼開始挖洞。那是個邊緣尖銳,大又光滑的真珠貝殼。每當要掘土時,都可見貝殼裡映照著月光閃閃爍爍。四周也飄蕩著一陣溼潤泥土的味道。深穴不久就挖好了。我將女人放置其中,再輕輕蒙覆上柔軟的細土。每當要覆土時,都可見月光映照在貝殼上。

然後我去撿拾掉落在地的星塵碎片,輕輕擱在泥土上。星片是圓的,或許是在漫長空際墜落時,逐漸被磨去了稜角。當我將星片抱起擱放在土堆上時,覺得胸口及雙手有了些許暖意。

我坐在青苔上。抱著胳膊眺望著圓形墓碑,想著,從現在開始我就得這樣等候一百年。然後,正如女人所說,太陽從東方升起了。那是個又大又紅的太陽。然後,再如女人所說,太陽從西方落下去了。火紅地、靜謐地落下去了。我在心裡數著,這是第一個。

不久,嫣紅的太陽又晃晃悠悠地升起。然後,再默默地西沉。我又在心裡數著,這是第二個。如此第一個、第二個地默數著當中,我已記不得到底見了幾個紅日。

無論我如何拼命默數,數不盡的紅日依然持續地越過我的頭頂。然而一百年依然還未到。最後,我眺望著滿佈青苔的圓墓碑,不禁想著,是否是被女人騙了。

看著看著,墓碑下方,竟然斜伸出一條青莖,昂首向我逼近。眨眼間即伸長到我胸前,然後停住。搖搖晃晃的瘦長青莖頂上,一朵看似正微微歪著頭的細長蓓蕾,欣然綻放開來。雪白的百合芳香在鼻尖飄蕩,直沁肺腑。

之後自遙不可知的天際,滴下一滴露水,花朵隨之搖搖擺擺。我伸長脖子,吻了一下水靈靈的冰涼雪白花瓣。當我自百合移開臉時,情不自禁仰頭遙望了一下天邊,遠遠瞥見天邊孤單地閃爍著一顆拂曉之星。

此刻,我才驚覺:「原來百年已到了。」

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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第二夜[/B]

 こんな夢を見た。

 和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった。

 窑位鲜彺澶喂Pである。ち驖猡·⑦h近とかいて、寒むそうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸っている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。広い寺だから森閑として、人気がない。ぬ炀瞬瞍雇栊械皮瓮瑜び挨⒀鱿颏径摔松皮毪瑜Δ艘姢à俊

 立膝をしたまま、左の手で座蒲団を捲って、右を差し込んで見ると、思った所に、ちゃんとあった。あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、その上にどっかり坐った。

 お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまいと言った。人間の屑じゃと言った。ははあ怒ったなと云って笑った。口惜しければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。

 隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また入室する。そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。悟らなければ、和尚の命が取れない。どうしても悟らなければならない。自分は侍である。

 もし悟れなければ自刃する。侍が辱しめられて、生きている訳には行かない。綺麗に死んでしまう。

 こう考えた時、自分の手はまた思わず布団の下へ這入った。そうして朱鞘の短刀を引き摺り出した。ぐっと束を握って、赤い鞘を向へ払ったら、冷たい刃が一度に暗い部屋で光った。凄いものが手元から、すうすうと逃げて行くように思われる。そうして、ことごとく切先へ集まって、殺気を一点に护幛皮い搿W苑证悉长武劋と肖o念にも針の頭のように縮められて、九寸五分の先へ来てやむをえず尖ってるのを見て、たちまちぐさりとやりたくなった。身体の血が右の手首の方へ流れて来て、握っている束がにちゃにちゃする。唇が顫えた。

 短刀を鞘へ収めて右脇へ引きつけておいて、それから全伽を組んだ。――趙州曰く無と。無とは何だ。糞坊主めとはがみをした。

 奥歯を強く咬み締めたので、鼻から熱い息が荒く出る。こめかみが釣って痛い。眼は普通の倍も大きく開けてやった。

 懸物が見える。行灯が見える。畳が見える。和尚の薬缶頭がありありと見える。鰐口を開いて嘲笑った声まで聞える。怪しからん坊主だ。どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。悟ってやる。無だ、無だと舌の根で念じた。無だと云うのにやっぱり線香の香がした。何だ線香のくせに。

 自分はいきなり拳骨を固めて自分の頭をいやと云うほど擲った。そうして奥歯をぎりぎりと噛んだ。両腋から汗が出る。背中が棒のようになった。膝の接目が急に痛くなった。膝が折れたってどうあるものかと思った。けれども痛い。苦しい。無はなかなか出て来ない。出て来ると思うとすぐ痛くなる。腹が立つ。無念になる。非常に口惜しくなる。涙がほろほろ出る。ひと思に身を巨巌の上にぶつけて、骨も肉もめちゃめちゃに砕いてしまいたくなる。

 それでも我慢してじっと坐っていた。堪えがたいほど切ないものを胸に盛れて忍んでいた。その切ないものが身体中の筋肉を下から持上げて、毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようと焦るけれども、どこも一面に塞がって、まるで出口がないような残刻極まる状態であった。

 そのうちに頭が変になった。行灯も蕪村の画も、畳も、違棚も有って無いような、無くって有るように見えた。と云って無はちっとも現前しない。ただ好加減に坐っていたようである。ところへ忽然隣座敷の時計がチーンと鳴り始めた

 はっと思った。右の手をすぐ短刀にかけた。時計が二つ目をチーンと打った。

做了這樣一個夢。

退出師傅房間沿著走廊折回自己房間時,只見房裡已點上昏黃的座燈。單膝跪在座墊,拔去燈芯時,花形的丁香油噗咚掉落在朱漆的燈檯上。同時房間也頓時明亮起來。

紙門上的畫出自蕪村(譯注:與謝蕪村,1717-1783,是俳人亦是畫家)之筆。墨色的柳枝濃淡分明,遠近散佈在畫中,打著哆唆的漁夫斜戴著斗笠,走在堤防上。壁龕上掛著文珠菩薩的掛軸。香已燃盡,但房間角落仍飄蕩著香味。這是個偌大的寺廟,附近一帶萬籟俱寂,冷森森地毫無人跡。圓形座燈的影子映照在黑漆漆的天花板上,仰頭一望,總覺得影子活像是有生命似的。

我依然單膝跪在座墊,再用左手捲起座墊,右手伸進去一探,那東西果然還在。既然在就不用擔心。把座墊舖平,再盤坐其上。

你是武士。既是武士,不可能無法開悟。師傅如此說道。又說,看你修行了這麼多天仍無法開悟,你大概不是武士,是人類的渣滓。我笑著回說,您生氣了?

師傅憤憤回道,不甘心的話拿出你已開悟的證據出來!說完把頭轉向他方。真是豈有此理。

待隔壁大廳壁龕前的座鐘下次敲響前,我一定開悟給你看。等我開了悟,再入師傅的房間。那時,再以我的悟道交換師傅的首級。若無法開悟,便無法奪取師傅的性命。所以,我非要開悟不可。因為我是武士。

若無法開悟,只能自刃。武士一旦受辱,怎能苟且偷生?不如死得壯烈。

想著想著,手又不自覺地伸進座墊下。順手抽出一把朱鞘短刀。緊握著刀柄,甩掉刀鞘後,冷峻的刀光瞬時劃亮昏暗的房間。宛如有一樣駭人的東西,自我手中嗖嗖奔逃出去一般,然後再聚集在刀鋒上,將所有的殺氣凝聚於一個點上。當我凝視著這把被縮聚成針頭形狀,又在尖端被強迫磨尖的鋒利刀刃,頓時興起一股想扎人的衝動。全身的血液均流向右手手腕,使得握住刀柄的手掌濕黏黏的。雙唇抖顫不已。

將短刀收進鞘內擱置在右後方,我結跏扶坐。……趙州曰無。何謂無?我咬牙切齒地罵了一聲臭和尚。

由於臼齒咬得太用力,鼻孔猛冒熱氣。太陽穴抽筋得很痛。雙眼也睜得比平常大兩倍。

我看得到掛軸。看得到座燈。看得到榻榻米。更看得到師傅的光頭。甚至聽得到師傅咧嘴嘲笑的聲音。真是豈有此理的臭和尚。說什麼也得砍下他那個光頭下來。好,我就悟給你看。舌根不停地唸著“無”、“無”。明明在唸著無,我還是聞得到房裡的香味。搞什麼鬼?也不想想自己只是根香!

我出其不意地握緊拳頭不停毆打自己的頭。再咯咯作響地咬緊臼齒。兩腋汗如雨下。背脊僵硬得像木棒。膝蓋骨突然疼痛不堪。即使膝蓋骨折了,我也不在乎。可是,好痛。好難受。“無”卻久久都不顯現出。以為已進入“無”的境界了,卻立刻被疼痛拉回。氣死我了。既懊惱又不甘心。雙頰淚如泉湧。我真想一頭栽到巨巖上,來個粉身碎骨。

不過,我還是強忍著痛苦扶坐著。即使胸腔充滿無法忍受的苦悶,我還是忍住了。那股苦悶急躁地想抬高我全身的筋肉,再自毛孔往外逃竄,可是四面八方都被堵住了,找不著出口,狀況極為狼狽。

不久,我有了異樣的感覺。座燈、蕪村的畫、榻榻米、棚架,好似都消失了,可是又好似都仍存在著。話雖如此,這並不表示“無”已現身在我眼前。我只是馬馬虎虎坐著而已。然後,隔壁房間的座鐘開始響起。

我嚇了一跳。右手馬上擱在短刀上。時鐘又敲了第二響。


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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第三夜[/B]

 こんな夢を見た。

 六つになる子供を負ってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。

 左右は青田である。路は細い。鷺の影が時々闇に差す。

「田圃へかかったね」と背中で云った。

「どうして解る」と顔を後ろへ振り向けるようにして聞いたら、

「だって鷺が鳴くじゃないか」と答えた。

 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。

 自分は我子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分らない。どこか打遣ゃる所はなかろうかと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。あすこならばと考え出す途端に、背中で、

「ふふん」と云う声がした。

「何を笑うんだ」

 子供は返事をしなかった。ただ

「御父さん、重いかい」と聞いた。

「重かあない」と答えると

「今に重くなるよ」と云った。

 自分は黙って森を目標にあるいて行った。田の中の路が不規則にうねってなかなか思うように出られない。しばらくすると二股になった。自分は股の根に立って、ちょっと休んだ。

「石が立ってるはずだがな」と小僧が云った。

 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。表には左り日ケ窪、右堀田原とある。闇だのに赤い字が明かに見えた。赤い字は井守の腹のような色であった。

「左が好いだろう」と小僧が命令した。左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空から自分らの頭の上へ抛げかけていた。自分はちょっと躊躇した。

「遠慮しないでもいい」と小僧がまた云った。自分は仕方なしに森の方へ歩き出した。腹の中では、よく盲目のくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「どうも盲目は不自由でいけないね」と云った。

「だから負ってやるからいいじゃないか」

「負ぶって貰ってすまないが、どうも人に馬鹿にされていけない。親にまで馬鹿にされるからいけない」

 何だか厭になった。早く森へ行って捨ててしまおうと思って急いだ。

「もう少し行くと解る。――ちょうどこんな晩だったな」と背中で独言のように云っている。

「何が」と際どい声を出して聞いた。

「何がって、知ってるじゃないか」と子供は嘲けるように答えた。すると何だか知ってるような気がし出した。けれども判然とは分らない。ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分るように思える。分っては大変だから、分らないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。自分はますます足を早めた。

 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。ただ背中に小さい小僧がくっついていて、その小僧が自分の過去、現在、未来をことごとく照して、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。自分はたまらなくなった。

「ここだ、ここだ。ちょうどその杉の根の処だ」

 雨の中で小僧の声は判然聞えた。自分は覚えず留った。いつしか森の中へ這入っていた。一間ばかり先にあるい猡韦悉郡筏诵∩卧皮νà晟激文兢纫姢à俊

「御父さん、その杉の根の処だったね」

「うん、そうだ」と思わず答えてしまった。

「文化五年辰年だろう」

 なるほど文化五年辰年らしく思われた。

「御前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」

 自分はこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の盲目を殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。おれは人殺であったんだなと始めて気がついた途端に、背中の子が急に石地蔵のように重くなった。

做了這樣一個夢

我揹著一個六歲的小孩。那的確是自己的小孩沒錯。只是不知何時小孩的雙眼竟瞎了,且變成個乳臭未乾的小鬼頭。我問他,眼睛什麼時候瞎的,他回說,好久好久以前就瞎了。聲音的確是小孩的聲音,講話口調卻像大人一樣。而且態度跟我同等。

兩旁都是青嫩稻田。小徑很窄。偶爾可見鷺鷥影在黑暗中掠過。
「到稻田小徑了吧。」背後傳來聲音說道。
「你怎麼知道?」我回頭問他。
「不是有鷺鷥在叫嗎?」他答。
果然,鷺鷥叫了兩聲。

雖是自己的孩子,我卻感到有點恐怖。揹著這麼個東西,往後的路怎麼走?正想找個地方丟了算了,黑暗中恰好隱約可見一座大森林。剛考慮起那或許是個好地方,背後突然傳來:
「嘿嘿!」
「笑什麼?」
小孩不回答,只是問道:
「爸爸,重不重?」
「不重。」
「不久就會變重喔。」

我默默地以森林為目標向前走著。只是田間小徑蜿蜒曲折,怎麼走也走不出去。不一會兒,眼前出現兩條叉徑。我站在叉徑口,稍事休息。
「這裡應該有塊石碑。」小鬼頭說。

果然有塊及腰的八寸角石聳立在路間,上面寫著:「左邊日窪,右邊堀田原。」明明是夜晚,石上的鮮紅大字卻看得很清楚。顏色類似蠑螈腹部的紅色。

「往左邊吧!」小鬼頭下了命令。朝左一看,方才見著的森林黑影,正在上空黑騰騰地彷彿要壓落下來。我有點猶豫不決。
「不必顧慮了。」小鬼頭又開口。
我只好無奈地邁向森林方向。心中暗忖,這小瞎眼的怎麼料事如神。一直線地快走近森林時,背後又說話了:
「瞎眼真不方便呢。」
「有我揹著你,哪裡不方便?」
「讓你揹著真是不好意思。不過瞎眼的會被人看不起,尤其連父母都會看不起,所以不行哪!」

聽後,我真得感到很厭煩。還是快到森林裡把這小鬼給丟了算了,於是我加快腳步。
「再走一會兒你就知道了……那天也剛好是這樣的夜晚吧。」背後在自言自語。

「什麼?」我粗魯地問。
「還問什麼?你不是心裡明白?」孩子嘲弄似地回答。

他這麼一說,我也感到自己好像明白。只是不太知道詳情。只感到好像也是這樣的夜晚。也感到再往前走的話,就會萬事明白了。更感到若真萬事明白的話,可了不得,所以得在還不明白時早點丟了這個孩子,這樣才能安心下來。我又加快了腳步。

雨已下了一陣子。小徑更加昏暗了。我專心一意地往前走。只是背上黏著一個小鬼頭,而且這個小鬼頭像一面鏡子,能把我的過去、現在、未來,即便再些許的事實也能一覽無遺地全照出來。不僅如此,這小鬼頭又是自己的孩子。且是個瞎子。想
著想著,越想越覺得受不了。

「就是這裡!就是這裡!就是那杉樹根處!」

雨中,小鬼頭的聲音清晰響亮。我不自覺地停住腳步。原來不知何時我們已身置林內。約兩公尺前那個黑東西,看起來的確像是小鬼頭所說的杉樹。

「爸爸,是在那杉樹下吧?」
「嗯,是的。」我不由自主地這樣回答。
「是文化五年(1808)辰年時吧?」
想想,好像真是文化五年時。

「今年正好是你殺了我滿百年了呢!」

我一聽到這句話,腦中突然浮現出,在一百年前的文化五年那年,也是在這樣的夜晚,在這株杉樹下,我曾經殺死過一個盲目人的情景。當我醒悟到原來自己是個殺人犯時,背上的孩子,立刻像一尊地藏菩薩石像般異常沉重起來。

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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第四夜[/B]

 広い土間の真中に涼み台のようなものを据えて、その周囲に小さい床几が並べてある。台は猡辘斯猡盲皮い搿F绀摔纤慕扦噬扭蚯挨酥盲い茽敜丹螭蝗摔蔷皮蝻嫟螭扦い搿k趣现螭筏幛椁筏ぁ

 爺さんは酒の加減でなかなか赤くなっている。その上顔中つやつやして皺と云うほどのものはどこにも見当らない。ただ白い髯をありたけ生やしているから年寄と云う事だけはわかる。自分は子供ながら、この爺さんの年はいくつなんだろうと思った。ところへ裏の筧から手桶に水を汲んで来た神さんが、前垂で手を拭きながら、

「御爺さんはいくつかね」と聞いた。爺さんは頬張った煮〆を呑み込んで、

「いくつか忘れたよ」と澄ましていた。神さんは拭いた手を、細い帯の間に挟んで横から爺さんの顔を見て立っていた。爺さんは茶碗のような大きなもので酒をぐいと飲んで、そうして、ふうと長い息を白い髯の間から吹き出した。すると神さんが、

「御爺さんの家はどこかね」と聞いた。爺さんは長い息を途中で切って、

「臍の奥だよ」と云った。神さんは手を細い帯の間に突込んだまま、

「どこへ行くかね」とまた聞いた。すると爺さんが、また茶碗のような大きなもので熱い酒をぐいと飲んで前のような息をふうと吹いて、

「あっちへ行くよ」と云った。

「真直かい」と神さんが聞いた時、ふうと吹いた息が、障子を通り越して柳の下を抜けて、河原の方へ真直に行った。

 爺さんが表へ出た。自分も後から出た。爺さんの腰に小さい瓢箪がぶら下がっている。肩から四角な箱を腋の下へ釣るしている。浅黄の股引を穿いて、浅黄の袖無しを着ている。足袋だけが黄色い。何だか皮で作った足袋のように見えた。

 爺さんが真直に柳の下まで来た。柳の下に子供が三四人いた。爺さんは笑いながら腰から浅黄の手拭を出した。それを肝心綯のように細長く綯った。そうして地面の真中に置いた。それから手拭の周囲に、大きな丸い輪を描いた。しまいに肩にかけた箱の中から真鍮で製らえた飴屋の笛を出した。

「今にその手拭が蛇になるから、見ておろう。見ておろう」と繰返して云った。

 子供は一生懸命に手拭を見ていた。自分も見ていた。

「見ておろう、見ておろう、好いか」と云いながら爺さんが笛を吹いて、輪の上をぐるぐる廻り出した。自分は手拭ばかり見ていた。けれども手拭はいっこう動かなかった。

 爺さんは笛をぴいぴい吹いた。そうして輪の上を何遍も廻った。草鞋を爪立てるように、抜足をするように、手拭に遠慮をするように、廻った。怖そうにも見えた。面白そうにもあった。

 やがて爺さんは笛をぴたりとやめた。そうして、肩に掛けた箱の口を開けて、手拭の首を、ちょいと撮んで、ぽっと放り込んだ。

「こうしておくと、箱の中で蛇になる。今に見せてやる。今に見せてやる」と云いながら、爺さんが真直に歩き出した。柳の下を抜けて、細い路を真直に下りて行った。自分は蛇が見たいから、細い道をどこまでも追いて行った。爺さんは時々「今になる」と云ったり、「蛇になる」と云ったりして歩いて行く。しまいには、

 「今になる、蛇になる、
  きっとなる、笛が鳴る、」

と唄いながら、とうとう河の岸へ出た。橋も舟もないから、ここで休んで箱の中の蛇を見せるだろうと思っていると、爺さんはざぶざぶ河の中へ這入り出した。始めは膝くらいの深さであったが、だんだん腰から、胸の方まで水に浸って見えなくなる。それでも爺さんは

 「深くなる、夜になる、
  真直になる」

と唄いながら、どこまでも真直に歩いて行った。そうして髯も顔も頭も頭巾もまるで見えなくなってしまった。

 自分は爺さんが向岸へ上がった時に、蛇を見せるだろうと思って、蘆の鳴る所に立って、たった一人いつまでも待っていた。けれども爺さんは、とうとう上がって来なかった。

廣闊的水泥地中央,擱置著一個類似納涼用的長凳,四周並排著幾個小折凳。長凳黑得發亮。一隅有個老爹坐在四方形的膳台前,自斟自飲。下酒菜好像是紅燒魚肉。

老爹酒酣耳熱,臉上已泛起紅暈。而且他的臉光滑細膩,看不出有一絲皺紋。只是那一大把銀白鬍鬚,透露出他是個上了年紀的老爹而已。我雖只是個孩子,卻對老爹的年紀萌生興趣。這時,在後屋自水管引水進提桶的大娘走了過來,在圍裙上邊擦手邊問老爹:
「阿伯您幾歲了?」

老爹吞下含在嘴裡的酒菜,裝模作樣地說:
「我也忘了。」

大娘把擦乾的手夾在細長的腰帶中,立在一旁仔細觀看老爹的臉。老爹用飯碗大的容器大口大口地乾酒,然後從銀白的長鬚間呼出一口長長的大氣。大娘再問:
「阿伯您住在哪裡?」
老爹停止呼氣,回說:
「肚臍裡頭。」
大娘依舊將手夾在腰帶中,繼續問:
「您是要到哪裡去呢?」
老爹又用那個飯碗般的容器喝下一碗熱酒,再像方才那樣呼出一口大氣,才回說:
「去那邊。」
「直走嗎?」大娘再問時,老爹呼出的氣息,已越過紙窗穿過柳樹下,一直線飛到河灘邊。

老爹走到外頭。我也緊跟其後。老爹腰下繫著一個小葫蘆。肩上掛著一個四方形盒子垂在腋下。穿著一件滭S的窄長褲與滭S的無袖背心。布襪是黃色的。看上去像是獸皮做的。

老爹筆直走到柳樹下。柳樹下有三、四個孩子在。老爹邊笑邊從腰間取出一條滭S手巾。再將手巾捻成一條細繩,放在地面中央。然後在手巾四周畫了個大圓圈。最後從腋下的盒子拿出一個糖果店吹的那種黃銅哨子。

「看好喔!這條手巾會變成一條蛇,看好喔!」老爹反覆說著。
孩子們目不轉睛地盯著手巾看。我也在一旁盯看著。
「看好喔!看好喔!好了嗎?」老爹邊說邊吹起哨子,又在圓圈上來回轉著。我一直盯看著手巾,可是手巾卻紋風不動。

老爹一直在嗶嗶地吹著哨子。也在圓圈上轉了好幾圈。他墊起草鞋鞋尖、躡手躡腳地、回避著手巾似地不停繞圈子。看起來有點可怕,又很有趣。

然後老爹停住吹哨子。再打開垂掛在肩上的盒子,抓住手巾一角,迅速地拋進盒裡。
「這樣放進盒子裡,手巾會變成蛇。等一下再給你們看!等一下再給你們看!」老爹邊說邊邁開腳步。
他穿過柳樹,筆直走下小徑。老爹邊走邊說著:「等一下會變」、「手巾會變蛇」,最後竟唱起歌來。

「等一下會變,手巾變成蛇      一定會變,哨子會響」

老爹唱著唱著,終於走到河灘。河灘沒有橋也沒有船,我以為他可能會在此地休息,再給我們看盒子裡的蛇。可是他竟然嘩啦嘩啦地走入河裡。起初水深及膝,然後逐漸淹過腰部,最後胸部也浸在水中。可是老爹仍在唱著:

「變深了,夜晚了      變成一條直直的路」

老爹依舊往前走去。然後,鬍子、臉、頭、頭巾都消失了。
我以為老爹渡河到對岸上時,會給我們看盒子裡的蛇,所以一直站在沙沙作響的蘆草叢中等候著。一個人孤單地一直等候著。可是,老爹卻始終沒有上岸。
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第五夜[/B]

 こんな夢を見た。
 何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、自分が軍をして邜櫎瘮”堡郡郡幛恕⑸埭摔胜盲啤长未蠼吻挨艘荬à椁欷俊
 その頃の人はみんな背が高かった。そうして、みんな長い髯を生やしていた。革の帯を締めて、それへ棒のような剣を釣るしていた。弓は藤蔓の太いのをそのまま用いたように見えた。漆も塗ってなければ磨きもかけてない。極めて素樸なものであった。
 敵の大将は、弓の真中を右の手で握って、その弓を草の上へ突いて、酒甕を伏せたようなものの上に腰をかけていた。その顔を見ると、鼻の上で、左右の眉が太く接続っている。その頃髪剃と云うものは無論なかった。
 自分は虜だから、腰をかける訳に行かない。草の上に胡坐をかいていた。足には大きな藁沓を穿いていた。この時代の藁沓は深いものであった。立つと膝頭まで来た。その端の所は藁を少し編残して、房のように下げて、歩くとばらばら動くようにして、飾りとしていた。
 大将は篝火で自分の顔を見て、死ぬか生きるかと聞いた。これはその頃の習慣で、捕虜にはだれでも一応はこう聞いたものである。生きると答えると降参した意味で、死ぬと云うと屈服しないと云う事になる。自分は一言死ぬと答えた。大将は草の上に突いていた弓を向うへ抛げて、腰に釣るした棒のような剣をするりと抜きかけた。それへ風に靡いた篝火が横から吹きつけた。自分は右の手を楓のように開いて、掌を大将の方へ向けて、眼の上へ差し上げた。待てと云う相図である。大将は太い剣をかちゃりと鞘に収めた。
 その頃でも恋はあった。自分は死ぬ前に一目思う女に逢いたいと云った。大将は夜が開けて鶏が鳴くまでなら待つと云った。鶏が鳴くまでに女をここへ呼ばなければならない。鶏が鳴いても女が来なければ、自分は逢わずに殺されてしまう。
 大将は腰をかけたまま、篝火を眺めている。自分は大きな藁沓を組み合わしたまま、草の上で女を待っている。夜はだんだん更ける。
 時々篝火が崩れる音がする。崩れるたびに狼狽えたように焔が大将になだれかかる。真拭激蜗陇恰⒋蠼窝郅预预裙猡盲皮い搿¥工毪日lやら来て、新しい枝をたくさん火の中へ抛げ込んで行く。しばらくすると、火がぱちぱちと鳴る。暗闇を弾き返すような勇ましい音であった。
 この時女は、裏の楢の木に繋いである、白い馬を引き出した。鬣を三度撫でて高い背にひらりと飛び仱盲俊0挨猡胜ょ嫟猡胜ぢ泷Rであった。長く白い足で、太腹を蹴ると、馬はいっさんに駆け出した。誰かが篝りを継ぎ足したので、遠くの空が薄明るく見える。馬はこの明るいものを目懸けて闇の中を飛んで来る。鼻から火の柱のような息を二本出して飛んで来る。それでも女は細い足でしきりなしに馬の腹を蹴っている。馬は蹄の音が宙で鳴るほど早く飛んで来る。女の髪は吹流しのように闇の中に尾を曳いた。それでもまだ篝のある所まで来られない。
 すると真闇な道の傍で、たちまちこけこっこうという鶏の声がした。女は身を空様に、両手に握った手綱をうんと控えた。馬は前足の蹄を堅い岩の上に発矢と刻み込んだ。
 こけこっこうと鶏がまた一声鳴いた。
 女はあっと云って、緊めた手綱を一度に緩めた。馬は諸膝を折る。仱盲咳摔裙菠苏嫦颏厍挨丐韦幛盲俊Q窑蜗陇仙瞍Yであった。
 蹄の跡はいまだに岩の上に残っている。鶏の鳴く真似をしたものは天探女である。この蹄の痕の岩に刻みつけられている間、天探女は自分の敵である。

做了這樣一個夢。

大概是很久很久以前,或許是兩千多年前的神話時代吧,那時我是個士兵,不幸打敗戰,被當成俘虜強行拉到敵方大將面前。

當時的人們都是高頭大馬,而且都蓄著很長的鬍鬚。腰上繫著皮帶,並掛著棒子般的長劍。弓則好像是用粗藤做的,既沒塗上黑漆,也沒磨亮。看上去很樸實。

敵方大將坐在一個倒置的酒甕上,右手握著被插在草叢上的弓。我看了他一眼,只見他濃密的粗眉連成一直線。這個時代當然沒有刮鬍刀之類的東西。

我因是個俘虜,沒有位子可坐,便在草叢上盤腿而坐。我腳上穿著一雙大草鞋。這個時代的草鞋都很高,立起時,可達膝蓋上。草鞋上端一隅還故意留一串稻草,像穗子一樣自然下垂著,走起路來晃來晃去,是當裝飾用的。

大將藉著篝火盯視著我,問我要活亦或要死。這是當時的習慣,每個俘虜都會被問相同的問題。若回說要活,表是願意投降;回說要死,則代表寧死不屈。我只回說,要死。

大將把插在草叢上的弓拋向遠方,並拔出掛在腰上的長劍。此時,隨風晃動的篝火湊巧將火舌轉向長劍。我將右手手掌張開成楓葉狀,手心對著大將,抬到雙眼前。這是表示暫停的手勢。於是大將又收回長劍。

即使在那遙遠的時代,愛情這個東西仍是存在的。我說,希望在臨死之前能和我的戀人見一面。大將回說,可以等到翌日天明雞啼之時。在雞啼之前,必須把戀人帶來。若誤了時辰,我就不能跟戀人見面而走向死亡之命摺
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第六夜[/B]

 邞cが護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。
 山門の前五六間の所には、大きな赤松があって、その幹が斜めに山門の甍を隠して、遠い青空まで伸びている。松の緑と朱塗の門が互いに照り合ってみごとに見える。その上松の位地が好い。門の左の端を眼障にならないように、斜に切って行って、上になるほど幅を広く屋根まで突出しているのが何となく古風である。鎌倉時代とも思われる。
 ところが見ているものは、みんな自分と同じく、明治の人間である。その中でも車夫が一番多い。辻待をして退屈だから立っているに相違ない。
「大きなもんだなあ」と云っている。
「人間を拵えるよりもよっぽど骨が折れるだろう」とも云っている。
 そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫るのかね。へえそうかね。私ゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」と云った男がある。
「どうも強そうですね。なんだってえますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人あ無いって云いますぜ。何でも日本武尊よりも強いんだってえからね」と話しかけた男もある。この男は尻を端折って、帽子を被らずにいた。よほど無教育な男と見える。
 邞cは見物人の評判には委細頓着なく鑿と槌を動かしている。いっこう振り向きもしない。高い所に仱盲啤⑷释酩晤啢无xをしきりに彫り抜いて行く。
 邞cは頭に小さい烏帽子のようなものを仱护啤⑺嘏郅坤韦坤铯椁胜ご螭市浃虮持肖抢à盲皮い搿¥饯螛斪婴い摔夤扭丹ぁ¥铯い铯ぴ皮盲皮胍娢锶摔趣悉蓼毪轻灓旰悉·欷胜い瑜Δ扦ⅳ搿W苑证悉嗓Δ筏平駮r分まで邞cが生きているのかなと思った。どうも不思議な事があるものだと考えながら、やはり立って見ていた。
 しかし邞cの方では不思議とも奇体ともとんと感じ得ない様子で一生懸命に彫っている。仰向いてこの態度を眺めていた一人の若い男が、自分の方を振り向いて、
「さすがは邞cだな。眼中に我々なしだ。天下の英雄はただ仁王と我れとあるのみと云う態度だ。天晴れだ」と云って賞め出した。
 自分はこの言葉を面白いと思った。それでちょっと若い男の方を見ると、若い男は、すかさず、
「あの鑿と槌の使い方を見たまえ。大自在の妙境に達している」と云った。
 邞cは今太い眉を一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪に返すや否や斜すに、上から槌を打ち下した。堅い木を一と刻みに削って、厚い木屑が槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻のおっ開いた怒り鼻の側面がたちまち浮き上がって来た。その刀の入れ方がいかにも無遠慮であった。そうして少しも疑念を挾んでおらんように見えた。
「よくああ無造作に鑿を使って、思うような眉や鼻ができるものだな」と自分はあんまり感心したから独言のように言った。するとさっきの若い男が、
「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」と云った。
 自分はこの時始めて彫刻とはそんなものかと思い出した。はたしてそうなら誰にでもできる事だと思い出した。それで急に自分も仁王が彫ってみたくなったから見物をやめてさっそく家へ帰った。
 道具箱から鑿と金槌を持ち出して、裏へ出て見ると、せんだっての暴風で倒れた樫を、薪にするつもりで、木挽に挽かせた手頃な奴が、たくさん積んであった。
 自分は一番大きいのを選んで、勢いよく彫り始めて見たが、不幸にして、仁王は見当らなかった。その次のにも邜櫎颏甑堡皮胧陇扦胜盲俊H郡韦摔馊释酩悉い胜盲俊W苑证戏eんである薪を片っ端から彫って見たが、どれもこれも仁王を蔵しているのはなかった。ついに明治の木にはとうてい仁王は埋っていないものだと悟った。それで邞cが今日まで生きている理由もほぼ解った。

風聞邞c(譯注:鐮倉時代著名的佛像雕鑿師)正在護國寺山門雕鑿仁王像,於是於散步時順道繞過去看看,不料在我之前早已聚集了許多慕名而來的人,你一言我一語地議論紛紛。

山門前九、十公尺左右處,有一株巨大的赤松,枝幹橫生,遮蔽了山門的棟瓦,直伸向遙遠的青空。綠松與朱門相映成趣,實為一幅美景。而且松樹的位置絕佳,不礙眼地挺立於山門左端,再斜切山門往上伸展,越往上枝葉幅度越寬,並突出屋頂,看起來古意盎然。想見是鐮倉時代不錯。

可是四周觀賞的人,竟與我同樣,都是明治時代的人。而且大半都是人力車車夫。大概是等候載客無聊,跑到這裡來湊熱鬧。

「好大啊!」有人說。
「這個一定比雕鑿一般人像還要辛苦吧!」又有人說。
「喔,是仁王。現在也有人在鑿仁王啊?我還以為仁王像都是古時鑿的。」另一個男子如此說。

「看起來很威武的樣子。要說誰最厲害,從古至今人們都說仁王最厲害。聽說比日本武尊(譯注:大和國家成立初期的傳說中英雄)更強呢!」另一個男子插口道。
這男子將和服後方往上折進背部腰帶,又沒戴帽子,看起來不像是受過教育的人。

邞c絲毫不為圍觀者的閒言閒語所動,只專心致意揮動著手中的鑿子和棒槌。他甚至連頭也不回,立在高處仔細雕鑿著仁王的臉部。

邞c頭上戴著一頂小烏紗帽般的東西,身上穿著一件素袍(譯註:鐮倉時代的庶民麻布便服)之類的衣服,寬大的兩袖被縛在背部。樣子看起來很古樸。和在四周喋喋不休看熱鬧的人群格格不入。我仍舊立在一旁,心裡奇怪邞c為何能活到現在,真是不可思議。

可是邞c卻以一付理所當然,不足為奇的態度拼命雕鑿著。一個仰頭觀看的年輕男子,轉頭對我贊賞道:
「真不愧是邞c,目中無人呢!他那種態度好像在說,天下英雄唯仁王與我。真有本事!」

我覺得他說的很有趣,回頭看了他一眼,他立刻又說:
「你看他那鑿子和棒槌的力道!真是達到哂米匀绲木辰纾 
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第七夜[/B]

 何でも大きな船に仱盲皮い搿
 この船が毎日毎夜すこしの絶間なく煠蛲陇い评摔蚯肖盲七Mんで行く。凄じい音である。けれどもどこへ行くんだか分らない。ただ波の底から焼火箸のような太陽が出る。それが高い帆柱の真上まで来てしばらく挂っているかと思うと、いつの間にか大きな船を追い越して、先へ行ってしまう。そうして、しまいには焼火箸のようにじゅっといってまた波の底に沈んで行く。そのたんびに蒼い波が遠くの向うで、蘇枋の色に沸き返る。すると船は凄じい音を立ててその跡を追かけて行く。けれども決して追つかない。
 ある時自分は、船の男を捕まえて聞いて見た。
「この船は西へ行くんですか」
 船の男は怪訝な顔をして、しばらく自分を見ていたが、やがて、
「なぜ」と問い返した。
「落ちて行く日を追かけるようだから」
 船の男はからからと笑った。そうして向うの方へ行ってしまった。
「西へ行く日の、果は東か。それは本真か。東出る日の、御里は西か。それも本真か。身は波の上。[#「楫」に「ほこづくり」を加える、55-12]枕。流せ流せ」と囃している。舳へ行って見たら、水夫が大勢寄って、太い帆綱を手繰っていた。
 自分は大変心細くなった。いつ陸へ上がれる事か分らない。そうしてどこへ行くのだか知れない。ただ煠蛲陇い撇à蚯肖盲菩肖陇坤堡悉郡筏扦ⅳ搿¥饯尾à悉工长证霂冥い猡韦扦ⅳ盲俊kH限もなく蒼く見える。時には紫にもなった。ただ船の動く周囲だけはいつでも真白に泡を吹いていた。自分は大変心細かった。こんな船にいるよりいっそ身を投げて死んでしまおうかと思った。
 伜悉悉郡丹螭い俊¥郡い皮い袭惾摔韦瑜Δ扦ⅳ盲俊¥筏筏い恧い恧暑啢颏筏皮い俊?栅瑫窑盲拼瑩eれた時、一人の女が欄に倚りかかって、しきりに泣いていた。眼を拭く手巾の色が白く見えた。しかし身体には更紗のような洋服を着ていた。この女を見た時に、悲しいのは自分ばかりではないのだと気がついた。
 ある晩甲板の上に出て、一人で星を眺めていたら、一人の異人が来て、天文学を知ってるかと尋ねた。自分はつまらないから死のうとさえ思っている。天文学などを知る必要がない。黙っていた。するとその異人が金牛宮の頂にある七星の話をして聞かせた。そうして星も海もみんな神の作ったものだと云った。最後に自分に神を信仰するかと尋ねた。自分は空を見て黙っていた。
 或時サローンに這入ったら派手な衣裳を着た若い女が向うむきになって、洋琴を弾いていた。その傍に背の高い立派な男が立って、唱歌を唄っている。その口が大変大きく見えた。けれども二人は二人以外の事にはまるで頓着していない様子であった。船に仱盲皮い胧陇丹ㄍ欷皮い毪瑜Δ扦ⅳ盲俊
 自分はますますつまらなくなった。とうとう死ぬ事に決心した。それである晩、あたりに人のいない時分、思い切って海の中へ飛び込んだ。ところが――自分の足が甲板を離れて、船と縁が切れたその刹那に、急に命が惜しくなった。心の底からよせばよかったと思った。けれども、もう遅い。自分は厭でも応でも海の中へ這入らなければならない。ただ大変高くできていた船と見えて、身体は船を離れたけれども、足は容易に水に着かない。しかし捕まえるものがないから、しだいしだいに水に近づいて来る。いくら足を縮めても近づいて来る。水の色は盲俊
 そのうち船は例の通り煠蛲陇い啤⑼à赀^ぎてしまった。自分はどこへ行くんだか判らない船でも、やっぱり仱盲皮い敕饯瑜盲郡仁激幛莆颏辘胜椤ⅳ筏猡饯挝颏辘蚶盲工胧陇扦氦恕o限の後悔と恐怖とを抱いてげà畏饯鼐菠寺浃沥菩肖盲俊

我搭上一艘大船。

這艘船日夜無休無止盡地吐著黑煙,破浪前行。船發出很響亮的聲音。可是我不知道這艘船將駛往何方。只是每天可見燒紅火箸般的太陽,從浪底昇上來。昇到高聳的帆柱上空時,會駐足不動,但不一會兒又會超越船身,漸行漸遠。最後再像燒紅火箸浸入水中般,發出嗤嗤聲沉入浪底。每當太陽沉入浪底時,遠方的綠波會滾滾沸騰成酡紅色。大船也會發出震耳欲聾的聲響奮力直追,卻總是瞠乎其後。

某天,我抓住一位船上的男子問:
「這艘船是在往西行嗎?」

男子訝異地觀看了我一會兒後,才回問:
「為什麼?」
「因為看上去好像在追落日。」
男子呵呵笑了起來。然後逕自走遠。

爾後,耳邊傳來一陣喝彩。

「西行之日,盡頭是東嗎?這是真的嗎?日出東方,娘家是西嗎?這也真的嗎?身在浪上,以櫓為枕,漂啊漂吧!」

我循聲走至船首,原來是許多水手們正在合力拉著粗重的帆繩。

我感到非常不安。既不知何時才能靠岸,也不知將駛往何方。只知道船隻吐著黑煙一直前行。巨浪滔天,蒼藍得無可言喻,有時又會化為紫色。只有船身四周總是白沫飛騰。我感到非常不安。心想,與其待在船上,不如縱身海底。

船上乘客很多。但大半是外國人。不過容貌有異。某天,天色陰霾,船身搖晃不定,我瞧見一個女子在倚欄低泣。更瞧見她擦拭眼淚時那條白色手帕。她身穿印花洋裝。看到她時,我才恍悟原來船上悲傷的人不只是我一個。

一天夜晚,我獨自在甲板上眺望星空時,有個外國人走近問我懂不懂天文學。我心想,我正無聊得想自殺了,根本沒必要學天文學。所以我不回話。可是這個外國人竟說起金牛宮上有七姊妹星團的事,又說,星空與大海都是上帝的創作。最後問我,信不信上帝。我只是沉默不語地望著星空。

又有一次,我到沙龍喝酒,看見一個衣著入時的年輕女子,背對著沙龍入口正在彈鋼琴。她身旁立著一個高大英俊的男子,正在引吭高歌。男子的嘴巴看起來大得驚人。倆人的樣子,看上去像是完全無視他人存在似的,也看上去像是忘卻了身置船上之事似的。

我越來越感到無聊。終於下定尋死的決心。因此某天夜晚,趁著四下無人時,斷然縱身躍入海裡。然而……當我雙腳離開甲板,與船隻絕緣的那一剎那,突然感到就這樣死的話太可惜了。我衷心後悔起我做的行動。可是,一切都太遲了。再怎麼後悔,我終究得沉入海底。

只是船隻似乎很高,我的身子雖已離開船隻了,雙腳卻久久都不能著水。身旁又沒有可抓的東西,於是我的身子逐漸逼近海面。我拼命縮起腳,但海面仍一步步向我逼近過來。水面一片漆黑。

然後,船隻一如平常地吐著黑煙,從我身邊駛過。此時,我才醒悟到,即使不知船隻將駛往何方,我仍應該待在船上的。遺憾的是,我已無法實行了悟後的道理,只能懷抱著無限悔恨與恐佈,靜靜地墜落於黑浪中。
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第八夜[/B]

 床屋の敷居を跨いだら、白い着物を着てかたまっていた三四人が、一度にいらっしゃいと云った。

 真中に立って見廻すと、四角な部屋である。窓が二方に開いて、残る二方に鏡が懸っている。鏡の数を勘定したら六つあった。

 自分はその一つの前へ来て腰をおろした。すると御尻がぶくりと云った。よほど坐り心地が好くできた椅子である。鏡には自分の顔が立派に映った。顔の後には窓が見えた。それから帳場格子が斜に見えた。格子の中には人がいなかった。窓の外を通る往来の人の腰から上がよく見えた。

 庄太郎が女を連れて通る。庄太郎はいつの間にかパナマの帽子を買って被っている。女もいつの間に拵らえたものやら。ちょっと解らない。双方とも得意のようであった。よく女の顔を見ようと思ううちに通り過ぎてしまった。

 豆腐屋が喇叭を吹いて通った。喇叭を口へあてがっているんで、頬ぺたが蜂に螫されたように膨れていた。膨れたまんまで通り越したものだから、気がかりでたまらない。生涯蜂に螫されているように思う。

 芸者が出た。まだ御化粧をしていない。島田の根が緩んで、何だか頭に締りがない。顔も寝ぼけている。色沢が気の毒なほど悪い。それで御辞儀をして、どうも何とかですと云ったが、相手はどうしても鏡の中へ出て来ない。

 すると白い着物を着た大きな男が、自分の後ろへ来て、鋏と櫛を持って自分の頭を眺め出した。自分は薄い髭を捩って、どうだろう物になるだろうかと尋ねた。白い男は、何にも云わずに、手に持った琥珀色の櫛で軽く自分の頭を叩いた。

「さあ、頭もだが、どうだろう、物になるだろうか」と自分は白い男に聞いた。白い男はやはり何も答えずに、ちゃきちゃきと鋏を鳴らし始めた。

 鏡に映る影を一つ残らず見るつもりで眼を睁っていたが、鋏の鳴るたんびにっwんで来るので、恐ろしくなって、やがて眼を閉じた。すると白い男が、こう云った。

「旦那は表の金魚売を御覧なすったか」

 自分は見ないと云った。白い男はそれぎりで、しきりと鋏を鳴らしていた。すると突然大きな声で危険と云ったものがある。はっと眼を開けると、白い男の袖の下に自転車の輪が見えた。人力の梶棒が見えた。と思うと、白い男が両手で自分の頭を押えてうんと横へ向けた。自転車と人力車はまるで見えなくなった。鋏の音がちゃきちゃきする。

 やがて、白い男は自分の横へ廻って、耳の所を刈り始めた。毛が前の方へ飛ばなくなったから、安心して眼を開けた。粟餅や、餅やあ、餅や、と云う声がすぐ、そこでする。小さい杵をわざと臼へあてて、拍子を取って餅を搗いている。粟餅屋は子供の時に見たばかりだから、ちょっと様子が見たい。けれども粟餅屋はけっして鏡の中に出て来ない。ただ餅を搗く音だけする。

 自分はあるたけの視力で鏡の角を覗き込むようにして見た。すると帳場格子のうちに、いつの間にか一人の女が坐っている。色の浅っ济螡猡ご蟊逝恰Ⅲ姢蜚y杏返しに結って、]子の半襟のかかった素袷で、立膝のまま、札の勘定をしている。札は十円札らしい。女は長い睫を伏せて薄い唇を結んで一生懸命に、札の数を読んでいるが、その読み方がいかにも早い。しかも札の数はどこまで行っても尽きる様子がない。膝の上に仱盲皮い毪韦悉郡坤倜钉挨椁い坤ⅳ饯伟倜钉い膜蓼强倍à筏皮獍倜钉扦ⅳ搿

 自分は茫然としてこの女の顔と十円札を見つめていた。すると耳の元で白い男が大きな声で「洗いましょう」と云った。ちょうどうまい折だから、椅子から立ち上がるや否や、帳場格子の方をふり返って見た。けれども格子のうちには女も札も何にも見えなかった。

 代を払って表へ出ると、門口の左側に、小判なりの桶が五つばかり並べてあって、その中に赤い金魚や、斑入の金魚や、痩せた金魚や、肥った金魚がたくさん入れてあった。そうして金魚売がその後にいた。金魚売は自分の前に並べた金魚を見つめたまま、頬杖を突いて、じっとしている。騒がしい往来の活動にはほとんど心を留めていない。自分はしばらく立ってこの金魚売を眺めていた。けれども自分が眺めている間、金魚売はちっとも動かなかった。

跨進理髮店門檻時,三、四個穿著白色制服的員工異口同聲地喊著歡迎光臨。

我站在理髮店中央環顧四周,這是一間四方形的房間。兩邊有窗,另兩邊掛著鏡子。數了數,共有六面鏡子。

我坐到其中一面鏡子前,剛坐下椅子就發出噗嗤聲。看來這是張挺舒服的椅子。鏡子清晰地映照出我的臉。鏡中的臉後,可見窗戶,也可見斜後方的櫃台。櫃台裡沒有人。倒是窗外來來往往的行人的上半身,看得很清楚。

我看到庄太郎帶著一個女人走過。他戴著一頂不知何時買回的巴拿馬草帽。那女人也不知何時釣上的。兩人看上去一臉春風得意的樣子。本想再仔細瞧瞧女人長得什麼模樣,可惜兩人已走遠了。

再來是豆腐小販吹著喇叭經過。他把喇叭含在嘴裡,因此雙頰像被蜜蜂螯過似地鼓得腫腫的。正因為鼓著雙頰經過,害我老掛在心上,總覺得他這輩子一直像被蜜蜂螯到一樣。

有個藝妓出來了。臉上還沒上妝。本梳成島田髻的髮型也鬆落了,看起來懶懶散散的樣子。不但睡眼惺忪,臉色也非常蒼白。我向她點了個頭,道了幾句寒喧話,可惜對方老是不出現在鏡中。

然後有個穿著白色制服的高大男子,來到我身後,他手持梳子剪刀,仔細地端詳著我的腦袋。我捻著下巴上的薄鬚,問他:怎樣?能不能剪成個樣子?

白衣男子,不發一言,只用手中的琥珀色梳子輕輕敲著我的頭。
「頭呢?能不能理成個樣子?」我再問白衣男子。
白衣男子依然不回話,喀嚓喀嚓地開始動剪。

我睜大著雙眼,本不想遺漏任何鏡中的鏡頭的,可是剪刀每一響,就會有黑髮落在眼前,擔心黑髮掉進眼裡,只得閉上眼。豈知白衣男子竟在這時開口:
「先生,你看到外面那賣金魚的嗎?」

我回說,沒瞧見。他也就沒再開口,繼續操作著剪刀。突然我聽到有人在大喊危險。趕忙睜開雙眼。只見白衣男子的衣袖下出現一個腳踏車輪子。也看到人力車的車把。才剛看到,白衣男子即雙手抓住我的頭,把我的頭扭向別處。腳踏車及人力車都消失了。耳邊又響起剪刀的喀嚓喀嚓聲。

不久,白衣男子繞到我旁邊,開始剃起耳朵旁的頭髮。頭髮不再在眼前亂舞,我安心地睜開眼。外面傳來粟糕啊、糕啊、糕啊的叫賣聲。賣糕的特意將小杵擊在臼上,配合著叫賣聲拍子在搗糕。我因為只在兒時曾看過賣粟糕的,所以很想再看一眼,可是賣糕小販卻不肯出現在鏡中。我只聽得見搗糕聲。

我將全部視力集中在鏡角。發現櫃台內不知何時坐了一個女子。膚色微黑,濃眉大眼,身材高大,頭上梳了個銀杏髮,穿著一件黑緞白領有襯裡的和服,半蹲半坐地正在數鈔票。好像是十元鈔票。女子垂下長長的睫毛,抿著雙唇,專心數著鈔票,而且數得很快。可是那疊鈔票竟像是永遠都數不完似的。膝上那疊鈔票,看上去至少有百張以上,一百張鈔票再怎麼數應該也還是一百張才對。

我茫然地盯視著女子與十元鈔票。突然耳畔響起白衣男子大聲的吆喝:「洗頭吧!」這正是個好機會,於是我從椅子上站起來,順便回頭看了一下櫃台。豈知櫃台內不但沒有女子的身姿,也沒有十元鈔票。

付了錢,走出店外,我看到門口左側並排著五個橢圓形木桶,裡面有許多紅色的金魚、有斑紋的金魚、瘦骨嶙峋的金魚、肥金魚。金魚販站在木桶後方。他托著腮,目不轉睛地望著眼前的金魚,完全不為四周的喧嘩景物所動。我看了一會兒金魚販。可是在我盯看著他的當兒,他依舊紋風不動。
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第九夜[/B]

 世の中が何となくざわつき始めた。今にも戦争が起りそうに見える。焼け出された裸馬が、夜昼となく、屋敷の周囲を暴れ廻ると、それを夜昼となく足軽共が犇きながら追かけているような心持がする。それでいて家のうちは森として静かである。
 家には若い母と三つになる子供がいる。父はどこかへ行った。父がどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。床の上で草鞋を穿いて、ゎ^巾を被って、勝手口から出て行った。その時母の持っていた雪洞の灯が暗い闇に細長く射して、生垣の手前にある古い檜を照らした。
 父はそれきり帰って来なかった。母は毎日三つになる子供に「御父様は」と聞いている。子供は何とも云わなかった。しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。母が「いつ御帰り」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。その時は母も笑った。そうして「今に御帰り」と云う言葉を何遍となく繰返して教えた。けれども子供は「今に」だけを覚えたのみである。時々は「御父様はどこ」と聞かれて「今に」と答える事もあった。
 夜になって、四隣が静まると、母は帯を締め直して、鮫鞘の短刀を帯の間へ差して、子供を細帯で背中へ背負って、そっと潜りから出て行く。母はいつでも草履を穿いていた。子供はこの草履の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。
 土塀の続いている屋敷町を西へ下って、だらだら坂を降り尽くすと、大きな銀杏がある。この銀杏を目標に右に切れると、一丁ばかり奥に石の鳥居がある。片側は田圃で、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、それを潜り抜けると、暗い杉の木立になる。それから二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の階段の下に出る。鼠色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴の傍に八幡宮と云う額が懸っている。八の字が、鳩が二羽向いあったような書体にできているのが面白い。そのほかにもいろいろの額がある。たいていは家中のものの射抜いた金的を、射抜いたものの名前に添えたのが多い。たまには太刀を納めたのもある。
 鳥居を潜ると杉の梢でいつでも梟が鳴いている。そうして、冷飯草履の音がぴちゃぴちゃする。それが拝殿の前でやむと、母はまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんで柏手を打つ。たいていはこの時梟が急に鳴かなくなる。それから母は一心不乱に夫の無事を祈る。母の考えでは、夫が侍であるから、弓矢の神の八幡へ、こうやって是非ない願をかけたら、よもや聴かれぬ道理はなかろうと一図に思いつめている。
 子供はよくこの鈴の音で眼を覚まして、四辺を見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。その時母は口の内で何か祈りながら、背を振ってあやそうとする。すると旨く泣きやむ事もある。またますます烈しく泣き立てる事もある。いずれにしても母は容易に立たない。
 一通り夫の身の上を祈ってしまうと、今度は細帯を解いて、背中の子を摺りおろすように、背中から前へ廻して、両手に抱きながら拝殿を上って行って、「好い子だから、少しの間、待っておいでよ」ときっと自分の頬を子供の頬へ擦りつける。そうして細帯を長くして、子供を縛っておいて、その片端を拝殿の欄干に括りつける。それから段々を下りて来て二十間の敷石を往ったり来たり御百度を踏む。
 拝殿に括りつけられた子は、暗闇の中で、細帯の丈のゆるす限り、広縁の上を這い廻っている。そう云う時は母にとって、はなはだ楽な夜である。けれども縛った子にひいひい泣かれると、母は気が気でない。御百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。仕方のない時は、中途で拝殿へ上って来て、いろいろすかしておいて、また御百度を踏み直す事もある。
 こう云う風に、幾晩となく母が気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父は、とくの昔に浪士のために殺されていたのである。
 こんな悲い話を、夢の中で母から聞いた。

這個社會逐漸動盪不安,眼看戰爭即將爆發。好比遭遇空襲無處可歸的無鞍馬,不分晝夜地在住家四周狂奔,而走卒們也不捨晝夜地猛追馬隻一樣混亂。可是在住家中卻呈現一片死寂。

家中有一個年輕母親與一個三歲小孩。父親出門不知往何方去了。父親是在一個不見星月的深夜離家的。他是在房裡穿起草鞋,戴上黑頭巾,再從廚房後門離家的。那時,母親手持紙罩蠟燈,燈火細長地在黑夜中晃動,映照出籬笆前那株古柏。

父親從此沒再回來。母親每天問三歲的孩子:「爸爸呢?」,孩子無言以對。過一陣子,孩子才學會回說:「那邊。」。母親問孩子:「爸爸什麼回來?」,孩子也只會笑著回說:「那邊。」。這時母親也會跟著笑開來。然後母親反覆地教孩子說:「不久就會回來。」,可是孩子只學會了「不久」這句話。有時問孩子:「爸爸在哪裡?」,孩子會回說:「不久」。

每天夜晚,等人聲俱寂後,母親會繫緊腰帶,在腰間插上一把鮫鞘短刀,用細長揹帶將孩子揹在背上,再躡手躡腳從小門溜出去。母親總是穿著草屐。孩子在背上聽著母親的草屐聲,有時不知不覺便在母親背上睡著了。

穿過一連串水泥牆圍繞的宅邸往西走,再越過漫長的斜坡,即可見一株高大的銀杏樹。以此為目標右轉,往裡走一百多公尺即有座神社的石牌坊。

走在一邊是田圃,另一邊是叢生的山白竹小徑來到此石牌坊後,鑽進牌坊便是一大片杉林。再走過三十多公尺的石板路,便可到一棟陳舊的神殿階下。

被風雨吹灑成灰白色的捐獻箱上,垂掛著一條頂端繫著銅鈴的粗繩,白天來的話,可見銅鈴旁懸掛著一個寫有“八幡宮”的匾額。“八”字像是兩隻對望的鴿子,很有趣。其他還有許多信徒獻納的匾額。多是諸侯臣下弓賽中獲勝的標的,標的旁刻有射手名字。也有獻納大刀的。

每次躦過石牌坊,總可聽見杉樹枝頭上傳來貓頭鷹的叫聲。當然也夾雜著母親那破舊草屐的啪嗒啪嗒聲。草屐聲在神殿前嘎然而止,然後母親會先拉一下銅鈴,再蹲下身擊掌合十。

此時,貓頭鷹通常會停止鳴叫。母親再全心全意地祈求夫君平安無事。母親認為,夫君是武士,因此在弓箭之神的八幡宮拜求,應該沒有不應驗的道理。

孩子常被鈴聲驚醒,眼一睜看到四周一片漆黑,有時會突然在背上哭泣起來。這時母親會一邊嘴裡陡妫贿厯u哄著背上的孩子。孩子有時會安靜下來,有時會哭得更厲害。不管是安靜或哭得更厲害,母親都不會放棄陡娑酒鹕韥怼
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 楼主| 发表于 2004-1-10 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]第十夜[/B]

 庄太郎が女に攫われてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が出てどっと、床に就いていると云って健さんが知らせに来た。
 庄太郎は町内一の好男子で、至極善良な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子を被って、夕方になると水菓子屋の店先へ腰をかけて、往来の女の顔を眺めている。そうしてしきりに感心している。そのほかにはこれと云うほどの特色もない。
 あまり女が通らない時は、往来を見ないで水菓子を見ている。水菓子にはいろいろある。水蜜桃や、林檎や、枇杷や、バナナを綺麗に护耸ⅳ盲啤ⅳ工耙娢栉铯顺证盲菩肖堡毪瑜Δ硕肖藖Kべてある。庄太郎はこの护蛞姢皮暇_麗だと云っている。商売をするなら水菓子屋に限ると云っている。そのくせ自分はパナマの帽子を被ってぶらぶら遊んでいる。
 この色がいいと云って、夏蜜柑などを品評する事もある。けれども、かつて銭を出して水菓子を買った事がない。ただでは無論食わない。色ばかり賞めている。
 ある夕方一人の女が、不意に店先に立った。身分のある人と見えて立派な服装をしている。その着物の色がひどく庄太郎の気に入った。その上庄太郎は大変女の顔に感心してしまった。そこで大事なパナマの帽子を脱って丁寧に挨拶をしたら、女は辉懁我环螭い韦蛑袱筏啤ⅳ长欷蛳陇丹い仍皮Δ螭恰⒆嗓悉工挨饯位を取って渡した。すると女はそれをちょっと提げて見て、大変重い事と云った。
 庄太郎は元来閑人の上に、すこぶる気作な男だから、ではお宅まで持って参りましょうと云って、女といっしょに水菓子屋を出た。それぎり帰って来なかった。
 いかな庄太郎でも、あんまり呑気過ぎる。只事じゃ無かろうと云って、親類や友達が騒ぎ出していると、七日目の晩になって、ふらりと帰って来た。そこで大勢寄ってたかって、庄さんどこへ行っていたんだいと聞くと、庄太郎は電車へ仱盲粕饯匦肖盲郡螭坤却黏à俊
 何でもよほど長い電車に違いない。庄太郎の云うところによると、電車を下りるとすぐと原へ出たそうである。非常に広い原で、どこを見廻しても青い草ばかり生えていた。女といっしょに草の上を歩いて行くと、急に絶壁の天辺へ出た。その時女が庄太郎に、ここから飛び込んで御覧なさいと云った。底を覗いて見ると、切岸は見えるが底は見えない。庄太郎はまたパナマの帽子を脱いで再三辞退した。すると女が、もし思い切って飛び込まなければ、豚に舐められますが好うござんすかと聞いた。庄太郎は豚と雲右衛門が大嫌だった。けれども命には易えられないと思って、やっぱり飛び込むのを見合せていた。ところへ豚が一匹鼻を鳴らして来た。庄太郎は仕方なしに、持っていた細い檳榔樹の洋杖で、豚の鼻頭を打った。豚はぐうと云いながら、ころりと引っ繰り返って、絶壁の下へ落ちて行った。庄太郎はほっと一と息接いでいるとまた一匹の豚が大きな鼻を庄太郎に擦りつけに来た。庄太郎はやむをえずまた洋杖を振り上げた。豚はぐうと鳴いてまた真逆様に穴の底へ転げ込んだ。するとまた一匹あらわれた。この時庄太郎はふと気がついて、向うを見ると、遥の青草原の尽きる辺から幾万匹か数え切れぬ豚が、群をなして一直線に、この絶壁の上に立っている庄太郎を目懸けて鼻を鳴らしてくる。庄太郎は心から恐縮した。けれども仕方がないから、近寄ってくる豚の鼻頭を、一つ一つ丁寧に檳榔樹の洋杖で打っていた。不思議な事に洋杖が鼻へ触りさえすれば豚はころりと谷の底へ落ちて行く。覗いて見ると底の見えない絶壁を、逆さになった豚が行列して落ちて行く。自分がこのくらい多くの豚を谷へ落したかと思うと、庄太郎は我ながら怖くなった。けれども豚は続々くる。叅俗悚à啤⑶嗖荬蛱い叻证堡毪瑜Δ蕜荬い菬o尽蔵に鼻を鳴らしてくる。
 庄太郎は必死の勇をふるって、豚の鼻頭を七日六晩叩いた。けれども、とうとう精根が尽きて、手が蒟蒻のように弱って、しまいに豚に舐められてしまった。そうして絶壁の上へ倒れた。
 健さんは、庄太郎の話をここまでして、だからあんまり女を見るのは善くないよと云った。自分ももっともだと思った。けれども健さんは庄太郎のパナマの帽子が貰いたいと云っていた。
 庄太郎は助かるまい。パナマは健さんのものだろう。

阿健告訴我,庄太郎被女人迷走後,於第七天晚上突然回來了,一回來就發高燒,臥病不起。

庄太郎是鎮內長得最俊的男子,而且善良老實。只是有個癖好。黃昏時,他喜歡戴著巴拿馬草帽坐在鮮果店前,眺望著路上的行人女子。然後頻頻讚嘆那些女子。除此以外,其他也沒什麼特點。

若行人女子不多,他就看水果。店裡有各色各樣的水果,水蜜桃、蘋果、枇杷、香蕉等,都被整齊地裝在籃內,而且排成兩列,可讓買主買了後提著籃子去探病。庄太郎看著這些籃子,老是稱讚說好看。又說,將來若要開店一定只開水果店。說歸說,他卻成天老戴著草帽四處遊盪。

他有時也會稱說這個橘子色澤好之類的話,但是從未花錢買過水果。要給他白吃,他絕對不吃。只是稱贊色澤。

某天傍晚,一個女子出其不意地來到店頭。衣著華麗,想必是有身分地位的人。庄太郎非常中意她身上衣服的顏色。而且,對女子的容貌也心動不已。於是他脫下草帽恭謹地打了招呼。女子指著最大一籃水果說要買下,庄太郎立刻提起來給她。女子接過後提了一提,說太重了。

庄太郎本就無所事事,人又爽朗,便回說我幫妳送到府上,然後和女子一起離開店頭。那以後,就沒再回來過。

不管庄太郎人再爽朗,這未免太不像話了。正當親朋好友議論紛紛說這事非比尋常時,第七天晚上,庄太郎突然回來了。於是大夥兒聚集在他家,追問他這幾天到底去哪兒了,庄太郎竟回說搭電車到山上去了。

那一定是很長一段旅途。根據庄太郎描述,他下了電車後發現來到一片草原。那草原非常遼闊,眼底下盡是青草。他跟女子走在草原上,走著走著來到峭壁頂上,這時女子對庄太郎說,你從這裡跳下去看看。庄太郎往下一瞧,雖可見峭壁岩石,但深不見底。庄太郎這時又脫下草帽,恭謹地辭退了女子的建議。女子又說,如果不願意跳,你會被豬舔,好嗎?

庄太郎最討厭豬和雲右衛門(譯注:浪曲師)。可是性命畢竟是寶貴的,他仍舊選擇不跳。豈知竟真的出現了一頭哼哼直叫的豬。庄太郎不得已只好用手上那支檳榔樹枝製成的細長柺杖,往豬鼻頭打下。豬哀鳴了一聲,翻滾了幾下,掉落到絕壁下。

庄太郎鬆了一口氣,不料又有一頭豬用牠那大鼻子蹭過來。庄太郎不得不又揮舞著柺杖。豬又哀叫著四腳朝天滾落到谷底。然後又一頭豬出現了。這時庄太郎才驚覺到遙遙對面草原盡頭,有數以萬計的豬群排成一直線,以立在懸崖上的庄太郎為目標,正在聳動著鼻子。

庄太郎打心底驚慌起來。可是沒有其他法子,只好用檳榔樹柺杖小心謹慎地一頭一頭驅打挨近來的豬群。不可思議的是,柺杖只要稍稍碰到豬鼻,豬隻就會滾落谷底。往下看看,只見四腳朝天的豬群排成一列掉進不見谷底的深淵。

庄太郎想到原來自己已推落了這麼多頭豬至谷底,不由得更覺恐懼。可是豬群仍接二連三挨近來。像是一大片烏雲長了腳,萬馬奔騰般蹚開草叢鳴著無窮盡的鼻子直飛過來。

庄太郎拼命奮勇地打豬鼻,整整打了七天六夜。最後終於體力不支,手足像蒟蒻般軟弱無力,結果被豬舔了,然後倒躺在峭壁上。

阿健只說到這裡,又加一句:所以最好不要隨便看女人。

我也認為阿健說的很有道理。又想起,阿健曾說過想跟庄太郎要那頂巴拿馬草帽。

我想,庄太郎可能會回天乏術。帽子大概是阿健的吧!
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发表于 2004-1-11 23:00:00 | 显示全部楼层
《梦十夜》属于幻想文学,下面为查到的一些相关资料。

夢十夜. 作品名読み:, ゆめじゅうや. 著者名:, 夏目

漱石。
 漱石の幻想的な物語

夏目漱石による短編集。十夜分の話が一夜ずつ展開していく。夢とタイトルにつくだけあって、どれも摩訶不思議な話だ。そしてなぜかしんとした静けさに似た恐怖が胸に降る話が多い。変な夢を見てがばっと起き上がるあの心持ちにもどこか似ている。



邞cが彫刻を彫っているところを眺める夢はなんだかユーモラスだ。仁王は木の中に埋まっているというのはミケランジェロの言葉を思い出させる。大理石の中に埋まっている女神やなんかを助け出すのが彼の仕事だという言葉だ。



漱石の文章は何かを描き出す時の筆致が非常に細かい所まで行き届いているのに感心するが、この作品でも登場人物の表情や服、その雰囲気などを美しくかつ正確に描写している。一つ一つの話が絵となって心に残るような作品だ。






 正直言って夢十夜を読むまで私は漱石を好きではありませんでした。

なんか陰気臭いし、救いがないことが何よりすきになれなかった理由です。



私は夢十夜を学校の課題で読みました。

夢十夜というくらいなので、第1夜から第10夜まで分かれた短編小説です。



最初にこの夢十夜を評価したといわれる伊藤整曰く、漱石のあたまんなかにある夢のようなことが、写実的な文章で描かれることでより現実的になったんだとか。。。

確かに話自体は不思議なのに、文章は現実のことを書いているようだから余計に不思議な雰囲気が出ているような気がします。



文献を調べてみると、漱石が調度この頃出した手紙に、死ぬくらいの覚悟で文学に取り組みたいと思う、草枕みたいに美的世界に漬かってたんじゃダメだ、と!いう内容のものが。



第十夜で、美的世界の代表者みたいな男の子を殺しちゃう(正確には死ぬ直前)んですね、苦悩しながらも夢の世界から決別する漱石の姿が、今まで私の描いていた漱石と違って見えて、なんだか好きになりました。



この作品が漱石にとってそういう大事な転換期に出来たものだと思うとより興味深くなりません?



でもまあ、そんな難しいこと考えずに短くて面白いもんですから、楽しんでみてくださいな☆





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发表于 2004-8-22 09:08:38 | 显示全部楼层
收到,谢谢了
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发表于 2004-8-24 05:23:27 | 显示全部楼层
谢了!
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发表于 2004-8-24 09:37:32 | 显示全部楼层
努力的看着呢!
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发表于 2004-8-25 21:08:24 | 显示全部楼层
辛苦了,总斑竹!
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